「カーポートの屋根を、DIYで波板に張り替えたいな」
「ベランダの屋根を作るけど、どのくらい傾き(勾配)をつければいいんだろう?」
「勾配が足りないと、雨漏りするって本当?」
軽量で加工しやすく、ホームセンターでも手軽に購入できる「波板」。テラスやカーポート、物置の屋根など、DIYでも人気の高い素材です。
しかし、この波板屋根の設置で最も重要かつ、多くの人が見落としがちなのが「勾配(こうばい)」、つまり屋根の傾斜角度です。
この勾配を適切に設定しないと、雨漏りを引き起こしたり、屋根の寿命を縮めたりと、後々大きなトラブルにつながる可能性があります。
この記事では、そんな波板屋根の勾配について、
- そもそも、なぜ勾配が必要なのか?
- 雨漏りを防ぐために最低限必要な勾配は何度なのか?
- 勾配が不適切だと、どんな問題が起きるのか?
などを、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します。失敗しない波板屋根づくりのために、ぜひ最後までご覧ください。
そもそも、なぜ波板屋根に「勾配」が必要不可欠なのか?
「雨を防ぐだけなら、平らでもいいのでは?」と思うかもしれませんが、屋根に勾配をつけるのには3つの明確で重要な理由があります。
- 雨漏りを防ぐため【最重要】
屋根に勾配がないと、雨水が流れずに溜まってしまいます。波板はビスで固定したり、複数枚を重ね合わせたりして設置するため、どうしても隙間が存在します。水が溜まると、そのわずかな隙間から毛細管現象などで水が吸い上げられ、雨漏りの直接的な原因となります。 - 屋根の劣化を防ぐため
屋根に水が溜まったままの状態が続くと、波板の素材を劣化させます。特に金属製の波板の場合はサビの発生に直結し、屋根の寿命を著しく縮めてしまいます。勾配をつけて素早く排水し、屋根を乾燥させることが長持ちの秘訣です。 - 汚れやゴミの付着を防ぐため
適切な勾配があれば、雨が降るたびに屋根の上のホコリやゴミを自然に洗い流してくれます。勾配がないと汚れが蓄積し、カビやコケの温床になってしまいます。
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【結論】波板屋根の最低勾配は「2.5寸」以上を確保しよう!
では、雨漏りを防ぐために最低限どれくらいの勾配が必要なのでしょうか。
結論から言うと、波板の種類にもよりますが、安全を見て最低でも「2.5寸勾配」以上を確保することを強く推奨します。より安心なのは「3寸勾配」以上です。
「寸勾配」ってどういう意味?
建築業界では、屋根の角度を「寸(すん)」で表すのが一般的です。これは、「水平に10寸(約30.3cm)進んだときに、垂直に何寸上がるか」を示したものです。
- 2.5寸勾配:水平に10寸進むと2.5寸(約7.6cm)高くなる角度。角度にすると約14度。
- 3寸勾配:水平に10寸進むと3寸(約9.1cm)高くなる角度。角度にすると約17度。
DIYで設置する際は、1m進んで17cm以上高くなるように設定すれば、3寸勾配を確保できる、と考えると分かりやすいでしょう。
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【種類別】波板の推奨最低勾配
実は、波板の波の大きさ(ピッチ)によって、メーカーが推奨する最低勾配は異なります。
| 波板の種類 | 主な用途 | 推奨される最低勾配 |
|---|---|---|
| 鉄板小波(32波) | DIY、カーポート、テラスなど最も一般的 | 3/10(3寸)以上 |
| 鉄板大波 | 工場、倉庫など | 2.5/10(2.5寸)以上 |
| スレート小波 | やや大きめの倉庫など | 2.5/10(2.5寸)以上 |
| スレート大波 | 工場、倉庫など | 2.5/10(2.5寸)以上 |
ご家庭のDIYで最もよく使われる「鉄板小波」タイプは、より安全な「3寸以上」が望ましいとされています。
もし勾配が不適切だったら…?起こりうる2大トラブル
勾配の設定を間違えると、どのような問題が起きるのでしょうか。
ケース①:勾配が「緩すぎる」場合(最低勾配未満)
これが最も危険なケースです。
- 雨漏り:雨水の排水が間に合わず、波板の重ね部分やビス穴から水が逆流し、雨漏りを引き起こします。
- 屋根の破損:大雨の際に水が溜まり、その重みで波板がたわんだり、割れたりする危険性があります。
- 急激な劣化:常に湿った状態が続くため、金属波板はサビ、ポリカーボネート波板はカビやコケで、あっという間に寿命を迎えます。
ケース②:勾配が「急すぎる」場合
緩すぎるよりは問題が少ないですが、急すぎる勾配にも注意点があります。
- 雨樋(あまどい)から水が溢れる:雨水が勢いよく流れすぎるため、雨樋が受け止めきれずに水が飛び越えてしまうことがあります。溢れた水が地面を叩き、建物の基礎や外壁を傷める原因になります。
- 強風で煽られやすくなる:屋根の角度が急だと、風を受ける面積が大きくなり、強風時に剥がれやすくなる可能性があります。
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まとめ
波板屋根を長持ちさせ、雨漏りのトラブルを防ぐためには、適切な勾配設定が何よりも重要です。
- 勾配はなぜ必要?:雨漏り、劣化、汚れを防ぐため。
- 最低限必要な勾配は?:安全を見て「2.5寸(約14度)」以上。DIYで一般的な小波タイプなら「3寸(約17度)」以上が理想。
- 勾配が足りないとどうなる?:雨漏りや屋根の破損など、深刻なトラブルに直結する。
波板の設置は一見簡単そうに見えますが、この勾配の計算や確保は意外と難しい作業です。「勾配の計算がよく分からない」「適切な傾きをつけられる自信がない」という場合は、無理にDIYで進めず、専門の業者に相談することをおすすめします。正しい施工で、快適で長持ちする波板屋根を実現しましょう。
クイック屋根工事
私たちクイック屋根工事は、日本全国で建物の屋根を中心に、あらゆるリフォーム工事を手がけています。
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「兵庫県姫路市で屋根修理をお願いしましたが、親切な対応と確かな技術で大満足です!」(50代・女性)
「雨漏りが気になっていましたが、しっかりと原因を特定し、丁寧に施工していただきました」(40代・女性)
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