HOME » 台風・災害対策 » その修理代、隣人に請求できますか?台風被害の法律「民法717条」と、火災保険を使った最も賢い解決策
保険証券

「台風で、お隣の屋根瓦が飛んできて、うちのカーポートが壊れた…」
「隣の家のせいで窓ガラスが割れたんだから、修理代を請求したい!」

大型台風が過ぎ去った後、自宅の被害状況を確認して愕然…。よく見ると、その原因が「お隣の家から飛んできた瓦や屋根材」だった、というケースは決して珍しくありません。

大切な家を傷つけられた怒りと悲しみの中で、

  • この修理費用、お隣さんに請求できるの?
  • それとも、泣き寝入りして自分の火災保険を使うしかないの?
  • どうやって話を切り出せば、ご近所トラブルにならずに済むんだろう…?

と、頭を抱えていませんか?

この記事では、そんな「隣家からの飛来物」による被害に遭ってしまったあなたのために、

  • 損害賠償を請求できるケース、できないケースの境界線
  • 「自分の火災保険」を使うべき、意外な理由
  • ご近所トラブルを避けるための、賢い話し合いの進め方

など、法律の知識と保険の実務に基づいた、最も現実的で円満な解決策を徹底解説します!

まずは結論:「隣の家のせい」でも、損害賠償請求は難しいのが現実

ポイント

感情的には「被害を与えたのだから、弁償してほしい」と思うのが当然です。しかし、法律の世界では、残念ながら隣家の所有者に修理費用を請求するのは非常に難しいのが現実です。

その理由は、台風のような自然災害は「不可抗力」と見なされるからです。
誰のせいでもない、予測不能な天災によって引き起こされた損害については、原則として誰も賠償責任を負わない、というのが法律の基本的な考え方なのです。

ただし例外も!損害賠償を請求できる「民法717条」

しかし、隣家の所有者に賠償責任を問える可能性が全くないわけではありません。
その根拠となるのが、民法第717条「土地の工作物等の占有者及び所有者の責任」です。

民法第717条土地の工作物の設置又は保存に瑕疵(かし)があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。(後略)

少し難しいですが、これをあなたのケースに当てはめると、「隣の家に、通常備えているべき安全性が欠けている状態(=瑕疵)があったせいで、瓦が飛んできて損害を受けた」と証明できれば、賠償請求できる可能性がある、ということです。

具体的には、以下のようなケースが当てはまります。

請求できる可能性が高いケース(隣家に瑕疵あり)請求が難しいケース(不可抗力)
台風が来る前から、隣の家の瓦が明らかにズレていたり、割れたりしていた。〇 きちんとメンテナンスされていた家の瓦が、想定外の暴風で飛ばされた。
棟板金が錆びてボロボロで、いつ飛んでもおかしくない状態だった。〇 周辺の多くの家でも、同様に瓦が飛ぶなどの被害が出ていた。
何度か「危ないですよ」と伝えたが、修理されずに放置されていた。〇 台風の規模が、その地域で記録的なレベルだった。

【証明の難しさ】

問題は、この「瑕疵」を被害を受けた側が証明しなければならない点です。「台風が来る前から壊れていた」ということを、写真や証言などで客観的に示す必要があり、これが非常に困難なため、結果的に損害賠償請求は難しいケースが多いのです。

なぜ?専門家が「自分の火災保険」を使うことを勧める3つの理由

「じゃあ、泣き寝入りするしかないの…?」
いいえ、そんなことはありません。ここで登場するのが、あなたの心強い味方「ご自身の火災保険」です。

隣家に賠償請求するよりも、ご自身の火災保険(風災補償)を使って修理する方が、圧倒的にメリットが大きいのです。

1. スピーディーに修理が進む

損害賠償請求は、相手との交渉や、場合によっては裁判にまで発展する可能性があり、解決までに数ヶ月~数年かかることもあります。その間、壊れた家を放置するわけにはいきません。
ご自身の火災保険を使えば、相手の対応を待つことなく、すぐに保険金を受け取り、修理に取り掛かることができます。

2. 精神的なストレスが少ない

お金の話は、たとえ相手に非があったとしても、ご近所同士では非常に気まずいものです。賠償請求をすることで、今後のご近所関係に修復不可能な亀裂が入ってしまうかもしれません。
自分の保険で解決すれば、こうした精神的なストレスや人間関係の悪化を避けることができます。

3. 保険料は上がらない

「自分の保険を使うと、自動車保険みたいに翌年の保険料が上がるのでは?」と心配される方が非常に多いですが、ご安心ください。
火災保険は、何度使っても翌年の保険料が上がることはありません。(※一部の保険商品を除く)
使わなければ損、とまでは言いませんが、万が一のために保険料を支払っているのですから、正当な権利として堂々と活用しましょう。

ご近所トラブルを避ける!賢い話し合いの進め方【会話例つき】

近所 挨拶

自分の火災保険を使うと決めても、お隣さんには一言伝えておくのが円満なご近所付き合いの秘訣です。感情的にならず、あくまで「報告」というスタンスで話すのがポイントです。

【会話例】

「〇〇さん、こんにちは。先日の台風、すごかったですね。実は、台風の時に〇〇さんのお宅の瓦だと思うのですが、飛んできてうちのカーポートに当たってしまいまして…。天災なので仕方ないですし、うちで入っている火災保険で直すので、〇〇さんにご迷惑をおかけすることは一切ありませんので、ご安心ください。ただ、保険会社に報告が必要なので、念のためご一報だけさせていただきました。」

【伝えるべきポイント】

  • 「天災なので仕方ない」と、相手を責めない姿勢を見せる。
  • 「自分の火災保険で直すので、迷惑はかけない」と伝え、相手を安心させる。
  • あくまで「保険会社への報告のための、事実連絡」という形を取る。

このように伝えることで、相手も罪悪感を感じすぎることなく、事実を受け入れやすくなり、今後の関係も良好に保つことができます。

まとめ:感情より実利を。賢い選択で円満解決を

今回は、台風でお隣の家から瓦などが飛んできて被害を受けた場合の、現実的で賢い対処法について解説しました。

  • 自然災害(不可抗力)が原因の場合、隣家への損害賠償請求は非常に難しい。
  • 隣家に明らかな「瑕疵(管理不備)」があれば請求できる可能性はあるが、証明が困難。
  • 隣家との交渉を待つより、「自分の火災保険」を使った方が、早く、ストレスなく解決できる。
  • 火災保険を使っても、翌年の保険料は上がらない。
  • 隣家には、あくまで「報告」として、相手を気遣いながら事実を伝えるのが円満の秘訣。

被害に遭った直後は、怒りや不満で感情的になってしまうのも無理はありません。しかし、一度立ち止まり、最も合理的で、あなた自身にとってメリットの大きい選択は何かを冷静に考えることが重要です。

ご近所との良好な関係も、大切な財産の一つです。この記事を参考に、賢い選択で、一日も早く平穏な日常を取り戻してください。

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