HOME » 屋根材の種類と特徴 » 【塩害に強い屋根材ランキング完全版】海沿いの家は必見!最強の素材と後悔しない選び方、メンテナンス術まで徹底解説
トタン屋根 さび落とし

「海の近くにマイホームを建てるのが夢だけど、屋根がすぐに錆びてボロボロになってしまわないか心配…」
「実家が海沿いなんだけど、屋根リフォームを検討中。どんな材料を選べば、次の世代まで安心して住めるだろうか?」
「『塩害』って言葉はよく聞くけれど、具体的にどんな屋根材が本当に強くて、どれが絶対に選んではいけないのか、プロの意見が知りたい!」

窓を開ければ心地よい潮風が香り、きらめく水平線が広がる…。海沿いでの暮らしは、多くの人にとって何物にも代えがたい魅力を持っています。しかし、その魅力的な環境には、避けては通れない大きな課題が常に寄り添っています。それが、建物の寿命を静かに、しかし確実に蝕んでいく「塩害(えんがい)」です。

海風に含まれる目に見えない塩分の粒子は、特に金属製の屋根材にとって最大の敵。通常の地域よりも圧倒的に早いスピードでサビを発生させ、屋根の美観を損なうだけでなく、穴あきや雨漏りといった、住まいの根幹を揺るがす深刻なトラブルを引き起こします。

この記事では、そんな過酷な塩害環境下で家を永く守り抜くための「塩害に強い屋根材」に徹底的にフォーカスし、

  • そもそも塩害とは?被害が及ぶ「塩害地域」の科学的根拠と目安
  • 【徹底比較】プロが選ぶ!塩害に強い屋根材ランキングBEST5
  • 【新設】なぜサビる?塩害が金属屋根に与える化学的ダメージのメカニズム
  • 逆に、海沿いでは絶対に避けるべき屋根材とその理由
  • 塩害対策を盤石にするための、今すぐできるメンテナンス術とプロの技
  • 【新設】メーカー保証の罠?塩害地域で契約前に必ず確認すべきこと

まで、海沿いの家づくりやリフォームで絶対に後悔しないための全知識を、専門家の視点から分かりやすく、そしてどこよりも深く解説していきます。

そもそも「塩害」とは?あなたの家は大丈夫?その科学的根拠と目安

まず、塩害という現象のメカニズムと、具体的な対策が必要となるエリアについて、正しく理解しておきましょう。

塩害とは、海水に含まれる塩分(塩化ナトリウムなど)が、波しぶきや海水の蒸発によって微細な粒子となって空気中に浮遊し、海風に乗って内陸部まで運ばれ、建物やインフラに付着することで引き起こされる様々な劣化現象の総称です。

  • 金属のサビ(電食): 付着した塩分が空気中の水分を吸収し、金属表面に電解質溶液を形成。これにより、金属のイオン化が促進され、酸化(サビ)が驚異的なスピードで進行します。
  • 塗膜の劣化: 外壁などの塗装面に付着した塩の結晶が、塗膜の膨れや剥離を引き起こし、劣化を早めます。
  • コンクリートの劣化: 基礎部分などのコンクリートにも浸透し、内部の鉄筋を錆びさせることで、コンクリートにひび割れや剥落(爆裂)を引き起こすことがあります。

塩害対策が必須となる「塩害地域」の目安

海 塩害

一般的に、海岸線からの距離によって、塩害のリスクレベルは以下のように分類されています。

地域区分海岸からの距離地域の目安と特徴
重塩害地域〜500m波しぶきが直接かかるような、海のすぐそば。常に湿った潮風にさらされる最も過酷な環境。
塩害地域500m 〜 2km日常的に潮風を感じ、洗濯物にも塩分が付着することがあるエリア。
塩害の可能性あり2km 〜 5km以上通常時は大きな問題はないが、大型台風などの強風時に、塩分を含んだ雨風が飛来する可能性がある。

「うちは海から2km以上離れているから、普通の建材で安心」と考えるのは早計です。風向きや地域の地形(谷間や丘の上など)、そして台風の規模によっては、10km以上離れた内陸部でも、一夜にして深刻な塩害の被害が報告されています。海が見える、あるいは風の強い日に潮の香りがする地域にお住まいの方は、塩害対策を意識した屋根材選びが不可欠だと考えてください。

より詳しく知りたい方は
下記よりお問い合わせください。

フリーダイヤル 0120-905-454 (平日・土曜 9:00~18:00)

【徹底比較】プロが選ぶ!塩害に強い屋根材ランキングBEST5

ポイント

それでは、この過酷な塩害環境に耐えうる、本当に強い屋根材はどれなのでしょうか。その理由と共に、ランキング形式で詳しく見ていきましょう。

【第1位】SGL(エスジーエル)鋼板屋根

  • なぜ塩害に強い?
    「SGL」は、従来のガルバリウム鋼板のメッキ層(アルミニウム・亜鉛)に、新たにマグネシウム(Mg)を2%添加することで、サビへの強さを従来の3倍以上に高めた、まさに次世代の鋼板です。

    このマグネシウムが持つ「自己修復作用」が鍵で、サビの原因となる傷や切断面にマグネシウムが溶け出し、緻密で安定した保護膜を再形成します。

    これにより、メーカーの製品保証も劇的に拡大。例えば、国内トップメーカーであるアイジー工業の屋根材「スーパーガルテクト」は、従来のガルバリウム鋼板では海岸から5km以上離れていることが保証対象だったのに対し、SGLではわずか500m以上まで保証されるようになり、重塩害地域でも安心して使えるようになりました。現在、金属屋根における塩害対策の決定版と言える、最も信頼性の高い素材です。

【第2位】自然石粒仕上げ金属屋根(ディーズルーフィングなど)

  • なぜ塩害に強い?
    SGLやジンカリウム鋼板といった、それ自体が錆びにくい金属板の表面を、天然石の粒で隙間なくコーティングした高機能屋根材です。この厚い石粒層が物理的なバリアとなり、塩分が直接金属面に付着するのを防ぎます。いわば、金属の鎧の上に、さらに石の鎧を重ね着しているような状態です。また、石粒は高温で焼き付けられたセラミックコーティングが施されているため、色褪せにも非常に強いのが特徴です。その高い防錆性能とデザイン性から、海沿いのリゾートホテルや結婚式場などでも多く採用されています。

【第3位】ステンレス鋼板屋根

  • なぜ塩害に強い?
    ステンレスは「Stainless Steel(錆びない鉄)」という名の通り、鉄にクロム(Cr)やニッケル(Ni)を混ぜることで、表面に非常に強固で再生能力のある「不動態皮膜」を形成します。この透明な膜が、塩化物イオンの攻撃を強力にブロックし、抜群の防錆性能を発揮します。その性能はSGLをも上回りますが、非常に高価で加工も難しいため、一般住宅で採用されるケースは稀で、プラントや特殊な施設で使われることがほとんどです。

【第4位】樹脂サイディング(外壁材だが応用可)

  • なぜ塩害に強い?
    塩化ビニル樹脂、つまりプラスチックが主原料のため、そもそも金属イオンが存在せず、化学的に錆びるという概念がありません。非常に軽量で耐久性も高く、塩害対策としては理想的な素材の一つです。北米では主流の外壁材ですが、日本ではまだ施工できる業者が少なく、屋根材としての普及はこれからの課題です。

【第5位】粘土瓦(陶器瓦)

粘土瓦 屋根工事
  • なぜ塩害に強い?
    粘土を1000℃以上で焼き固めて作る瓦は、化学的に非常に安定したセラミック素材であり、塩分による化学変化の影響をほとんど受けません。特に、表面をガラス質で覆った釉薬瓦(陶器瓦)は、塩害に対しては無敵とも言える性能を誇ります。金属屋根のような「サビ」の心配が一切ないため、究極の塩害対策とも言えます。

逆に要注意!海沿いの家で絶対に避けるべき屋根材

ポイント

塩害に強い屋根材がある一方、海沿いの地域では使用を避けるべき、あるいは特別な注意と覚悟が必要な屋根材も存在します。

  • トタン(亜鉛めっき鋼板): 現在ではほとんど使われませんが、最も錆びやすく、塩害地域では数年で穴が開くこともあります。
  • 通常のガルバリウム鋼板: SGLに比べると防錆性能は明確に劣ります。塩害地域で使用する場合、メーカー保証の対象外になるか、保証距離が厳しく設定されているため、契約前に必ず保証内容を確認する必要があります。
  • スレート屋根: 屋根材自体はセメント製で錆びませんが、屋根のてっぺんにある「棟板金」や、谷部分の「谷樋板金」は金属製(主にガルバリウム鋼板)です。これらの役物が先に錆びてしまい、そこから雨漏りを引き起こすケースが非常に多いため、注意が必要です。

メーカー保証の罠?塩害地域で契約前に必ず確認すべきこと

屋根材を選ぶ際、カタログに書かれた「塗膜15年保証」「穴あき25年保証」といった言葉は非常に心強く感じます。しかし、その保証書をよく見ると、小さな文字で「ただし、海岸から◯km以内の地域を除く」といった免責事項が記載されていることがほとんどです。
特に金属屋根の場合、この「保証対象海岸距離」はメーカーや製品(鋼板の種類)によって大きく異なります。

鋼板の種類保証対象海岸距離の目安
SGL鋼板500m〜
通常のガルバリウム鋼板5,000m(5km)〜
トタン(亜鉛めっき鋼板)保証対象外が多い

リフォームを契約する際には、必ず業者に「この製品を使った場合、うちの住所でメーカー保証は適用されますか?」と明確に確認し、保証書の内容をしっかり説明してもらうことが、後のトラブルを避けるために非常に重要です。

より詳しく知りたい方は
下記よりお問い合わせください。

フリーダイヤル 0120-905-454 (平日・土曜 9:00~18:00)

塩害対策を盤石に!屋根を長持ちさせる2つのメンテナンス術

塩害に強い屋根材を選んだとしても、メンテナンスフリーというわけではありません。ひと手間加えることで、その性能を最大限に引き出し、屋根の寿命をさらに延ばすことができます。

1. 最も簡単で効果的!定期的な「水洗い」で塩分をリセット

付着した塩分は、水に溶ける性質があります。そのため、最も簡単で効果的なメンテナンスが、定期的な水洗いです。台風が過ぎ去った後や、潮風が特に強い日が続いた後などに、ホースで屋根や外壁に真水をかけて、付着した塩分を洗い流してあげましょう。
特に、軒下やバルコニーの裏側など、普段は雨が直接当たらない場所は塩分が蓄積・濃縮しやすいため、重点的に洗い流すのが長持ちの秘訣です。(※高圧洗浄機の使用は、塗膜や屋根材を傷める可能性があるため、専門家と相談の上、慎重に行ってください)

2. 塗り替え時には「高耐候性塗料」という選択

金属屋根などは、15年~20年を目安に塗装メンテナンスを行うことで、美観と防水性を回復させることができます。その際、塩害地域では通常よりもグレードの高い「フッ素樹脂塗料」や「無機塗料」といった、塗膜が緻密で汚れや塩分が付着しにくい高耐候性の塗料を選ぶことを強くおすすめします。初期費用は高くなりますが、塗り替えサイクルを延ばせるため、足場代などを考慮すると長期的に見てお得になります。

まとめ:正しい屋根材選びと計画的なメンテナンスが、最高のオーシャンライフを守る

今回は、過酷な「塩害」に打ち勝ち、海沿いの暮らしを末永く楽しむための、強い屋根材の選び方とメンテナンス方法について詳しく解説しました。

  • 塩害は、海岸から5km以上離れていても発生する可能性がある、家にとっての大敵。
  • 塩害に最も強い屋根材は、進化した金属屋根である「SGL鋼板」と、石粒で物理的にガードする「自然石粒仕上げ屋根材」。
  • 究極の選択肢として、そもそも錆びない「粘土瓦」も非常に有効。
  • 金属屋根を選ぶ際は、必ず「メーカー保証の対象距離」を確認することが重要。
  • 年に数回の「水洗い」と、塗り替え時の「高耐候性塗料」の選択が、屋根の寿命を延ばす鍵。

海沿いの暮らしは、何にも代えがたい魅力と価値があります。その素晴らしい環境を心から楽しむためにも、塩害という避けては通れないリスクを正しく理解し、適切な屋根材選びと計画的なメンテナンスを行いましょう。それが、あなたの大切な住まいを潮風から守り、その資産価値を維持するための、最も確実で賢明な方法なのです。

クイック屋根工事

私たちクイック屋根工事は、日本全国で建物の屋根を中心に、あらゆるリフォーム工事を手がけています。

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