HOME » 屋根材の種類と特徴 » トタン屋根・波板屋根 » 【波板屋根の台風対策】バタバタうるさいのは危険信号!自分でできる対策と素材選びの全知識

「台風が近づくと、ベランダの波板屋根がバタバタうるさくて眠れない…」
「このままじゃ、いつか飛ばされてしまうんじゃないか?」

ベランダや物置、自転車置き場などで大活躍の「波板(なみいた)屋根」。手軽で便利な反面、その軽量さゆえに台風の強風で被害を受けやすい、非常にデリケートな存在でもあります。

「たかが波板」と油断していると、飛ばされた波板が隣家を傷つけたり、通行人にケガをさせたりと、思わぬ大惨事につながることも…。

この記事では、

  • あなたの家の波板は大丈夫?危険度チェックリスト
  • 素材によって全然違う!台風に強い波板の選び方
  • 台風直前に自分でできる、簡単かつ効果的な応急処置
  • DIYで修理・交換する際の注意点とプロに頼むべきケース

など、大切な波板屋根を台風から守るための全知識を、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します!

なぜ波板屋根は台風に弱いのか?「バタバタ音」の正体

波板屋根が台風で飛ばされやすい理由は、その構造にあります。

  1. 軽量で風の影響を受けやすい
    軽さはメリットである一方、強風に対しては大きなデメリットになります。
  2. 固定が「点」である
    波板は、釘やフックボルトといった「点」で下地に固定されています。この固定点が、経年劣化や振動で緩むことで、被害の第一歩が始まります。
  3. 風が入り込みやすい形状
    波型の凹凸部分から風が入り込みやすく、下から持ち上げる力(揚力)が発生しやすいのです。

あの「バタバタ」という音は、固定が緩んだ波板が風に煽られて上下に振動している音。それは、あなたの家の波板屋根が「もう限界です!」と叫んでいる危険信号なのです。

まずは素材を知ろう!台風に強い波板、弱い波板

台風

対策を考える前に、ご自宅の波板がどの素材かを知ることが重要です。素材によって耐久性や寿命が全く異なります。

素材の種類特徴耐用年数の目安台風への強さ
ポリカーボネート(ポリカ)耐衝撃性、耐久性に優れる。現在の主流。透明度が高く、DIYでも扱いやすい。約10年強い
ガルバリウム鋼板金属製で非常に頑丈。サビにくく、耐久性が高い。工場や倉庫でよく使われる。15~25年非常に強い
塩化ビニル(塩ビ)安価だが、紫外線に非常に弱く、劣化が早い。数年で硬化し、パリパリに割れる。2~3年弱い
ガラスネット入り塩ビ塩ビにガラス繊維を加え、強度を高めたもの。塩ビよりは長持ちする。4~5年普通
トタン金属製だが、傷がつくとサビやすい。現在ではあまり使われない。5~7年普通

もし、ご自宅の波板が「塩化ビニル(塩ビ)」であれば、耐用年数をとっくに過ぎている可能性が高く、次の台風で破損するリスクは非常に高いと言えます。早めの交換を強くお勧めします。

より詳しく知りたい方は
下記よりお問い合わせください。

フリーダイヤル 0120-905-454 (平日・土曜 9:00~18:00)

【台風直前!】屋根に登らずにできる緊急対策&セルフチェック

台風が迫っている時、危険を冒す必要はありません。地上からできる対策とチェックで、被害を最小限に抑えましょう。

  • 【チェック1】留め具は緩んでいないか?
    下から見上げて、波板を固定しているフックや釘が浮いていたり、数が減っていたりしないか確認しましょう。
  • 【チェック2】波板に割れや欠けはないか?
    小さなひび割れでも、強風で一気に裂けてしまうことがあります。
  • 【チェック3】支柱はぐらついていないか?
    波板を支えている柱や骨組み自体が劣化していると、波板ごと倒壊する危険があります。
  • 【対策】飛散防止ネットを被せる
    あくまで応急処置ですが、屋根全体を覆うようにネットをかけ、柱などにしっかりと固定することで、万が一波板が外れても遠くまで飛ばされるのを防ぐ効果が期待できます。

自分でやる?プロに頼む?波板の補修・交換のポイント

DIY

「留め具が数本抜けているだけ」「一枚だけ割れている」といった軽微な損傷であれば、DIYでの補修も可能です。

DIYで補修する場合

  • 必要な道具:交換用の波板、適合する留め具(フックボルト、ビスなど)、電動ドリルドライバー、脚立など。これらは全てホームセンターで揃えられます。
  • 注意点
    • 高所作業の危険:2階のベランダなど、高さがある場所での作業は絶対に無理をしないこと。
    • 正しい施工方法:波板には重ねる向きや、留め具を打つ間隔に決まりがあります。自己流でやると雨漏りの原因になることも。
    • 下地の確認:波板を固定している下地(木材や金属)が腐っていたり、錆びていたりすると、新しい留め具も効きません。

プロに依頼する場合

  • 費用相場5万円~20万円程度(※面積や足場の有無によって変動します)
  • プロに頼むべきケース
    • 2階以上の高所作業
    • 下地が傷んでいる場合
    • 広範囲の張り替えが必要な場合
    • DIYに自信がない、時間がない場合

安全と確実性を考えれば、専門業者に依頼するのが最も賢明な選択です。施工不良による雨漏りなどの心配もなく、結果的に安く済むことも少なくありません。

もし被害に遭ってしまったら…火災保険は使える?

台風によって波板屋根が破損した場合、ご加入の火災保険の「風災補償」が適用される可能性があります。

ベランダやカーポートの屋根は「建物付属物」として補償の対象となることが多いですが、契約内容によっては対象外の場合もあります。被害があった場合は、諦めずに一度、ご自身の保険証券を確認するか、保険会社に問い合わせてみましょう。

まとめ:バタバタ音は屋根からのSOS。早めの対策で安心を

今回は、身近でありながら意外と見過ごされがちな「波板屋根」の台風対策について解説しました。

  • 波板屋根がバタバタうるさいのは、留め具が緩んでいる危険なサイン。
  • 素材は、耐久性の高い「ポリカーボネート(ポリカ)」が現在の主流。
  • 台風直前は、地上からのチェックと、必要であれば飛散防止ネットで応急処置を。
  • 軽微な修理はDIYも可能だが、高所作業や広範囲の交換は迷わずプロに依頼する。

波板屋根は、住宅本体の屋根に比べて劣化が早く、いわば「消耗品」です。しかし、適切なメンテナンスと早めの対策を行うことで、その寿命を延ばし、台風の脅威からあなたの大切な空間を守ることができます。

「うちの波板は大丈夫かな?」と少しでも感じたら、それが点検のベストタイミングです。台風シーズンが本格化する前に、ぜひ一度、ご自宅の波板屋根に目を向けてみてください。

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