HOME » 屋根材の種類と特徴 » 【足場の種類一覧】プロが6タイプを徹底比較!足場の種類、くさび式・枠組・単管の違いは?
屋根足場

「工事現場の足場って、どれも同じに見えるけど何か違いがあるの?」
「ビケ足場って何?枠組足場とどっちが良いの?」
「現場に合った足場の種類を知りたいけど、専門的でよく分からない…」

建設現場やリフォーム工事に欠かせない「足場」
一見、鉄パイプを組んだだけの単純な構造に見えますが、実は建物の規模や形状、作業内容に合わせて、様々な種類の足場が使い分けられています。

適切な足場の種類を選ぶことは、職人の安全を守るだけでなく、作業効率工事品質、さらにはコストにまで大きく影響する、非常に重要な要素です。

この記事では、主要な足場の種類について、

  • 現場でよく見る6大足場の特徴と、メリット・デメリット
  • 【戸建て向け vs ビル向け】足場の種類の使い分け
  • 「単管」「くさび」「枠組」…結局どれを選べばいいの?
  • 法律で定められた安全基準と、知っておくべき部材の名称

などを、建設業界が初めての方にも分かりやすく、豊富なイラストと共に徹底解説します。この記事を読めば、まるで専門家のように、現場に最適な足場の種類を判断できるようになります。

1.【一目で分かる】主要な足場の種類 徹底比較表

まずは、現場でよく使われる代表的な足場の種類とその特徴を比較してみましょう。

足場の種類主な用途メリットデメリット
① くさび(ビケ)足場中低層の建物(戸建て・アパート)組立・解体が早い(工期短縮)、部材がコンパクト組立時のハンマー音が大きい
② 枠組(わくぐみ)足場中高層の建物(ビル・マンション)強度・安全性が非常に高い、広い作業スペース部材が大きく重い、狭い場所には不向き
③ 単管(たんかん)足場狭い場所、小規模な工事狭い場所でも組める、形状の自由度が高い強度・安全性が低く、作業床が不安定
④ 吊り(つり)足場橋梁、工場、プラント地上から足場を組めない場所で使える設置の難易度と危険度が非常に高い
⑤ 移動式足場(ローリングタワー)内装工事、設備工事キャスター付きで移動が楽、組立・解体が不要平坦な床面でしか使えない
⑥ 次世代足場中高層の建物、安全性が最優先される現場安全性が飛躍的に向上、作業スペースが広い従来の足場よりコストが高い

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2.【種類別】それぞれの足場の特徴を深掘り!

屋根葺き替え 足場

それでは、各足場の種類を一つずつ詳しく見ていきましょう。

種類①:くさび式足場(ビケ足場)【戸建て住宅の主流】

屋根足場
  • 特徴:
    支柱にある緊結部(コマ)に、手すりなどの部材の「くさび」をハンマーで打ち込んで固定する足場。「ビケ足場」という名称でも知られています。
  • メリット:
    ハンマー1本でスピーディに組立・解体ができるため、工期短縮に貢献します。部材が比較的小さく、運搬や保管がしやすいのも特徴です。現在、戸建て住宅や低層アパートの塗装・改修工事で最も多く採用されています。
  • デメリット:
    組立時にハンマーで打ち込む「カンカン」という金属音が大きく、近隣への騒音対策が必要です。

種類②:枠組足場【ビル・マンション工事の王道】

マンション 足場
  • 特徴:
    門型の「建枠(たてわく)」をメインに、筋交(すじかい)や作業床(鋼製布板)を組み上げていく、非常に頑丈な足場です。
  • メリット:
    強度と安定性が抜群で、地上45m程度の高層建築にも対応できます。作業スペースを広く確保できるため、安全性が非常に高いのが最大のメリットです。組立時の打撃音も少なく、比較的静かです。
  • デメリット:
    部材が大きく重いため、搬入や組立にクレーンが必要になる場合があります。狭い場所や複雑な形状の建物には不向きです。

種類③:単管足場【狭い場所の最終手段】

単管足場
  • 特徴:
    直径48.6mmの「単管パイプ」と「クランプ」という金具だけを組み合わせて作る、最もシンプルな足場です。
  • メリット:
    部材が細いため、隣家との隙間が数十センチしかないような、極端に狭い場所でも設置が可能です。形状の自由度も非常に高いです。
  • デメリット:
    強度や安全性が他の足場に比べて著しく劣ります。作業床は2本のパイプの上になるため非常に不安定で、現在では原則として使用が推奨されていません。あくまで「他の足場が組めない場合の最終手段」と位置づけられています。

種類④:吊り足場【地上から組めない場所の切り札】

  • 特徴:
    橋の下や、工場の天井クレーンのレールなど、地上から足場を建てることができない場所で、上部の構造体からチェーンなどで作業床を吊り下げる特殊な足場です。
  • メリット:
    地面に障害物があっても、高所での広範囲な作業スペースを確保できます。
  • デメリット:
    設置・解体の難易度と危険性が極めて高く、専門的な技術と綿密な計画が必須です。

種類⑤:移動式足場(ローリングタワー)【屋内作業の効率化】

  • 特徴:
    脚部にキャスターが付いており、組み立てたまま人力で移動できる足場です。
  • メリット:
    天井の配線工事や照明器具の取り付け、内装仕上げなど、同じフロア内で作業場所が頻繁に変わる場合に、組立・解体の手間を省き、作業効率を大幅に向上させます。
  • デメリット:
    使用できるのは平坦で硬い床面のみです。移動時には必ずブレーキをかけ、作業員は足場から降りるなど、安全管理の徹底が求められます。

種類⑥:次世代足場【安全性を極めた最新規格】

  • 特徴:
    従来の足場の安全性や作業性をさらに向上させた、新しい規格のシステム足場です。手すりが常に先行して設置される「手すり先行工法」が標準装備され、組立・解体時の墜落リスクを大幅に低減します。
  • メリット:
    安全性が飛躍的に高く、作業スペースも広いため、作業効率の向上にも繋がります。
  • デメリット:
    従来の足場に比べて、導入コスト(リース料)が割高になる傾向があります。

3.【まとめ】現場の状況に合わせて最適な種類を選ぼう

ここまで見てきたように、足場には様々な種類があり、それぞれに得意な現場、不得意な現場があります。

  • 戸建てやアパートの改修工事なら → 「くさび式足場」
  • ビルやマンションなど、大規模・高層の現場なら → 「枠組足場」
  • どうしてもスペースがない狭い場所なら → 「単管足場」
  • 橋やプラントなど、特殊な環境なら → 「吊り足場」
  • 屋内の広範囲な軽作業なら → 「移動式足場」
  • 安全性を最優先するなら → 「次世代足場」

適切な足場の種類を選ぶことは、安全で効率的な工事の第一歩です。この記事で紹介した知識を参考に、それぞれの現場の条件(建物の高さ・形状、敷地の広さ、作業内容)を総合的に判断し、最適な足場を選択してください。

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