「台風で屋根のてっぺんの板金が浮いている…」
「業者を呼ぶ前に、とりあえず自分で何とかできないかな?」
ある日突然、強風や経年劣化で剥がれてしまう屋根の「棟板金(むねばんきん)」。雨漏りに直結する重要な部分だけに、見つけた時の不安は大きいですよね。
修理費用を抑えるために「DIYで直せないか?」と考える方も多いでしょう。
結論から言うと、本格的な修理はプロに任せるべきですが、次の雨までの「応急処置」であれば、正しい知識と安全対策のもとでDIYが可能な場合があります。
この記事では、屋根工事のプロの視点から、DIYで行う棟板金の応急処置の具体的な手順、必要な道具、そして「これだけはやってはいけない」という注意点を、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します。
【最重要】この記事はDIYを推奨するものではありません。高所作業は常に命の危険が伴います。少しでも不安を感じる場合は、絶対に無理をせず専門業者に連絡してください。
なぜ棟板金はDIY修理の対象になりやすいのか?
屋根の修理の中でも、特に棟板金はDIYが検討されやすい箇所です。その理由は以下の通りです。
- 被害が目に見えやすい:屋根の頂上にあるため、下からでも「浮いている」「外れかかっている」といった異常を発見しやすい。
- 構造が比較的シンプル:屋根材本体の複雑な構造と比べ、棟板金は「貫板(ぬきいた)」という下地木材に釘やビスで固定されている比較的単純な構造。
- 緊急性が高い:放置すると雨水が直接浸入し、雨漏りの原因となるため、一刻も早い対処が求められる。
こうした理由から、「次の業者さんが来るまで、なんとか雨漏りを防ぎたい」という緊急の応急処置として、DIYが選択肢に挙がるのです。
より詳しく知りたい方は
下記よりお問い合わせください。
フリーダイヤル 0120-905-454 (平日・土曜 9:00~18:00)
DIYの前に!まずは必要な道具をホームセンターで揃えよう
応急処置とはいえ、道具がなければ始まりません。プロも使う、基本的な道具はほとんどホームセンターで揃えることができます。
| 道具の種類 | 具体的な商品名・用途 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 安全装備(必須) | ・ヘルメット ・安全帯(ハーネス) ・滑りにくい靴(作業靴やグリップの効くスニーカー) | 5,000円~ |
| 固定用具 | ・インパクトドライバー ・ステンレス製ビス(サビに強い。釘より抜けにくい) | 10,000円~ |
| 防水・仮止め | ・防水テープ(スーパーポリクロステープなど強力なもの) ・コーキング材(変成シリコン系)とコーキングガン | 2,000円~ |
| その他 | ・脚立またははしご(屋根に安全に上がるため) ・軍手 | 5,000円~ |
特に安全装備は絶対に妥協しないでください。数千円を惜しんだ結果、取り返しのつかない事故につながる可能性があります。
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【実践編】プロが解説する棟板金の応急処置 DIY3ステップ
準備が整ったら、いよいよ作業です。ここでは、被害状況に応じた3つの応急処置方法を解説します。必ず晴れていて、風のない日に行ってください。
ケース1:釘が浮いている、板金が少し浮いている場合
最も軽微な症状です。釘が緩んで浮き上がり、板金がパカパカしている状態です。
- 古い釘を抜く:浮いている釘をペンチなどで慎重に引き抜きます。
- ビスで再固定:抜いた釘穴の少し横に、インパクトドライバーでステンレス製のビスを打ち込み、板金をしっかりと固定します。同じ穴に新しい釘を打ってもすぐに抜けてしまうため、必ずビスを使いましょう。
- ビス頭をコーキング:打ち込んだビスの頭にコーキング材を少量乗せ、水の侵入を防ぎます。
ケース2:板金が一部外れている、変形している場合
強風で板金がめくれ上がってしまったような状態です。
- 元の位置に戻す:外れている板金を、できるだけ元の形に戻しながら被せます。
- ビスで仮固定:動かないように数カ所、ビスで仮固定します。
- 防水テープで固定:板金の継ぎ目や、ビスで固定した上から、防水テープをしっかりと貼り付け、雨水が入らないようにします。テープにシワができないように、空気を抜きながら密着させるのがポイントです。
ケース3:板金が完全に飛んでしまった、破損して使えない場合
最も深刻な状態です。下地の貫板がむき出しになっています。
- ブルーシートで覆う:むき出しになった棟全体を、大きめのブルーシートや養生シートで覆います。
- テープで固定:シートが風で飛ばされないように、端を屋根面に防水テープで何重にも貼り付け、厳重に固定します。
- 土のうで重しをする(可能であれば):シートの端を土のうなどで押さえると、より確実です。ただし、屋根の上に重いものを運ぶのは非常に危険なので、無理は禁物です。
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DIYで絶対やってはいけない!失敗に繋がる3つのNG行動
良かれと思ってやったことが、かえって状況を悪化させることもあります。以下の行動は絶対に避けてください。
- NG①:雨の日の作業
屋根面が濡れていると滑りやすく、転落のリスクが極めて高くなります。絶対にやめましょう。 - NG②:釘の打ち増し
浮いた釘をハンマーで打ち直しても、緩んだ下地木材には効きません。すぐにまた浮いてきてしまいます。応急処置でも固定はビスを使うのが鉄則です。 - NG③:応急処置のまま放置
テープやコーキングは紫外線で劣化するため、長持ちしません。あくまで数週間~数ヶ月しのぐためのものです。応急処置が完了したら、安心して放置せず、必ず専門業者に連絡して本格的な修理を依頼してください。
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DIY vs プロ|結局どっちがいいの?
DIYとプロへの依頼、それぞれのメリット・デメリットを冷静に比較してみましょう。
| 項目 | DIY(応急処置) | プロへの依頼(本格修理) |
|---|---|---|
| 費用 | 安い(数千円~数万円の材料費のみ) | 高い(数万円~十数万円) |
| スピード | すぐできる(緊急対応が可能) | 予約や現地調査が必要 |
| 安全性 | 非常に危険(自己責任) | 安全対策が徹底されている |
| 品質・保証 | 一時しのぎ・保証なし | 高品質・施工保証あり |
| 精神的安心感 | 不安が残る | 根本解決で安心 |
費用とスピードではDIYに軍配が上がりますが、安全性と品質ではプロが圧勝です。DIYはあくまで「次の雨をしのぐための緊急避難」と割り切り、根本的な解決はプロに任せるのが最も賢明な判断です。
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まとめ:安全第一で、賢くDIYとプロを使い分けよう
今回は、DIYで行う棟板金の応急処置について解説しました。
- 棟板金の応急処置はDIYでも可能だが、高所作業の危険性を常に意識する。
- ヘルメットや安全帯などの安全装備は絶対に省略しない。
- 修理は「ビスでの固定」と「防水テープ」が基本。釘の打ち直しはNG。
- DIYはあくまで一時しのぎ。完了後は必ず専門業者に点検と本格修理を依頼する。
棟板金の不具合は、火災保険の「風災補償」の対象になるケースも多いです。DIYで応急処置をする前に、まずは被害状況の写真を撮っておくことを忘れないでください。
正しい知識を身につけ、安全を最優先することで、DIYはあなたの大切な家を守る強力なスキルになります。無理のない範囲で賢く活用し、専門家と上手に連携して、安心できる住まいを維持していきましょう。
クイック屋根工事
私たちクイック屋根工事は、日本全国で建物の屋根を中心に、あらゆるリフォーム工事を手がけています。
【累計6,000件以上の施工実績】
屋根葺き替えや屋根カバー工事、屋根塗装、防水工事から、雨樋の修理、内装工事まで幅広い工事に対応。独自の全国派遣ネットワークにより、迅速な対応が可能です。各地で培った経験をもとに、地域の気候や建築様式に適した最適な修理方法をご提案いたします。
【専門資格を持つ職人が対応】
弊社では、厳しい加盟条件を満たした専門修理業者をご紹介します。すべての業者が「一級建築士」「屋根工事技士」などの資格を持つ専門家による監修のもと、豊富な経験を活かした施工を行います。
【お客様の声】
「兵庫県姫路市で屋根修理をお願いしましたが、親切な対応と確かな技術で大満足です!」(50代・女性)
「雨漏りが気になっていましたが、しっかりと原因を特定し、丁寧に施工していただきました」(40代・女性)
屋根やお家のリフォームのことなら、お気軽にご相談ください。