HOME » 外装関連工事・リフォーム » 外壁リフォーム » 外壁リフォームの鍵!サイディングの見切り材|外壁サイディングの重要部材の種類と役割

「家の外壁、ツートンカラーの境目にある板は何?」
「サイディングの角や窓まわりの部材って、ただの飾りじゃないの?」

サイディング外壁の家をよく見ると、外壁の境界や角、窓の周りなどに、外壁本体とは異なる部材が取り付けられていることにお気づきでしょうか。これらが「見切り材」です。

見切り材は、単なるデザイン上のアクセントと思われがちですが、実はサイディング外壁の耐久性を支え、雨漏りから家を守るという、非常に重要な役割を担っています。

この記事では、そんな「縁の下の力持ち」であるサイディング外壁の見切り材について、

  • 見切り材の2つの重要な役割
  • 場所ごとに違う!見切り材の具体的な種類と名称
  • 劣化のサインとメンテナンス方法・費用
  • 外観をおしゃれに見せる色の選び方

などを、図解を交えながら初心者の方にも分かりやすく解説します。外壁リフォームを成功させる鍵は、この「見切り材」に隠されています。

そもそも「見切り材」とは?サイディング外壁における2つの役割

見切り材とは、異なる素材や部材が接する「境界」に取り付けられる部材の総称です。サイディング外壁において、見切り材は主に2つの重要な役割を果たしています。

① デザインの役割(装飾性)

一つは、外観のアクセントとしての役割です。1階と2階で色を分けるツートンカラーの境界線として使われたり、外壁に立体感を与えたりと、家のデザイン性を高める上で欠かせないパーツです。

  • ツートンカラーの境界線を作る(帯板・幕板)
  • 外壁に凹凸やラインを加え、単調さをなくす
  • 建物の角や窓まわりを縁取り、引き締まった印象を与える

② 機能的な役割(保護・防水)【最重要】

そして、こちらがより重要な役割です。見切り材は、サイディングボードの弱点を保護し、雨水の侵入を防ぐという機能的な役割を担っています。

  • サイディングボードの切断面(小口)を保護する
    サイディングボードは工場で作られた製品ですが、現場で建物の形に合わせてカットされます。この切断面(小口)は塗装されておらず、水を吸いやすく非常にデリケートです。見切り材は、この弱点である切断面をカバーし、直接雨水が当たらないように保護しています。
  • 部材の接合部からの雨水侵入を防ぐ
    外壁の角や窓まわり、異なる種類の外壁材が接する部分は、雨漏りのリスクが高い箇所です。見切り材はこれらの隙間を物理的に塞ぎ、防水性を高める役割も果たします。

【場所別】こんなにある!サイディング外壁で使われる見切り材の種類

見切り材は、設置される場所によって名称や形、役割が異なります。代表的なものを覚えておきましょう。

名称設置場所主な役割
土台水切り基礎と外壁の一番下の境界基礎への雨水の侵入を防ぎ、壁内の湿気を排出する。
出隅(ですみ)・入隅(いりすみ)建物の角(出っ張った角が出隅、へこんだ角が入隅)角部分のサイディングボードの切断面を保護し、角をシャープに見せる。
帯板(おびいた)・幕板(まくいた)1階と2階の境界など、外壁の中間ツートンカラーの境界線。デザインのアクセント。
窓まわり・サッシまわり部材窓や玄関ドアの周り窓枠とサイディングの隙間を塞ぎ、雨水の侵入を防ぐ。
軒天取り合い軒天(屋根の裏側)と外壁の境界軒天と外壁の隙間をきれいに納め、雨水の侵入を防ぐ。

これらの見切り材は、サイディング本体と同じ窯業系や、耐久性の高いガルバリウム鋼板などの金属製、加工しやすい樹脂製など、様々な素材で作られています。

その劣化、放置は危険!見切り材のメンテナンス方法と費用

外壁と同様に雨風に晒される見切り材も、経年で劣化します。放置すると、そこから雨水が侵入し、サイディング本体や建物の構造を傷める原因になるため、適切な時期のメンテナンスが不可欠です。

見切り材の劣化サイン

  • 色褪せ、塗膜の剥がれ
  • 見切り材と外壁の隙間を埋めるコーキング(シーリング)のひび割れ、肉やせ
  • 見切り材自体の反り、変形、ひび割れ

メンテナンス方法と費用相場

見切り材のメンテナンスは、外壁塗装と同時に行うのが最も効率的で経済的です。足場を組むタイミングで一緒に手入れをしましょう。

メンテナンス方法費用相場(m単価)備考
塗装800円~1,500円/m外壁塗装と同時に行うのが基本。色褪せや塗膜の剥がれを補修。
コーキングの打ち替え900円~1,500円/mコーキングの劣化は雨漏りに直結。塗装とセットで行うことが多い。
交換3,000円~8,000円/m見切り材自体の破損がひどい場合。材料費や撤去費が別途かかる。

センスアップの秘訣!見切り材のおしゃれな色の選び方

見切り材の色は、家の外観イメージを大きく左右する重要な要素です。色の選び方には、主に2つのパターンがあります。

① 外壁と同系色で「統一感を出す」

見切り材を外壁の色と合わせる、または近い色を選ぶことで、凹凸が目立たなくなり、スッキリと洗練されたモダンな印象になります。建物全体に一体感が生まれ、シンプルで大きな塊のようなデザインに見せることができます。

② アクセントカラーで「個性を出す」

外壁とは対照的な色や、窓枠・玄関ドア・屋根などの色と合わせることで、見切り材がアクセントとなり、デザイン性の高い個性的な外観を演出できます。特に帯板や幕板は、この方法でツートンカラーを美しく引き立たせることができます。

どちらが良いかは好み次第ですが、カラーシミュレーションなどを活用して、家全体のバランスを見ながら慎重に選ぶことが成功のポイントです。

まとめ

外壁サイディングの見切り材は、単なる飾りではありません。デザイン性を高めると同時に、サイディングの弱点である切断面を保護し、雨水の侵入を防ぐという、家の寿命を左右するほど重要な役割を担っています。

  • 役割デザイン性と、防水・保護という機能性を兼ね備える。
  • 種類:設置場所によって「出隅」「帯板」「土台水切り」など様々な種類がある。
  • メンテナンス外壁塗装と同時に行うのが最も効率的。コーキングの劣化には特に注意。
  • 色選び同系色で統一感を出すか、アクセントカラーで個性を出すかで印象が大きく変わる。

これから外壁のリフォームを検討する際は、サイディング本体の劣化だけでなく、ぜひこの「見切り材」の状態にも注目してみてください。見えない部分の重要性を理解し、適切にメンテナンスすることが、大切なお住まいを長く美しく保つ秘訣です。

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