「古いトタン屋根が、次の台風で飛ばされないか心配…」
「とりあえずネットを被せておけば、台風対策になるって本当?」
築年数が経った倉庫や物置、住宅などで使われている「トタン屋根」。軽量で施工が簡単な一方、サビやすく、強風に弱いという大きな弱点を抱えています。
大型台風のニュースが流れるたび、不安な気持ちになる方も多いのではないでしょうか。そんな時、応急処置として手軽にできる「飛散防止ネット」を使った対策が注目されています。
しかし、このネット、ただ被せるだけでは逆効果になることも…。
この記事では、
- トタン屋根がなぜ台風に弱いのか、その根本的な理由
- 飛散防止ネットの正しい選び方と、”飛ばされない”かけ方のコツ
- ネット対策の限界と、本当にやるべき根本的な修理方法
まで、トタン屋根の台風対策のすべてを、プロの視点から徹底的に解説します。
なぜトタン屋根は台風で飛ばされやすいのか?3つの弱点
対策を考える前に、まずは敵(弱点)を知ることが重要です。トタン屋根が台風に弱い理由は、主に3つあります。
- 留め具(釘)が抜けやすい
トタン屋根は、多くの場合「釘」で固定されています。この釘が、太陽熱によるトタンの伸縮や、下地木材の劣化によって年々緩み、簡単に抜けてしまうのです。 - サビによる強度低下
トタンは鉄板に亜鉛メッキを施したもの。表面の塗装が剥がれると、そこからあっという間にサビが広がります。錆びた部分は強度が著しく低下し、強風で簡単に引き裂かれてしまいます。 - 「面」で風を受けやすい
一枚一枚が独立している瓦と違い、トタンは大きな一枚板のような構造です。そのため、一度風が下に入り込むと、凧のように風をはらみ、屋根全体が一気にめくれ上がる危険性があります。
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最終手段としての「飛散防止ネット」|正しい選び方とかけ方
本格的な修理が間に合わない場合の緊急避難的、かつ最終手段として、飛散防止ネットは有効です。しかし、やり方を間違えると、ネットごと屋根が飛ばされるという最悪の事態を招きかねません。
ネットの選び方
- サイズ:屋根全体をすっぽりと覆える、余裕のある大きさを選びます。中途半端なサイズだと、ネットがかかっていない部分から風が入り込み、意味がありません。
- 網目の細かさ:できるだけ網目が細かいものを選びましょう。風を通しにくく、トタンの破片が飛び出すのを防ぎます。
- 材質:紫外線に強く、耐久性のあるポリエチレン製などがおすすめです。
正しいネットのかけ方【4ステップ】
【最重要】作業は必ず2人以上で、晴れた風のない日に行ってください。トタン屋根は非常に滑りやすく危険です。
- 屋根全体を覆う
ネットを屋根全体に広げ、たるみがないように被せます。 - ネットの縁を固定する
ネットの縁にあるハトメ(紐を通す穴)に丈夫なロープを通し、建物の雨樋の支持金具や、しっかりとした柱・フェンスなどに固く結びつけます。 - 重しで押さえる
ロープだけでは不十分です。土のう袋などを重しとして、ネットの縁や屋根の頂上部分に複数設置し、ネットが風でバタつかないようにしっかりと押さえます。 - 最終チェック
ネット全体がピンと張られており、風が入り込む隙間がないか、最終確認して完了です。
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ネット対策の限界|本当にやるべき根本的な台風対策とは?
飛散防止ネットは、あくまで「万が一めくれても、遠くまで飛ばさないようにする」ための気休めに近い対策です。トタン屋根の根本的な弱点を解決するものではありません。
台風シーズンを安心して乗り越え、建物の寿命を延ばすためには、以下のような根本的な対策を検討すべきです。
| 対策の種類 | 工事の内容 | 費用の目安 | こんな屋根におすすめ |
|---|---|---|---|
| ① 留め具の交換・増し打ち | 緩んだ釘を全て抜き、より保持力の高い「ビス」に交換する。必要に応じてビスの本数を増やす。 | 5万円~20万円 | サビや穴がなく、トタン自体の状態はまだ良い屋根。 |
| ② サビ止め塗装 | 表面のサビをケレン(研磨)で落とし、サビ止め塗料と仕上げ塗料を塗る。 | 20万円~50万円 | 軽微なサビが出始めた屋根。防水性と耐久性を回復させる。 |
| ③ 屋根カバー工法 | 既存のトタン屋根の上に、軽量で高耐久な「ガルバリウム鋼板」などの新しい金属屋根を被せる。 | 60万円~150万円 | サビや劣化が進んでいるが、下地はまだしっかりしている屋根。最もおすすめ。 |
| ④ 葺き替え工事 | 既存のトタン屋根と下地をすべて撤去し、新しい屋根材に交換する。 | 80万円~200万円 | 劣化が激しく、雨漏りも発生している屋根。下地からやり直す必要がある。 |
【プロの視点】
古いトタン屋根の台風対策として、現在最もコストパフォーマンスが高く、効果的なのは③の「カバー工法」です。解体費用がかからず、工期も短く、屋根が二重になることで断熱性も向上します。
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まとめ:ネットは気休め。本当の安心は根本修理から
今回は、古いトタン屋根の台風対策、特に「飛散防止ネット」に焦点を当てて解説しました。
- トタン屋根は「釘の抜け」「サビ」「風のはらみやすさ」から、台風に非常に弱い。
- 飛散防止ネットは、あくまで緊急避難的な最終手段であり、根本的な解決にはならない。
- ネットをかける際は、正しい手順で、風が入らないようにしっかりと固定することが絶対条件。
- 本当の安心を手に入れるには、「ビスでの固定強化」「塗装」「カバー工法」などの根本的な修理が必要。
台風が来てから慌ててネットをかけるのは、危険も伴い、効果も限定的です。最も賢明な対策は、台風シーズンの前に専門業者に屋根を診断してもらい、必要な補強や修理を計画的に行うことです。
あなたのたいせつな建物を台風の脅威から守るため、この記事を参考に、ぜひ早めの対策を検討してみてください。
クイック屋根工事
私たちクイック屋根工事は、日本全国で建物の屋根を中心に、あらゆるリフォーム工事を手がけています。
【累計6,000件以上の施工実績】
屋根葺き替えや屋根カバー工事、屋根塗装、防水工事から、雨樋の修理、内装工事まで幅広い工事に対応。独自の全国派遣ネットワークにより、迅速な対応が可能です。各地で培った経験をもとに、地域の気候や建築様式に適した最適な修理方法をご提案いたします。
【専門資格を持つ職人が対応】
弊社では、厳しい加盟条件を満たした専門修理業者をご紹介します。すべての業者が「一級建築士」「屋根工事技士」などの資格を持つ専門家による監修のもと、豊富な経験を活かした施工を行います。
【お客様の声】
「兵庫県姫路市で屋根修理をお願いしましたが、親切な対応と確かな技術で大満足です!」(50代・女性)
「雨漏りが気になっていましたが、しっかりと原因を特定し、丁寧に施工していただきました」(40代・女性)
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