南欧風のカラフルな屋根や、シンプルモダンなすっきりとした屋根。街で見かけるおしゃれな洋風の家には、多くの場合「洋瓦」が使われています。
デザイン性が高く、憧れの的でもある洋瓦ですが、
「うちの屋根もそろそろメンテナンスが必要かな?」
「修理やリフォームには、どれくらいの費用がかかるんだろう?」
「そもそも、うちの屋根って塗装は必要なの?」
といった疑問や不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
洋瓦の美しさと機能性を長く保つためには、適切な時期に適切なメンテナンスを行うことが不可欠です。
この記事では、洋瓦のメンテナンスについて、知っておくべきサインから具体的な修理方法、費用相場、そして注意点まで、屋根の専門家の視点から分かりやすく解説します。
まずは基本!あなたの家の洋瓦はどのタイプ?
メンテナンスの話に入る前に、非常に重要なポイントがあります。それは、ご自宅の洋瓦の「素材」を知ることです。洋瓦は大きく分けて2つの素材があり、どちらのタイプかによってメンテナンス方法や時期が全く異なります。
| 素材の種類 | 主な特徴 | メンテナンスのポイント |
|---|---|---|
| 粘土瓦 | ・粘土を高温で焼き固めたもの ・瓦自体に色が練り込まれている(焼き物) ・色あせがほとんどなく、非常に高耐久 | 塗装は不要(むしろNG!)。漆喰や下地のメンテナンスが中心。 |
| セメント瓦 (モニエル瓦含む) | ・セメントと砂が主原料 ・表面を塗装で着色している ・粘土瓦より安価だが、定期的な塗装が必要 | 10~15年周期での塗装が必須。塗装が劣化すると、瓦自体が水を吸い劣化する。 |
簡単!素材の見分け方セルフチェック
「うちの屋根はどっちのタイプか分からない…」という方もご安心ください。簡単な見分け方があります。
- 【ポイント1】瓦の欠けた部分や断面を見る
- 粘土瓦: 表面も中も同じ色(陶器のお茶碗と同じ)
- セメント瓦: 表面の色と違い、中はコンクリートのような灰色
- 【ポイント2】表面の状態を見る
- 粘土瓦: 築年数が経っても色あせが少なく、ツヤが残っていることが多い。
- セメント瓦: 経年で色あせたり、塗膜が剥がれてきたり、カビや苔が生えやすい。
この違いを把握することが、正しいメンテナンスへの第一歩です。
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【見逃さないで!】洋瓦のメンテナンスが必要な劣化サイン
屋根は常に紫外線や雨風にさらされています。以下のようなサインを見つけたら、メンテナンスを検討する時期かもしれません。ご自身で地上から見える範囲でチェックしてみましょう。
- 棟(屋根のてっぺん)の漆喰が剥がれている、黒ずんでいる
- 棟瓦がズレたり、波打つように歪んだりしている
- 瓦にひび割れや欠けがある
- 瓦の色があせて、まだらになっている(※セメント瓦)
- 瓦の表面にカビや苔がびっしり生えている(※セメント瓦)
特に、築10~20年が経過している場合は、目立った症状がなくても一度専門業者に点検を依頼することをおすすめします。プロの目でしっかり確認してもらうことで、手遅れになる前に対処できます。
より詳しく知りたい方は
下記よりお問い合わせください。
フリーダイヤル 0120-905-454 (平日・土曜 9:00~18:00)
【症状・費用別】洋瓦の主なメンテナンス方法
劣化の症状に合わせて、メンテナンス方法は異なります。ここでは代表的な工法と費用相場をご紹介します。
1. 漆喰の補修(詰め直し)
漆喰は、棟瓦の土台を固定し、隙間からの雨水の浸入を防ぐ重要な部分です。経年で硬化し、ひび割れや剥がれが起きます。
- メンテナンス内容: 古く劣化した漆喰を取り除き、新しい漆喰を詰める「詰め直し」を行います。
- 費用相場: 1mあたり 約2,500~7,000円
- ※一般的な住宅の棟の長さで、総額5~15万円程度になることが多いです。足場が必要な場合は別途費用がかかります。
2. 棟瓦の修理(積み直し)
漆喰の劣化が進行したり、下地の土が流出したりすると、棟瓦全体がズレたり歪んだりしてしまいます。強風や地震で崩れる危険性もあるため、早急な対応が必要です。
- メンテナンス内容: 既存の棟瓦を一度解体し、下地を補強・新設した上で、瓦を積み直します。この際、現在の耐震・耐風基準に沿った「ガイドライン工法」で施工すると、より安心です。
- 費用相場: 1mあたり 約8,500~19,000円
- ※棟の長さや形状によりますが、総額15~40万円程度が目安です。
3. 瓦の差し替え(部分修理)
台風時の飛来物などで、瓦が数枚だけ割れたり欠けたりした場合に行う修理です。
- メンテナンス内容: 破損した瓦のみを新しいものに交換します。
- 費用相場: 10万円前後(足場不要な場合)
- ※数枚程度の修理の場合。足場の有無や破損枚数で大きく変動します。
- 注意点: 古い洋瓦は廃盤品になっていることが多く、同じ瓦が手に入らない場合があります。その際は、中古品を探したり、目立たない部分の瓦と交換したりといった工夫が必要になります。
4. 塗装メンテナンス(※セメント瓦・モニエル瓦のみ!)
【重要】粘土瓦には絶対に塗装しないでください! 塗装が不要なだけでなく、塗装してしまうと瓦本来の呼吸を妨げ、かえって劣化を早める原因になります。
セメント瓦は、表面の塗装が防水機能の要です。塗膜が劣化すると瓦自体が水を吸い、もろくなってしまいます。
- メンテナンス内容: 高圧洗浄で汚れや古い塗膜を落とし、下塗り・中塗り・上塗りと重ねて塗装します。
- メンテナンス時期: 10~15年に一度
- 費用相場: 総額 25~60万円(一般的な住宅の屋根面積、足場代含まず)
- ※使用する塗料(ウレタン、シリコン、フッ素など)によって価格と耐用年数が変わります。
5. 屋根全体のメンテナンス(葺き替え・葺き直し)
雨漏りが複数箇所で発生している、下地の劣化が激しい、セメント瓦が寿命(約30年)を迎えた、といった場合は屋根全体のリフォームが必要です。
| メンテナンス方法 | 内容 | 適用ケース | 費用相場(1㎡あたり) |
|---|---|---|---|
| 葺き直し | 既存の瓦を再利用し、防水シートなどの下地だけを新しくする工法。 | 瓦自体の劣化は少ないが、下地が劣化したとき。 | 葺き替えより安価 |
| 葺き替え | 既存の屋根材をすべて撤去し、下地から屋根材まで一新する工法。 | 屋根全体の劣化が激しい、雨漏りが深刻、屋根を軽くしたいとき。 | 8,000~20,000円 |
【葺き替え時の屋根材選び】
葺き替えでは、新しい洋瓦はもちろん、より軽量な金属屋根(ガルバリウム鋼板など)を選ぶこともできます。耐震性を向上させたい場合に人気の選択肢です。
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フリーダイヤル 0120-905-454 (平日・土曜 9:00~18:00)
洋瓦メンテナンスで後悔しないための注意点
最後に、洋瓦のメンテナンスを成功させるための重要なポイントを3つお伝えします。
- 「火災保険で無料修理」のセールストークに注意
火災保険の風災補償が適用されるのは、「台風や強風など、自然災害が原因の破損」に限られます。経年劣化は対象外です。「保険を使えばタダで直せる」といった安易なセールストークには注意し、まずはご自身の保険会社に確認しましょう。 - 相見積もりで業者をしっかり比較検討する
メンテナンス費用は業者によって差があります。必ず2~3社から見積もりを取り、工事内容と金額を比較検討しましょう。その際、安さだけでなく、洋瓦の施工実績が豊富か、説明が丁寧か、といった点も重要な判断基準になります。 - 自治体の補助金制度を確認する
お住まいの自治体によっては、耐震・耐風性能を高めるための屋根リフォームに補助金が使える場合があります。葺き替えなどの大規模な工事を検討する際は、一度、自治体の窓口に問い合わせてみることをおすすめします。
まとめ
おしゃれで耐久性の高い洋瓦ですが、その美しさと機能性を長く保つには、適切なメンテナンスが欠かせません。
- まず自宅の洋瓦が「粘土製(塗装不要)」か「セメント製(塗装必要)」か確認する。
- 漆喰の剥がれや棟のズレは、早めのメンテナンスサイン。
- メンテナンス方法は、部分的な補修から屋根全体の葺き替えまで様々。
- 費用だけでなく、業者の実績や提案内容をしっかり見極めることが重要。
大切なマイホームを長く守るためにも、この記事を参考に、まずは専門家による屋根の健康診断から始めてみてはいかがでしょうか。
クイック屋根工事
私たちクイック屋根工事は、日本全国で建物の屋根を中心に、あらゆるリフォーム工事を手がけています。
【累計6,000件以上の施工実績】
屋根葺き替えや屋根カバー工事、屋根塗装、防水工事から、雨樋の修理、内装工事まで幅広い工事に対応。独自の全国派遣ネットワークにより、迅速な対応が可能です。各地で培った経験をもとに、地域の気候や建築様式に適した最適な修理方法をご提案いたします。
【専門資格を持つ職人が対応】
弊社では、厳しい加盟条件を満たした専門修理業者をご紹介します。すべての業者が「一級建築士」「屋根工事技士」などの資格を持つ専門家による監修のもと、豊富な経験を活かした施工を行います。
【お客様の声】
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「雨漏りが気になっていましたが、しっかりと原因を特定し、丁寧に施工していただきました」(40代・女性)
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