1.スレート屋根 カバー工法の費用

1-1カバー工法の見積もり例


【スレート屋根→ガルバリウム鋼板】

見積書のイメージモデル:総2階・戸建て住宅・建坪35坪・切妻・屋根面積80㎡・既存スレート(コロニアル)屋根

 

項目 単価 数量 金額
下葺き材(ルーフィング) 800円 80m 64,000円
ガルバリウム鋼板 6,500円 80m 520,000円
軒先水切り板金 2,500円 16m 40,000円
ケラバ板金 2,500円 20m 50,000円
棟板金 3,500円 8m 28,000円
諸経費(10%) 1 70,200円
合計 1 1 772,200円

1-2屋根材別簡易見積もり


見積書のイメージモデル:総2階・戸建て住宅・建坪35坪・切妻・屋根面積80㎡・既存スレート(コロニアル)屋根

 

屋根の種類 単価 数量 金額
ガルバリウムフッ素 11,500円 80㎡ 920,000円
ステンレス 19,000円 80㎡ 1,520,000円
ジンカリウム鋼板 11,500円 80㎡ 920,000円

1-3状況によって発生する費用

項目 単価 数量 金額
下地材(コンパネ) 2,200円 80㎡ 176,000円
雨押さえ板金 3,500円 8m 28,000円
足場費用 800円 250㎡ 200,000円
軒樋(角) 3,300円 16m 52,800円
たて樋(角) 3,200円 24m 76,800円
集水器 4,000円 4カ所 16,000円
既存雨樋撤去処分 800円 40m 32,000円
雪止め金具取付 1,400円 16m 22,400円
棟換気の取付 25,000円 2m 50,000円
駐車場代/搬入出費 1 1 ※1必要時

※1 作業現場の立地条件により駐車場代や搬入費用が発生します。

実際の工事価格・費用は、屋根屋さんに現地調査をしてもらい正式な見積りを取ってください。

お住まいの地域や立地条件、下地状況、勾配など、さまざまな要因によって単価は変動します。
あくまで目安としてお考えください。

 

2.スレート屋根の塗り替えは本当に必要?

 

スレートコロニアル屋根塗装

塗装していないスレート(コロニアル)は、水が染み込み冬期には凍結膨張して表面が破壊されていきます。

屋根材を健全な状態で維持してく上では塗装は有効な手段とも言えます。

しかし、築20年以上塗装せず、コケだらけになっても雨漏りしない例はたくさんあります。

スレート屋根は本当に塗装する必要があるのでしょうか?

雨漏りを防いでいるのは屋根材ではなく、屋根材下にある防水シートがその役割を担っています。

その防水シートの寿命は30年程度と言われており、寿命が来れば雨漏りが起こります。

屋根材を塗装したからと言って防水シートの寿命が延命されるわけではありません。

改質ルーフィング

「防水シートの寿命30年で葺き替える」
「美観は一切気にしない」

ということであれば、一か八か塗り替えなしでも大丈夫かもしれません。

10年周期でしっかり塗装していても、築20年以内に雨漏りしたケースもあります。

新築時の防水シートの種類、屋根材、施工方法、建物の立地などさまざまな要因によって結果も様々です。

一概に「大丈夫」「ダメ」とも言い切れません。

人それぞれの考え方があっていいと思います。

屋根塗装

個人的には、屋根の寿命云々よりも、コケが生えボロボロの家に毎日住んでいるよりも、きれいな状態の家に住んでいる方が気持ちがいいとは思います。

3.塗り替え・カバー工法・葺き替えの判断基準!

 

屋根のメンテナンスには、大きく分けて、塗り替え、カバー工法、葺き替えの3種類に分類されます。

メンテナンス方法を選択する前に、まずは屋根の状態を業者にチェックしてもらいましょう。

その診断結果によって、下記を参考に正しいメンテナンス方法を選択してください。

軽微の劣化

 

スレート コロニアル

屋根材の表面の色のあせ:塗り替え

塗膜の剥がれ:塗り替え

下地がしっかりとしている前提で

20年以上メンテナンスをしたことがない:カバー工法

屋根材の劣化がかなり進行している:カバー工法

築30年以上経過している:カバー工法

著しい劣化

屋根修理

屋根材はもちろん下地まで傷んでいる:葺き替え

既に雨漏りしている:葺き替え

 

4.カバー工法の基礎知識

4-1カバー工法のメリット・デメリット

屋根カバー工法 費用


メリット

工事費用を抑えることができる

→解体工事費と廃材処分費がかからないので、費用を安く抑えることができます。

工事期間が短い

→解体工事が不要のため、その分工期も短くなります

屋根の耐久性が向上する

→ルーフィング(防水シート)と屋根材を一新することで、新築時と同様の耐久性が得られます。さらに断熱性、防音性、防水性が向上します。

デメリット

屋根が重くなります

→カバー工法は、屋根が二重になるため今よりも重くなります。

ガルバリウム鋼板などの軽量金属屋根の場合約5㎏/㎡なので、それほど重量を気にすることはありません。

一般的なスレート(コロニアル)にガルバリウム鋼板でカバー工法を行った場合、総重量は約23~26㎏/㎡になります。

瓦(和瓦・洋瓦)の屋根、約60㎏/㎡と比較するとはるかに軽量です。

 

4-2カバー工法ができる屋根・できない屋根

カバー工法ができる屋根とできない屋根があります。

金属系の屋根、スレート(コロニアル・カラーベスト)など形状が平坦で軽いものは、カバー工法ができます。

それとは逆に凹凸があり重い瓦(和瓦・洋瓦・セメント瓦)はカバー工法には向いていません。

また、太陽光発電の設置も難しくなりますので、将来、太陽光発電を計画されている方は、カバー工法ではなく、葺き替えを推奨します。

その他にも既存の屋根が著しく劣化している場合、カバー工法をおこなうことができません。

カバー工法は既存の屋根を下地として利用する工法です。腐食した野地板やスレート材は下地として機能せず、ビスを打ち込むことができません。

 

4-3カバー工法後のメンテナンス

 

新しい屋根材の種類によってメンテナンス方法がかわってきます。

ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板

新しくしてから10年を過ぎると色あせが目立つようになります。

遅くとも15~20年の期間中には塗装メンテナンスが必要になります。

塩害地域では耐久性が短く、10年1度の塗装が必要になるかもしれません。

いずれにしても、10年を目安に業者に屋根の状態をチェックしてもらい、必要があればメンテナンスを行ってください。  

ガルバリウムフッ素

ガルバリウム 耐久性

通常のガルバリウム鋼板よりも色あせスピードが、2、3年遅くなります。

ガルバリウム鋼板より若干耐久性は優れてはいますが、やはり塩害地域で10年、それ以外の地域で15年を経過した頃からメンテナンスを検討してください。  

ステンレス

ガルバリウム鋼板

色あせについては、ガルバリウム鋼板と同様です。

美観維持のためには15~20年位で塗装メンテンナンスが必要です。

美観を気にしなければ塗装の必要はありません。定期点検は必要です。

ジンカリウム鋼板

屋根 ディプロマット

ガルバリウム鋼板に天然の石粒を付着させた屋根材です。

表面が石なのでメンテナンスフリーです。定期点検は必要です。

4-4工事期間はどのくらいかかる?


屋根カバー工法の工事日数は、一般的な屋根の大きさ80㎡の屋根の例ですと、およそ5日前後を目安としてください。

葺き替えの時の屋根材の撤去や野地板工事が不要なため、工期は短くなります。

内訳は、

・足場設置 1日
・ルーフィング 1日
・屋根本体の施工 2日
・足場解体 1日

 

5.屋根カバー工法の流れ

5-1棟板金の撤去


棟板金撤去

既存の棟板金と材木を撤去します。

次の工程で下葺き材(ルーフィング)を敷くために、屋根をできる限り平らにします。

雪止めがある場合は取り外します。

カバー工法では既存の屋根材は撤去しないので、主な廃材は棟板金と材木のみとなります。

 

5-2下葺き材(ルーフィング)


下葺き(ルーフィング)

下葺き材は屋根本体の下に敷く防水シートのことです。ルーフィングとも呼びます。

屋根材の中で最も重要な役割を果たしている材料です。実際に雨漏りを防いでいるのは、この下葺き材(ルーフィング)です。

 

5-3軒先水切り


屋根工事 見積もり

屋根の先端部分に【軒先水切り】という部材を取り付けます。屋根内への雨水の浸入を防ぐことと、雨樋に雨をきちんと排水する役割があります。

 

5-4ケラバ水切り


屋根工事 カバー工法

ケラバとは屋根の両袖部分のことを言います。
形状によってはケラバ部分がない場合もあります。ケラバ部分に入り込んだ雨を、屋根の先端(軒先)までしっかりと排水する役割があります。

 

5-5新しい屋根材の設置


本体工事

新しい屋根材を軒先から張っていきます。屋根が2重になり、重くなってしまうので、新しい屋根材には比較的に軽い屋根材を用います。

 

5-6棟板金


屋根修理
出典:http://www.ohnobankinten.com/archives/485

棟板金(むねばんきん)とは屋根の最も高い位置に取り付ける部材です。

屋根と屋根の辺が合わさる山状の接合部分を覆って、雨水の浸入を防ぎ、かつ屋根材を固定する役割があります。

 

5-7雨押え板金


屋根工事

雨水の浸入を防ぐために、屋根と壁の立ち上がりの取合いなどに取り付けます。屋根と壁の接合部に取り付けます。

 

5-8谷とい板金


谷とい

谷といとは、文字通り屋根の谷の部分に取り付ける部材です。形状によっては谷がない屋根もあります。雨水を受けて、といで排水するような役割があります。

 

6.その他の工事

6-1足場工事


屋根足場

転落防止・落下物の防止・また近隣に迷惑がないようネットを張るためにも足場が必要になります。

屋根の勾配がきつい場合は、屋根の上にも足場が必要です。

 

6-2野地板増し張り


カバー工法 費用

野地板の増し張りとは、既存の屋根材の上に新しい野地板を張り下地を補強することを言います。

「コンパネ取付」「野地板重ね張り」「野地板重ね葺き」とも呼びます。

スレート瓦が著しく劣化している場合には、新しい屋根材の保持力を向上させるため、構造用合板をスレート瓦の上に被せます。

 

6-3雪止め金具

雪止め

積雪がある地域には雪止めを取り付けます。

屋根に積もった雪が、すべり落ちないように雪を引っ掛けるための部材です。

ちなみに豪雪地域では雪下ろしの邪魔になるので雪止め金具は取り付けません。

また、数十トン以上もの雪の重さには、雪止め金具では太刀打ちできません。

 

6-4アンテナ脱着

屋根修理

アンテナの一時撤去及び復旧工事

7.まとめ

スレート(コロニアル・カラーベスト)屋根へのカバー工法について、詳しくご紹介させていただきました。

カバー工法の費用についてより詳しく掲載しておりますが、業者の考え方によって大きく工事費用は増減します。

屋根工事費用は高額ですので、1社の見積書だけでなく、いくつかの業者に見積り依頼をお願いしましょう。

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