HOME » 外装関連工事・リフォーム » 屋根塗装・外壁塗装 » 【種類別】外壁サイディングの耐用年数は何年?種類別の寿命と劣化サインの見極め方を解説
外壁サイディング カバー

「サイディング外壁の寿命は40年って聞いたけど、本当?」
「うちのサイディング、あと何年くらいもつのだろう…」

新築住宅の7割以上で採用されるほど人気の「サイディング外壁」。しかし、その「耐用年数(寿命)」については、誤解されていることが少なくありません。

実は、サイディング外壁の寿命は、3つの異なるパーツの耐用年数を理解しないと、適切なメンテナンス時期を見誤り、気づかぬうちに建物の寿命を縮めてしまう可能性があります。

この記事では、そんなサイディング外壁の本当の耐用年数について、

  • 理解すべき「3つの耐用年数」とは?
  • 種類別のサイディング本体の耐用年数
  • 寿命を縮める危険な劣化サイン
  • 耐用年数を最大限に延ばすメンテナンス方法

などを徹底解説します。正しい知識を身につけ、大切なお住まいを長く、美しく保ちましょう。

【最重要】サイディング外壁の寿命は「3つの耐用年数」で決まる!

多くの方が「サイディングの耐用年数=40年」と思いがちですが、これは「サイディングボード本体」の耐用年数のこと。実際には、外壁は以下の3つのパーツで構成されており、それぞれ耐用年数が異なります。

  1. サイディングボード本体の耐用年数(約20~40年)
    外壁の大部分を占める板そのものです。窯業系や金属系など種類によって差はありますが、比較的長持ちします。
  2. 表面を保護する「塗膜」の耐用年数(約7~15年)
    サイディングボードの表面は塗装によってコーティングされています。この塗膜が、雨水や紫外線からボード本体を守る重要な役割を担っています。
  3. ボードの隙間を埋める「コーキング」の耐用年数(約5~10年)
    サイディングボード同士の継ぎ目(目地)に充填されているゴム状の素材です。地震の揺れを吸収したり、隙間からの雨水の侵入を防ぐ生命線です。

結論として、外壁全体の寿命は、これらの中で最も耐用年数が短い「コーキング」と「塗膜」の状態によって決まります。
いくらボード本体が丈夫でも、コーキングが劣化して雨水が侵入したり、塗膜が剥がれてボードが水を吸うようになると、本体の寿命は40年を待たずに尽きてしまうのです。

より詳しく知りたい方は
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【種類別】外壁サイディングの耐用年数とメンテナンス時期の目安

金属サイディング

ご自宅のサイディングがどの種類かによっても、耐用年数やメンテナンス計画は変わってきます。日本で使われている主な4種類のサイディングの特徴を見ていきましょう。

種類窯業(ようぎょう)系金属系樹脂系木質系
特徴・セメントが主成分
・デザイン豊富
国内シェアNo.1
・ガルバリウム鋼板など
・軽量で錆びにくい
・モダンな外観
・塩化ビニルが主原料
・塩害に強く、色褪せしにくい
・海外で主流
・天然木を使用
・温かみのある質感
・断熱性が高い
本体の耐用年数約40年約40年約40年約40年
初回メンテナンス
(塗装・コーキング)
時期の目安
7~10年10~15年10~20年8~10年

このように、どの種類のサイディングも、本体の寿命が来る前に「塗装」や「コーキング」のメンテナンスが不可欠であることが分かります。特に普及率の高い窯業系サイディングは、早めのメンテナンスが重要です。

耐用年数を縮める!見逃してはいけない7つの劣化サイン

「まだ築10年だから大丈夫」と思っていても、環境によっては劣化が早く進むことも。以下のサインを見つけたら、耐用年数が来る前でもメンテナンスを検討する時期です。

  1. チョーキング現象
    外壁を手で触ると、手に白い粉が付く状態。塗膜が劣化し、防水機能が失われ始めている最初のサインです。
  2. コーキングの劣化
    目地のコーキングにひび割れ痩せが見られる状態。隙間から雨水が侵入する危険性が非常に高い、緊急性の高いサインです。
  3. 外壁のひび割れ(クラック)
    サイディングボード自体にひび割れが発生している状態。ボードが水を吸って膨張・収縮を繰り返すことで起こります。
  4. 塗膜の剥がれ・膨れ
    塗装がパリパリと剥がれていたり、水ぶくれのように膨れていたりする状態。外壁を保護する機能が完全に失われています。
  5. カビやコケの発生
    特に日当たりの悪い北面に発生しやすい症状。外壁が常に湿気を含んでいる証拠です。
  6. サイディングの反り・浮き
    サイディングボードがスルメのように反ってしまっている状態。吸水と乾燥を繰り返すことで変形します。一度反ると元には戻りません。

これらの症状を放置すると、雨漏りを引き起こし、建物の内部構造まで傷めてしまう可能性があります。

耐用年数を最大限に延ばす!メンテナンス方法と費用

外壁 サイディング

サイディング外壁の耐用年数を延ばすためのメンテナンスは、主に以下の3つです。

① 塗装工事【費用相場:70万~115万円】

最も基本的なメンテナンスです。劣化した塗膜を塗り替えることで、サイディングボードの防水機能を回復させます。 選ぶ塗料の耐用年数によって、次のメンテナンス時期が変わります。

  • シリコン塗料(約10~15年):コストと耐久性のバランスが良い標準的な塗料。
  • フッ素・無機塗料(約15~25年):高価だが非常に長持ちするため、メンテナンス回数を減らしたい方におすすめ。

② コーキング交換(打ち替え)工事【費用相場:25万~40万円 ※単体工事の場合】

劣化した古いコーキングを撤去し、新しいコーキングを充填する工事です。外壁塗装と同時に行うのが最も効率的で、費用も抑えられます。塗装工事の見積もりには、通常このコーキング工事が含まれています。

③ カバー工法・張替え工事【費用相場:150万~250万円】

サイディングボード本体の耐用年数が来たときに行う大規模なリフォームです。

  • カバー工法:既存の壁の上から新しいサイディングを張る工法。廃材が出ず、費用を抑えられます。
  • 張替え工事:既存の壁をすべて撤去し、新しいサイディングに交換する工法。下地の状態も確認・補修できるため安心です。

まとめ

サイディング外壁の耐用年数は、ボード本体の「40年」という数字だけを見るのではなく、それよりずっと短い「塗膜」と「コーキング」の耐用年数を意識することが何よりも重要です。

  • サイディングの寿命は、塗膜(7~15年)とコーキング(5~10年)のメンテナンスで決まる。
  • 種類別の初回メンテナンス目安は、窯業系で7~10年、金属系で10~15年
  • チョーキングコーキングのひび割れは、メンテナンス時期の分かりやすいサイン。
  • 定期的な塗装とコーキング交換が、サイディングの耐用年数を最大限に延ばす鍵。

劣化が進んでから慌てて高額な工事をするのではなく、計画的にメンテナンスを行うことが、結果的に費用を抑え、大切なお住まいに長く安心して住み続けるための秘訣です。まずは専門業者に点検を依頼し、ご自宅の現状を正確に把握することから始めてみましょう。

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