「毎年の屋根の雪下ろし、本当に大変…」
「雪の重みで家が潰れないか心配…」
「塗るだけで雪が滑り落ちやすくなる塗料があるって本当?」
雪国にお住まいの方にとって、冬の屋根の雪対策は命がけの重労働であり、大きな悩みの種ですよね。
もし、屋根に塗るだけで、積もった雪が自然に滑り落ちやすくなる「滑雪塗料(かっせつとりょう)」があるとしたら、夢のようだと思いませんか?
実は、そんな雪国の悩みに応えるべく開発された、特殊な機能を持つ塗料が存在するんです!
この記事では、
- 滑雪塗料が「雪を滑らせる」驚きの仕組み
- 代表的な滑雪塗料3選とその特徴
- 「雪下ろしの回数が減る」以外の意外なメリット
- 導入前に知っておくべき注意点と費用感
などを、塗装のプロが初心者の方にも分かりやすく、とことん丁寧に解説します。この記事を最後まで読めば、滑雪塗料の全てが分かり、あなたの家の雪対策に新たな選択肢を加えることができます。
1. そもそも「滑雪塗料」とは?雪が滑り落ちる2つの仕組み
滑雪塗料とは、その名の通り「屋根に積もった雪を滑りやすくし、自然に落下させる(滑雪させる)効果」を持つ機能性塗料です。
「滑雪」と聞くと、ワックスのようにツルツル滑るイメージを持つかもしれませんが、実は全く異なる仕組みで雪を滑らせています。主に2つのタイプがあります。
① 親水(しんすい)タイプ:水の膜で雪を浮かせて滑らせる
- 仕組み:
太陽光や室内の熱で屋根と雪の接地面がわずかに溶けると、「融雪水(ゆうせつすい)」と呼ばれる水の層ができます。親水タイプの塗料は、この水を弾かずに、塗膜表面に薄い水の膜として広げる性質を持っています。この水の膜が潤滑剤の役割を果たし、重い雪の塊を「浮かせて」「滑らせる」のです。スケートリンクの氷の上をブレードが滑るイメージに近いかもしれません。 - 代表製品: 関西ペイント『ラク雪』シリーズなど
- 特徴: 塗膜表面が水に馴染むため、人が乗っても意外と滑りにくいのが特徴です。
② 撥水(はっすい)タイプ:水を弾く力で雪を滑らせる
- 仕組み:
こちらはワックスに近いイメージで、塗膜自体が非常に水を弾く(撥水性)性質を持っています。融雪水を強力に弾くことで、雪と屋根の間に摩擦が生まれにくくなり、雪が滑り落ちやすくなります。 - 代表製品: AGCコーテック『ボンフロンラク雪エナメルGT』、既存塗料に混ぜる添加剤タイプなど
- 特徴: 高い撥水性により、雪だけでなく汚れも付きにくいというメリットがあります。
どちらのタイプも、「太陽光などで雪が少し溶け始めること」が滑雪効果を発揮するスイッチになります。
より詳しく知りたい方は
下記よりお問い合わせください。
フリーダイヤル 0120-905-454 (平日・土曜 9:00~18:00)
2.【製品紹介】代表的な滑雪塗料・添加剤3選
現在、市場に出ている代表的な滑雪塗料と、既存の塗料に機能をプラスできる添加剤をご紹介します。
| 製品名 | メーカー | タイプ | ベース樹脂 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| ラク雪 | 関西ペイント | 親水タイプ | シリコン | 親水性の膜で滑らせる。太陽熱で効果を発揮。一般的なシリコン塗料と同等の耐久性。 |
| ボンフロンラク雪エナメルGT | AGCコーテック | 撥水タイプ | フッ素 | 高い耐久性を持つフッ素樹脂がベース。特殊な撥水性添加剤で滑雪性を長期間維持。艶あり・艶消しが選べる。 |
| 陸王(りくおう) | KFアテイン | 添加剤 | – | 既存の屋根用塗料に3%混ぜるだけで滑雪・撥水性能を付与できる。氷柱(つらら)ができにくくなる効果も。 |
3. 雪下ろしが楽になるだけじゃない!滑雪塗料の3つのメリット
滑雪塗料を導入するメリットは、単に雪下ろしが楽になるだけではありません。
メリット①:雪下ろしの回数削減と危険な作業からの解放
これが最大のメリットです。雪が自然に滑り落ちてくれることで、危険を伴う屋根の上での雪下ろし作業の回数を大幅に減らすことができます。特に高齢者世帯にとっては、転落事故のリスクを低減できる大きな安心材料になります。
メリット②:雪の重みによる家屋への負担を軽減
屋根に大量の雪が長期間積もったままの状態は、家全体に大きな負荷をかけ続けます。最悪の場合、雪の重みで屋根が変形したり、家が歪んだりする原因にも。
滑雪塗料でこまめに雪を落とすことは、雪の重み(雪庇・せっぴなど)から大切な家を守ることに繋がります。
メリット③:塗膜の保護と屋根の長寿命化
屋根に積もった雪や氷が、解けて滑り落ちる際、実は屋根の塗膜を一緒に削り取ってしまうことがあります。これが雪国で屋根の劣化が早い一因です。
滑雪塗料は、雪がスムーズに滑ることでこの摩擦を軽減し、塗膜の傷みを防ぎます。結果として、屋根材を長期間保護し、寿命を延ばす効果が期待できます。
4.【最重要】導入前に必ず知っておくべき4つの注意点
魅力的な滑雪塗料ですが、導入を検討する際には必ず確認すべき注意点があります。
注意点①:すべての屋根材に使えるわけではない
滑雪塗料は、主にトタンやガルバリウム鋼板などの金属屋根を対象として開発されています。スレート(コロニアル)屋根や瓦屋根には使用できない、または効果が十分に発揮されない場合があります。
必ず、ご自宅の屋根材に適合するかを業者に確認してもらいましょう。
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注意点②:屋根の「勾配(角度)」が重要
雪が滑り落ちるためには、ある程度の屋根の傾斜が必要です。勾配が緩やかな屋根では、滑雪塗料を塗っても期待したほどの効果が得られないことがあります。一般的に、効果を発揮しやすいのは3寸勾配(約17度)以上とされています。
注意点③:落雪対策が必須!ご近所トラブルに注意
これは非常に重要なポイントです。滑雪塗料を塗ると、これまで屋根にとどまっていた雪が、まとまって滑り落ちるようになります。
もし、落雪した雪がお隣の敷地に入ったり、カーポートを壊したり、通行人に当たったりしたら、深刻なトラブルに発展します。
- 落雪の危険性がある場所には施工できない
- 必要に応じて「雪止め」の設置や、落雪スペースの確保が必須
滑雪塗料の導入は、必ず落雪対策とセットで考え、専門業者と入念に相談することが不可欠です。
注意点④:雪下ろしが「ゼロ」になるわけではない
滑雪塗料は、あくまで雪下ろしの負担を「軽減」するものであり、完全に不要にする魔法の塗料ではありません。
ドカ雪が降った後や、日照が少なく雪が溶けない日が続いた場合など、状況によっては雪下ろしが必要になることも理解しておきましょう。
5. まとめ:雪国の屋根メンテナンスに新たな選択肢を
大変な雪下ろしの負担を軽減し、雪の重みから家を守る「滑雪塗料」。その仕組みとメリット・デメリットを正しく理解すれば、雪国の屋根メンテナンスにおける非常に強力な選択肢となります。
- 滑雪塗料は「親水タイプ」と「撥水タイプ」の2種類がある。
- メリットは「雪下ろしの負担軽減」「家屋への負荷軽減」「屋根の長寿命化」。
- 注意点は「対応屋根材」「屋根の勾配」「落雪対策」が必須であること。
- 雪下ろしがゼロになるわけではないが、負担を大きく軽減できる。
すべての家に適しているわけではありませんが、条件が合えば、冬の暮らしをより安全で快適なものに変えてくれる可能性を秘めています。
「うちの屋根でも使えるのかな?」と気になった方は、まずは雪国の塗装事情に詳しい専門業者に相談し、ご自宅の屋根の状態を診断してもらうことから始めてみてはいかがでしょうか。
クイック屋根工事
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「雨漏りが気になっていましたが、しっかりと原因を特定し、丁寧に施工していただきました」(40代・女性)
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