「ガルバリウムの外壁って、塗装は不要なんでしょ?」
「うちのガルバリウム、色褪せてきたけど塗り替えってできるの?」
耐久性が高く錆びにくいことから「メンテナンスフリー」というイメージを持たれがちなガルバリウム鋼板の外壁。しかし、その認識は半分正解で、半分は間違いです。
確かに、ガルバリウム鋼板自体は非常に長持ちしますが、その表面を保護している「塗膜」は、紫外線や雨風によって必ず劣化します。この塗膜の劣化を放置すると、せっかくのガルバリウム鋼板も色褪せやサビを引き起こし、寿命を縮めてしまうのです。
この記事では、そんな「ガルバリウム外壁の塗装」に徹底的にフォーカスし、
- なぜ塗装が必要なのか、その目的
- 塗り替えに最適な時期を見極める劣化サイン
- 工事にかかるリアルな費用相場と内訳
- ガルバリウムに適した塗料の種類と選び方
などを、初心者の方にも分かりやすく解説します。正しい知識で適切な時期にメンテナンスを行い、ガルバリウム外壁の美しさと性能を最大限に長持ちさせましょう。
そもそも、なぜガルバリウム外壁に塗装が必要なの?
ガルバリウム鋼板に塗装が必要な理由は、大きく2つあります。
- 【保護機能の回復】美観と防水性を維持するため
ガルバリウム鋼板の表面は、製造時に施された塗料の膜(塗膜)で覆われています。この塗膜が、色褪せを防ぎ、鋼板本体を紫外線や雨水から守るバリアの役割を果たしています。しかし、この塗膜も経年で劣化するため、塗り替えることで保護機能を回復させる必要があります。 - 【美観の向上】外観をリフレッシュするため
経年で色褪せたり、汚れが目立ったりしてきた外壁を再塗装することで、新築時のような美しい外観を取り戻すことができます。色を変えて、家のイメージチェンジを楽しむことも可能です。
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塗装のタイミングはいつ?見逃してはいけない4つの劣化サイン
ガルバリウム鋼板の塗装メンテナンスは、新築または前回の塗装から10年~20年が一般的な目安です。ただし、環境によって劣化のスピードは異なるため、年数だけでなく以下の「劣化サイン」で判断することが重要です。
| 劣化サイン | 症状 | 危険度 |
|---|---|---|
| ① チョーキング | 手で触ると白い粉が付く。塗膜が劣化し、防水性が低下し始めた初期サイン。 | 低 |
| ② 色褪せ・変色 | 新築時と比べて、色が薄くなったり、くすんで見えたりする。 | 低 |
| ③ 塗膜の剥がれ・膨れ | 塗装がパリパリと剥がれていたり、水ぶくれのように膨れていたりする。 | 中 |
| ④ サビの発生 | 表面に茶色いサビ(赤サビ)や白い斑点状のサビ(白サビ)が発生している。 | 高 |
特に「④サビの発生」は、鋼板本体の腐食が始まっている証拠であり、放置すると穴が開いて雨漏りの原因になります。軽微なサビのうちに塗装メンテナンスを行うことが、費用を抑える上で非常に重要です。
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ガルバリウム外壁の塗装費用はいくら?リアルな相場と内訳
一般的な30坪・2階建ての住宅(外壁面積120~150㎡)で、ガルバリウム外壁の塗装を行う場合の総額費用相場は、約70万円~120万円です。
この金額がどのように構成されているのか、具体的な見積もり例を見てみましょう。
【見積もり例:30坪(外壁面積150㎡)の場合】
| 費目 | 単価(目安) | 数量 | 金額(目安) | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 足場設置費用 | 800~1,200円/㎡ | 180㎡ | 14.4万~21.6万円 | 安全な作業に必須 |
| 高圧洗浄 | 200~300円/㎡ | 150㎡ | 3万~4.5万円 | 汚れや旧塗膜を除去 |
| 下地処理(ケレン) | 300~800円/㎡ | 150㎡ | 4.5万~12万円 | サビを落とし、塗料の密着性を高める最重要工程 |
| 養生 | 250~400円/㎡ | 150㎡ | 3.75万~6万円 | 窓などを塗料の飛散から保護 |
| 外壁塗装(3回塗り) | 2,300~4,500円/㎡ | 150㎡ | 34.5万~67.5万円 | 使用する塗料で大きく変動 |
| 諸経費 | – | – | 5万~10万円 | 現場管理費など |
| 合計(税抜) | 65.15万~121.6万円 |
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どの塗料を選ぶべき?ガルバリウム外壁に適した塗料
ガルバリウム鋼板は表面がツルツルしているため、塗料が密着しにくいという特性があります。そのため、塗料選びと、その前の下地処理(ケレン作業)が非常に重要になります。
| 塗料の種類 | 耐用年数の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| シリコン塗料 | 10~15年 | コストと耐久性のバランスが良く、最も一般的に使われる。 |
| ラジカル塗料 | 12~15年 | シリコン塗料より耐久性が高く、近年人気が上昇している。 |
| フッ素塗料 | 15~20年 | 非常に高耐久で、メンテナンス回数を減らしたい場合に最適。 |
| 無機塗料 | 20~25年 | 最も長持ちする塗料だが、価格も最も高い。 |
【ポイント】
- 下塗り塗料が重要:上塗り塗料の性能を最大限に引き出すため、ガルバリウム鋼板のような金属面に適した「錆止めプライマー」を下塗りとして使用する必要があります。
- 遮熱塗料もおすすめ:金属であるガルバリウム鋼板は熱を吸収しやすいため、太陽光を反射して室温の上昇を抑える「遮熱塗料」を選ぶと、夏の快適性が向上します。
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ガルバリウム塗装で失敗しないための2つの重要工程
ガルバリウム鋼板の塗装を長持ちさせる鍵は、塗装前の「下地処理」にあります。見積もりや工事の際に、以下の2つの工程がしっかり行われるか必ず確認しましょう。
- ケレン(目荒らし)作業
サンドペーパーや専用の工具を使って、古い塗膜やサビを削り落とし、塗装面に意図的に細かい傷をつける作業です。この「目荒らし」によって、ツルツルしたガルバリウム鋼板の表面に塗料がしっかりと食いつくようになります。この工程を怠ると、数年で塗膜が剥がれてくる原因になります。 - サビ止め効果のある下塗り(プライマー)
ケレン作業の後、最初に塗るのが下塗り塗料(プライマー)です。ガルバリウム鋼板の場合は、サビの発生を抑制する効果のあるプライマーを選ぶことが必須です。これにより、上塗り塗料の密着性を高めると同時に、鋼板自体の寿命を延ばすことができます。
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まとめ
「ガルバリウム鋼板は塗装不要」というのは、あくまで「窯業系サイディングのように頻繁な塗装は必要ない」という意味合いです。その優れた耐久性を最大限に活かすためには、適切な時期の塗装メンテナンスが不可欠です。
- 塗装の目的:保護機能の回復と美観の向上。
- 塗装の時期:10~20年が目安。チョーキングやサビは分かりやすい劣化サイン。
- 費用相場:30坪の住宅で70万~120万円。
- 成功の鍵:「ケレン(目荒らし)」と「サビ止めプライマー」という下地処理を徹底すること。
ガルバリウム鋼板の塗装は、専門的な知識と技術を要します。劣化サインに気づいたら、ガルバリウム鋼板の塗装実績が豊富な専門業者に相談し、適切な診断と見積もりを取ることから始めましょう。
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