HOME » 屋根材の種類と特徴 » 天然スレート屋根 » 【絶対NG】天然スレート屋根に塗装は不要!プロが教える美観回復の正しいメンテナンス方法
天然スレート

「うちの天然スレート屋根、なんだか白っぽくなってきた…」
「スレート屋根は塗装が必要って聞いたけど、うちもやるべき?」

天然スレートの家に住んでいるあなた。その重厚で美しい屋根が、少しずつ色褪せたり、汚れたりしてきたのを見て、こんな疑問や不安を感じていませんか?

しかし、ここで焦ってはいけません。
結論から申し上げますと、天然スレートに一般的なペンキ塗装は【原則NG】です!

良かれと思って行った塗装が、あなたの家の屋根の価値を大きく損なう原因になりかねません。

この記事では、「なぜ天然スレートに塗装が不要なのか」という根本的な理由から、白化や汚れといった経年変化への正しい対処法まで、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説します。

【大前提】天然スレートと「塗装が必要なスレート」は全くの別物!

「スレート屋根は10年に一度の塗装が必要」という情報は、多くの場合「化粧スレート(コロニアル、カラーベスト)」のことを指しています。この違いを理解することが、メンテナンスで失敗しないための第一歩です。

項目天然スレート(あなたの家の屋根)化粧スレート(一般的なスレート)
主原料天然の石(粘板岩)セメント、繊維材
防水性石そのものが持つ表面の塗装(塗膜)に依存
塗装の要否原則、不要約10年ごとに必須
役割素材そのものが屋根材塗装が本体を守る保護膜

化粧スレートは、主原料のセメントが水を吸ってしまうため、塗装によって防水性を保っています。だからこそ、塗膜が劣化すれば再塗装が必須なのです。

一方、天然スレートは素材そのものが高密度な石。石自体が水を弾き、紫外線にも強いため、塗装で保護する必要がありません。この大前提を、まずはしっかりと覚えておいてください。

ではなぜ?「塗装したくなる」天然スレートの3つの経年変化

塗装が不要なはずなのに、なぜか見た目が悪くなってきた…。それには、石ならではの理由があります。

1. 表面の白化・変色

年月が経つと、屋根の表面が白っぽく、カサカサしたように見えることがあります。これは、石自体の自然な風化や、過去に施工された古い保護コーティング剤が劣化したことが原因と考えられます。特に、新築時に石の風合いを出すために塗られたクリア材が、紫外線で劣化し白く変質してしまうケースがあります。

2. 錆(サビ)の発生と「爆裂」

天然スレートの表面に、茶色い錆のようなものが出てくることがあります。これは、石の内部に含まれている鉄分が、雨水などに反応して表面に現れたものです。石が持つ自然な特性であり、欠陥ではありません。
ただし、この錆が進行すると、水分を含んで膨張し、石の表面を押し上げてしまう「爆裂」という現象を引き起こすことがあります。

3. コケや汚れの付着

日当たりの悪い面などでは、他の屋根材と同様にコケや藻が付着することがあります。これも自然な経年変化の一部ですが、美観を損なう原因となります。

【警告】知識のない業者に頼むと危険!天然スレートのNGメンテナンス

ポイント

見た目が気になって業者に相談したとき、もし「ペンキで塗りつぶしましょう」と提案されたら、その業者は要注意です。

  • NG①:ペンキでのベタ塗り塗装
    石本来の繊細な質感や、一枚一枚異なる自然な模様がすべて失われ、のっぺりとした人工的な見た目になってしまいます。天然スレートが持つ文化財的な価値がゼロになると言っても過言ではありません。さらに、数年後には塗膜がパリパリに剥がれ、もっと悲惨な状態になる恐れがあります。
  • NG②:強力すぎる高圧洗浄
    化粧スレートと同じ感覚で高圧洗浄を行うと、薄い板状の天然スレートが割れたり、欠けたりする危険性があります。洗浄するにしても、石の特性を理解した上での慎重な作業が求められます。

より詳しく知りたい方は
下記よりお問い合わせください。

フリーダイヤル 0120-905-454 (平日・土曜 9:00~18:00)

【これが正解!】天然スレートの価値を蘇らせる専門的なリニューアル方法

では、白化や錆が気になった場合はどうすればいいのでしょうか?答えは「塗装」ではなく、「石の風合いを復元する特殊なメンテナンス」です。ここでは、専門業者が行うリニューアル工事の一例をご紹介します。

ステップ1:丁寧な研磨と洗浄

まず、劣化した古いコーティング層や表面の汚れを、石を傷つけない特殊なブラシ(不織布ブラシなど)で丁寧に研磨し、取り除いていきます。その後、適切な圧力で洗浄し、石本来の素地をきれいにします。

ステップ2:錆の除去と補修

錆が発生している箇所には、石材専用の錆除去剤を使用して慎重に錆を取り除きます。爆裂してしまった部分は、シーリング材などで丁寧に補修します。

ステップ3:石材専用の「浸透性クリアコーティング」

ここが最も重要な工程です。使うのはペンキではなく、石材の内部に浸透して保護膜を形成する、特殊なクリアコーティング剤です。(例:ミヤキ社の「ガリレオ」など)

このコーティング剤を塗布すると、水に濡れた時のような「濡れ色」が復元され、白っぽくなっていた屋根が、新品の時のような深く美しい色合いを取り戻します。これは、色を塗るのではなく、石本来の色を引き出すための作業です。
施工はローラーではなく、一枚一枚ハケで丁寧に塗り込む、非常に繊細な作業となります。

ステップ4:割れ・欠けの差し替え

もし割れたり欠けたりしている箇所があれば、補修を行います。理想は、同じ産地の天然スレートを取り寄せて差し替えることです。国産の雄勝石などは現在入手が非常に困難なため、文化財修復ルートを持つような専門業者でなければ対応は難しいでしょう。

この一連の作業は、一般的な屋根塗装とは全く異なる、高度な専門知識と技術を要します。

気になる費用は?

天然スレートの専門的なメンテナンスは、一般的な屋根塗装の数倍の費用がかかる可能性があります。特殊な材料費や、手間のかかる手作業、そして何より専門技術料が必要となるためです。しかし、それは文化財的な価値を持つ屋根の寿命をさらに延ばし、その美しさを次世代に受け継ぐための投資と言えるでしょう。

まとめ:あなたの屋根は、ただの屋根ではないかもしれません

最後に、この記事の最も重要なポイントをまとめます。

  • 天然スレートに、化粧スレートと同じ感覚の「塗装」は絶対NG!
  • 素材そのものが高耐久なため、塗装による保護は原則不要。
  • 白化や錆などの経年変化が気になる場合は、「塗装」ではなく「石材専用のクリアコーティング」による美観回復を行う。
  • このメンテナンスは高度な専門技術を要するため、必ず「天然スレートの施工実績」が豊富な専門業者に相談すること。

あなたの家の屋根は、ただ雨風をしのぐだけの存在ではないかもしれません。それは、地球が数億年かけて生み出した石であり、職人の手によって葺かれた一つの作品です。

もしメンテナンスを検討する際は、安易に塗装で覆い隠すのではなく、その価値を正しく理解し、本来の美しさを蘇らせる方法を選んでください。信頼できる専門家と共に、その貴重な資産を大切に守り育てていきましょう。

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