「屋根に遮熱塗料を塗ると、夏が涼しくなるって本当?」
「高いお金を払って遮熱塗料にしたのに、効果がなかったらどうしよう…」
年々厳しくなる夏の暑さ対策として、注目を集める「遮熱塗料」。塗るだけで室内の温度上昇を抑え、光熱費の節約にも繋がるという夢のような塗料ですが、一方で「効果が感じられなかった」という声も耳にします。
実際のところ、屋根の遮熱塗装は本当に効果があるのでしょうか?
この記事では、数々の屋根塗装を手掛けてきたプロの視点から、
- 遮熱塗料が「効く家」と「効きにくい家」の決定的な違い
- 「色」が遮熱効果を左右する驚きの事実
- 遮熱と断熱の意外な関係性
- 後悔しないための遮熱塗料の選び方と費用相場
などを、初心者の方にも分かりやすく、忖度なしで徹底解説します。この記事を読めば、あなたの家に遮熱塗装が必要かどうかが明確になり、賢い選択ができるようになります。
1. そもそも「遮熱塗料」って何?魔法の塗料の正体とは
遮熱塗料とは、一言でいうと「太陽光(特に熱の原因となる赤外線)を効率よく反射する塗料」のことです。
| 太陽光の内訳 | 割合 | 影響 |
|---|---|---|
| 赤外線 | 約50% | 熱の原因。目には見えない。 |
| 可視光線 | 約45% | 明るさや色の原因。 |
| 紫外線 | 約5% | 日焼けや塗膜劣化の原因。 |
夏の屋根は、太陽光を直接浴びて表面温度が70℃~80℃にも達することがあります。この熱が建物内部に伝わり、室温を上昇させるのです。
遮熱塗料は、この熱の原因である赤外線を効率よく跳ね返す特殊な顔料が含まれており、屋根の表面温度の上昇を約10℃~20℃も抑制する効果があります。
これにより、屋根から室内への熱の侵入を和らげることができる、というのが遮熱塗料の基本的な仕組みです。
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2.【最重要】遮熱塗装が「劇的に効く家」と「効果が薄い家」
「遮熱塗料を塗ったのに、涼しくなった実感がない…」という失敗談。実はこれ、多くの場合「家の構造」が原因です。あなたの家はどちらのタイプか、チェックしてみましょう。
遮熱効果が【大いに期待できる】家
- 工場・倉庫・体育館など
これらの建物は、屋根のすぐ下が広い空間になっており、天井に断熱材が入っていないことがほとんどです。屋根の熱がダイレクトに室内に伝わるため、遮熱塗装で屋根の温度を下げることが、室温低下に直結します。 - 築30年以上の古い住宅(特にトタン屋根やスレート屋根)
昔の住宅は、現代の基準と比べて天井の断熱材が不十分だったり、全く入っていなかったりするケースがあります。このような住宅も、遮熱塗装の効果を体感しやすいです。 - 屋根裏(小屋裏)がない陸屋根の住宅
屋根と天井の間に空間がない陸屋根(平らな屋根)も、屋根の熱が直接室内に影響しやすいため、遮熱塗装が有効です。
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遮熱効果が【限定的・感じにくい】家
- 最近の一般的な戸建て住宅
現在の住宅は、建築基準法により天井に十分な「断熱材」が施工されているのが標準です。この断熱材が、屋根からの熱を強力にブロックしてくれているため、そもそも室内は屋根の熱の影響を受けにくくなっています。
そのため、遮熱塗料を塗って屋根の温度を下げても、室内の温度変化としては「ほとんど感じられない」というのが実情です。
ポイント:遮熱効果は「天井の断熱材」の有無で決まる!
あなたの家に遮熱塗装が必要かどうかの最大の判断基準は、「天井の断熱材がしっかり入っているかどうか」です。これが、効果を実感できるかどうかの分かれ道になります。
3. 色選びが効果を左右する!「黒い遮熱塗料 vs 白い普通塗料」衝撃の事実
遮熱塗装を検討する上で、もう一つ非常に重要なのが「色選び」です。
実は、塗料の種類よりも、色の方が遮熱効果に与える影響が大きいというデータがあります。
下の表は、色による太陽光の反射率の違いを示したものです。数値が高いほど、熱を反射しやすくなります。
| 色 | 日射反射率(目安) | 遮熱効果 |
|---|---|---|
| ホワイト(白) | 80%~90% | 非常に高い |
| ライトグレー | 60%~70% | 高い |
| シルバー | 50%~60% | やや高い |
| ブラウン | 30%~40% | 普通 |
| ブラック(黒) | 10%~20% | 低い |
ここで驚きの事実があります。
「高性能な黒色の遮熱塗料」よりも、「安価な白色の一般塗料」の方が、日射反射率が高く、遮熱効果も高いケースがほとんどなのです。
ゼネコン(大手建設会社)が行った実験でも、「一般塗料であっても明度の高い白色系の塗料を用いることで相応の遮熱効果が期待できる」という結果が報告されています。
【結論】遮熱効果を最大化したいなら、色選びが最優先!
- 効果を最優先するなら → 「白色」または「ライトグレー」を選ぶのが最もコストパフォーマンスが高い。
- デザイン上、濃い色にしたいなら → 「一般塗料」ではなく「遮熱塗料」を選ぶ価値がある。(ただし、白色には劣る)
4. 知っておきたい!遮熱塗料のメリット・デメリット
効果が期待できる家だとしても、遮熱塗料にはメリットだけでなく、デメリットも存在します。両方を理解した上で、導入を検討しましょう。
メリット
- 屋根材の保護・長寿命化
屋根は熱による膨張・収縮を繰り返すことで劣化が進みます。遮熱塗料で表面温度を抑えることは、屋根材自体のひび割れや変形を防ぎ、寿命を延ばす効果に繋がります。これは、どんな住宅にも共通する大きなメリットです。 - (断熱材がない場合)室温上昇の抑制と光熱費の削減
工場や古い家など、条件に合う建物では、夏の冷房効率が上がり、電気代の節約が期待できます。 - ヒートアイランド現象の緩和(地球環境への貢献)
建物からの放熱を抑えることで、都市部の気温上昇を緩和する効果があり、社会貢献にも繋がります。自治体によっては、この目的で補助金の対象となる場合があります。
デメリット
- 費用が割高になる
遮熱機能のない一般的なシリコン塗料と比べ、塗料の材料費が1.2倍~1.5倍ほど高くなります。30坪の屋根で5万円~15万円程度の価格差が出ることがあります。 - 汚れが付くと効果が低下する
遮熱塗料は、太陽光を「反射」することで効果を発揮します。そのため、塗膜の表面に汚れが付着して黒ずんでしまうと、反射率が落ち、遮熱効果が低下してしまいます。汚れが付きにくい「低汚染機能」を併せ持つ塗料を選ぶことが重要です。 - 冬は屋根からの熱を取り込みにくくなる
冬場は太陽の熱が少しでも欲しいところですが、遮熱塗料は季節を問わず太陽光を反射してしまいます。ただし、断熱材がしっかり入っている住宅であれば、この影響はほとんど無視できるレベルです。
5. 「遮熱」と「断熱」はどう違う?セットで考えると効果倍増!
ここでよく混同される「断熱塗料」との違いも整理しておきましょう。
- 遮熱:太陽の熱を「反射」して、そもそも熱が伝わるのを防ぐ。(夏の暑さ対策)
- 断熱:熱の移動を「遅らせる」ことで、室内の温度を保つ。(夏の暑さ&冬の寒さ対策)
魔法瓶をイメージすると分かりやすいです。外側がピカピカなのは「遮熱」、中の真空層が「断熱」の役割を果たしています。
住宅において最も効果的なのは、屋根の表面で「遮熱塗料」が熱を反射し、それでも伝わってしまった熱を天井の「断熱材」がブロックするという二段構えです。この組み合わせが、最強の熱対策と言えます。
「断熱塗料」の効果は限定的?
「ガイナ」に代表される断熱塗料は、塗膜で断熱効果を発揮するとされています。しかし、建築の常識では、断熱性能は「断熱材の厚み」に比例します。わずか0.1mm程度の塗膜で、数cm単位の断熱材と同等の効果を得るのは非常に困難です。断熱塗料の多くは白色系で日射反射率が高いため、その効果は「遮熱効果」による部分が大きいと考えるのが現実的です。
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6. まとめ:あなたの家に遮熱塗装は必要?最終チェックリスト
さて、長くなりましたが、最後にあなたの家に本当に遮熱塗装が必要かどうかを判断するためのチェックリストで締めくくりましょう。
- あなたの家は、工場や倉庫、または築30年以上の古い住宅ですか?
- 天井の断熱材が不十分、または入っていない可能性がありますか?
- 夏の2階の部屋が、耐えられないほど暑くなることに悩んでいますか?
- 屋根の色を、デザイン的に濃い色(黒や濃茶など)にしたいですか?
- 塗料代が多少高くなっても、屋根材を熱から守り、長持ちさせたいですか?
このうち、3つ以上当てはまるなら、遮熱塗装を検討する価値は大いにあります。
逆に、築年数が浅く、断熱材がしっかり入っている住宅で、特に暑さに困っていないのであれば、無理に高価な遮熱塗料を選ぶ必要はありません。その場合は、コストパフォーマンスに優れた白色や明るい色の一般塗料を選ぶのが最も賢い選択と言えるでしょう。
屋根塗装は、お家の健康を守るための大切なメンテナンスです。遮熱塗料の本当の効果を正しく理解し、あなたの家に最適な選択をしてくださいね。
クイック屋根工事
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