HOME » 屋根修理を依頼する前に » 屋根の形状 » 【片流れ屋根とは?】後悔する前に知りたい雨漏りリスクと対策、メリット・デメリットを解説
片流れ屋根

「最近よく見る、斜め一方向の屋根ってなんて言うの?」
「『片流れ屋根』って、おしゃれだけど雨漏りしやすいって本当?」
「メリット・デメリットを知って、後悔しない家づくりをしたい!」

シャープでモダンな外観が人気を集め、近年、新築住宅で採用率が急上昇している「片流れ屋根(かたながれやね)」
そのスタイリッシュなデザインに惹かれている方も多いのではないでしょうか。

しかし、そのシンプルな見た目の裏には、太陽光発電に最適という大きなメリットと、知らずに建てると後悔するかもしれない深刻なデメリットが隠されています。

この記事では、「片流れ屋根とは何か?」という基本から、

  • 他の屋根(切妻・寄棟)との決定的な違い
  • なぜ人気?片流れ屋根が持つ5つのメリット
  • 【最重要】雨漏りリスクが高い!デメリットとプロが実践する対策
  • 平屋にも最適?おしゃれな施工事例

などを、家づくりが初めての方にも分かりやすく、とことん丁寧に解説します。この記事を読めば、片流れ屋根の全てが分かり、あなたの理想の住まいに本当に適しているのかを自信を持って判断できるようになります。

1. 片流れ屋根とは?シンプルモダンな「一面屋根」

片流れ屋根とは、その名の通り、屋根が一つの面だけで構成され、一方向にのみ傾斜(勾配)がついている形状の屋根です。

非常にシンプルな構造で、モダンでスタイリッシュな印象を与えるため、デザイン性を重視する方に特に人気があります。かつては倉庫や物置で多く見られましたが、現在では一般住宅、特に平屋や総二階建ての家で広く採用されています。

他の屋根(切妻・寄棟)との違いは?

片流れ屋根と比較されやすい、代表的な2つの屋根形状との違いを見てみましょう。

屋根の種類片流れ屋根切妻(きりづま)屋根寄棟(よせむね)屋根
形状1方向のみの傾斜2方向への傾斜4方向への傾斜
外観モダン、シャープシンプル、スッキリ重厚感、落ち着き
コスト安い安いやや高い
雨漏りリスク高い低いやや高い
耐風性△ 弱い◎ 強い

より詳しく知りたい方は
下記よりお問い合わせください。

フリーダイヤル 0120-905-454 (平日・土曜 9:00~18:00)

2. なぜ人気?片流れ屋根が持つ5つの大きなメリット

ポイント

片流れ屋根が近年、採用率No.1にまでなったのには、デザイン性以外にも明確なメリットがあるからです。

メリット①:太陽光パネルの設置に最適

これが最大のメリットです。
屋根面が広く、一方向を向いているため、太陽光パネルを大容量で、かつ最も効率の良い南向きに設置しやすいのが特徴です。売電収入を期待する方や、ZEH(ゼッチ)住宅を検討している方には、非常に魅力的な屋根形状です。

メリット②:コストを抑えられる(建築費用が安い)

屋根面が1つしかないシンプルな構造のため、使用する屋根材や部材が少なく、工事の手間もかかりません。これにより、切妻屋根や寄棟屋根と比較して、新築時の建築費用を安く抑えることができます。

メリット③:屋根裏空間を有効活用できる

屋根の傾斜をそのまま活かすことで、天井の高い開放的な空間や、広々としたロフト、小屋裏収納を作ることができます。敷地面積が限られる都市部の住宅でも、縦の空間を有効活用できるのは大きな利点です。

メリット④:モダンでおしゃれな外観

シンプルで非対称なフォルムは、モダンでスタイリッシュな印象を与えます。屋根の勾配や軒の出の長さを変えることで、様々な表情を見せることができ、デザイン性の高い住宅を実現できます。

メrito⑤:採光や通風を確保しやすい

屋根が高い方の壁面に大きな窓(高窓)を設置することで、家の奥まで太陽光を取り入れたり、効率的な風の通り道を作ったりすることが可能です。特に平屋では、このメリットが室内環境を大きく改善します。

3.【最重要】後悔しないために!片流れ屋根の4つのデメリットと対策

魅力的な片流れ屋根ですが、その特殊な形状ゆえのデメリットも存在します。これらを理解し、設計段階で対策を講じることが、後悔しない家づくりの鍵です。

デメリット①:雨漏りのリスクが他の屋根より高い

  • 原因:
    片流れ屋根の雨漏りは、主に屋根の頂上部分(棟)と壁の接合部、そして軒のない壁の上部(破風・けらば)から発生します。これらの部分は、構造上、雨水が集中しやすく、防水処理が不十分だと雨水が浸入しやすいのです。実際に、日本住宅保証検査機構の調査では、屋根形状別の雨漏り発生割合で片流れ屋根が突出して高いというデータもあります。
  • 対策:
    • 実績豊富な業者に依頼する: 片流れ屋根の雨仕舞(雨水の処理)には、高い技術力が求められます。施工実績が豊富な業者を選ぶことが最も重要です。
    • 透湿ルーフィングを使用する: 屋根材の下に敷く防水シート(ルーフィング)に、湿気は通すが水は通さない「透湿ルーフィング」を使用し、壁の内側までしっかりと施工することで、万が一の浸入リスクを大幅に減らせます。

デメリット②:片側の外壁が劣化しやすい

  • 原因:
    屋根が一方向にしかないため、屋根がかかっていない高い方の壁面は、雨風や紫外線を直接受けることになります。これにより、その面だけ外壁の劣化が早く進んでしまいます。
  • 対策:
    • 軒の出を設ける: デザイン性を損なわない範囲で、少しでも軒を出すことで、壁面を保護できます。
    • 高耐久な外壁材を選ぶ: 劣化しやすい壁面だけ、ガルバリウム鋼板やタイルなど、耐久性の高い外壁材を採用するのも有効です。

デメリット③:強風に弱い

  • 原因:
    屋根面が大きいため、風を受ける面積が広くなります。特に、屋根が持ち上げられる方向からの風に対して弱く、台風などの強風で屋根材が剥がれたり、飛ばされたりするリスクが他の屋根より高いです。
  • 対策:
    屋根材を固定する釘やビスの本数を増やす、耐風性能の高い屋根材を選ぶなど、設計段階での耐風対策が重要になります。

デメリット④:雨樋(あまどい)に負担が集中する

  • 原因:
    屋根に降ったすべての雨水が、片側一方向の雨樋に集中して流れます。そのため、雨樋が詰まりやすかったり、大雨の際に水が溢れてしまったりするリスクがあります。
  • 対策:
    通常より一回り大きいサイズの雨樋を設置する定期的に雨樋の掃除を行うなどの対策が必要です。

4. まとめ:片流れ屋根は、メリットとデメリットを理解すれば最高の選択肢に

今回は、近年人気が急上昇している「片流れ屋根とは何か」を解説しました。

  • 片流れ屋根とは、1方向にのみ傾斜する、モダンでシンプルな屋根形状。
  • メリットは「太陽光に最適」「低コスト」「空間活用」「デザイン性」。
  • 最大のデメリットは「雨漏りリスクの高さ」。しかし、信頼できる業者が適切な施工を行えば、リスクは大幅に軽減できる。
  • 「外壁の劣化」「耐風性」「雨樋の負担」といった弱点も、設計段階の対策でカバー可能。

片流れ屋根は、デメリットを正しく理解し、設計と施工の段階でしっかりと対策を講じれば、デザイン性と機能性を高いレベルで両立できる、非常に魅力的な屋根形状です。
家づくりで屋根の形に迷ったら、ぜひ片流れ屋根を選択肢の一つとして、そのメリットとデメリットをじっくり検討してみてください。

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「雨漏りが気になっていましたが、しっかりと原因を特定し、丁寧に施工していただきました」(40代・女性)

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