「古いトタンの瓦棒屋根、サビが目立ってきた…」
「リフォームしたいけど、なるべく費用は抑えたい」
昔ながらの金属屋根である「瓦棒葺き(かわらぼうぶき)」。築年数が経ち、メンテナンスを検討している方も多いのではないでしょうか。そんな時、有力な選択肢となるのが、既存の屋根を撤去せずに新しい屋根を被せる「カバー工法」です。
葺き替えよりも費用を抑えられ、工期も短いことから人気の工法ですが、瓦棒葺き屋根のカバー工法には、スレート屋根などとは違う特有の工程があり、価格も変わってきます。
この記事では、「瓦棒葺き屋根のカバー工法」にかかるリアルな価格相場と、その費用の詳しい内訳、そして葺き替えとどちらがお得なのかまで、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します。
そもそも「瓦棒葺き屋根のカバー工法」とは?
瓦棒葺き屋根は、屋根面に等間隔で「瓦棒(心木)」と呼ばれる木材が設置され、凸凹しているのが特徴です。このままでは新しい屋根材を安定して設置できないため、カバー工法を行うには以下の手順が一般的です。
- 【重要工程】野地板(構造用合板)の増し張り
既存の瓦棒屋根の上から、厚さ12mm程度の頑丈な板(野地板)を張り、屋根全体を平らな下地にします。これが瓦棒葺きカバー工法の鍵となる工程です。 - 防水シート(ルーフィング)の設置
平らになった野地板の上に、雨漏りを防ぐための防水シートを敷き詰めます。 - 新しい屋根材の設置
防水シートの上に、ガルバリウム鋼板などの軽量な金属屋根材(主に立平葺き)を施工して完成です。
この「①野地板の増し張り」という工程が、平らなスレート屋根のカバー工法にはない追加作業となり、価格に影響します。
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瓦棒葺きカバー工法のリアルな価格相場と詳細な内訳
一般的な30坪(屋根面積80〜100㎡)の住宅で、瓦棒葺き屋根にカバー工法を行う場合の総額の費用相場は、約80万円~150万円です。
この金額がどのように構成されているのか、具体的な見積もり例を見てみましょう。
【見積もり例:30坪(80㎡)の切妻屋根の場合】
| 費目 | 単価(目安) | 数量 | 金額(目安) | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 足場設置・解体 | – | 一式 | 150,000円 | 安全な作業に必須 |
| 【追加費用】野地板増し張り | 3,100円/㎡ | 80㎡ | 248,000円 | 瓦棒屋根の凸凹を平らにする |
| 防水シート(ルーフィング) | 900円/㎡ | 80㎡ | 72,000円 | 雨漏りを防ぐ最後の砦 |
| 新規屋根材(ガルバリウム鋼板) | 6,600円/㎡ | 80㎡ | 528,000円 | 軽量で高耐久な屋根材 |
| 棟板金・役物工事 | – | 一式 | 150,000円 | 屋根の頂点や端の処理 |
| 諸経費 | – | 一式 | 100,000円 | 運搬費、現場管理費など |
| 合計(税抜) | 1,248,000円 | |||
| 合計(税込) | 1,372,800円 |
※上記はあくまで一例です。屋根の形状や劣化状況、使用する材料のグレードによって価格は変動します。
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カバー工法の価格を左右する3つのポイント
見積もり額は、主に以下の3つの要素で大きく変わります。
ポイント1:屋根の形状(シンプルか、複雑か)
同じ面積でも、屋根の形状によって必要な役物(棟板金など)の長さや加工の手間が変わるため、価格に差が出ます。
- 切妻屋根(きりづまやね):面が2つのシンプルな形状。役物が少なく、費用は安くなる傾向。
- 寄棟屋根(よせむねやね):面が4つ以上ある複雑な形状。棟や隅棟が多くなるため、費用は高くなる傾向。
ポイント2:選ぶ屋根材のグレード(断熱材の有無)
カバー工法で人気のガルバリウム鋼板には、裏側に断熱材が一体となった高機能な製品があります。
- 通常タイプ:価格は標準的。
- 断熱材一体型タイプ:材料費は高くなりますが、夏の暑さや冬の寒さを和らげる断熱効果や、雨音を軽減する遮音効果が期待できます。
ポイント3:下地の劣化状況【最重要】
カバー工法が選択できるのは、既存の屋根下地(野地板)が健全であることが大前提です。
もし、雨漏りなどによって下地が腐食している場合、その上から新しい屋根を被せても意味がありません。その場合は、カバー工法は選択できず、次に説明する「葺き替え工事」が必要になります。
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「カバー工法」vs「葺き替え」価格とメリットを徹底比較
瓦棒屋根のリフォームでは、「葺き替え」という選択肢もあります。どちらがご自宅にとって最適か、価格と特徴を比較してみましょう。
| 比較項目 | カバー工法 | 葺き替え工事 |
|---|---|---|
| 工法 | 既存屋根の上に新しい屋根を被せる | 既存屋根をすべて撤去し、新しい屋根を葺く |
| 費用相場(30坪) | 80万~150万円 | 100万~180万円 |
| メリット | ・葺き替えより価格が安い ・工期が短い(約5日~) ・断熱性、遮音性が向上する | ・下地の腐食も根本的に解決できる ・最も確実で長持ちする ・屋根が軽くなる |
| デメリット | ・下地が傷んでいると施工できない ・屋根の重量が少し増える | ・価格が高い ・工期が長い ・廃材が出る |
【結論】どちらを選ぶべき?
- 下地の状態が良い(雨漏りなどがない)場合
→ 費用を抑えられる「カバー工法」がおすすめです。 - 下地が傷んでいる(雨漏りがある)場合
→ 根本的な解決ができる「葺き替え工事」が必須です。
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瓦棒葺きカバー工法の価格を賢く抑えるコツ
- 建築板金業者に直接依頼する
ハウスメーカーや総合リフォーム会社に依頼すると、下請けの板金業者に発注するため中間マージンが発生します。地元の建築板金業者に直接依頼できれば、費用を抑えられる可能性があります。 - 外壁塗装と同時に行う
屋根工事には必ず足場が必要です。足場代は約15万~30万円かかります。もし外壁塗装も検討しているなら、同時に行うことで足場代を1回分に集約でき、大幅な節約になります。 - 相見積もりを取る
必ず3社程度の業者から見積もりを取り、価格と工事内容を比較しましょう。これにより、適正価格が分かり、信頼できる業者を選ぶことができます。
まとめ
瓦棒葺き屋根のリフォームにおいて、カバー工法は非常に有効な選択肢です。
- 価格相場:30坪の住宅で約80万円~150万円が目安。
- 価格のポイント:凸凹を平らにするための「野地板増し張り」費用が追加でかかる。
- 最適な選択:下地の状態が工事方法(カバー工法か葺き替えか)を決める最大の判断基準。
古い瓦棒葺き屋根のメンテナンスで最も重要なのは、まず専門家に見てもらい、見えない下地の状態を正確に診断してもらうことです。その上で、ご自宅の状況と予算に合った最適なリフォーム方法を選択しましょう。
クイック屋根工事
私たちクイック屋根工事は、日本全国で建物の屋根を中心に、あらゆるリフォーム工事を手がけています。
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