「屋根の塗装、ピカピカ光るのはちょっと苦手…」
「マットで落ち着いた雰囲気にしたいけど、艶消し塗料ってどうなの?」
屋根塗装というと、色選びにばかり注目しがちですが、実は「艶(つや)の有無」も、お家の印象を大きく左右する重要な要素です。
特に、光沢を抑えた「艶消し(つやけし)」仕上げは、しっとりと上品で、高級感のある外観を演出できるため、近年人気が高まっています。
しかし、その落ち着いた魅力の裏には、知っておかないと後悔するかもしれないデメリットも隠されています。
この記事では、
- そもそも「艶消し塗料」ってどうやって作るの?
- 艶消しを選ぶメリットと、覚悟すべき3つのデメリット
- 「艶あり」と比べて、汚れやすさや寿命は本当に違うの?
- 艶消し塗料を選ぶ際の注意点と、おすすめの選び方
などを、プロの視点からとことん分かりやすく解説します。この記事を読めば、艶消し塗料の全てが分かり、あなたの理想のイメージと機能性を両立させる最適な選択ができるようになります。
1. そもそも「艶消し塗料」とは?艶の調整の仕組み
「艶消し」と聞くと、もともと光沢のない特別な塗料をイメージするかもしれません。しかし、実はほとんどの塗料は、製造段階ではピカピカの「艶あり」状態です。
では、どうやって艶を消すのでしょうか?
答えは、塗料に「艶消し剤(つやけしざい)」という、光を乱反射させる微細な粒子を混ぜ込むことで、人工的に光沢を調整しているのです。
この艶消し剤の量を調整することで、光沢の度合いをコントロールできます。
| 艶の度合い | 光沢度の目安 | 見た目のイメージ |
|---|---|---|
| 艶あり | 70%以上 | ピカピカで光沢が強い。新築のような輝き。 |
| 7分艶 | 55~65% | 控えめな光沢。 |
| 5分艶(半艶) | 30~40% | 落ち着いた光沢。 |
| 3分艶 | 10~20% | ほんのり光沢を感じる程度。 |
| 艶消し(マット) | 5%以下 | 光沢がほとんどない、しっとりとした質感。 |
つまり、「艶消し塗料」とは、艶あり塗料に添加物を加えたカスタマイズ品である、と理解しておきましょう。この点が、後のデメリットにも繋がってきます。
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2. なぜ人気?屋根を「艶消し」にする2つの大きなメリット
艶消し塗装が選ばれる理由は、その独特の美しい仕上がりにあります。
メリット①:上品で落ち着いた高級感を演出できる
艶消し塗装最大の魅力は、光の反射を抑えたマットで重厚な質感です。ピカピカした光沢がないため、派手になりすぎず、しっとりと落ち着いた印象を与えます。
和風住宅はもちろん、モダンなデザインの住宅にもマッチし、周囲の景観に自然と溶け込みながらも、ワンランク上の高級感を演出することができます。
メリット②:経年による見た目の変化が少ない
「艶あり」塗料で塗装した場合、新築時はピカピカですが、紫外線や雨風にさらされるうちに徐々に光沢が失われていきます(これを艶引けといいます)。この「艶がなくなっていく過程」が、劣化として目立ちやすいのです。
一方、「艶消し」はもともと光沢がないため、数年経っても新築時からの見た目の変化が少なく、古びた印象になりにくいというメリットがあります。
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3.【最重要】艶消し塗料を選ぶ前に覚悟すべき3つのデメリット
美しい仕上がりが魅力の艶消し塗料ですが、性能面では「艶あり」に劣る点がいくつかあります。これを理解せずに選んでしまうと、後悔の原因になりかねません。
デメリット①:耐久性がやや劣る(寿命が短くなる)
これが最大のデメリットです。
前述の通り、艶消し塗料は艶あり塗料に「艶消し剤」を混ぜて作られます。この添加物を混ぜ込むことで、塗料本来の成分(樹脂)の結合が少しだけ阻害され、塗膜の強度がわずかに低下してしまいます。
また、艶あり塗料の表面はツルツルしているのに対し、艶消し塗料の表面はミクロレベルで見るとザラザラしています。この凹凸が、次のデメリットにも繋がります。
プロの見解:
同じグレードの塗料(例:シリコン塗料)で比較した場合、艶ありよりも艶消しの方が、耐用年数が1年~3年ほど短くなるのが一般的です。
デメリット②:汚れが付着しやすく、目立ちやすい
艶あり塗料の表面はツルツルしているため、雨が降ると汚れが一緒に流れ落ちやすい「セルフクリーニング効果」が期待できます。
しかし、艶消し塗料の表面は微細な凹凸があるため、その凹凸に砂埃や排気ガスなどの汚れが引っかかりやすく、蓄積しやすい傾向があります。特に、交通量の多い道路沿いや、工場が近い地域では、汚れが目立ちやすくなる可能性があります。
デメリット③:選べる塗料の種類が少ない
屋根用の塗料は、外壁用と比べて過酷な環境に耐えるため、高い耐久性が求められます。そのため、塗料メーカーも性能を最大限に発揮できる「艶あり」を標準仕様としている製品がほとんどです。
「高耐久なフッ素塗料や無機塗料で、完全な艶消しにしたい」と思っても、製品そのものが存在しないケースが多く、選べる塗料の選択肢が限られてしまうのが現状です。
4.【Q&A】屋根の艶消し塗装、よくある質問にプロが回答!
お客様からよくいただく質問について、本音でお答えします。
Q1. 結局、「艶あり」と「艶消し」どっちがおすすめ?
A1. 性能を重視するなら「艶あり」、デザイン性を最優先するなら「艶消し」です。
| 艶あり | 艶消し | |
|---|---|---|
| デザイン性 | △(ピカピカ感が好みでない人も) | ◎(上品で高級感がある) |
| 耐久性(寿命) | ◎(塗料の性能を100%発揮) | △(やや劣る) |
| 防汚性(汚れにくさ) | ◎(汚れが流れやすい) | △(汚れが付きやすい) |
| 価格 | 〇(標準価格) | △(やや割高になることも) |
| 塗料の選択肢 | ◎(豊富) | △(少ない) |
長期的な耐久性やメンテナンスの手間を考えるなら「艶あり」、もしくは光沢を抑えた「3分艶」「5分艶(半艶)」が最も合理的です。
それでも、「どうしてもマットな質感がいい」というデザインへのこだわりがあるなら、「艶消し」を選ぶ価値は十分にあります。その際は、耐久性が少し落ちることを理解した上で選択しましょう。
Q2. 艶消しでも、耐久性の高い塗料はありますか?
A2. はい、あります。
シリコン塗料やラジカル制御型塗料など、中~高グレードの塗料には艶消しタイプが用意されています。ただし、前述の通り、同じグレードの艶ありタイプよりは若干性能が落ちることは念頭に置いておきましょう。業者と相談し、使用する塗料の耐久性(耐用年数)をしっかり確認することが重要です。
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Q3. 艶消しで塗装したのに、一部だけ艶が出てしまった…なぜ?
A3. 施工不良の可能性があります。
これは、塗装後の乾燥が不十分なまま重ね塗りをした場合や、塗料の攪拌(かくはん)が不十分で艶消し剤が均一に混ざらなかった場合に起こり得ます。艶消し塗装は、実は職人の技術力が問われる繊細な作業です。艶消し塗装の実績が豊富な、信頼できる業者に依頼することが失敗を防ぐカギとなります。
5. まとめ:メリット・デメリットを理解して、最適な艶を選ぼう
屋根塗装における「艶消し」は、お家の外観を格調高く、個性的に見せてくれる非常に魅力的な選択肢です。
しかし、その美しさの裏には、「耐久性の低下」や「汚れやすさ」といった性能面のデメリットも存在します。
- デザイン性を最優先し、マットで上品な仕上がりを求めるなら「艶消し」
- 長期的な耐久性やメンテナンス性を重視するなら「艶あり」や「3分艶」
どちらが良い・悪いということではありません。それぞれのメリット・デメリットを正しく理解し、あなたが何を一番大切にしたいのかを基準に選ぶことが、後悔しない屋根塗装の秘訣です。
この記事が、あなたの最適な塗料選びの助けとなれば幸いです。
クイック屋根工事
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