「外壁タイルは高級感があって、しかもメンテナンスフリーだからお得ですよ!」
新築時やリフォームの際に、こんな魅力的な言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。しかし、この「メンテナンスフリー」という言葉、実は半分本当で半分は誤解を招く表現なのです。
確かに、タイル自体は非常に丈夫で、サイディングやモルタルのように定期的な塗装は必要ありません。しかし、タイル以外の部分は確実に劣化していき、放置するとタイルの剥落事故や雨漏りなど、深刻なトラブルにつながる危険性があります。
この記事では、そんな外壁タイルのメンテナンスについて、
- なぜ「メンテナンスフリーではない」のか、その理由
- 【状況別】具体的なメンテナンス方法とリアルな費用相場
- メンテナンス時期を見極めるためのセルフチェック法
などを徹底解説します。正しい知識を身につけ、タイル外壁の美しさと安全性を長く保ちましょう。
なぜ外壁タイルは「メンテナンスフリー」と言われるのか?
まず、なぜ「メンテナンスフリー」というイメージが定着しているのか、その理由を見ていきましょう。それは、タイルという素材が持つ圧倒的な耐久性にあります。
- 耐候性:土や石を高温で焼き固めた「無機物」であるため、紫外線や雨風による色褪せや劣化がほとんどありません。
- 耐傷性:非常に硬く、砂やホコリ、物が当たった程度では傷がつきにくいです。
- 低吸水性:水をほとんど吸わないため、水分の凍結によるひび割れ(凍害)などのリスクが極めて低いです。
この「タイル自体」の強さが、サイディングやモルタルのように10年ごとの塗装を必要としない理由であり、「メンテナンスフリー」と言われる所以です。
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【最重要】それでもメンテナンスが必要な「3つの理由」
タイル本体は半永久的とも言える耐久性を持ちますが、外壁はタイルだけで出来ているわけではありません。以下の「タイル以外の部分」には寿命があり、これがメンテナンスを必要とする理由です。
理由①:目地(コーキング)の劣化【寿命:5~10年】
窓のサッシまわりや、乾式工法で施工されたタイルの継ぎ目には、ゴム状の「コーキング(シーリング)」が使われています。このコーキングは紫外線に弱く、5~10年で硬化し、ひび割れや肉やせを起こします。
この隙間から雨水が侵入すると、外壁内部の腐食や雨漏りの原因となるため、定期的な打ち替えが不可欠です。
理由②:タイルの「浮き」や「剥がれ」
タイルを壁に固定している接着剤やモルタルも、経年で劣化し接着力が低下します。これにより、タイルが下地から浮いてきたり、最悪の場合、剥がれ落ちて落下する危険性があります。
実際に、剥落したタイルが通行人に当たり、重大な事故につながったケースも報告されています。タイルの浮きは、放置してはならない危険なサインです。
理由③:タイル自体の「ひび割れ」や「欠け」
タイルは非常に硬いですが、物が強くぶつかるなど、局所的な衝撃によって割れたり欠けたりすることがあります。小さな破損でも、そこから雨水が侵入し、内部の劣化を進行させる原因になります。
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【状況別】外壁タイルのメンテナンス方法と費用相場
では、具体的にどのようなメンテナンスが必要で、費用はいくらかかるのでしょうか。劣化状況に応じた主なメンテナンス方法と費用相場をまとめました。
| 現在の状況 | 主なメンテナンス方法 | 費用相場 |
|---|---|---|
| 汚れ・カビ・コケが目立つ | 高圧洗浄 / バイオ洗浄 | 200~400円/㎡ |
| 目地(コーキング)がひび割れている | コーキングの打ち替え | 900~1,200円/m |
| タイルが浮いている・剥がれている | モルタル補修・タイル部分張替え | 4,000~7,250円/㎡ |
| タイルが割れている・欠けている | タイル部分張替え | 500~1,000円/枚 |
| 美観を保ちたい・防水性を高めたい | 防水塗装(クリア塗装) | 2,000~12,000円/㎡ |
※2階建て以上の建物の場合は、上記に加えて足場代(15万~25万円)が別途かかります。
10年に一度は「専門家による点検」を!
タイル外壁のメンテナンスの基本は「10年周期での専門家による点検」です。特にタイルの「浮き」は、目視だけでは判断が難しく、専門家による打診調査(ハンマーで叩いて音を調べる)が必要です。
劣化が深刻化する前に点検・補修を行うことが、結果的に大規模な工事を防ぎ、トータルコストを抑える最も賢い方法です。
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外壁タイルに「塗装」は本当に不要?
結論から言うと、タイル自体の保護を目的とした色付きの塗装は基本的に不要です。タイル自体の耐久性が、どんなに高価な塗料よりもはるかに高いためです。
ただし、以下のような目的で塗装が行われるケースはあります。
- クリア塗装:無色透明の塗料で、タイルの艶出しなど美観向上を目的とします。
- 防水塗装:タイルや目地に浸透するタイプの透明な防水材を塗布し、撥水性を高める目的で行います。
注意点として、一度塗装をすると塗料の耐用年数(10~20年)ごとに再塗装が必要になるため、本来不要なメンテナンスサイクルが生まれてしまう可能性があります。本当に必要かどうか、業者とよく相談して慎重に判断しましょう。
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まとめ
「外壁タイルはメンテナンスフリー」という言葉は、あくまで「定期的な塗り替えが不要」という意味で捉えるのが正解です。
- タイルは丈夫だが…:タイルを支える目地(コーキング)や接着剤は10年ほどで劣化する。
- 10年ごとの点検が必須:劣化の放置は、タイルの落下事故や雨漏りに繋がる危険なサイン。
- 主なメンテナンス:洗浄、コーキング打ち替え、タイルの部分補修が中心。
- 塗装は基本的に不要:美観や撥水性向上のためのクリア塗装はあるが、必須ではない。
タイル外壁の最大のメリットである「高耐久性」は、適切な時期に適切なメンテナンスを行うことで初めて実現します。築10年が経過したら、まずは一度、専門業者に外壁全体の健康診断を依頼してみてはいかがでしょうか。
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