HOME » 屋根材の種類と特徴 » 【要注意!】お家の屋根、「セキスイかわらU」かも? 問題点と正しいリフォーム方法を徹底解説!

「最近、屋根の見た目が気になる…」「もしかして、うちの屋根ってセキスイかわらU?」

そんな疑問や不安をお持ちではありませんか?

「セキスイかわらU」は、かつて「セキスイ」ブランドの安心感と瓦のような見た目、軽さから大ヒットした屋根材です。全国で50万棟以上もの住宅に使われたと言われています。

でも実は、この「セキスイかわらU」、現在は販売中止になっており、ちょっと注意が必要な屋根材なんです。放置しておくと、思わぬトラブルに見舞われることも…。

この記事では、

  • 「セキスイかわらU」ってどんな屋根材?
  • どんな問題があるの? 他の要注意屋根材との違いは?
  • どうやって見分けるの? 簡単セルフチェックも!
  • 実際に困った人の体験談
  •  やってはいけないNGリフォーム
  • 本当に正しいリフォーム方法は?

といった疑問に、屋根の専門家が分かりやすくお答えします! ご自宅の屋根リフォームを検討中の方は、ぜひ参考にしてくださいね。

そもそも「セキスイかわらU」ってどんな屋根材?

「セキスイかわらU」は、積水化学工業(セキスイハイムなどを展開する会社とは別)が1970年から2007年まで製造・販売していた波型のセメント系屋根材です。

人気のヒミツは?

  • 見た目: 本物の瓦のような高級感のあるデザイン
  • 軽さ: 瓦よりも軽く、建物への負担が少ない
  • 施工性: 既存の屋根(スレート屋根など)の上に重ねて葺ける「カバー工法」が可能で、リフォームしやすい

これらの理由から、特にリフォーム市場で大人気となりました。

でも、なぜ販売中止に?

実は、「セキスイかわらU」には大きな問題がありました。

  1. 初期製品のアスベスト問題: 1975年~1990年頃までに製造されたものには、強度を保つためにアスベスト(石綿)が含まれていました。アスベストは健康被害を引き起こす可能性があるため、大きな社会問題となりました。
  2. ノンアスベスト製品の劣化問題: アスベスト規制を受け、1990年頃からアスベストを使わない「ノンアスベスト」タイプが販売されました。しかし、当時の技術ではアスベストの代わりになる丈夫な素材がなく、非常に脆く、劣化しやすいという欠点があったのです。

このノンアスベストタイプの「セキスイかわらU」で、「ひび割れ」「塗装の剥がれ」「屋根材の欠け」といったトラブルが全国で多発。大きなクレームとなり、2007年に販売中止に至りました。

「セキスイかわらU」の歴史ざっくりまとめ

年代出来事特徴・注意点
1970年頃販売開始アスベストを含む製品が登場(1975年~)
1975年~1990年8月アスベスト含有製品が主流カバー工法で使われ、二重アスベスト屋根の問題も
1990年8月以降ノンアスベスト製品が登場非常に脆く、劣化しやすい。トラブル・クレームが多発
2007年販売終了アフターメンテナンスのみ対応(セキスイルーフテック社)

▼ アスベストについての詳しい内容はこちらの記事をご覧ください

もしかして、うちの屋根も?「セキスイかわらU」の見分け方

ご自宅の屋根が「セキスイかわらU」かどうか、気になりますよね。見分けるためのポイントをいくつかご紹介します。

1. 見た目の特徴

  • 瓦のような波打った形をしている
  • 一枚一枚が比較的大きい

2. アスベストの有無を確認する方法

これが一番重要です! アスベストが入っているかどうかで、リフォームの方法や費用が大きく変わってきます。

  • 【方法①】建築・リフォーム時期で判断(目安)
    • 1990年8月以前に建てられた、または屋根リフォームした場合:アスベスト含有の可能性が高いです。
    • 1990年9月以降に建てられた、または屋根リフォームした場合:ノンアスベストの可能性が高いですが、在庫品が使われた可能性もゼロではありません。
  • 【方法②】屋根の劣化具合で判断(ノンアスベストの特徴)
    ノンアスベストの「セキスイかわらU」は、劣化が激しいのが特徴です。以下のような症状が見られたら、ノンアスベストの可能性が高いでしょう。
    • 表面の塗装が剥がれて、白い素地が見えている(白化現象(図解イメージ:塗装層がめくれ、下の白いセメント基材が露出している様子)
    • 細かいひび割れがたくさんある
    • 屋根材が欠けたり、割れたりしている
    • がたくさん生えている(水分を含みやすいため)
    • 触ると少しフカフカする感じがする(水分を含んで脆くなっている)
  • 【方法③】ロット番号で確認(確実!)
    屋根の一番高い部分(棟:むね)に、アルファベットと数字が組み合わされたロット番号が刻印されています。
    この番号を控えるか、写真を撮って、現在アフターメンテナンスを行っている「セキスイルーフテック」に問い合わせれば、アスベストの有無を教えてくれます。(証明書も発行してもらえます)
    • 問い合わせ先: セキスイルーフテック TEL: 06-6365-4188
    • 注意: ロット番号の確認は高所作業となり危険です。必ず専門業者に依頼しましょう。

アスベスト有無による違いと対処法

タイプ製造時期(目安)特徴推奨される対処法
アスベスト含有1975年~1990年8月比較的丈夫だが、アスベスト飛散リスクあり・劣化が少なければ塗装も可能
・劣化が進んでいれば葺き替え(撤去・処分に注意)
ノンアスベスト1990年9月~2007年非常に脆く、劣化しやすい。割れ、剥がれ多発塗装や部分補修はほぼ無意味
早期の葺き替えを強く推奨

【やってみよう!】我が家の屋根は?簡単セルフチェックリスト

お家のチェックリスト

「うちの屋根、もしかして…?」と思ったら、安全な場所から見える範囲でチェックしてみましょう!

【注意!】

  • 絶対に屋根に登らないでください! 大変危険です。
  • これはあくまで簡易チェックです。気になる点があれば必ず専門業者に相談してください。

《セキスイかわらUかも?セルフチェック》

□ 1. 屋根の形が波打っている(瓦のような形)
□ 2. 1990年~2007年頃に家を建てた、または屋根リフォームをした
□ 3. 屋根の表面の色があせて、白っぽく見える部分がある
□ 4. 屋根の表面に細かいひび割れが見える
□ 5. 屋根材の一部が欠けていたり、割れていたりする
□ 6. 屋根に苔がたくさん生えている
□ 7. (もし以前業者が見たことがあれば)「かわらUですね」と言われたことがある


チェックが3つ以上ついた方は、「セキスイかわらU」の可能性があります。一度、専門業者に見てもらうことをおすすめします。

要注意!「セキスイかわらU」の屋根で起こる問題点

特にノンアスベストの「セキスイかわらU」は、放置しておくと様々な問題を引き起こします。

  • 割れ・欠け・落下: 屋根材が脆いため、ちょっとした衝撃(強風、飛来物など)や経年劣化で割れたり欠けたりし、破片が下に落ちてくる危険性があります。
  • 雨漏り: ひび割れや欠けた部分から雨水が浸入しやすくなります。最初は防水シート(ルーフィング)が防いでくれますが、それも劣化すれば雨漏りに繋がります。
  • 見た目の悪化: 塗装が剥がれて白っぽくなったり、苔が生えたりして、お家の美観を損ねます。
  • 屋根に登れない危険: 非常に割れやすいため、絶対に安易に屋根に登らないでください! 塗装やアンテナ工事などで業者が登った際に、踏み割ってしまう事故も多発しています。点検も専門業者に依頼しましょう。 

「うちもそうだった!」セキスイかわらU体験談ミニ

実際に「セキスイかわらU」で悩んだり、リフォームしたりした方の声を聞いてみましょう。

  • Aさん(築25年 / 葺き替え実施)
    「10年くらい前に訪問販売で『無料で点検します』と言われ、勧められるがままカバー工法でセキスイかわらUに。最初は綺麗だったけど、数年でボロボロに…。塗装も考えたけど、近所の工務店さんに『これは葺き替えるしかないよ』と言われ、ガルバリウム鋼板に替えました。費用は痛かったけど、今は台風が来ても安心です。」
  • Bさん(築30年 / アスベスト含有で塗装検討中)
    「うちは古いタイプのかわらUみたいで、アスベスト入り。幸い、ひどい割れはないけど色褪せが気になって…。業者さんに相談したら『アスベスト入りなら比較的丈夫だから、丁寧に洗浄して専用の塗料で塗ればまだ持つ可能性はある』とのこと。ただ、いずれは葺き替えも考えないと、とは思っています。」
  • Cさん(築18年 / 過去に塗装失敗)
    「ノンアスベストのかわらUとは知らず、5年前に塗装リフォームしました。でも、2年も経たないうちに塗装がパリパリ剥がれてきて…。結局、お金をドブに捨てたようなもの。最初からちゃんと調べて葺き替えればよかったです。」

要注意屋根材は他にも?セキスイかわらU vs あの屋根材

実は、ノンアスベスト化で問題が出たのは「セキスイかわらU」だけではありません。同時期に販売された他の屋根材にも注意が必要です。

主な要注意ノンアスベスト屋根材(初期型)比較

屋根材名メーカー(当時)主な形状特徴的な劣化症状推奨リフォーム
セキスイかわらU積水化学工業波型著しいひび割れ、欠け、白化、層間剥離葺き替え
パミールニチハ平板スレート層間剥離(ミルフィーユ状に剥がれる)葺き替え
コロニアルNEOクボタ平板スレートひび割れ、欠け葺き替え
レサス・シルバス松下電工平板スレートひび割れ、欠け葺き替え
ニューウェーブ松下電工波型セキスイかわらUと同様の劣化症状葺き替え

※上記は代表例です。ご自宅の屋根材が不明な場合は専門業者にご確認ください。
※いずれも初期のノンアスベスト製品で問題が多く、塗装でのメンテナンスは推奨されません。

間違ったリフォームは逆効果?「セキスイかわらU」の正しい対処法

ポイント

「じゃあ、どうやってリフォームすればいいの?」と思いますよね。ここで注意したいのが、「やってはいけないリフォーム方法」があるということです。

【これはNG!】避けるべきリフォーム方法

  • × 塗装:
    特にノンアスベストの「セキスイかわらU」は、塗装してもすぐに剥がれてしまいます。素材自体が脆いため塗料が密着しにくく、高圧洗浄でさらに屋根材を傷めてしまう可能性も。体験談にもあったように、お金の無駄になってしまうことがほとんどです。
  • × 部分的な補修:
    割れた箇所をコーキングなどで部分的に直しても、他の部分が次々と劣化してくるため、根本的な解決になりません。「いたちごっこ」になってしまいます。
  • △ FRP屋根材でのカバー工法:
    最近、「セキスイかわらU」の形をしたFRP(強化プラスチック)製の屋根材を上から被せるカバー工法があります。一見、手軽で費用も抑えられそうですが、以下のデメリットがあります。
    • 屋根が重くなる: 既存の屋根がカバー工法で「セキスイかわらU」が載っている場合、さらに重ねると屋根が三重になり、耐震性に悪影響が出る可能性があります。
    • 防水シート(ルーフィング)が古いまま: 屋根の防水で最も重要なルーフィングを新しくしないため、根本的な雨漏り対策にはなりません。 (図解イメージ:古いルーフィングの上にFRP材が乗っているだけで、ルーフィング自体は交換されていない様子)
    • 雨漏りしやすい箇所はそのまま: 雨漏りの原因になりやすい壁際の板金部分などは補修されないため、効果は限定的です。長期的な実績もまだ少ない工法です。

【これがベスト!】おすすめのリフォーム方法:「葺き替え」

瓦屋根の葺き替えリフォーム費用

「セキスイかわらU」の最も確実で安心なリフォーム方法は、「葺き替え(ふきかえ)」です。葺き替えとは、既存の屋根材を撤去して、新しい屋根材に交換する工事のことです。

  • ① 屋根材すべてを剥がして葺き替え(根本解決!)
    • 「セキスイかわらU」と、その下にあるかもしれない古い屋根材(コロニアルなど)をすべて撤去します。
    • 新しい防水シート(ルーフィング)を敷き、新しい屋根材(軽くて丈夫な金属屋根(ガルバリウム鋼板など)がおすすめ)を葺きます。
    • 下地(野地板)が傷んでいる場合は、それも補修・交換します。
    • メリット: 屋根全体が新しくなり、軽量化も図れ、長期的な安心感が得られます。雨漏りの心配も根本から解決できます。
    • デメリット: 撤去費用がかかるため、費用は比較的高くなります。アスベスト含有の場合は、撤去・処分費用がさらに高額になります。
  • ② 「セキスイかわらU」だけ剥がして、下の屋根材にカバー工法
    • もし、「セキスイかわらU」の下にアスベスト含有の古い屋根材(コロニアルなど)があり、その状態が比較的良い場合に可能な方法です。
    • 「セキスイかわらU」のみを撤去します。
    • 下の古い屋根材の上に、新しい防水シート(ルーフィング)を敷き、新しい屋根材を葺きます(カバー工法)。
    • メリット: アスベスト含有屋根材の撤去費用がかからないため、①より費用を抑えられます。アスベストの飛散リスクも低減できます。
    • デメリット: 下の屋根材の状態によっては施工できない場合があります。屋根の重量は①より重くなります。

どちらの葺き替え方法が良いかは、屋根の状態やご予算、今後の住まいの計画によって異なります。専門業者とよく相談して決めましょう。

より詳しく知りたい方は
下記よりお問い合わせください。

フリーダイヤル 0120-905-454 (平日・土曜 9:00~18:00)

リフォーム費用はどれくらい?

屋根塗装 見積もり

葺き替え工事の費用は、屋根の面積や形状、選ぶ新しい屋根材、下地の状態などによって大きく変わります。

費用に影響する大きなポイントは「アスベストの有無」です。

  • アスベスト含有の場合: 撤去・処分に特別な措置が必要となるため、費用が高額になります。
  • ノンアスベストの場合: 通常の撤去・処分費で済みます。

業者によっては、最初からアスベスト含有を見越して高い見積もりを出す場合もありますロット番号で確認した「ゼロアスベスト証明書」などをメーカーから取得することで、不当に高い費用を請求されるのを防ぐことができます。(証明書の取得は業者に依頼しましょう)

信頼できる業者に正確な見積もりを出してもらうことが重要です。複数の業者から見積もりを取り、内容を比較検討することをおすすめします。

まとめ:お家の屋根、気になったら専門家に相談を!【セキスイかわらUの教訓】

「セキスイかわらU」、特に1990年以降に製造されたノンアスベストタイプは、残念ながら多くの問題を引き起こした屋根材でした。

もしご自宅の屋根が「セキスイかわらU」かもしれないと思ったら、

  1. まずは専門業者に点検を依頼する(絶対に自分で登らない!)
  2. アスベストの有無を確認してもらう(ロット番号確認が確実)
  3. NGリフォーム(塗装など)は避け、適切なリフォーム方法(基本的には葺き替え)の提案と見積もりをもらう

という手順で進めましょう。

【セキスイかわらUの失敗から学ぶ!後悔しない屋根リフォームのヒント】

今回の「セキスイかわらU」の問題は、私たちに大切な教訓を教えてくれます。

  • 新しい素材・工法には慎重に: 実績が少ないものは、メリットだけでなくデメリットやリスクも確認しましょう。
  • 「ブランド名=絶対安心」ではない: メーカーの信頼性も大事ですが、製品そのものの特性を理解することが重要です。
  • 目先の安さだけで判断しない: 塗装などの一時しのぎは、結果的に高くつくことも。長期的な視点でメンテナンス計画を立てましょう。
  • 信頼できる専門家を見つける: 正確な診断と、メリット・デメリットを正直に説明してくれる業者を選びましょう。相見積もりも有効です。

早めの点検と適切なリフォームが、大切なお家を長持ちさせ、安心して暮らすための鍵となります。信頼できる屋根の専門家に相談して、最適な解決策を見つけてくださいね。

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