HOME » 屋根材の種類と特徴 » 【台風に強い屋根の選び方 完全ガイド】最強の屋根材と形状を徹底比較!プロが教える台風対策と火災保険活用
屋根補修

「毎年のようにやってくる台風。年々、風が強くなっている気がして、家の屋根が飛ばされないか心配…」
「これから家を建てる(リフォームする)なら、何よりもまず台風に強い屋根にしたい!でも、何を選べばいいの?」
「屋根の形や材料で、本当に台風への強さってそんなに変わるものなの?」

日本に住む私たちにとって、台風は避けては通れない自然災害です。その猛烈な風雨は、住まい全体にとって大きな脅威となりますが、特に、家の最も高い場所で風雨を一身に受け止める「屋根」は、台風対策の最前線であり、最重要拠点と言っても過言ではありません。

「うちの屋根は、次の大型台風に耐えられるだろうか」と不安に思う方も、これから新しい家づくりを考える方も、「台風に強い屋根」の絶対条件を正しく理解しておくことは、家族の安全と大切な財産を守るために不可欠です。

この記事では、そんな「台風に強い屋根」をテーマに、

  • 台風の「風」の破壊力と、屋根が飛ばされるメカニズム
  • 【形状別】風を受け流す屋根、風に煽られる屋根の構造的な違い
  • 【屋根材別】本当に台風に強いのはどれ?素材ごとの耐風性能を徹底比較
  • 今すぐできる!自宅の屋根を台風に強くする具体的なメンテナンス術
  • 万が一の被災時に絶対に知っておきたい、火災保険活用の正しい手順

など、台風に負けない家づくりのための全知識を、専門家の視点からどこよりも詳しく、そして分かりやすく解説します。

まずは敵を知る!台風の「風」の破壊力と屋根が飛ばされるメカニズム

「風速◯m/s」と言われても、その破壊力を具体的にイメージするのは難しいかもしれません。気象庁が公表しているデータから、風の強さと屋根への影響を見てみましょう。

風の強さ(予報用語)平均風速(m/s)およその瞬間風速(m/s)屋根への影響
やや強い風10~15未満15~25雨樋が揺れ始める。
強い風15~20未満20~30屋根瓦・屋根葺材がはがれ始めるものがある。
非常に強い風20~30未満30~40屋根瓦・屋根葺材が飛散するものがある。看板が落下し始める。
猛烈な風(強烈な風)30以上40~固定が不十分な金属屋根がめくれる。多くの樹木が倒れ、住家が倒壊するものがある。

近年、関東地方に甚大な被害をもたらした令和元年房総半島台風(台風15号)では、千葉市で最大瞬間風速57.5m/sを記録しました。これは、どんな屋根であっても、適切な施工とメンテナンスがされていなければ、ひとたまりもなく破壊されてしまうレベルの、まさに「猛烈な」暴風です。

屋根が飛ばされるのは、単に上からの風圧だけが原因ではありません。軒下から吹き込んだ風が屋根全体を内側から持ち上げようとする「吹上力」も、非常に大きな破壊力を持っています。この2つの力に耐えうる「形状」と「屋根材」を選ぶことが、台風対策の基本となります。

より詳しく知りたい方は
下記よりお問い合わせください。

フリーダイヤル 0120-905-454 (平日・土曜 9:00~18:00)

【形状別】風を受け流す屋根、風に煽られる屋根の構造的な違い

屋根の形は、デザイン性だけでなく、風をどう受け止め、どう逃すかという空力特性に大きく関わってきます。

最も台風に強いとされる形状:寄棟(よせむね)屋根・方形(ほうぎょう)屋根

寄棟 屋根
  • 特徴: 4方向に傾斜面を持つ屋根形状。大棟(屋根のてっぺんの水平な部分)があるのが「寄棟」、頂点が一点のピラミッド型が「方形」です。
  • なぜ強い?: どの方向から風が吹いても、4つの傾斜面が巧みに風を受け流し、建物全体にかかる力を効率よく分散させることができます。風圧が一つの面に集中しにくいため、屋根全体としての構造的安定性が非常に高いのが最大の強みです。

一般的だが、風向きに注意が必要な形状:切妻(きりづま)屋根

切妻 屋根
  • 特徴: 本を開いて伏せたような、2方向に傾斜面を持つ、日本の住宅で最もポピュラーな形状です。
  • なぜ注意が必要?: 構造がシンプルでコストも抑えやすい反面、屋根がかかっていない「妻側(つまがわ)」と呼ばれる壁面から強風を受けると、その風圧をまともに受けてしまいます。また、軒下から吹き上げる風によって、屋根全体が持ち上げられる「吹上力」の影響も受けやすい側面があります。

風の影響を受けやすい形状:片流れ屋根・軒の出が長い屋根

  • 片流れ屋根: 一方向にしか傾斜がないため、風を受ける面の面積が大きくなり、風圧の影響を強く受けやすいです。特に、高い方の壁面から風を受けると、屋根が剥がされるような力が働きやすくなります。
  • 軒の出が長い屋根: 夏の日差しを遮ったり、外壁を雨から守ったりするメリットがありますが、下から吹き上げる風をまともに受ける「パラシュート」のようになり、屋根全体が持ち上げられるリスクが格段に高まります。

【屋根材別】本当に台風に強いのはどれ?素材ごとの耐風性能を徹底検証

屋根の形状と並んで、いやそれ以上に重要なのが、屋根を直接覆っている「屋根材」そのものの性能と、その固定方法です。

屋根材の種類台風への強さメリットデメリット・注意点
金属屋根
(ガルバリウム鋼板など)
◎ 非常に強い・軽量で建物への負担が少なく、耐震性にも優れる
・屋根材同士をしっかり噛み合わせ、ビスで下地にがっちり固定するため、風でめくれにくい
・錆びにくく、耐久性が高い
・一枚ものの大きな屋根(折板屋根など)は、風を受ける面積が大きく、固定が不十分だと飛ばされるリスクがある
・飛来物で表面に深い傷がつくと、そこから錆びる可能性も
防災瓦
(粘土瓦)
◎ 非常に強い・瓦同士が噛み合う「ロックアーム構造」と、釘やビスでの全数固定により、従来の瓦とは比較にならない耐風性能を誇る
・瓦自体の重量が、風による飛散を物理的に防ぐ
・屋根が重いため、建物の耐震性への配慮が必須
・初期費用が比較的高価
アスファルトシングル◯ 強い
(施工品質に大きく左右される)
・シート状で柔軟性があり、飛来物による「割れ」に強い
・表面の石粒が雨音を吸収し、静音性が高い
・釘と専用の接着剤で固定するため、接着剤の劣化や施工時の塗布量不足があると、強風で簡単に剥がれる
・定期的な点検と、剥がれの早期補修が不可欠
スレート(コロニアル)△ やや弱い・軽量で安価なため、国内で最も広く普及している・経年劣化で素材自体がもろくなり、強風や飛来物で割れやすい
定期的な塗装メンテナンスを怠ると、強度が著しく低下する
従来の瓦
(旧工法で固定されていないもの)
✕ 非常に弱い・重さがあるため、ある程度の風には耐えられる・桟木に引っ掛けてあるだけで物理的に固定されていないため、強風で簡単にズレたり飛散したりする
・一枚でも飛散した場合の被害が甚大

結論:台風に最も強い屋根材は、しっかり「固定」されている屋根材

現在の屋根材の中では、「金属屋根(ガルバリウム鋼板など)」と「防災瓦」が、台風に強い屋根材の二強と言えます。この二つに共通するのは、屋根材自体を釘やビスを使って、屋根の下地(野地板や垂木)に一枚一枚がっちりと固定するという点です。この物理的な固定こそが、猛烈な風圧や吹上力に耐えるための絶対条件なのです。

我が家の屋根を台風に強くする!今すぐできる対策と効果的なリフォーム

「うちは古い瓦屋根だけど、どうすればいい?」
「リフォームするなら、どんな方法が一番効果的で、費用はどれくらい?」
台風に強い屋根にするための、具体的な方法をご紹介します。

対策1:【最重要】専門家による定期的な点検とメンテナンス

どんなに強い屋根材や形状であっても、経年劣化は避けられません。10年に一度は専門業者による定期点検を受け、釘の緩みや屋根材のひび割れ、シーリングの劣化などを早期に発見・補修することが、台風被害を防ぐ最も確実でコストパフォーマンスの高い方法です。

対策2:屋根カバー工法で耐風性能をアップグレード(費用を抑えたい方向け)

現在の屋根に大きな破損や雨漏りがなければ、既存の屋根(スレートなど)の上から、新しい軽量な屋根材(主に金属屋根)を丸ごと被せる「カバー工法」が有効です。古い屋根の撤去費用がかからないため、葺き替えよりも安価(100万~180万円程度)に、最新の耐風性能を持つ屋根に生まれ変わらせることができます。

対策3:屋根葺き替え工事で根本から最強の屋根に

屋根の劣化が激しい場合や、旧工法の重い瓦屋根で耐震性も根本から改善したい場合は、屋根を一度すべて撤去し、下地から新しく作り直す「葺き替え」が最も確実な解決策です。費用は高額(120万~250万円程度)になりますが、この機会に「金属屋根」や「防災瓦」といった台風に強い屋根材を選び、長期的な安心を手に入れることができます。

【万が一の備え】台風被害の修理に「火災保険」が使える!その正しい知識と手順

もし台風で屋根に被害が出てしまった場合でも、慌てる必要はありません。ご加入の火災保険に付帯する「風災補償」が適用され、修理費用が支払われる可能性があります。

【申請の正しい手順】

  1. 安全確保と写真撮影: まずは身の安全を確保した上で、被害状況の写真を様々な角度から撮っておきましょう。「どの部分が」「どのように」壊れたかが分かる写真が、後の重要な証拠になります。
  2. 保険会社へ第一報: 被害があった旨を、速やかにご自身の保険会社(または代理店)に連絡します。「事故受付」をしてもらい、保険金請求に必要な書類を送ってもらいます。
  3. 信頼できる修理業者に点検と見積もりを依頼: 地元の信頼できる業者に連絡し、被害状況の点検と、修理のための正式な見積書を作成してもらいます。この時、「台風による被害であること」を業者にしっかり伝えましょう。
  4. 保険会社へ書類一式を提出: 保険会社から送られてきた請求書に必要事項を記入し、被害写真や修理見積書などの必要書類を添えて提出します。その後、保険会社の損害調査を経て、支払われる保険金額が決定します。

【絶対に注意してほしいこと】

Stop!

台風の直後には「火災保険を使えば無料で屋根を修理できますよ」と、突然訪問してくる悪質な業者が急増します。彼らは保険申請を代行すると言って高額な手数料を請求したり、不要な工事を勧めたり、意図的に被害を拡大させたりするケースがあります。飛び込みの営業は断固として断り、必ず自分で保険会社に連絡し、自分で選んだ信頼できる業者に相談することが、トラブルを避けるための鉄則です。

まとめ:台風に強い屋根づくりは、正しい知識と日々の備えから始まる

今回は、台風に強い屋根について、その形状から屋根材、メンテナンス、そして万が一の備えまで、網羅的に詳しく解説しました。

  • 台風に強い形状は、風の力を効率よく分散できる「寄棟屋根」。
  • 台風に強い屋根材は、下地に一枚一枚がっちり固定できる「金属屋根」と「防災瓦」。
  • どんなに強い屋根も、専門家による定期的な点検とメンテナンスがなければ、その性能は維持できない。
  • リフォームするなら、費用を抑えつつ強度を上げる「カバー工法」か、下地から一新する「葺き替え」を検討。
  • 万が一の被害には「火災保険」が使える可能性があること、そして悪質な業者には注意することを覚えておく。

台風の脅威から大切な住まいと家族を守るためには、これから家を建てる方も、今お住まいの家をメンテナンスする方も、正しい知識を持つことが何よりの力となります。この記事を参考に、ご自宅の屋根の状況を今一度確認し、来るべき台風シーズンに万全の備えで臨みましょう。

クイック屋根工事

私たちクイック屋根工事は、日本全国で建物の屋根を中心に、あらゆるリフォーム工事を手がけています。

【累計6,000件以上の施工実績】

屋根葺き替えや屋根カバー工事、屋根塗装、防水工事から、雨樋の修理、内装工事まで幅広い工事に対応。独自の全国派遣ネットワークにより、迅速な対応が可能です。各地で培った経験をもとに、地域の気候や建築様式に適した最適な修理方法をご提案いたします。

【専門資格を持つ職人が対応】

弊社では、厳しい加盟条件を満たした専門修理業者をご紹介します。すべての業者が「一級建築士」「屋根工事技士」などの資格を持つ専門家による監修のもと、豊富な経験を活かした施工を行います。

【お客様の声】

「兵庫県姫路市で屋根修理をお願いしましたが、親切な対応と確かな技術で大満足です!」(50代・女性)
「雨漏りが気になっていましたが、しっかりと原因を特定し、丁寧に施工していただきました」(40代・女性)

屋根やお家のリフォームのことなら、お気軽にご相談ください。

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