「うちのトタン屋根、なんだか古びてきたけど…塗装っていつやるべき?」
「トタン屋根の塗装費用、いくらくらいかかるの?安く済ませる方法はある?」
「DIYでトタン屋根塗装って本当にできる?失敗したくない!」
マイホームのトタン屋根を見上げて、こんなお悩みや疑問を抱えていませんか?
トタン屋根は、かつて多くの日本の家屋で採用されてきた身近な屋根材ですが、年月とともにどうしても劣化が進み、特にサビとの戦いは避けて通れません。
でも、ご安心ください!この記事を読めば、トタン屋根塗装に関するあなたの「知りたい!」が全て解決します。
塗装のベストタイミング、気になる費用相場、プロの職人さんが行う塗装工程の裏側、そしてお家にピッタリな塗料の選び方まで、初心者の方にもトコトン分かりやすく、そして詳しく解説していきます。
大切な我が家を長持ちさせるための屋根リフォーム。後悔しないための知識をしっかり身につけて、賢い選択をしましょう!
1. まずは知っておこう!トタン屋根の特徴と塗装の重要性
トタン屋根とは、薄い鋼板に亜鉛メッキを施した金属製の屋根材のこと。波型に加工されている「波板トタン」が一般的ですね。
トタン屋根の主な特徴
- 軽量性: 建物への負担が少ない。
- 施工性: 比較的安価で、施工しやすい。
- 弱点: 表面のメッキが傷ついたり劣化したりすると、そこから非常にサビやすい。
この「サビやすさ」こそが、トタン屋根メンテナンスの最大のポイントです。サビを放置すると、最初は小さな点だったものがみるみる広がり、屋根材そのものを脆くしてしまいます。最悪の場合、屋根に穴が開いて雨漏りを引き起こし、お家全体の寿命を縮めてしまうことも…。
だからこそ、定期的な塗装メンテナンスが不可欠なのです!
塗装は、単に見た目を美しくするだけでなく、屋根材の表面に新しい保護膜を作り、サビの発生や進行を食い止め、屋根の防水性と耐久性を回復させるという、非常に重要な役割を担っています。適切な時期に塗装を行うことで、屋根の寿命を延ばし、結果的に大きな修繕費用を抑えることにも繋がるのです。
2. 我が家の屋根は大丈夫?トタン屋根塗装のベストタイミングを見極める!
「じゃあ、具体的にいつ塗装すればいいの?」その疑問にお答えします。塗装のタイミングは、主に「一般的な周期」と「屋根の劣化状況」の2つの側面から判断します。
2.1. 一般的な塗装周期の目安
トタン屋根の塗装周期は、前回使用した塗料の種類や立地環境によって変わりますが、一般的には7年~15年ごとが目安とされています。
ただし、これはあくまで目安。使用する塗料のグレードによって耐用年数は大きく異なります。
【塗料別】一般的な耐用年数と塗り替え目安
塗料の種類 | 耐用年数の目安 | 特徴 |
合成樹脂調合ペイント | 2~3年 | DIY向け、安価だが非常に剥がれやすく、プロはまず使用しない。 |
アクリル塗料 | 4〜6年 | 安価だが耐久性が低く、紫外線や汚れにも弱い。近年は稀。 |
ウレタン塗料 | 8〜10年 | 以前の主流。密着性が良く、価格と耐久性のバランスがある程度良い。 |
シリコン塗料 | 7〜15年 | 現在の主流。 耐久性、防汚性、価格のバランスに優れる。 |
ラジカル塗料 | 8〜16年 | 比較的新しい高機能塗料。チョーキング(白亜化)に強い。 |
フッ素塗料 | 15~20年 | 最高クラスの耐久性・防汚性。初期費用は高いが長持ちする。 |
(※上記の耐用年数はあくまで目安です。日当たりの強さ、雨量、塩害の有無など、お住まいの環境によって変動します。)
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2.2. 見逃さないで!屋根が出すSOSサイン(劣化症状)
周期だけでなく、実際に屋根の状態を目で見て確認することが何よりも大切です。以下のようなサインが見られたら、専門業者に点検を依頼し、塗装を検討する時期かもしれません。
- 色あせ・変色(退色)
屋根の色が明らかに薄くなったり、くすんで見えたりする状態。塗膜が紫外線などによって劣化し、保護機能が低下し始めている最初のサインです。 - チョーキング現象(白亜化)
屋根の表面を手で触ると、チョークのような白い粉が付着する現象。塗料の顔料が分解されて粉状になったもので、塗膜の防水性が失われつつある証拠です。 - 塗膜の膨れ・剥がれ
塗装が水ぶくれのようにプクッと膨らんでいたり、ペリペリと皮がむけるように剥がれていたりする状態。塗膜が屋根材から浮いてしまい、保護機能はほぼ失われています。剥がれた部分から雨水が侵入し、サビが急速に進行します。 - ひび割れ(クラック)
塗膜に亀裂が入っている状態。小さなひび割れでも、そこから水分が浸入し、サビの原因となります。 - サビの発生・進行
茶色いサビが点々と、あるいは広範囲に発生している状態。トタン屋根の最大の敵です。
特に軒先(屋根の先端部分で、雨水が集まりやすい場所)はサビが最初に発生しやすく、進行も早い傾向にあります。軒先の内部まで腐食が進んでいると、塗装だけでは対処が難しくなることも。
「ここまでサビが拡がっていると塗装ができない」と判断されるケースもあるので、早期発見・早期対処が肝心です。 - コケ・藻・カビの発生
屋根の表面が緑色や黒っぽく汚れている状態。塗膜の防水性が低下し、屋根が湿気を帯びやすくなっている証拠です。美観を損ねるだけでなく、屋根材の劣化を早めます。
これらの劣化サインは、放置すればするほど状態が悪化し、修理費用も高額になってしまいます。「まだ大丈夫だろう」と自己判断せず、気になる症状があれば早めに専門業者に相談しましょう。
3. トタン屋根塗装の費用相場は?見積もりの内訳もチェック!
屋根リフォームで最も気になるのが費用ですよね。トタン屋根の塗装費用は、屋根の面積、劣化の進行具合、使用する塗料のグレード、足場の設置規模など、様々な要因によって変動します。
ここでは、一般的な2階建て住宅(屋根面積80㎡)をモデルケースとして、費用の内訳と総額の目安を見ていきましょう。
屋根塗装 見積もり例(屋根面積80㎡、足場代込みの場合の一般的な目安)
工事項目 | 単価目安(円/㎡ or 一式) | 数量 | 金額目安(税抜) | 備考 |
足場組立・解体(飛散防止ネット含む) | 800~1,200/㎡ | 190㎡ | 152,000~228,000 | 建物の形状や立地で変動。安全作業に必須。外壁塗装と同時なら一回で済む。 |
高圧洗浄 | 200~400/㎡ | 80㎡ | 16,000~32,000 | コケや古い塗膜を除去。 |
ケレン作業(下地処理) | 300~800/㎡ or 一式 | 80㎡ | 24,000~64,000 or 3~7万円程度(一式) | サビの程度で大きく変動。塗装の寿命を左右する最重要工程! |
錆止め塗装(下塗り) | 600~800/㎡ | 80㎡ | 48,000~64,000 | サビの発生を抑制。 |
中塗り(仕上げ塗料1回目) | 800~1,800/㎡ | 80㎡ | 64,000~144,000 | 塗料の種類(ウレタン、シリコン、フッ素など)で変動。 |
上塗り(仕上げ塗料2回目) | 800~1,800/㎡ | 80㎡ | 64,000~144,000 | 中塗りと同じ塗料を使用。 |
縁切り・タスペーサー設置 | 状況により実施 | 5,000~20,000程度 | 重ね葺き屋根の場合。トタンの形状によっては不要。 | |
諸経費 | 工事費の5~15% | (上記合計の5-15%) | 現場管理費、廃材処理費、運搬費など。 | |
合計金額(税抜)の目安 | 約40万円~75万円 | あくまで目安。劣化状況や塗料グレードで大きく変動します。 |
※上記はあくまで一般的な目安です。正確な費用は必ず複数の専門業者に見積もりを依頼し、詳細な内訳を確認しましょう。
※2階建て以上の屋根塗装では安全と品質確保のために足場設置は必須です。
※屋根の形状が複雑だったり、急勾配だったりすると、「屋根足場」が別途必要になり、費用が割増しになることがあります(例:急勾配の場合、全体の3%前後アップ)。
費用が高くなるケース
- サビや旧塗膜の劣化が激しい場合
ケレン作業に多くの手間と時間がかかるため、費用が上がります。 - 屋根の勾配が急な場合
通常の足場に加えて、屋根面にも足場(屋根足場)が必要になることがあります。 - 雨樋(あまどい)の交換も行う場合
築20年以上経過していると、雨樋も劣化している可能性があります。雨樋の全交換は、長さにもよりますが工事費全体の10%前後アップすることがあります。- 朗報! 台風や大雪などの自然災害で雨樋が破損した場合、火災保険が適用されて修理費用がほぼ無料になるケースがあります。加入している保険内容を確認し、積極的に活用しましょう!
4. トタン屋根塗装、DIYで挑戦?それともプロに任せるべき?
「少しでも費用を抑えたいから、自分でDIYできないかな?」と考える方もいらっしゃるでしょう。トタン屋根のDIY塗装について、メリット・デメリット、そしてプロに依頼する場合との違いを比較してみましょう。
4.1. DIY塗装のメリット・デメリット
- メリット
- 圧倒的なコスト削減: 材料費と道具代だけで済むため、業者に依頼するよりも格段に費用を抑えられます。DIY用の塗料なら、80㎡の屋根でも数万円程度で済む場合もあります。
- 圧倒的なコスト削減: 材料費と道具代だけで済むため、業者に依頼するよりも格段に費用を抑えられます。DIY用の塗料なら、80㎡の屋根でも数万円程度で済む場合もあります。
- デメリット
- 仕上がりの質と耐久性に大きな不安
トタン屋根塗装で最も重要なのは「ケレン作業(サビや古い塗膜の除去)」です。この下地処理が不十分だと、どんなに良い塗料を使ってもすぐに剥がれたり、下からサビが再発したりします。プロのような完璧なケレン作業や、塗料の性能を最大限に引き出す3回塗り(錆止め・中塗り・上塗り)を素人が行うのは非常に困難です。結果的に、数年で再塗装が必要になり、かえって高くつくことも。 - 膨大な手間と時間
屋根全体の高圧洗浄、地道なケレン作業、養生、そして数回にわたる塗装…これらを一人で行うのは大変な重労働で、休日を何日も費やすことになります。 - 高所作業の危険性
屋根の上での作業は常に落下の危険が伴います。万が一事故が起きれば、骨折などの大怪我につながりかねません。足場の設置も専門知識と技術が必要で、素人が組むと倒壊のリスクもあります。 - 近隣への配慮不足のリスク
高圧洗浄時の汚水の飛散、塗料の臭いや飛散、作業時の騒音などで、ご近所に迷惑をかけてしまう可能性があります。
- 仕上がりの質と耐久性に大きな不安
4.2. プロに依頼するメリット
- 高品質で長持ちする仕上がり
豊富な知識と経験を持つプロは、屋根の状態を的確に診断し、最適な下地処理と塗装方法を選択します。塗料の性能を最大限に引き出し、長期間にわたって屋根を美しく保護してくれます。 - 安全管理の徹底
プロは安全対策を熟知しており、足場の設置から作業中の安全管理まで徹底して行います。万が一の事故に備えて保険にも加入しています。 - 適切なアドバイスと保証
屋根の状態に合わせた最適な塗料の提案や、工事後の保証が付く業者も多く、安心して任せられます。 - 手間と時間からの解放
面倒な作業は全てプロにお任せ。あなたは仕上がりを待つだけです。
結論として、トタン屋根の塗装は、長期的な耐久性、仕上がりの美しさ、そして何よりも安全性を考慮すると、専門業者に依頼することを強くおすすめします。
DIYは費用を抑えられる魅力がありますが、特に屋根のような重要箇所は、安易なDIYが後々大きなトラブルや余計な出費に繋がる可能性が高いことを理解しておきましょう。
どうしてもDIYで挑戦したい場合は、部分的な小さなサビの補修程度に留め、安全対策を万全に期してください。ホームセンターなどで手軽に購入できる「鉄部用・トタン屋根用スプレー(1本あたり2㎡程度塗装可能)」などもありますが、あくまで応急処置と考えましょう。
5. プロの技を大公開!トタン屋根塗装の基本的な流れと最重要ポイント
専門業者が行うトタン屋根塗装は、塗料の性能を最大限に引き出し、屋根を長持ちさせるための緻密な工程で進められます。その基本的な流れを見ていきましょう。
【STEP1】ご近所への挨拶・養生
工事開始前に、近隣住民へ工事期間や内容について挨拶回りを行います。そして、塗料が飛散して車や植木などを汚さないよう、建物全体を養生シートで丁寧に覆います。
【STEP2】高圧洗浄
業務用の高圧洗浄機を使用し、屋根表面に付着した長年の汚れ、コケ、カビ、剥がれかけた古い塗膜などを徹底的に洗い流します。この作業をしっかり行うことで、新しい塗料の密着性が格段に向上します。
【STEP3】ケレン作業(下地処理) ← ココが超重要!
トタン屋根塗装の成否を分ける、最も重要な工程です!
ワイヤーブラシ、皮スキ(スクレーパー)、サンドペーパー、電動サンダーなどの工具を使い、屋根表面のサビ、浮いている古い塗膜、脆弱な部分を徹底的に除去します。
同時に、塗料の密着性を高めるために、トタン表面にわざと細かい傷を付ける「目荒らし(足付け)」という作業も行います。この目に見えない微細な傷が、塗料の「食いつき」を良くするアンカーのような役割を果たします。
ケレン作業の種類(サビの程度や旧塗膜の状態で使い分けられます)
- 4種ケレン: 活膜(まだしっかり密着している古い塗膜)は残し、浮いたサビや汚れ、剥がれかけた塗膜を手工具(ワイヤーブラシ、サンドペーパー等)で除去する比較的軽微なケレン。
- 3種ケレン: 活膜は残しつつ、電動工具(ディスクサンダー等)や手工具を併用して、より広範囲のサビや浮き塗膜を念入りに除去するケレン。
- 2種ケレン: 電動工具を主に使い、サビや脆弱な旧塗膜をほぼ完全に除去し、清浄な金属面を露出させる強力なケレン。(1種ケレン:ブラスト法などを用い、全ての旧塗膜とサビを除去し、鋼材表面を完全に清浄にする方法。橋梁などで用いられ、一般住宅では稀。)
特にサビやすい軒先などは、念入りにケレン作業を行う必要があります。
【STEP4】錆止め塗装(下塗り)
ケレン作業で清浄になったトタン屋根に、まず錆止め効果のある専用塗料(プライマー)を塗布します。これが新しい塗膜の最初の層となり、トタンをサビから守る重要なバリアの役割を果たします。一般的に弱溶剤系の塗料が用いられるため、作業中はシンナーの臭いがすることがあります。
【STEP5】中塗り(仕上げ塗料1回目)
錆止め塗料が十分に乾燥したら、お客様が選んだ色の仕上げ用塗料(主材)を塗ります。中塗りは、上塗り塗料との密着性を高めるとともに、塗膜に適切な厚みを持たせ、耐久性や防水性を向上させる役割があります。
【STEP6】上塗り(仕上げ塗料2回目)
中塗りが乾燥した後、同じ仕上げ用塗料をもう一度丁寧に塗り重ねます。この2回目の塗装(上塗り)によって、塗料本来の美しい発色、光沢、そして優れた耐久性や防汚性などの機能が最大限に発揮されます。色ムラのない均一で美しい仕上がりになります。
【STEP7】縁切り(またはタスペーサー挿入)
※主にスレート瓦屋根で行われる工程ですが、トタン屋根でも屋根材の重なり部分の形状によっては、塗料で隙間が埋まってしまうのを防ぎ、雨水の排出を促すために「縁切り」作業や「タスペーサー」という部材の挿入が必要な場合があります。業者に確認しましょう。
【STEP8】点検・清掃・足場解体・工事完了
塗り残しやムラがないか、細部まで入念にチェックします。養生を撤去し、周囲を清掃。最後に足場を解体して、全ての工程が完了となります。
この丁寧な下準備と重ね塗りこそが、プロの仕事。美観だけでなく、お家を長持ちさせるための重要な作業なのです。
6. 我が家にはどれが最適?トタン屋根用塗料の種類と賢い選び方
「塗料って種類がたくさんあって、どれを選んだらいいのかサッパリ…」
そんな方のために、トタン屋根に使われる代表的な塗料の種類と、選ぶ際のポイントを分かりやすく解説します。
6.1. 仕上げ用塗料(上塗り塗料)の種類と特徴
一般的に、塗料の耐久性は主成分となる樹脂の種類によって決まります。アクリル < ウレタン < シリコン < ラジカル < フッ素 の順に耐久性が高くなり、価格も高くなる傾向があります。
塗料の種類 | 耐用年数目安 | 価格帯(㎡単価) | メリット | デメリット | こんな方におすすめ |
合成樹脂調合ペイント | 2~3年 | 超安価 | とにかく安い、DIY向け | 耐久性が極めて低い、プロは住宅塗装で使用しない | 短期間の応急処置、物置など重要度の低い場所のDIY |
アクリル塗料 | 4〜6年 | 安価 | 発色が良い、安価 | 耐久性が低い、汚れやすい、ひび割れしやすい、近年はあまり使われない | とにかく費用を抑えたい(ただし推奨はしにくい) |
ウレタン塗料 | 8〜10年 | やや安価 | 比較的安価、密着性・柔軟性が良い、細かい部分の塗装にも向く | 紫外線にやや弱く変色しやすい、汚れが付着しやすい、シリコンより耐久性が劣る | 予算を抑えつつ、ある程度の耐久性を求める方 |
シリコン塗料 | 7〜15年 | 標準的 | 耐久性・防汚性・耐候性のバランスが良い、コストパフォーマンスが高い(現在の主流) | ウレタンよりは高価、フッ素よりは耐久性が劣る | 迷ったらコレ!最も選ばれているバランスの良い塗料 |
ラジカル塗料 | 8〜16年 | 標準~やや高価 | チョーキング現象が起きにくい、防汚性・防カビ性に優れる、シリコン同等以上の耐久性 | 2012年登場の新しい塗料で実績がまだ少ない、濃い色が作りにくい場合がある | より長持ちさせたい、汚れにくい屋根にしたい方 |
フッ素塗料 | 15~20年 | 高価 | 非常に高い耐久性・耐候性・防汚性、長期間美観を保つ、塗り替え回数を減らせる | 価格が高い、塗膜が硬くひび割れしやすい場合がある | 初期費用は高くても、長期的なトータルコストを抑えたい方 |
【注目!】遮熱塗料(しゃねつとりょう)・断熱塗料(だんねつとりょう)
金属製のトタン屋根は熱を伝えやすいため、夏場は屋根の表面温度が非常に高くなり、室内の温度上昇の原因になることがあります。
そんな時におすすめなのが「遮熱塗料」や「断熱塗料」です。
- 遮熱塗料: 太陽光(主に近赤外線)を反射することで、屋根表面の温度上昇を抑えます。室温上昇の緩和や、エアコンの節電効果が期待できます。(例:エスケー化研「クールタイトF」など)
- 断熱塗料: 塗膜そのものが熱を通しにくくする性能を持ち、夏の暑さだけでなく、冬の寒さ対策にも効果が期待できるものがあります。
シリコン系やフッ素系の塗料にも、これらの機能が付加された製品があります。特に日差しが強い地域や、2階の部屋が暑くなりやすいお家には、検討する価値が大いにありますよ!
6.2. 錆止め塗料(下塗り塗料)の種類
仕上げ塗料の性能を最大限に活かし、トタン屋根をサビから守るためには、下地となる錆止め塗料選びも非常に重要です。
- エポキシ樹脂系錆止め塗料
付着性(密着力)と防錆効果に非常に優れており、トタン屋根の錆止めとして最も一般的に使用されます。- 1液型: 主剤のみで使用でき、扱いやすいのが特徴。DIYでも使いやすいですが、2液型に比べると塗膜の強度や耐久性はやや劣る傾向があります。(例:日本ペイント「1液ハイポンファインデクロ」は1液型でありながら2液型と同等の防錆力があるとされる高性能品です)
- 2液型: 主剤と硬化剤を塗装直前に混ぜて使用するタイプ。化学反応によって強固な塗膜を形成するため、防錆効果や耐久性が非常に高いです。ただし、混合比率や可使時間(混ぜてから使える時間)の管理が必要です。
業者に見積もりを依頼する際は、どんな種類の錆止め塗料を使用するのかも確認しておくと良いでしょう。「錆止めなら何でも同じ」ではないのです。
6.3. 塗料選びの3つのポイント
- 予算を明確にする: まずは、今回の塗装工事にかけられる予算の上限を決めましょう。
- 期待する耐用年数を考える: 「あと何年この家に住む予定か」「次の塗り替えまでどれくらいの期間を空けたいか」などを考慮し、塗料のグレードを選びます。
- 付加機能の要否を検討する: 遮熱効果、断熱効果、低汚染性(汚れにくい)、防カビ・防藻性など、お家の環境や悩みに合わせて必要な機能があるか検討しましょう。
最終的には、専門業者とよく相談し、お家の状態、立地条件、そしてあなたの希望(予算、耐久性、機能性など)を総合的に考慮して、最適な塗料を選ぶことが大切です。業者の提案任せにせず、自分でも塗料の種類や特徴をある程度理解しておくと、より納得のいくリフォームができますよ。
7. 要注意!こんな場合は塗装だけではダメかも?葺き替え・カバー工法も視野に
残念ながら、トタン屋根の劣化があまりにも進んでいる場合は、塗装だけでは根本的な解決にならず、別の修繕方法が必要になるケースがあります。
塗装では対応が難しい主なケース
- サビによる腐食が著しく、屋根材に穴が開いている、または非常に薄くなっている場合
ケレン作業でサビを除去すると、屋根材そのものの強度が保てなくなる可能性があります。「ここまで錆が拡がっていると塗装ができない」と判断されることがあります。 - 屋根材の下地(野地板など)まで腐食や雨漏りが進行している場合
特に築30年以上経過したトタン屋根では、見えない内部の木材が腐食し、錆が内部まで進んでいることがあります。この状態で表面だけ塗装をしても、屋根としての十分な機能維持は期待できません。 - 広範囲にわたって深刻な雨漏りが発生している場合
塗装はあくまで表面を保護するものであり、構造的な欠陥や広範囲の穴、下地の腐食を修復するものではありません。
このような深刻な状態の場合、無理に塗装をしてもすぐに問題が再発し、結局は「安物買いの銭失い」になってしまう可能性があります。
その場合は、屋根材そのものを新しくする以下の工法を検討する必要があります。
葺き替え(ふきかえ)工事
既存のトタン屋根材を全て撤去し、新しい屋根材に張り替える工法です。屋根の下地(野地板など)も一緒に点検・補修できるため、根本的な問題を解決できます。費用は高くなりますが、最も確実で安心な方法です。
カバー工法(重ね葺き)
既存のトタン屋根の上に、新しい軽量な屋根材を重ねて葺く工法です。古い屋根材の撤去費用や処分費用がかからないため、葺き替えよりも費用を抑えられ、工期も短縮できます。ただし、屋根の重量が若干増えること、下地の状態を直接確認・補修しにくいといったデメリットもあります。
葺き替えやカバー工法で選ばれる新しい屋根材は?
近年では、トタンよりも耐久性、防錆性、美観に優れた「ガルバリウム鋼板」が人気です。ガルバリウム鋼板は、アルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板で、トタン(亜鉛めっき鋼板)よりも格段にサビに強く、軽量で加工性にも優れています。デザインや色のバリエーションも豊富です。
劣化が進みすぎている場合は、塗装に固執せず、葺き替えやカバー工法も視野に入れて専門業者に相談しましょう。
8. トタン屋根塗装のよくある質問 Q&A
ここで、トタン屋根塗装に関するよくある質問をまとめてみました。
DIYで塗装する場合の材料費はどれくらい?
ホームセンターなどで販売されているDIY向けの1回塗り塗料(合成樹脂調合ペイントなど)であれば、屋根面積80㎡の場合で2万円~5万円程度が目安です。
ただし、プロが使用する高品質な塗料(シリコン塗料など)で3回塗りを行う場合と比較すると、材料費だけでも数倍の差があり、何よりも耐久性に大きな差が出ます。 長期的なコストパフォーマンスを考えると、プロ仕様の材料と工法がおすすめです。
おすすめの錆止め塗料は?
防錆効果が高く、トタンとの密着性にも優れている「エポキシ樹脂系錆止め塗料」が一般的におすすめです。1液型と2液型があり、より高い性能を求めるなら2液型が良いとされています。日本ペイントの「1液ハイポンファインデクロ」のように、1液型でも2液型に近い防錆力を持つ製品もありますので、業者に確認してみましょう。
DIYで塗装する際の最大のポイントは?
何度も強調しますが、「ケレン作業(サビや古い塗膜の除去、目荒らし)」をどれだけ丁寧に行うか、です。この作業を怠ると、どんなに良い塗料を使っても早期の剥がれやサビの再発につながります。
また、屋根の上での作業は非常に危険なので、安全確保(足場、ヘルメット、安全帯など)は絶対に怠らないでください。
9. 失敗しない!トタン屋根塗装の業者選びのコツ
トタン屋根塗装の成功は、信頼できる業者選びにかかっていると言っても過言ではありません。以下のポイントを参考に、慎重に業者を選びましょう。
- 複数の業者から相見積もりを取る
最低でも2~3社から見積もりを取り、工事内容や費用、使用する塗料などを比較検討しましょう。価格だけで判断せず、内容の妥当性を見極めることが重要です。 - 見積もり書の内容が詳細か確認する
「一式 ○○円」のような大雑把な見積もりではなく、「高圧洗浄 ○○円/㎡」「ケレン作業 ○○円/㎡」「錆止め(塗料名) ○○円/㎡」といったように、工事項目ごとの単価や数量、使用する塗料のメーカー名や製品名まで具体的に記載されているか確認しましょう。不明な点は遠慮なく質問してください。 - 施工実績が豊富か確認する
特にトタン屋根の塗装実績が豊富な業者を選びましょう。ホームページで施工事例を確認したり、直接問い合わせてみたりするのも良いでしょう。 - 担当者の説明が丁寧で分かりやすいか
専門用語ばかりでなく、素人にも分かりやすい言葉で丁寧に説明してくれるか、こちらの質問に誠実に答えてくれるかなど、担当者の対応も重要な判断材料です。 - 保証制度やアフターフォローが充実しているか
工事後の保証期間や内容、定期点検の有無などを確認しましょう。万が一の不具合にもきちんと対応してくれる業者なら安心です。 - 建設業許可や塗装技能士などの資格を持っているか
必須ではありませんが、これらの資格を持っている業者は、一定の技術力や信頼性があると考えられます。 - 地元の業者も検討する
地元で長く営業している業者は、地域の気候や特性をよく理解しており、評判を大切にしていることが多いです。何かあった時にもすぐに駆けつけてもらいやすいというメリットもあります。
焦らず、じっくりと情報収集し、信頼できるパートナーを見つけることが、満足のいく屋根リフォームへの第一歩です。
10. まとめ:トタン屋根を長持ちさせる秘訣は、適切な時期の適切な塗装と信頼できる業者選び!
今回は、トタン屋根の塗装について、時期の見極め方から費用相場、プロの塗装方法、塗料の選び方、そして業者選びのポイントまで、幅広く解説してきました。
大切なマイホームのトタン屋根。雨風や紫外線から私たちを守ってくれる重要な部分です。
その屋根を長持ちさせ、快適な暮らしを維持するためには、
- 屋根の劣化サインを見逃さず、適切な時期(7~15年ごとが目安)にメンテナンスを計画すること。
- 費用だけでなく、工事内容や使用する塗料をしっかり比較検討すること。
- DIYにはリスクが伴うため、基本的には専門業者に依頼し、特に「ケレン作業」の重要性を理解すること。
- 予算や期待する耐久性、機能性に合わせて、最適な塗料を選ぶこと。
- そして何よりも、信頼できる業者を見つけること。
これらが非常に重要になってきます。
「うちの屋根、そろそろかな…」と感じたら、まずは専門業者に点検を依頼し、屋根の状態を正確に把握することから始めてみましょう。早めの点検と適切なメンテナンスが、結果的に大きな出費を防ぎ、お家を長持ちさせる一番の秘訣ですよ。
この記事が、あなたのトタン屋根リフォーム計画のお役に立てれば幸いです!
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