「うちの屋根は瓦だけど、塗装って必要なの?」
「セメント瓦の塗装を考えているけど、どんな塗料がおすすめ?」
「見積もりをもらったけど、提案された塗料で本当に大丈夫?」
日本の伝統的な屋根材である「瓦」。重厚で美しい見た目ですが、メンテナンスとなると「塗装が必要なのかどうか」で悩む方が非常に多くいらっしゃいます。
実は、瓦屋根の塗装は、あなたの家の瓦の種類によって「絶対にやってはいけない」ケースと、「絶対にやるべき」ケースにハッキリと分かれるのです。
この記事では、
- 1秒で見分ける!塗装が必要な瓦と不要な瓦の違い
- 【目的別】プロが本気で選ぶ!セメント瓦におすすめの塗料5選
- 塗料選びで失敗しないための「たった2つのチェックポイント」
- 塗装より「葺き替え」を検討すべきケースとは?
などを、塗装のプロが初心者の方にも分かりやすく、とことん丁寧に解説します。この記事を読めば、あなたの家の瓦屋根に本当に必要なメンテナンスが何なのか、そしてどんな塗料を選べば良いのかが明確になります。
1.【最重要】あなたの家の瓦はどっち?塗装が必要な瓦・不要な瓦
まず、最も重要なポイントから。すべての瓦に塗装が必要なわけではありません。瓦の種類を間違えて塗装してしまうと、数年で塗膜が剥がれるなどの大きなトラブルに繋がります。
【塗装が不要】な瓦:粘土瓦(陶器瓦、いぶし瓦など)
- 見分け方
- 表面がツルツルしていて光沢がある(陶器瓦)
- 重厚な銀色、または黒色(いぶし瓦)
- 色ムラや模様があり、一枚一枚の表情が違う
- なぜ塗装が不要?
粘土瓦は、粘土を高温で焼き固めて作られており、瓦自体がガラス質の膜でコーティングされています。お茶碗や食器と同じで、素材そのものに色が付いているため、塗装で保護する必要がありません。むしろ、塗装すると早期に剥がれてしまい、せっかくの風合いを損なうだけになってしまいます。
【塗装が必要】な瓦:セメント瓦・コンクリート瓦(モニエル瓦など)
- 見分け方
- 表面がザラザラ、ゴツゴツしている
- 全体が均一な色合い(色ムラがない)
- 色あせ、コケ、塗膜の剥がれが見られる
- 瓦の小口(断面)が平らで、角ばっている
- なぜ塗装が必要?
セメント瓦は、その名の通りセメントと砂が主成分。素材自体には防水性がなく、表面の「塗装」によって防水機能と色を保っています。この塗膜が劣化すると、瓦が水を吸い込み、脆くなって割れやすくなったり、コケが繁殖したりします。そのため、10年~15年周期での定期的な塗装メンテナンスが不可欠なのです。
結論: あなたの家の屋根が、色あせやコケが発生している「セメント瓦」であれば、塗装メンテナンスを検討しましょう。
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2. プロが本気で厳選!セメント瓦におすすめの塗料5選【目的別】
セメント瓦の塗装で後悔しないためには、屋根という過酷な環境に耐えうる、信頼性の高い塗料を選ぶことが重要です。ここでは、現場で実際に使われ、高い評価を得ているおすすめの塗料を目的別に5つ厳選してご紹介します。
| 目的 | 製品名 | メーカー | 樹脂 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| コストと耐久性のバランス (迷ったらコレ!) | アレスダイナミックルーフ | 関西ペイント | シリコン | 優れた耐候性と防カビ・防藻性能。コストパフォーマンスが高く、現在の主流。 |
| とにかく長持ちさせたい (長期コスパ重視) | ファインパーフェクトベスト | 日本ペイント | フッ素 | 超高耐久で長寿命。塗り替え回数を減らし、長期的なメンテナンスコストを削減。 |
| 美観を長く保ちたい (汚れ対策) | ルーフピアニ | 水谷ペイント | シリコン | 独自技術で強靭な塗膜を形成。汚れが付きにくく、美しい状態を長期間維持。 |
| 2回塗りで工期短縮&コスト減 | ハイルーフマイルドフッ素 | 大同塗料 | フッ素 | 通常3回塗りのところ、下塗り不要の2回塗りで仕上げられる画期的な塗料。 |
| モニエル瓦専用 (特殊な瓦に対応) | スラリー洋瓦用シーラー + 各種上塗り | 日本ペイントなど | – | モニエル瓦表面の「スラリー層」に対応した専用下塗り材。これを使わないと確実に剥がれる。 |
おすすめ①:アレスダイナミックルーフ(関西ペイント)
- こんな方におすすめ
「どの塗料がいいか分からない」「コストと性能のバランスを重視したい」 - 特徴
現在のセメント瓦塗装で最も人気の高いシリコン系塗料の一つ。紫外線に強い「ラジカル制御技術」を搭載し、従来のシリコン塗料を超える耐候性を実現しています。防カビ・防藻性能も高く、安心して選べる定番製品です。
おすすめ②:ファインパーフェクトベスト(日本ペイント)
- こんな方におすすめ
「これからも長くこの家に住み続けたい」「塗り替えの手間と費用を極力減らしたい」 - 特徴
フッ素樹脂と無機成分を組み合わせた、最高クラスの耐久性を誇る塗料。初期費用は高くなりますが、耐用年数が15年以上と長いため、長期的に見れば最も経済的です。
【注意】モニエル瓦の場合は「専用下塗り材」が必須!
セメント瓦の中でも、表面に「スラリー層」という特殊な着色層がある「モニエル瓦」は、特に注意が必要です。このスラリー層は非常に剥がれやすいため、高圧洗浄で徹底的に除去し、「モニエル瓦専用のシーラー(下塗り材)」を使用しないと、塗装後1~2年でパリパリと塗膜が剥がれてきてしまいます。
見積もりに「スラリー洋瓦用シーラー」などの専用品が記載されているか、必ず確認しましょう。
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3. 失敗しない!セメント瓦の塗料選び「たった2つのチェックポイント」
数ある塗料の中から、あなたの家に最適なものを選ぶための、プロが実践するチェックポイントを2つだけお伝えします。
チェックポイント①:カタログの「適用下地」を確認する
塗装業者から提案された塗料のカタログを見せてもらい、「適用下地」や「用途」の欄をチェックしましょう。ここに「セメント瓦」「プレスセメント瓦」といった記載があれば、その塗料はセメント瓦用に開発・試験された、相性の良い塗料であると言えます。
もし記載がなければ、その塗料はセメント瓦には適していない可能性があり、将来的な不具合のリスクが高まります。
チェックポイント②:「シリコン」以上のグレードを選ぶ
塗装工事には、塗料代の他に高額な「足場代」や「人件費」がかかります。耐用年数の短い安価な塗料を選ぶと、数年で再塗装が必要になり、その度に足場代が発生して、結果的にトータルコストが高くついてしまいます。
セメント瓦自体は30年以上の耐久性を持つ丈夫な屋根材です。その寿命に合わせて、塗料も耐用年数が10年以上期待できる「シリコン樹脂塗料」以上のグレードを選ぶことが、長期的なコストパフォーマンスを考える上で非常に重要です。
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4. 塗装か?葺き替えか?メンテナンス方法の判断基準
最後に、セメント瓦の状態によっては、塗装ではなく、屋根材そのものを交換する「葺き替え」や、上から新しい屋根を被せる「カバー工法」を検討した方が良いケースもあります。
- 塗装がおすすめなケース
- 築10年~20年程度で、色あせやコケが主な劣化症状
- 瓦自体の大きな割れや欠け、ズレが少ない
- 今後10年~15年程度の延命を考えている
- 葺き替え・カバー工法を検討すべきケース
- 築30年以上経過し、瓦の劣化(割れ、欠け、表面のザラつき)が激しい
- 下地の防水シートや野地板が寿命を迎えている(雨漏りしている)
- 今後20年以上の長期的な安心を求めている
特にセメント瓦は現在ほとんど生産されておらず、部分的な交換が困難です。劣化が著しい場合は、塗装でごまかすよりも、軽くて耐久性の高い金属屋根などへのリフォームを視野に入れるのが賢明です。
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5. まとめ
今回は、瓦屋根の塗装とおすすめの塗料について解説しました。
まずは、あなたの家の瓦が「塗装が必要なセメント瓦」なのかを正しく見極めることがスタート地点です。
- 塗装が必要なのは、色あせやコケが発生する「セメント瓦」。
- 塗料選びは「適用下地の確認」と「シリコン以上のグレード」が鉄則。
- プロのおすすめは、実績のある国内主要メーカーの製品。
- モニエル瓦の場合は「専用下塗り材」が必須!
- 瓦自体の劣化が激しい場合は、塗装ではなく「葺き替え」も視野に入れる。
これらのポイントを押さえ、信頼できる専門業者に相談すれば、きっとあなたの家に最適なメンテナンス方法が見つかるはずです。大切なマイホームを、適切な塗料と工法で長く美しく守っていきましょう。
クイック屋根工事
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「雨漏りが気になっていましたが、しっかりと原因を特定し、丁寧に施工していただきました」(40代・女性)
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