HOME » 屋根材の種類と特徴 » 【防災瓦の種類】徹底ガイド!J型・F型・S型から最新素材まで、あなたの家に最適なのは?

「防災瓦って、どれも同じじゃないの?」
「J型、F型、S型…防災瓦の形状って、何が違うの?」
「いろんなメーカーから防災瓦が出ているけど、それぞれの特徴を知りたい!」

地震や台風などの自然災害に備えるため、注目度が高まっている「防災瓦」。従来の瓦よりも高い防災性能を持つように設計されたこの屋根材は、大切な住まいを守るための心強い選択肢です。

しかし、一口に「防災瓦」と言っても、実はその形状、素材、そしてメーカーによって様々な種類があり、それぞれに特徴や性能、そして適した家のスタイルが異なります。

「うちの家のデザインに合う防災瓦の種類は?」
「素材によって、性能や価格はどう変わるの?」
「どのメーカーのどんな防災瓦が人気なの?」

この記事では、そんな防災瓦の「種類」に関するあらゆる疑問を解消するため、
「防災瓦の代表的な形状(J型・F型・S型など)とその特徴」
「使用される主な素材(陶器瓦、セメント瓦、軽量瓦など)の違い」
「主要な瓦メーカーが提供する代表的な防災瓦シリーズとその強み」
「防災瓦を選ぶ際に、種類の観点から注意すべきポイント」
について、初心者の方にも分かりやすく徹底的に解説します!

目次

防災瓦の基本:なぜ「防災」なの?~進化した固定方法~

防災瓦

まず、防災瓦がなぜ「防災」と呼ばれるのか、その基本的な仕組みを理解しておきましょう。

従来の瓦は、瓦同士の重なりや、下地(桟木など)への釘打ちだけで固定されているものが多く、大きな揺れや強風でズレたり、落下したりするリスクがありました。

一方、防災瓦は、瓦同士をしっかりと連結させるための「アーム」や「ロック機構」を備えているのが最大の特徴です。これにより、地震の揺れや台風の風圧を受けても、瓦が一体となって抵抗し、ズレや飛散、落下を大幅に抑制します。
さらに、近年の施工では、瓦一枚一枚を下地にビスで固定する「全数釘打ち(ビス止め)」が標準的となっており、より強固な固定が実現されています。

この進化した固定方法こそが、防災瓦の高い防災性能の秘密なのです。

多様なニーズに応える!防災瓦の「形状」の種類と特徴

防災瓦には、日本の伝統的な家屋から現代的なデザインの住宅まで、様々な外観にマッチするよう、いくつかの代表的な形状があります。

和型瓦(J型):日本の伝統美を受け継ぐ

形状: 日本瓦の伝統的な形状である「J」字型のカーブを持つ瓦です。屋根に波のような美しい曲線と重厚感を与えます。

特徴: 純和風の住宅はもちろん、和モダンなデザインの家にもよく調和します。日本の気候風土に適した形状で、雨水の排水性にも優れています。

防災機能: 伝統的な形状を踏襲しつつ、瓦同士の噛み合わせを強化したり、釘やビスで固定するなどの防災機能が加えられています。

平板瓦(F型):シンプルでモダンな印象

形状: 表面がフラット(平ら)な形状の瓦です。シャープでスッキリとした直線的なラインが特徴です。

特徴: 現代的なデザインの住宅や、シンプルモダンな外観を好む方に人気です。太陽光パネルとの相性も良いとされています。施工が比較的容易な製品もあります。

防災機能: 瓦同士のロック機構や、下地への確実な固定により、高い耐風性・耐震性を発揮します。

洋瓦(S型・スパニッシュ型など):南欧風のエレガントな雰囲気

形状: 大きなS字型のカーブや、丸みを帯びた波のような形状が特徴の瓦です。南ヨーロッパの住宅に見られるような、明るく華やかな印象を与えます。

特徴: 洋風のデザインの住宅や、個性的な外観を求める方に適しています。瓦の形状により通気性に優れ、屋根裏の換気を促進する効果も期待できる製品があります。

防災機能: 瓦同士の噛み合わせ構造や、釘・ビス止めにより、強風や地震への耐性を高めています。

その他にも…

上記の代表的な形状以外にも、各メーカーが独自の形状やデザインの防災瓦を開発しています。例えば、M型(山が2つあるような形状)など、より意匠性や機能性を高めた製品も存在します。

選ぶポイント

建物のデザインコンセプトや外壁の色、地域の景観との調和などを考慮し、好みの形状を選びましょう。ただし、形状によって耐風性能や施工方法が若干異なる場合があるため、専門業者とよく相談することが大切です。

より詳しく知りたい方は
下記よりお問い合わせください。

フリーダイヤル 0120-905-454 (平日・土曜 9:00~18:00)

防災瓦を構成する「素材」の種類とそれぞれの特性

防災瓦の性能や特徴は、使用される素材によっても大きく左右されます。

陶器瓦(粘土瓦):最も伝統的で高耐久な素材

  • 素材: 粘土を主原料とし、高温で焼き上げて作られます。表面に釉薬(ゆうやく)をかけて焼き上げる「釉薬瓦」と、釉薬をかけずに燻して炭素膜を形成する「いぶし瓦」などがあります。
  • メリット:
    • 非常に高い耐久性・耐候性: 適切に施工されれば50年以上の長寿命が期待でき、色褪せや変質もほとんどありません。
    • 優れた断熱性・遮音性:瓦自体の厚みと、瓦と下地の間にできる空気層により、断熱効果や雨音を軽減する効果があります。
    • メンテナンスフリー(瓦本体):瓦自体は基本的に塗装などのメンテナンスが不要です。
  • デメリット:
    • 他の素材に比べて重い。(ただし、防災瓦は軽量化も進んでいます)
    • 衝撃で割れることがある。
    • 初期費用が比較的高価。
  • 防災機能: 素材自体の強度に加え、形状や固定方法の工夫で防災性能を高めています。

セメント瓦・コンクリート瓦(厚形スレートなど):カラーバリエーション豊富

  • 素材: セメントと砂を主原料として成形された瓦です。
  • メリット:
    • 陶器瓦に比べて安価な場合がある。
    • 着色しやすいため、カラーバリエーションが豊富。
    • 形状の自由度が高い。
  • デメリット:
    • 陶器瓦に比べて耐久性がやや劣り、経年劣化で表面の塗装が剥がれたり、瓦自体が水分を吸収して脆くなったりすることがある。
    • 定期的な塗装メンテナンスが必要(一般的に10年~15年ごと)。
    • 陶器瓦と同様に比較的重い。
  • 防災機能: 形状や固定方法の工夫により防災性能を持たせていますが、素材自体の劣化には注意が必要です。

軽量瓦(ハイブリッド瓦など):軽さと強さを両立

  • 素材: 近年注目されている新しいタイプの瓦で、セメントに樹脂繊維や軽量骨材を混ぜ込むなどして、大幅な軽量化と高い強度を両立させています。代表的な製品に、ケイミュー社の「ROOGA(ルーガ)」シリーズなどがあります。
  • メリット:
    • 大幅な軽量化: 陶器瓦の約半分程度の重さの製品もあり、建物への負荷を軽減し、耐震性を高めます。
    • 高い耐衝撃性: ハンマーで叩いても割れにくいほどの強度を持つ製品もあり、飛来物などによる破損リスクを低減します。
    • デザイン性も豊富。
  • デメリット:
    • 陶器瓦やセメント瓦に比べて、まだ歴史が浅い製品もあります。
    • 製品によっては比較的高価になる場合があります。
    • 施工にはメーカーの認定が必要な場合があるなど、対応できる業者が限られることがあります。
  • 防災機能: 軽量性と高強度、そして確実な固定方法により、非常に高い防災性能を発揮します。

【表】防災瓦の主な素材別特徴比較

素材の種類主なメリット主なデメリット重量の目安(/㎡)耐用年数(目安)塗装メンテ
陶器瓦(粘土瓦)超高耐久、色褪せなし、断熱・遮音性、メンテフリー(瓦本体)重い、割れる可能性、高価約40kg~50kg50年以上不要
セメント瓦比較的安価な場合あり、カラー豊富、形状自由度耐久性やや劣る、要定期塗装、重い約40kg~50kg20年~30年必要
軽量瓦(ハイブリッド瓦など)大幅軽量、高強度・耐衝撃性、デザイン性歴史浅い製品あり、比較的高価な場合あり、施工業者限定の場合あり約20kg~35kg30年以上製品による

※重さや耐用年数は一般的な目安であり、製品によって異なります。

主要メーカーの代表的な防災瓦シリーズとその特徴

日本の瓦メーカー各社は、独自の技術を駆使して様々な特徴を持つ防災瓦を開発・販売しています。ここでは、いくつかの代表的なメーカーとその製品シリーズの例をご紹介します。

ケイミュー株式会社(例:ROOGAシリーズなど)

樹脂混入繊維補強軽量セメント瓦「ROOGA(ルーガ)」シリーズなどを展開。驚くほどの軽さと、ハンマーで叩いても割れにくいほどの高い強度を両立させています。台風や地震だけでなく、飛来物による被害も軽減する性能を持ち、デザイン性も高く、和風から洋風まで幅広い住宅スタイルに対応可能です。

株式会社鶴弥(かぶしきがいしゃつるや)(例:スーパートライ110シリーズなど)

瓦同士をがっちりとロックするアーム構造や、独自の防水設計で高い防災性能を実現した「スーパートライ110」シリーズなどが主力製品です。緩い勾配の屋根にも対応できる製品や、豊富なデザイン・色のラインナップが特徴で、多くの住宅で採用されています。

新東株式会社(しんとうかぶしきがいしゃ)(例:セラムFシリーズ、防災瓦S-PROなど)

伝統的な三州瓦の技術を活かしつつ、最新の防災技術(例:オーバーラップロック方式などを採用した「S-PRO」規格)を導入しています。「セラムFシリーズ」などの平板瓦をはじめ、耐風性能や防水性能に優れた製品を多数開発しており、大手ハウスメーカーへの供給実績も豊富です。

三州野安株式会社(さんしゅうのやすかぶしきがいしゃ)(例:セラフラットシリーズなど)

業界内で高い評価を受ける高品質な防災瓦を提供しています。特に平板瓦の「セラフラットシリーズ」などは、その優れたデザイン性と機能性から、多くの建築家や工務店に選ばれています。

選ぶポイント

各メーカーのウェブサイトやカタログで、製品の詳しい性能(耐風圧性能、耐震実験結果、防水試験結果など)や特徴、施工事例などを確認しましょう。また、実際にサンプルを取り寄せて色や質感を確認することも大切です。気になる製品が見つかったら、それを取り扱っている屋根工事業者に相談し、ご自身の住まいに適しているか、専門的なアドバイスを受けることをお勧めします。

防災瓦を選ぶ際に「種類」の観点から注意すべきこと

防災瓦を選ぶ際には、単に「防災」という言葉だけでなく、以下の点を考慮して、ご自身の住まいとニーズに最適な「種類」を選ぶことが重要です。

  1. 建物のデザインとの調和
    • 和風、洋風、モダンなど、建物の外観デザインに合った形状や色の防災瓦を選びましょう。屋根は家の印象を大きく左右します。
  2. 地域の気候特性への適合性
    • 台風が多い地域では耐風性能の高い形状や固定方法のものを、積雪地域では雪下ろしがしやすい形状や、雪の重みに耐えられる構造のものを、といったように、地域の気候特性に合った防災瓦を選ぶことが重要です。
  3. 屋根の勾配(傾斜角度)
    • 瓦の種類によっては、施工可能な屋根の勾配に制限がある場合があります。特に緩い勾配の屋根に防災瓦を使用する場合は、対応可能な製品かしっかり確認しましょう。
  4. 重量と建物の耐震性
    • 防災瓦は軽量化が進んでいるとはいえ、スレートや金属屋根に比べればまだ重量があります。特に古い建物をリフォームする場合は、建物の構造が瓦の重さに耐えられるか、専門家による耐震診断を受けることをおすすめします。より軽量な防災瓦(ハイブリッド瓦など)も検討しましょう。
  5. 予算と長期的なコストパフォーマンス
    • 初期費用だけでなく、耐用年数やメンテナンスの頻度・費用も考慮し、長期的な視点でコストパフォーマンスを比較検討しましょう。
  6. 施工業者の専門性と経験
    • 防災瓦の性能を最大限に引き出すためには、正しい知識と技術を持った専門業者による確実な施工が不可欠です。選んだ防災瓦の施工実績が豊富な業者を選びましょう。

まとめ:多様な種類の防災瓦から、我が家に最適な「安心」を選ぼう!

防災瓦は、もはや特別なものではなく、日本の住宅におけるスタンダードな選択肢の一つとなりつつあります。その種類は形状、素材、メーカーによって多岐にわたり、それぞれが独自の防災性能と特徴を持っています。

防災瓦の種類を選ぶ際の重要ポイント

  • 形状(J型、F型、S型など)は、主にデザイン性と排水性・通気性に関わる。
  • 素材(陶器瓦、セメント瓦、軽量瓦など)は、耐久性、重量、メンテナンス性、価格に大きく影響する。
  • 各メーカーは、独自の防災技術(ロック機構、防水設計など)を製品に盛り込んでいる。
  • 建物のデザイン、地域の気候、屋根の勾配、予算、そして最も重要な「求める防災性能」を総合的に考慮して、最適な種類を選ぶことが大切。
  • 必ず信頼できる専門業者に相談し、詳細な説明とアドバイスを受けること。

「どの種類の防災瓦が良いか分からない…」と悩んだら、まずは複数の屋根専門業者に相談し、ご自宅の状況に合わせた提案を受けてみましょう。実際に製品サンプルを見たり、施工事例を確認したりすることも、最適な防災瓦選びの助けになるはずです。
この記事が、あなたの安全で安心な住まいづくりのための一助となれば幸いです。

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