「台風が来る前に、テラスの屋根にネットをかけておけば安心だよね?」
大切なお車や自転車を雨風から守るテラスやカーポートの屋根。大型台風の接近に備え、多くの方が「ネットをかけて屋根材が飛ばないようにしよう」と考えるのではないでしょうか。
しかし、その対策、実は一番やってはいけない危険な行為かもしれません。
良かれと思ってかけたネットが、あなたのカーポートを骨組みごと倒壊させる凶器に変えてしまう可能性があるのです。
この記事では、
- なぜテラス屋根にネットをかけてはいけないのか?その恐ろしい理由
- 屋根に登らずにできる、本当に効果的な台風対策
- メーカーが推奨する、後付け可能な最強の補強パーツとは?
- これから設置するならどんな製品を選ぶべきか?
など、テラス屋根の正しい台風対策のすべてを、プロの視点から徹底的に解説します。間違った対策で後悔する前に、ぜひご一読ください。
【警告】なぜネット対策は絶対にやってはいけないのか?
トタン屋根などの応急処置で使われることがあるネットですが、テラスやカーポートにかけるのは全く話が別です。その理由は、構造の違いにあります。
理由:屋根全体が「巨大な凧(たこ)」になってしまうから
- 本来の設計思想
一般的なカーポートの屋根パネル(ポリカーボネート製など)は、想定を超える強風を受けた際に、あえてパネルだけが外れることで風の力を逃がし、柱や骨組みへの致命的なダメージを防ぐように設計されています。 - ネットをかけると…
ネットで屋根パネルと骨組みを一体化させてしまうと、風の逃げ場がなくなります。屋根全体が一枚の巨大な帆(セール)のようになり、風の力をまともに受けてしまいます。 - 最悪の結末
パネル数枚が飛ぶだけで済んだはずの被害が、強大な揚力に耐えきれなくなった柱や骨組みごと、ねじ曲がり、倒壊・飛散するという最悪の事態を招くのです。
軽い屋根パネルが飛ぶのと、重い金属の骨組みが丸ごと飛んでいくのと、どちらが危険かは言うまでもありません。ネットをかける行為は、被害を最小限に抑えるための安全装置を、自ら無効にする行為なのです。
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ではどうすれば?台風前にやるべき本当に正しい対策
ネットがダメなら、どうすればいいのでしょうか。安全かつ効果的な対策はちゃんと存在します。
対策1:【基本中の基本】留め具の緩みをチェック&増し締め
被害の多くは、屋根パネルを固定しているネジ・ボルト・ビスの緩みから始まります。
- チェック方法:脚立などを使って、パネルがガタついていないか、手で軽く揺すってみましょう。ボルトが緩んでいる箇所はすぐに分かります。
- 対処法:緩んでいるボルトを、工具を使ってしっかりと締め直します。もし紛失しているボルトがあれば、風が強くなる前にホームセンターで同じ規格のものを購入し、取り付けておきましょう。
これだけでも、パネルのバタつきが抑えられ、耐風性は大きく向上します。
対策2:【究極の対策】屋根パネルを事前に外してしまう
最も確実で、被害をゼロにできる方法がこれです。
- 手順:
- パネルに油性ペンなどで番号(例:手前から①、②…)を振っておきます。
- それぞれのパネルの位置が分かるようにスマホで写真を撮ります。
- 留め具を慎重に外し、パネルを一枚ずつ取り外して、風の当たらない室内や物置に保管します。
【注意点】
この作業は高所での作業となり危険を伴います。必ず2人以上で、風のない晴れた日に行ってください。また、元に戻すのが意外と難しい場合もあるため、少しでも自信がなければ無理は禁物です。
対策3:【メーカー推奨】後付け可能な補強パーツで強化する
各カーポートメーカーは、既存の製品を強化するためのオプションパーツを用意しています。これが最も安全で推奨される対策です。
| 補強パーツの種類 | 役割と効果 |
|---|---|
| ① サポート柱 | 柱がない側に、着脱可能な補助支柱を追加する。特に柱が片側にしかない「片支持タイプ」のカーポートの揺れを劇的に抑え、倒壊を防ぐ。 |
| ② 屋根材ホルダー(パネル抜け防止材) | 屋根パネルの上から、アルミ製のバーなどでパネル自体を押さえつける。風によるパネルの「たわみ」を防ぎ、下からの吹き上げによるパネルの抜けを防止する。 |
| ③ 母屋補強材 | 屋根の骨組み(母屋)の内部に補強用の芯材を入れる。骨組み自体の強度を向上させる。(※後付けには分解が必要なため、新設時の導入がおすすめ) |
これらのパーツは、お使いのカーポートのメーカーや機種によって適合するものが異なります。専門の施工業者に相談し、取り付けを依頼するのが最も確実です。
より詳しく知りたい方は
下記よりお問い合わせください。
フリーダイヤル 0120-905-454 (平日・土曜 9:00~18:00)
これから買うなら?台風に強いカーポートの選び方
これから新しくカーポートやテラス屋根を設置するなら、設計段階から台風対策を意識しましょう。
- 「耐風圧強度」で選ぶ
カタログには必ず「耐風圧強度〇〇m/s相当」という記載があります。この数値が大きいほど、強い風に耐えられることを示します。お住まいの地域の気象条件に合わせて、余裕のある強度の製品を選びましょう。 - 柱の数で選ぶ(両支持タイプ)
柱が片側にしかない「片支持タイプ」よりも、両側に柱がある「両支持タイプ(4本柱以上)」の方が、構造的に圧倒的に風に強いです。 - 屋根材で選ぶ(スチール折板屋根)
一般的なポリカーボネート製の屋根よりも、頑丈な鋼板を折り曲げて作られた「スチール折板(せっぱん)屋根」は、桁違いの強度を誇ります。積雪地域でよく見られますが、耐風性能も抜群です。
もし被害に遭ってしまったら…火災保険は使える?
台風によってカーポートが破損した場合、火災保険の「風災補償」が適用される可能性があります。カーポートは「建物付属物」として補償の対象になることが多いです。
ただし、後から設置したカーポートが保険の対象に含まれていないケースもあるため、一度ご自身の保険証券を確認するか、保険会社に問い合わせてみましょう。
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まとめ:正しい知識が、あなたのカーポートと愛車を守る
今回は、テラスやカーポート屋根の台風対策について、特に危険な「ネット使用」の間違いと、正しい対策方法を解説しました。
- テラス屋根にネットをかけるのは、骨組みごと倒壊するリスクを高める絶対NGな行為。
- 基本対策は「留め具の増し締め」。究極の対策は「パネルを外す」こと。
- 最も推奨されるのは、メーカー純正の「サポート柱」や「屋根材ホルダー」による補強。
- これから選ぶなら「耐風圧強度」「両支持タイプ」「折板屋根」を基準に。
大切な愛車を守るためのカーポートが、台風で凶器に変わることのないように。この記事を参考に、正しい知識で万全の対策を講じ、来るべき台風シーズンを安心して乗り切りましょう。
クイック屋根工事
私たちクイック屋根工事は、日本全国で建物の屋根を中心に、あらゆるリフォーム工事を手がけています。
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