HOME » 屋根材の種類と特徴 » 【屋根材の重さ徹底比較!】軽いのはどれ?重さが家に与える影響と最適な屋根材選びの全知識
屋根瓦 費用

「うちの屋根って、一体どれくらいの重さなんだろう?」
「屋根材によって、そんなに重さが違うものなの?」
「屋根の重さが、家の耐震性や寿命に関係するって本当?」

普段あまり意識することのない「屋根の重さ」。しかし、実はこの屋根材の「重さ」が、住まいの安全性や耐久性、さらにはリフォームの選択肢にまで大きな影響を与えていることをご存知でしょうか?

特に地震が多い日本では、屋根の重さを理解し、適切な屋根材を選ぶことが、安心して暮らせる家づくりのために非常に重要です。

この記事では、
「代表的な屋根材の重さを具体的に知りたい!」
「屋根の重さが家にどんな影響を与えるの?」
「軽い屋根材と重い屋根材、それぞれのメリット・デメリットは?」
「屋根リフォームで重さを考慮する際のポイントは?」
といった疑問を解消するため、各屋根材の具体的な重量から、その重さがもたらす影響、そして最適な屋根材選びのヒントまで、初心者の方にも分かりやすく徹底的に解説します!

なぜ屋根材の「重さ」が重要なのか?~家への影響を理解しよう~

屋根の重さと耐震性

屋根は、家の一番高い位置にあり、常に建物を支えています。そのため、屋根材の重さは以下のような様々な影響を及ぼします。

  1. 地震時の揺れやすさ(耐震性)
    • 重い屋根: 建物の重心が高くなり、地震の際に家全体が大きく揺れやすくなります。柱や壁にかかる負担も増大し、倒壊のリスクが高まります。
    • 軽い屋根: 建物の重心が低くなり、地震時の揺れが小さく抑えられます。建物への負担も軽減され、耐震性が向上します。
    • これは、頭の重いコマと軽いコマを想像すると分かりやすいかもしれません。頭が重いコマは不安定で倒れやすく、軽いコマは安定して回り続けますよね。
  2. 建物構造への日常的な負荷
    • 屋根が重いほど、柱や梁、基礎といった建物の構造部分に常に大きな負荷がかかり続けます。長期的には、この負荷が建物の歪みや劣化を早める一因となる可能性があります。
  3. リフォーム時の制約
    • 既存の屋根が重い場合、さらに重い屋根材への葺き替えは、建物の構造上難しいことがあります。
    • 屋根カバー工法(既存屋根の上に新しい屋根材を重ねる工法)を行う際も、元の屋根材と新しい屋根材の合計重量が、建物の許容範囲を超えないように注意が必要です。
  4. 地盤への影響
    • 建物全体の重量が重くなれば、地盤にかかる負担も大きくなります。地盤が軟弱な場合は、特に屋根の軽量化が重要になることがあります。

このように、屋根材の「重さ」は、単に物理的な重量以上の意味を持ち、住まいの安全性と寿命に深く関わっているのです。

主要屋根材の「重さ」を徹底比較!~あなたの家の屋根は何キロ?~

屋根修理 ポイント

では、具体的にどのような屋根材が重く、どのような屋根材が軽いのでしょうか? 代表的な屋根材の1平方メートル(㎡)あたりの重量と、一般的な2階建て住宅(屋根面積約60㎡~80㎡と仮定し、ここでは屋根面積約70㎡(約20坪強)で試算)の場合の屋根全体の総重量の目安を比較してみましょう。

屋根材の種類1㎡あたりの重量(目安)屋根全体の総重量(目安・屋根面積70㎡の場合)特徴・備考
和瓦・洋瓦(粘土瓦)約40kg~約60kg約2,800kg~約4,200kg日本の伝統的な屋根材。非常に高い耐久性を持つが、最も重い部類。特に土葺き工法の場合はさらに重くなる(※1)。
セメント瓦・コンクリート瓦約40kg~約50kg約2,800kg~約3,500kg瓦の形状をしたセメント系屋根材。粘土瓦よりは若干軽いが、それでも重い。定期的な塗装が必要。
ハイブリッド瓦約20kg~約25kg約1,400kg~約1,750kg樹脂などを混合し軽量化と強度を両立させた新しいタイプの瓦。伝統的な瓦の風合いを残しつつ軽量化したい場合に適する。
化粧スレート(平板スレート)約18kg~約21kg約1,260kg~約1,470kgセメントを主成分とした薄い板状の屋根材。「カラーベスト」「コロニアル」などの商品名でも知られる。新築戸建てで広く採用。比較的軽量。
アスファルトシングル約10kg~約13kg約700kg~約910kgガラス繊維基材にアスファルトを浸透させ、表面に石粒をコーティングしたシート状の屋根材。軽量で柔軟性があり、施工しやすい。
金属屋根(ガルバリウム鋼板など)約5kg~約7kg約350kg~約490kgガルバリウム鋼板などの薄い金属板で作られた屋根材。非常に軽量で耐久性も高い。近年、耐震性への関心から人気が急上昇。
石粒付き金属屋根材約6kg~約8kg約420kg~約560kg金属板の表面に天然石のチップをコーティングした屋根材。金属屋根の軽量性を持ちつつ、石の風合いや重厚感を表現できる。

(※1)土葺き(つちぶき)工法:これは伝統的な瓦の施工方法の一つで、屋根下地の上に葺き土(ふきつち)と呼ばれる大量の土を敷き詰め、その上に瓦を載せて固定していく手法です。この葺き土の重さが加わるため、屋根全体の重量は非常に重くなります。

例えば、土葺き工法で施工された和瓦の場合、1平方メートルあたりの重量が70kgを超えることも珍しくありません。仮に屋根面積が70平方メートルとすると、屋根全体で約5,000kg(5トン)にも達することがあり、これは他の屋根材と比較して突出して重い数値となります。

一目瞭然!屋根材による重量差

上記の表からも分かる通り、最も重い和瓦(土葺きの場合も考慮すると)と、最も軽い金属屋根では、屋根全体の総重量に数トンもの差が出ることがあります。これは、小型自動車数台分に匹敵する重さです。この大きな重量差が、地震時の建物の挙動に大きな影響を与えることは想像に難くないでしょう。

「重い屋根材」と「軽い屋根材」それぞれのメリット・デメリット

屋根材の重さは、耐震性だけでなく、他の性能や特徴にも影響します。

【重い屋根材(主に瓦など)のメリット・デメリット】

  • メリット
    • 高い耐久性・長寿命: 粘土瓦などは非常に耐久性が高く、数十年~100年以上の耐用年数を持つと言われています。
    • 優れた断熱性・遮音性: 素材自体の厚みや空気層により、断熱性や遮音性に優れています。
    • 風格・重厚感のある外観: 独特の風合いや重厚感は、他の屋根材では得られない魅力です。
    • メンテナンス頻度が低い(瓦本体): 瓦自体は塗装などのメンテナンスが基本的に不要です。(ただし、漆喰や棟の点検・補修は必要)
  • デメリット
    • 耐震性が低い: 地震時の揺れが大きくなりやすく、建物への負担が大きい。
    • 建物構造への要求が高い: 重量を支えるための強固な建物構造が必要です。
    • 初期費用が高い: 材料費、施工費ともに高価になる傾向があります。
    • 瓦のズレ・落下リスク: 地震や強風で瓦がズレたり、落下したりする危険性があります。(ただし、近年の防災瓦は対策が施されています)

【軽い屋根材(主に金属屋根、アスファルトシングルなど)のメリット・デメリット】

  • メリット
    • 高い耐震性: 地震時の揺れを軽減し、建物への負担が少ない。
    • 建物構造への負荷が小さい: 比較的簡易な構造でも対応しやすい。
    • リフォームに適している: 特に屋根カバー工法に適しており、既存の重い屋根からの軽量化リフォームにも有効です。
    • 施工しやすい: 軽量なため、運搬や作業が比較的容易で、工期短縮にも繋がることがあります。
    • デザインの多様性: 様々な色や形状があり、モダンなデザインにも対応しやすい。
  • デメリット
    • 断熱性・遮音性が低い場合がある: 素材自体が薄いため、製品によっては断熱材や遮音材との組み合わせが必要になることがあります。(ただし、断熱材一体型の金属屋根など、対策された製品も多数あります)
    • 耐久性が瓦に比べて劣る場合がある: 製品によりますが、一般的に瓦ほどの超長寿命は期待できない場合があります。(ただし、ガルバリウム鋼板などは30年以上の耐久性が期待できます)
    • 金属屋根の場合、サビのリスク: 素材によってはサビが発生する可能性があるため、適切なメンテナンスが必要です。(ガルバリウム鋼板はサビに強い特性があります)
    • アスファルトシングルの場合、強風での剥がれや石粒の剥離リスク: 施工方法や製品によっては注意が必要です。

屋根材の「重さ」を考慮した屋根選び・リフォームのポイント

屋根材を選ぶ際、またはリフォームを検討する際に、「重さ」という観点からどのような点に注意すれば良いのでしょうか。

  1. 新築の場合
    • 耐震性を重視するなら軽い屋根材を検討: 特に地震への備えを第一に考えるなら、金属屋根やアスファルトシングルなどの軽量な屋根材が有利です。
    • 重い屋根材を選ぶなら構造計算をしっかりと: 瓦屋根など重い屋根材を選ぶ場合は、その重量を支えられるだけの強固な建物構造(十分な壁量、強固な接合部など)を確保することが絶対条件です。建築基準法では、屋根の重さに応じて必要な壁量が定められています。
  2. リフォーム(葺き替え・カバー工法)の場合
    • 既存の屋根材と建物の築年数を確認
      • 特に古い建物(1981年5月31日以前の旧耐震基準で建てられた建物)で、重い瓦屋根などが葺かれている場合は、耐震性向上のために軽い屋根材への葺き替えを強くおすすめします。
      • 屋根を軽くするだけでも、耐震性は向上しますが、旧耐震基準の建物の場合は、それだけでは不十分なことが多く、耐震診断を受け、必要に応じて壁の補強などの耐震改修も併せて検討しましょう。
    • 屋根カバー工法では特に「軽さ」が重要
      既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねるカバー工法では、屋根全体の総重量が増加します。そのため、新しく被せる屋根材は、できるだけ軽量なもの(金属屋根材など)を選ぶのが一般的です。
  3. デザインと性能のバランス
    • 「軽い方が良い」とは言っても、デザインの好みや、断熱性、遮音性、耐久性といった他の性能も重要です。最近では、瓦の風合いを持ちながら軽量化された「ハイブリッド瓦」や、石の質感を持ちながら軽量な「石粒付き金属屋根材」など、デザイン性と軽量性を両立した製品も登場しています。
  4. 専門家への相談
    • 屋根材の選定は、専門的な知識が必要です。必ず信頼できる屋根工事業者や建築士に相談し、ご自身の住まいの状況(築年数、構造、立地条件など)や予算、希望する性能などを伝えた上で、最適な提案を受けましょう。

「瓦屋根は地震に弱い」は誤解?

阪神淡路大震災などで瓦屋根の家が多く倒壊したことから、「瓦屋根=地震に弱い」というイメージが広まりましたが、これは必ずしも正確ではありません。倒壊した家の多くは、旧耐震基準で建てられた建物であり、重い瓦の重量を支えるだけの構造強度が不足していたことが主な原因です。
現在の新耐震基準で建てられた家であれば、瓦屋根の重さを考慮した上で設計されているため、瓦屋根だからといって一概に地震に弱いわけではありません。むしろ、適切に施工された防災瓦などは、地震や台風にも強い性能を持っています。

まとめ:屋根材の「重さ」は家づくりの重要ポイント!賢い選択で安心な住まいを

屋根材の「重さ」は、見た目以上に住まいの安全性や耐久性に大きな影響を与える要素です。特に地震への備えを考える上で、屋根の軽量化は非常に有効な手段の一つと言えます。

屋根材の重さを考える上での重要ポイント

  • 屋根が軽いほど、地震時の揺れは小さくなり、耐震性が向上する。
  • 代表的な屋根材の重さを把握し、その差を理解する(和瓦が最も重く、金属屋根が最も軽い)。
  • 重い屋根材、軽い屋根材、それぞれのメリット・デメリットを比較検討する。
  • 新築時は、屋根の重さに応じた適切な構造設計が不可欠。
  • リフォーム時は、既存の建物の状態を考慮し、軽量化も視野に入れる。
  • 「軽さ」だけでなく、耐久性、防水性、デザイン、コストなど、総合的なバランスで選ぶ。
  • 必ず専門家に相談し、最適なアドバイスを受ける。

「たかが屋根の重さ」と侮らず、その重要性を理解し、ご自身の住まいとライフスタイルに最適な屋根材を選ぶことが、長く安心して暮らせる家づくりの第一歩です。この記事が、あなたの賢い屋根材選びの一助となれば幸いです。

クイック屋根工事

私たちクイック屋根工事は、日本全国で建物の屋根を中心に、あらゆるリフォーム工事を手がけています。

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「雨漏りが気になっていましたが、しっかりと原因を特定し、丁寧に施工していただきました」(40代・女性)

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