HOME » 屋根工事よくある質問 » 【屋根の勾配】屋根足場が必要な勾配とは?6寸以上の急勾配で修理費用が高くなる理由を解説
屋根足場

「屋根の修理見積もりに『屋根足場』って書いてあるけど、これって何?」
「うちの屋根、傾斜が急みたいだけど、足場は絶対に必要?」
「屋根の勾配(こうばい)によって、修理費用って変わるの?」

屋根の修理や塗装を検討する際、見積もりに「屋根足場」という項目が追加され、費用が思ったより高くなって驚いた、という経験はありませんか?

実は、屋根の「勾配(こうばい)」、つまり屋根の傾斜角度によって、通常の足場に加えて、屋根の上に直接設置する「屋根足場」が必要になるケースがあるのです。

この記事では、屋根の勾配と足場の関係に特化して、

  • 屋根勾配の基本!「寸」で表す角度の読み方
  • 【最重要】屋根足場が必要になる勾配の基準とは?
  • 急勾配の屋根工事が割高になる理由と、費用相場
  • 屋根足場を設置しないリスクと、職人の安全対策

などを、屋根工事が初めての方にも分かりやすく、とことん丁寧に解説します。この記事を読めば、あなたの家の屋根に屋根足場が必要かどうかの判断基準が分かり、見積もり内容を正しく理解できるようになります。

1. 屋根勾配とは?「〇寸勾配」の読み方を知ろう

足場

まず、「勾配」という言葉を理解しましょう。
屋根勾配とは、屋根の傾斜の度合いのことです。建築業界では、角度(°)ではなく、「寸(すん)」という単位を使って表すのが一般的です。

【勾配の読み方】

水平に10寸(約30.3cm)進んだときに、垂直に何寸上がるかを示します。

  • 4寸勾配(4/10): 10寸進むと4寸上がる角度(約21.8°)。日本の住宅で最も標準的な勾配。
  • 6寸勾配(6/10): 10寸進むと6寸上がる角度(約31.0°)。やや急な勾配。

この数字が大きくなるほど、屋根の傾斜が急になります。

勾配の分類寸表記角度(目安)見た目のイメージ
緩勾配(かんこうばい)3寸以下16.7°以下ほとんど傾斜がなく、下からは屋根面が見えにくい。
並勾配(なみこうばい)3寸~5寸16.7°~26.6°日本の住宅で最も一般的な傾斜。
急勾配(きゅうこうばい)6寸以上29.7°以上見た目にも明らかに傾斜が急で、屋根が家のデザインの主役になる。

より詳しく知りたい方は
下記よりお問い合わせください。

フリーダイヤル 0120-905-454 (平日・土曜 9:00~18:00)

2.【最重要】屋根足場が必要になる勾配の基準は「6寸」以上!

では、本題の「屋根足場」は、どのくらいの勾配から必要になるのでしょうか?

結論から言うと、一般的に「6寸勾配」以上が屋根足場の設置基準となります。

職人が普通に立って作業できる限界が5寸勾配(約26.6°)あたりまでとされており、それ以上の急勾配になると、足元が滑って作業の安全を確保できません。
そのため、屋根の上にパイプなどを組んで、足をかけたり、体を支えたりするための「屋根足場」を設置する必要があるのです。

屋根足場を設置する目的

  • ① 職人の安全確保【最優先】
    急勾配の屋根での作業は、常に滑落の危険と隣り合わせです。屋根足場は、職人の命を守るための絶対に必要な安全対策です。
  • ② 工事品質の確保
    不安定な体勢では、丁寧な塗装や精密な板金作業はできません。しっかりとした足場があることで、職人は安定した姿勢で作業に集中でき、工事の品質を担保できます。
  • ③ 作業効率の向上
    屋根の上での移動がスムーズになり、作業効率が上がります。結果的に、工期の短縮にも繋がります。

注意

5寸以下の並勾配でも、屋根材が非常に滑りやすい(例:塗装直後の金属屋根など)、または強風地域であるといった理由で、安全のために屋根足場を設置するケースもあります。最終的な判断は、現場の状況を考慮して専門業者が行います。

3. 急勾配の屋根工事はなぜ高い?費用への影響

屋根葺き替え 足場

屋根足場が必要になると、通常の屋根工事よりも費用が割高になります。その理由は2つあります。

  1. 屋根足場の設置費用が追加される
    通常の建物を囲う足場とは別に、屋根足場の設置費用がかかります。
    • 屋根足場の費用相場: 850円~1,200円/㎡
    • 一般的な住宅の屋根(約70㎡)の場合、4万円~8万円程度の追加費用が発生します。
  2. 作業効率の低下による人件費の増加
    屋根足場の上での作業は、平らな屋根に比べて動きが制限され、作業効率がどうしても低下します。そのため、通常よりも工事期間が長くなり、その分、職人の人件費が上乗せされることがあります。

これらの要因により、急勾配の屋根修理や塗装は、緩勾配の屋根に比べて総額で10%~20%程度、高くなるのが一般的です。

4. 足場だけじゃない!急勾配のメリット・デメリット

屋根足場

屋根の勾配は、工事費用だけでなく、住まいの性能にも大きく影響します。

急勾配(6寸以上)のメリット急勾配(6寸以上)のデメリット
◎ 雨漏りしにくい(水はけが非常に良い)× メンテナンス費用が高くなる(屋根足場が必要)
◎ 屋根裏空間を広く取れる(収納やロフトに活用可)× 屋根面積が広くなり、新築・リフォーム費用が高くなる
◎ 雪が積もりにくく、自然に滑り落ちやすい× 風の影響を受けやすく、屋根材が飛ばされやすい
◎ デザイン性が高く、重厚感のある外観になる× 太陽光パネルの設置効率が最適ではない場合がある

5. まとめ:安全と品質のために、屋根足場は不可欠な投資

屋根の勾配と足場の関係について、ご理解いただけたでしょうか。
見積もりに「屋根足場」の項目があっても、それは不当な請求ではなく、安全で高品質な工事を行うための「必要不可欠な投資」です。

  • 屋根の傾斜角度を「勾配」といい、「寸」で表す。
  • 「6寸勾配」以上が、屋根足場が必要になる一つの基準。
  • 屋根足場は「安全確保」と「品質確保」のために絶対に必要。
  • 急勾配の屋根は、屋根足場代などの追加費用で工事費が割高になる。
  • 安全に関わる部分の費用は、安易に削るべきではない。

ご自宅の屋根が急勾配かどうか分からない場合や、見積もりの「屋根足場」の費用が適正か不安な場合は、複数の業者から話を聞き、その必要性について納得のいく説明を求めましょう。誠実な業者であれば、なぜ屋根足場が必要なのかを、安全基準と共にていねいに説明してくれるはずです。

クイック屋根工事

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