HOME » 漆喰(しっくい)工事 » 【瓦屋根の漆喰補修費用】安く済ませるコツはある?詰め直しと棟取り直しの違い、それぞれの価格相場まで徹底解説!

「うちの瓦屋根、最近漆喰が剥がれてきたみたいだけど、修理っていくらかかるんだろう?」
「漆喰の補修って、本当に必要なの?放置したらどうなる?」
「見積もりをもらったけど、この費用って妥当なのかな?」

日本の美しい景観を彩る「瓦屋根」。その中でも、棟瓦(むねがわら)の固定や雨水の浸入を防ぐために重要な役割を果たしているのが「漆喰(しっくい)」です。しかし、この漆喰も経年劣化により、ひび割れや剥がれが生じ、定期的な補修が必要になります。

「漆喰の補修って、どんな時に必要なの?」
「具体的な修理方法と、それぞれの費用相場を知りたい!」
「漆喰補修の費用って、どうして意外と高くなることがあるの?」

この記事では、そんな瓦屋根の漆喰補修に関するあらゆる疑問や不安を解消するため、
「なぜ瓦屋根の漆喰補修が必要なのか?その重要性とは?」
「漆喰の劣化症状と、補修が必要なタイミングの見極め方」
「代表的な漆喰の補修方法(詰め直し・棟取り直し)と、その手順」
「気になる漆喰補修の費用相場と、費用が高くなる理由」
「DIYでの補修は可能?専門業者に依頼するメリットは?」
について、初心者の方にも分かりやすく徹底的に解説します!

なぜ瓦屋根に「漆喰補修」が必要なのか?~その重要な役割と劣化の影響~

まず、なぜ瓦屋根の漆喰に定期的な補修が必要なのか、その理由を理解しておきましょう。

屋根における漆喰の主な役割

  1. 棟瓦(むねがわら)の固定補助と葺き土(ふきつち)の保護
    • 屋根の頂上部分である「棟」は、熨斗瓦(のしがわら)を積み重ね、その内部に「葺き土(棟土)」と呼ばれる土を詰めて瓦を安定させています。
    • 漆喰は、この葺き土が雨風によって流れ出したり、直接雨水にさらされたりするのを防ぐ「保護カバー」の役割を担っています。また、熨斗瓦同士の隙間を埋め、瓦のズレを抑制する補助的な固定の役割も果たします。
  2. 雨水の浸入防止
    • 棟瓦と平瓦(屋根面に使われる瓦)の間や、熨斗瓦同士の隙間など、雨水が浸入しやすい箇所を漆喰で塞ぐことで、屋根内部への水の浸入を防ぎます。
  3. 美観の維持
    • 瓦の力強い色合いと漆喰の白色のコントラストは、瓦屋根の伝統的な美しさを際立たせます。

漆喰が劣化するとどうなる?

瓦自体は非常に耐久性が高い素材(50年~100年以上持つことも)ですが、漆喰の寿命はそれよりも短く、一般的に約15年~20年程度で劣化のサインが見られ始めます。

  • ひび割れ・剥がれ・崩れ: 経年劣化や地震・強風の影響で、漆喰にひびが入ったり、剥がれたり、ポロポロと崩れ落ちたりします。
  • 葺き土の流出: 漆喰が剥がれると、内部の葺き土が雨水に直接さらされ、徐々に流れ出してしまいます。
  • 棟瓦のズレ・歪み・落下: 葺き土が流出し、漆喰による固定も甘くなると、棟瓦が不安定になり、ズレや歪みが生じ、最悪の場合、地震や強風で落下する危険性があります。
  • 雨漏りの発生: 漆喰の隙間や葺き土の流出箇所から雨水が屋根内部に浸入し、雨漏りを引き起こします。

このように、漆喰の劣化は、単に見た目の問題だけでなく、棟瓦の安定性を損ない、雨漏りを誘発し、結果として建物全体の寿命を縮めることに繋がるため、定期的な点検と適切な時期の補修が非常に重要になるのです。

漆喰補修が必要なサインは?~劣化症状の見極め方~

ご自宅の瓦屋根の漆喰が、補修が必要な状態かどうかを見極めるための主な劣化症状をご紹介します。

  • 漆喰のひび割れ(クラック): 細い線状のひび割れから、より深い亀裂まで様々です。
  • 漆喰の欠け・剥がれ: 漆喰の一部が欠けていたり、表面がポロポロと剥がれ落ちていたりします。
  • 漆喰の変色・カビ・苔の発生: 漆喰が黒ずんでいたり、緑色のカビや苔が生えていたりするのは、漆喰が水分を含み劣化しているサインです。
  • 葺き土の露出・流出: 漆喰が剥がれ落ち、内部の茶色い葺き土が見えていたり、雨樋や地面に土が流れ落ちていたりします。
  • 棟瓦のズレや歪み: 漆喰の劣化と連動して、棟瓦がまっすぐでなく、波打っていたり、一部がズレていたりします。
  • 庭や家の周りに白い漆喰の塊が落ちている: 明らかな劣化のサインです。

これらの症状が見られたら、専門業者に点検を依頼し、補修の必要性を判断してもらうことをおすすめします。

瓦屋根の漆喰補修、主な方法と手順、そして費用相場

瓦 漆喰工事

瓦屋根の漆喰補修には、主に以下の2つの方法があります。劣化の程度や棟全体の状況によって、適切な工法が選択されます。

1. 漆喰詰め直し工事(しっくいつめなおしこうじ)

  • どんな場合に?
    漆喰自体のひび割れや部分的な剥がれ・崩れが主で、棟瓦に大きなズレや歪みがない、比較的軽微な劣化の場合。
  • 作業内容
    1. 既存漆喰の撤去: 劣化した古い漆喰を、ケレン棒などの道具を使って丁寧に剥がし取ります。
    2. 清掃・下地調整: 葺き土の表面を清掃し、必要に応じて葺き土を整え、霧吹きなどで軽く湿らせて新しい漆喰の密着性を高めます。
    3. 新しい漆喰の塗り込み: 新しい漆喰(または南蛮漆喰)を、コテを使って瓦と葺き土の隙間に適切な厚みで丁寧に塗り込んでいきます。瓦の表面に漆喰が付かないように、また、漆喰が瓦の排水機能を妨げないように注意深く施工します。
    4. 仕上げ: 表面を滑らかに整え、美しく仕上げます。
  • 費用相場の目安:1メートルあたり 約3,500円~7,000円程度
    • 棟の裏表両面に施工するため、棟の長さの2倍のメートル数で計算されることが多いです。
    • 例えば、棟の長さが10mの場合、施工長は20mとなり、総額で約7万円~14万円程度が漆喰工事部分の目安となります。
  • 工期の目安:1日~3日程度(屋根の大きさや棟の数による)
  • 注意点
    • 漆喰詰め増し(古い漆喰の上に新しい漆喰を塗り重ねる)」という安価な方法を提案されることもありますが、古い漆喰が剥がれる際に新しい漆喰も一緒に剥がれるリスクが高いため、推奨されません。必ず古い漆喰を撤去する「詰め直し」を選びましょう。
    • 漆喰を厚く塗りすぎたり、瓦の排水経路を塞いでしまったりすると、かえって雨漏りの原因になることがあります。

2. 棟取り直し(積み直し)工事(むねとりなおしこうじ)

  • どんな場合に?
    漆喰の劣化が著しいだけでなく、棟瓦に大きなズレや歪みがある、内部の葺き土が著しく流出している、または雨漏りが発生しているなど、棟全体の構造的な問題がある場合。
  • 作業内容
    1. 棟瓦の解体: 既存の棟瓦(冠瓦、熨斗瓦など)を一度全て取り外します。状態が良ければ再利用しますが、破損がひどい場合は新しい瓦を使用します。
    2. 古い葺き土・漆喰の撤去: 劣化した葺き土や古い漆喰を全て取り除き、清掃します。
    3. 新しい葺き土(または南蛮漆喰)で土台形成: 新しい葺き土、またはより耐久性・防水性の高い「南蛮漆喰(なんばんしっくい)」を使って、棟の土台を形成します。南蛮漆喰は、葺き土と漆喰の両方の役割を兼ねることができるため、近年主流となっています。
    4. 熨斗瓦の積み直し: 熨斗瓦を適切な勾配とバランスで一段ずつ丁寧に積み上げていきます。この際、銅線やステンレス線で瓦を固定したり、棟の芯に補強のための鉄筋や木材を入れる「ガイドライン工法」に準拠した耐震施工を行うことが推奨されます。
    5. 冠瓦(かんむりがわら)の設置: 棟の最上部に冠瓦を被せ、固定します。
    6. 漆喰仕上げ(南蛮漆喰を使用しない場合): 熨斗瓦の隙間などに漆喰を塗り込み、仕上げます。南蛮漆喰で土台を形成した場合は、仕上げの漆喰が不要なこともあります(「なんばん仕上げ」)。
  • 費用相場の目安:1メートルあたり 約10,000円~30,000円程度
    • 使用する瓦の種類(再利用か新品か)、棟の段数(高さ)、耐震補強の有無などによって費用は大きく変動します。
    • 例えば、棟の長さ10mで冠瓦+熨斗瓦が合計3段程度の場合、1メートルあたり1万円台後半~2万円程度が目安となることがあります。5段以上になると3万円/mを超えることも。
  • 工期の目安:3日~7日程度(屋根の規模や天候による)
  • ポイント
    漆喰の崩れの原因が棟自体の構造的な問題にある場合、この棟取り直し工事で根本的に解決する必要があります。漆喰の詰め直しだけでは、すぐに問題が再発する可能性が高いです。

【表】瓦屋根の漆喰補修 費用と工期まとめ

補修方法主な作業内容1メートルあたりの費用目安工期の目安足場代・諸経費
漆喰詰め直し工事既存漆喰撤去、清掃、新しい漆喰の詰め直し約3,500円~7,000円1日~3日別途必要
棟取り直し工事棟瓦解体、葺き土等撤去、新しい土台形成、棟瓦積み直し、漆喰仕上げ(または南蛮仕上げ)、耐震補強(推奨)約10,000円~30,000円3日~7日別途必要

※上記の費用はあくまで一般的な目安であり、実際の費用は屋根の形状、棟の長さや数、劣化状況、使用する材料、足場の必要性、地域、依頼する業者などによって大きく変動します。必ず複数の専門業者から詳細な見積もりを取り、比較検討しましょう。

漆喰補修費用が高くなる理由とは?

漆喰補修工事は、作業日数に対して費用が割高に感じられることがあります。その主な理由は以下の通りです。

  • 専門技術と経験が必要な作業: 漆喰の塗り込みや棟の積み直しは、熟練した職人の技術と経験が不可欠です。特に美しい仕上がりと長期的な耐久性を両立させるには、高度なスキルが求められます。
  • 職人の減少と人件費の上昇: 近年、瓦屋根を扱える専門職人(瓦職人)の数が減少傾向にあり、その人件費が高くなっていることも影響しています。
  • 高所作業のリスク: 屋根の上という危険な場所での作業であり、安全管理にもコストがかかります。
  • 足場代の発生: 安全かつ確実に作業を行うためには、多くの場合、足場の設置が必要になります。この足場代が、工事総額の大きな割合を占めることがあります。(一般的な戸建てで15万円~25万円程度)

漆喰の補修、DIYは可能?専門業者に依頼するメリット

Stop!

「漆喰の補修くらいなら、自分でできるのでは?」と考える方もいるかもしれません。確かに、ホームセンターなどでDIY用の漆喰材料も販売されています。

しかし、屋根の漆喰補修、特に棟部分の作業は、高所での危険な作業であることに加え、専門的な知識と技術が不可欠なため、DIYは基本的に推奨されません。

DIYのリスクと専門業者に依頼するメリット

  • 安全性の問題: 屋根からの転落事故は後を絶ちません。
  • 施工品質の確保: 不適切な施工は、かえって雨漏りを招いたり、すぐに漆喰が剥がれたりする原因となります。
  • 原因の特定: 漆喰が剥がれている根本的な原因(棟の歪みなど)を見抜けず、表面的な補修で終わってしまう可能性があります。
  • 専門的な道具や材料の準備: DIYで行う場合でも、専用の道具や適切な材料を揃える必要があります。
  • 結果的なコスト: DIYで失敗し、結局専門業者にやり直しを依頼することになると、余計な費用と手間がかかってしまいます。

専門業者に依頼するメリット

  • 確実な施工と長期的な安心感: 経験豊富な職人が、原因を特定し、適切な方法で確実に補修してくれます。
  • 屋根全体の点検: 漆喰だけでなく、瓦の割れやズレ、防水シートの状態など、屋根全体を点検し、必要なアドバイスをしてくれます。
  • 施工後の保証: 多くの専門業者は、施工後の保証制度を設けています。
  • 安全な作業: 安全管理を徹底し、事故のリスクを最小限に抑えて作業してくれます。

大切な住まいを守るためには、費用だけでなく、安全性と確実性を考慮し、信頼できる専門業者に依頼することが賢明です。

まとめ:瓦屋根の漆喰補修、適切な時期と方法、そして信頼できる業者選びが鍵!

瓦屋根の漆喰は、美観だけでなく、屋根の防水性や耐久性を維持するために非常に重要な役割を担っています。その漆喰がひび割れたり、剥がれたり、崩れたりといった劣化のサインを見つけたら、放置せずに早めに専門業者に相談し、適切な補修を行うことが大切です。

瓦屋根の漆喰補修と費用で後悔しないための重要ポイント

  • 漆喰の役割と、劣化が引き起こすリスク(雨漏り、棟の歪み・落下など)を理解する。
  • 漆喰のひび割れ、剥がれ、葺き土の露出などの劣化サインを見逃さない。
  • 補修方法は、主に「漆喰詰め直し工事」と「棟取り直し工事」がある。劣化状況に応じて適切な工法を選ぶ。
  • 「漆喰詰め増し」はNG。必ず古い漆喰を撤去する「詰め直し」を。
  • 棟自体の問題が原因の場合は、「棟取り直し工事」で根本的に修理する。その際、耐震性を高める「ガイドライン工法」も検討。
  • 費用相場を把握し、複数の専門業者から詳細な見積もりを取って比較検討する。
  • DIYでの補修は避け、必ず信頼できる瓦屋根専門の業者に依頼する。

定期的な点検と適切な時期の補修は、結果的に大きな修理費用を防ぎ、大切な瓦屋根を長持ちさせることに繋がります。この記事が、あなたの瓦屋根の漆喰補修計画の一助となれば幸いです。

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