「外壁カバー工法なら、安くて早くキレイになるって聞いたけど…」
「でも、失敗して後悔したっていう話も聞くし、正直不安…」
「絶対に失敗したくないけど、何に気を付ければいいの?」
既存の外壁の上から新しい外壁材を重ね張りする「外壁カバー工法」。
塗装では対応できないほど劣化した外壁を、まるで新築のように生まれ変わらせることができる、人気の高いリフォーム方法です。
しかし、その手軽さの裏には、知らずに進めると取り返しのつかない失敗に繋がる、数多くの落とし穴が潜んでいます。
この記事では、実際にあった相談の中から特に多い「カバー工法の典型的な失敗・後悔例10選」をピックアップし、
- なぜその失敗が起こるのか?という根本原因
- 失敗を100%回避するための具体的な対策
- 優良業者と悪徳業者を見抜くチェックポイント
などを、リフォーム初心者の方にも分かりやすく、とことん丁寧に解説します。この記事を最後まで読めば、カバー工法でありがちな罠をすべて避け、安心して満足のいくリフォームを成功させることができます。
失敗例①:下地チェック不足で、数年後に外壁が剥がれる
後悔の声
「カバー工法でキレイになったはずなのに、台風の後に新しい外壁が一部剥がれてしまった。調べてもらったら、下地が腐っていたらしい…」
【原因】
外壁カバー工法の成否は、下地となる既存外壁の状態に大きく依存します。下地が雨漏りなどで腐食していたり、モルタルがボロボロと剥がれ落ちる状態だったりすると、新しい外壁材を固定するビスや釘が効きません。十分な強度がない下地の上にカバー工法を行っても、強風や地震の揺れで新しい外壁材ごと剥がれ落ちてしまう危険性があるのです。
【回避策】
契約前に、専門業者による徹底的な下地診断を必ず依頼しましょう。信頼できる業者は、外壁を打診(ハンマーなどで叩き、音で内部の状態を探る)したり、目視で劣化の進行度を詳細に確認します。場合によっては、一部の外壁を剥がして内部の防水シートや柱の状態までチェックすることもあります。診断もせずに「カバー工法で大丈夫です」と即答する業者は非常に危険です。必ず、診断結果を基に「なぜカバー工法が可能なのか」を具体的に説明してくれる業者を選びましょう。
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失敗例②:デザイン選択ミスで、安っぽい見た目になる
後悔の声
「憧れの木目調サイディングを選んだけど、完成してみたらプリント感が強く、イメージと違う安っぽい印象になってしまった…」
【原因】
カバー工法で主流の「金属サイディング」は、軽量で機能性に優れる一方、窯業系サイディングに比べてデザインのバリエーションが限られます。特に、木目や石積み、タイルといった自然素材の質感を金属のプレス加工と塗装でリアルに再現するには限界があります。小さなサンプルでは良く見えても、広い面積に張られると、単調さや人工的な質感が目立ってしまうことがあります。
【回避策】
小さなサンプルだけで判断するのは絶対に避けましょう。最低でもA4サイズ以上の大きなサンプルを取り寄せてもらい、屋外の太陽光の下で、実際の外壁に当てて色や質感を確認します。さらに重要なのが、その材料を使った実際の施工事例の写真をできるだけ多く見せてもらうことです。これにより、建物全体に施工された際のイメージを具体的に掴むことができます。
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失敗例③:窓周りの「後付け感」がひどい
後悔の声
「壁はキレイになったけど、窓の周りに後付け感のある太い枠が付いて、なんだか不格好になってしまった…」
【原因】
カバー工法では、新しい外壁材の厚み(1~2cm程度)が増すため、既存の窓や玄関ドアのサッシが壁の奥に引っ込んだような状態になります。この段差を解消し、雨仕舞(雨水の浸入を防ぐ処理)をするために「カバー部材(見切り縁)」という枠を取り付けますが、この部材の選定や施工が雑だと、不自然に目立ってしまい、「いかにもリフォームしました」という後付け感が満載の仕上がりになってしまいます。
【回避策】
見積もり段階で、「開口部(窓やドア)周りの納まりはどうなりますか?」と具体的に質問し、施工方法の図や過去の施工事例の写真を見せてもらいましょう。腕の良い業者は、この部分をいかにスッキリと、既存の建物に馴染むように仕上げるかのノウハウを持っています。提案内容を比較することで、業者の技術力を見極めることができます。
失敗例④:付帯工事費で、見積もりより高額になる
後悔の声
「㎡単価が安いと思って契約したら、後から電気メーターの移設費や雨樋の交換費などで、どんどん追加費用が発生して予算オーバーに…」
【原因】
カバー工法には、外壁材の費用以外にも様々な「付帯工事費」がかかります。具体的には、雨樋、換気フード、エアコンの配管カバー、電気メーター、ガスメーター、給湯器などを一度取り外し、新しい壁の上から再設置する作業が必要です。これらの費用が見積もりに「一式」としか書かれていなかったり、そもそも含まれていなかったりすると、後から高額な追加請求に繋がるトラブルの原因になります。
【回避策】
見積書をチェックする際、「本体工事費」だけでなく、「付帯工事費」や「諸経費」の内訳が詳細に記載されているかを確認しましょう。「雨樋脱着・再設置」「換気フード脱着・再設置」など、項目ごとに単価と数量が明記されているのが理想的です。不明瞭な「一式」表記が多い見積書を出す業者は避けましょう。
失敗例⑤:壁内結露で、家の寿命を縮める
後悔の声
「リフォームしてから、なんだか室内がカビ臭い。調べてもらったら、壁の中で結露が起きていて、柱が腐り始めていた…」
【原因】
これは最も深刻で、建物の寿命を縮めかねない致命的な失敗です。既存の壁と新しい壁の間に、空気の通り道である「通気層」が確保されていないと、壁内部の湿気が逃げ場を失い、内部結露を引き起こします。この結露水が、断熱材を濡らし、柱や土台といった大切な構造躯体を腐らせる原因になるのです。
【回避策】
必ず「通気工法」で施工してくれる業者を選びましょう。これは、胴縁(どうぶち)という木材を使って意図的に通気層を作る工法です。契約前に「施工方法は通気工法ですか?」と直接確認し、見積書や契約書にもその旨を明記してもらうことが絶対に重要です。知識のない業者や悪徳業者は、この手間を省く「直貼り工法」で施工しようとするため、注意が必要です。
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失敗例⑥:重量増加で、家の耐震性が低下する
後悔の声
「リフォーム後に大きな地震が来て、以前より家が揺れるようになった気がする。カバー工法で家が重くなったせいではないかと不安…」
【原因】
外壁カバー工法では、既存の壁に新しい壁材を重ねるため、建物の総重量が増加します。主流の金属サイディングは軽量(約5kg/㎡)とはいえ、30坪の家なら全体で500kg~700kg(大人の男性約10人分)もの重量がプラスされます。建築基準法上は問題ないことが多いですが、築年数が古い家や、元々耐震性に余裕のない設計の建物の場合、この重量増加が地震時の揺れを大きくする要因になる可能性があります。
【回避策】
築年数が古い(特に1981年の建築基準法改正以前の旧耐震基準の)建物や、耐震性に不安がある場合は、リフォーム前に自治体などが実施している無料の耐震診断を受けることを強くおすすめします。診断の結果、耐震補強が必要と判断された場合は、カバー工法ではなく、壁を剥がして構造補強も同時に行える「張り替え工法」を選択する方が賢明です。
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失敗例⑦:内部の雨漏り原因を見逃し、被害を拡大させる
後悔の声
「壁のひび割れが原因だと思っていた雨漏り。カバー工法で壁はキレイになったのに、結局雨漏りが再発してしまった…」
【原因】
カバー工法は、あくまで既存の外壁を「覆う」化粧工事であり、雨漏りの根本原因を解決するものではありません。もし雨漏りの原因が壁の内部の防水シートの破れや、屋根、サッシ周りなど別の場所にあった場合、壁をキレイにしても雨漏りは止まりません。むしろ、カバー工法によって壁内部の確認がより困難になり、原因の特定と修理が複雑化・高額化してしまうリスクさえあります。
【回避策】
カバー工法を検討する前に、雨漏りの原因を100%特定することが絶対条件です。雨漏り診断の専門知識を持つ業者に調査を依頼し、散水試験などで浸入経路を突き止め、必要な修理を先に行いましょう。「カバーすれば雨漏りも一緒に止まりますよ」と安易に言う業者には注意が必要です。
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失敗例⑧:業者選びで妥協し、選択肢が狭まる
後悔の声
「近所の塗装屋さんに相談したら、『うちはカバー工法はやっていない』と断られてしまった。結局、選択肢が少なく、あまり比較せずに決めてしまった…」
【原因】
外壁カバー工法は、塗装工事とは異なり、サイディングを正確にカットしたり、役物(コーナー部材など)を取り付けたりといった板金工事に近い専門技術が必要です。そのため、塗装を専門とする会社では対応していない、あるいは経験が乏しい場合があります。
【回避策】
業者を探す際は、「塗装専門店」だけでなく、「板金工事店」や「サイディング工事も得意なリフォーム会社」「外装専門店」なども視野に入れましょう。複数の業者から相見積もりを取ることは、価格だけでなく、技術力や提案内容を比較するためにも非常に重要です。
失敗例⑨:将来のメンテナンス計画を立てていない
後悔の声
「カバー工法をすれば、もう何もしなくていいと思っていた。10年点検で『コーキングの打ち替えが必要です』と言われ、思わぬ追加費用がかかることに…」
【原因】
カバー工法は塗装に比べて長持ちしますが、未来永劫メンテナンスが不要になるわけではありません。特に、サイディングの継ぎ目や窓周りに使われる「コーキング(シーリング)」は、約10年で劣化するため、打ち替えが必要です。また、サイディング表面の塗膜も15年~20年経てば色あせてきます。
【回避策】
契約前に、「次回のメンテナンスは、いつ頃、どのような内容で、いくらくらいかかりますか?」と将来の見通しについて具体的に確認しておきましょう。長期的なメンテナンス計画まで含めて提案してくれる業者は、顧客と長く付き合おうと考えている信頼性の高い業者と言えます。
失敗例⑩:工事後の保証内容を確認していない
後悔の声
「施工後2年でサイディングの角が浮いてきた。業者に連絡したら、『それは保証対象外です』と言われ、有償修理になってしまった…」
【原因】
工事後の保証内容は、業者によって千差万別です。「工事保証10年」と謳っていても、その内容が「塗膜の剥がれ」だけを指すのか、「サイディング本体の浮きや変形」まで含むのか、詳細を確認しないとトラブルの原因になります。
【回避策】
契約前に、必ず保証書の見本を見せてもらい、「保証の対象範囲」「保証期間」「免責事項(保証が適用されないケース)」を隅々まで確認しましょう。口約束は絶対に信用せず、すべての内容が書面に明記されていることが大前提です。
【番外編】デメリットを解決する「モルタルカバー工法」とは?
金属サイディングのデザイン性や、窓周りの納まりに不満がある場合の解決策として、近年「モルタルカバー工法」という選択肢も登場しています。
これは、既存の外壁の上から、ガラス繊維ネットを伏せ込みながら、特殊な軽量モルタルを塗り重ねる工法です。
| 金属サイディングカバー工法 | モルタルカバー工法 | |
|---|---|---|
| デザイン | 規格品のデザインから選ぶ | 職人の手仕事で自由な模様が可能 |
| 窓周り | カバー部材が必要 | スッキリとした納まりが可能 |
| 継ぎ目 | あり | なし(シームレスな仕上がり) |
| 費用 | 標準 | 高価 |
| 施工業者 | 多い | 少ない(左官技術が必要) |
費用は高くなりますが、「どうしてもデザインにこだわりたい」「継ぎ目のない仕上がりが良い」という場合には、検討の価値があるでしょう。
まとめ:失敗回避の鍵は「正しい診断」と「誠実な業者選び」
外壁カバー工法は、多くのメリットがある優れたリフォーム方法です。しかし、その成功は、「あなたの家の現状を正しく診断し、デメリットも正直に説明した上で、最適な提案をしてくれる業者」に出会えるかどうかにかかっています。
- 下地の状態が、カバー工法ができるかどうかの分かれ道。
- デザイン、費用、結露、耐震性など、事前に知るべきデメリットを理解する。
- 見積もりでは、付帯工事費や施工方法(通気工法か)まで細かくチェック。
- 後悔しないためには、複数の業者から話を聞き、提案内容を比較することが絶対条件。
この記事で紹介した失敗例を「自分ごと」として捉え、業者選びの際のチェックリストとしてご活用ください。そうすれば、安易な契約で後悔することなく、10年後、20年後も満足できる外壁リフォームを実現できるはずです。
クイック屋根工事
私たちクイック屋根工事は、日本全国で建物の屋根を中心に、あらゆるリフォーム工事を手がけています。
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屋根葺き替えや屋根カバー工事、屋根塗装、防水工事から、雨樋の修理、内装工事まで幅広い工事に対応。独自の全国派遣ネットワークにより、迅速な対応が可能です。各地で培った経験をもとに、地域の気候や建築様式に適した最適な修理方法をご提案いたします。
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【お客様の声】
「兵庫県姫路市で屋根修理をお願いしましたが、親切な対応と確かな技術で大満足です!」(50代・女性)
「雨漏りが気になっていましたが、しっかりと原因を特定し、丁寧に施工していただきました」(40代・女性)
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