HOME » 屋根修理を依頼する前に » 屋根の形状 » 【勾配屋根のメンテナンス】急勾配と緩勾配、費用と方法はどう違う?雨漏りさせないための全知識

「うちの屋根、角度が急だけどメンテナンスはどうすればいいの?」
「平らに見える屋根だけど、雨漏りが心配…」

家の外観を大きく左右する「屋根の勾配(こうばい)」。デザイン性で選ばれることも多いですが、実はこの傾斜の角度が、将来のメンテナンス方法や費用、さらには雨漏りのリスクまで大きく変えてしまうことをご存知ですか?

「急な屋根」と「緩やかな屋根」では、劣化の仕方や弱点が全く異なります。そのため、それぞれの勾配に合った、適切なメンテナンスを行うことが、お住まいを長持ちさせる上で非常に重要なのです。

この記事では、

  • 「急勾配」「緩勾配」「並勾配」あなたの家はどのタイプ?
  • 勾配別に徹底解説!特有の劣化症状と最適なメンテナンス方法
  • なぜ急勾配の修理は高くなる?足場の重要性と費用相場
  • 緩勾配の宿命「雨漏り」を防ぐためのポイント

など、屋根の勾配に合わせたメンテナンスのすべてを、プロの視点から分かりやすく解説します!

あなたの家の屋根はどのタイプ?屋根勾配の基本を知ろう

屋根勾配は、水平距離10寸(約30.3cm)に対して、どれくらいの高さがあるかを示す「〇寸勾配」という単位で表されます。数字が大きいほど、屋根の角度は急になります。

勾配の種類寸法表記角度の目安特徴
急勾配(きゅうこうばい)6寸勾配 以上約30°以上屋根が外観の主役になるデザイン性の高い家。屋根裏空間を広く取れる。
並勾配(なみこうばい)3寸~5.5寸勾配約16°~29°日本の住宅で最も一般的な勾配。デザインと機能のバランスが良い。
緩勾配(かんこうばい)0.5寸~2.5寸勾配約3°~14°屋根がほとんど見えないモダンなデザイン。陸屋根もわずかな勾配がある。

より詳しく知りたい方は
下記よりお問い合わせください。

フリーダイヤル 0120-905-454 (平日・土曜 9:00~18:00)

【急勾配屋根】メンテナンスのポイントと注意点(6寸勾配~)

特有の劣化と弱点

  • 風の影響を受けやすい:屋根面が広いため、台風などの強風をまともに受け、屋根材(特に棟板金)の飛散リスクが高まります。
  • 紫外線による劣化が激しい:太陽光が当たりやすく、塗膜の劣化や屋根材の色褪せが早く進む傾向があります。
  • 谷部分の劣化:複雑な形状の屋根が多く、「谷」ができやすい。雨水が集中する谷板金の劣化や穴あきに注意が必要です。

最適なメンテナンス方法と費用

急勾配屋根のメンテナンスは、「足場の設置が必須」になることが最大のポイントです。職人が安全に作業するためには、屋根の上にも作業用の「屋根足場」を組む必要があります。

メンテナンス内容費用の目安(30坪の家)メンテナンス周期
屋根塗装60万円 ~ 100万円
(屋根足場代含む)
10年~15年
棟板金の交換25万円 ~ 40万円
(屋根足場代含む)
15年~20年
屋根カバー工法・葺き替え120万円 ~ 250万円
(屋根足場代含む)
25年~30年

【重要ポイント】

急勾配のメンテナンスは、足場代で費用が高額になります。そのため、一度足場を組んだ際に、塗装だけでなく、棟板金の補強や雨樋の清掃など、複数のメンテナンスをまとめて行うことが、トータルコストを抑える上で非常に賢い選択です。

【緩勾配屋根】メンテナンスのポイントと注意点(~2.5寸勾配)

特有の劣化と弱点

  • 雨漏りリスクが非常に高い:水の流れが遅く、屋根に雨水が滞留しやすいため、屋根材の継ぎ目やわずかな劣化箇所から水が浸入しやすいです。
  • 汚れ・コケが溜まりやすい:雨水で汚れが流れにくく、落ち葉なども溜まりやすいため、コケやカビが繁殖し、屋根材の劣化を早めます。
  • 使用できる屋根材が限られる:瓦屋根など、一定以上の勾配がないと施工できない屋根材は使用できません。防水性が高い金属屋根などが中心になります。

最適なメンテナンス方法と費用

緩勾配屋根のメンテナンスの鍵は、「防水性能の維持」です。

メンテナンス内容費用の目安(30坪の家)メンテナンス周期
定期的な清掃3万円 ~ 8万円3年~5年
屋根塗装40万円 ~ 70万円
(足場不要の場合あり)
10年~15年
屋根カバー工法・葺き替え80万円 ~ 180万円
(足場不要の場合あり)
20年~30年

【重要ポイント】

緩勾配は、屋根材本体の性能よりも、その下にある防水シート(ルーフィング)の重要性が非常に高くなります。屋根材の継ぎ目から水が浸入することを前提に、防水シートの劣化が進む前(築15年~20年)に、屋根全体のリフォーム(カバー工法や葺き替え)を検討することが、深刻な雨漏りを防ぐ最も確実な方法です。

バランスの取れた「並勾配」が最もおすすめ

「急勾配」と「緩勾配」、どちらにもメリット・デメリットがありますが、メンテナンス性や雨漏りリスク、コストの観点から見ると、「並勾配(3寸~5.5寸)」が最もバランスが取れており、トラブルが少ないと言えます。

  • 水はけが良く、雨漏りリスクが低い。
  • ほとんどの種類の屋根材が使用できるため、リフォーム時の選択肢が広い。
  • 角度によっては、メンテナンス時に屋根足場が不要な場合があり、費用を抑えられる。

これから新築を建てる方や、大規模なリフォームを検討している方は、特別なデザイン上のこだわりがなければ、「並勾配」を選択するのが最も無難で賢明な選択と言えるでしょう。

まとめ:屋根の角度を知ることが、賢いメンテナンスの第一歩

今回は、屋根の勾配(角度)がメンテナンスに与える影響について、詳しく解説しました。

  • 屋根の勾配は「急」「並」「緩」の3種類に分けられ、それぞれ弱点やメンテナンス方法が異なる。
  • 「急勾配」は風に弱く、メンテナンスには高額な足場代が必須。一度の足場でまとめて工事するのがお得。
  • 「緩勾配」は雨漏りリスクが高く、防水性能の維持が最重要。定期的な清掃と、防水シートの寿命を意識したリフォームが鍵。
  • 総合的に見て、最もバランスが良くトラブルが少ないのは「並勾配」。

ご自宅の屋根がどの勾配タイプなのかを知ることは、将来のメンテナンス計画を立て、無駄な出費や予期せぬトラブルを防ぐための第一歩です。

屋根は、声なく家を守り続けてくれています。その「形」に合わせた、最適なメンテナンスで、これからも長く安心して暮らせる住まいを維持していきましょう。もし、ご自宅の屋根の勾配や状態に不安があれば、一度プロの目で診断してもらうことをお勧めします。

クイック屋根工事

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「兵庫県姫路市で屋根修理をお願いしましたが、親切な対応と確かな技術で大満足です!」(50代・女性)
「雨漏りが気になっていましたが、しっかりと原因を特定し、丁寧に施工していただきました」(40代・女性)

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