「そろそろ屋根のリフォームを考えないと…」
「葺き替えより費用を抑えられるカバー工法が良いかな?」
そんな風に屋根リフォーム、特に「屋根カバー工法」を検討中のあなた。業者さんからもらった見積もり書に「セットバックスターター」という見慣れない項目を見つけて、「これって何のこと?」と思っていませんか?
実はこのセットバックスターター、ちょっと地味な存在に見えるかもしれませんが、屋根の寿命や雨漏り防止、そして快適な暮らしにとっても大切な役割を果たしている、縁の下の力持ちなんです!
この記事では、屋根カバー工法に欠かせない「セットバックスターター」について、その役割や重要性を初心者の方にも分かりやすく、丁寧にご紹介します。
セットバックスターターって、そもそも何?
簡単に言うと、セットバックスターターは、屋根の先端部分=「軒先(のきさき)」に取り付ける、金属製の板(板金部材)のことです。
- 役割イメージ
新しい屋根材(ガルバリウム鋼板など、軽くて丈夫な金属屋根がよく使われます)を葺き始める際の「スタート地点」となる部材なので「スターター」と呼ばれます。 - 形状の特徴
ただの板ではなく、新しい屋根材を軒先から少しだけ後ろ(内側)に「セットバック」させて取り付けるための、ちょっと特殊な形をしています。この「セットバック」が、後で説明する重要な役割につながるんです。
【ここが重要!】セットバックスターターの3つの大切な役割
では、具体的にセットバックスターターにはどんな役割があるのでしょうか? 主に3つの大切な働きがあります。
役割1:雨水をしっかり雨樋(あまどい)へ誘導!雨樋トラブルを防ぐ!
これがセットバックスターターの一番重要な役割と言っても過言ではありません。
屋根カバー工法は、今の屋根の上に新しい屋根材を重ねて葺く工法です。そのため、どうしても屋根全体の高さが少し上がってしまいます。
すると、どうなるか…?
そう、屋根を流れてきた雨水が、既存の雨樋を飛び越えて、地面に直接バシャバシャ落ちてしまうことがあるんです!特にゲリラ豪雨のような大雨の時には、雨樋がうまく機能しなくなってしまう可能性が高まります。玄関先や窓の前でそんなことが起きたら、困ってしまいますよね。
そこで活躍するのがセットバックスターター!
特殊な形状によって、新しい屋根材の先端を少し後ろに下げる(セットバックさせる)ことで、雨水がスムーズに、確実に雨樋の中へと流れ込むようにガイドしてくれるのです。これで、カバー工法後も雨樋がしっかり機能し、雨の日も安心です。
役割2:屋根内部への水の侵入をガード!雨漏りリスクを減らす!
軒先は、屋根の中でも特に雨水が集まりやすく、風雨にさらされやすい場所です。ここから水が内部に入り込んでしまうと、雨漏りの原因になったり、屋根の下地を傷めてしまう可能性があります。
セットバックスターターは、軒先部分で屋根材との隙間をしっかり塞ぎ、水の侵入を防ぐ防水の役割も担っています。施工の際には、継ぎ目に防水用のシール材を充填することもあります。
屋根には「ルーフィング」という防水シート(二次防水)がありますが、セットバックスターターは軒先部分でこの防水機能を補助し、屋根全体の防水性を高めることに貢献してくれるんです。
役割3:屋根材をキレイに、しっかり固定する土台になる!
セットバックスターターは、屋根材を葺き始める際の基準線となります。これがあることで、屋根材を正しい位置に、ズレなく、安定して固定することができます。
また、軒先部分のわずかな段差を解消する役割もあり、屋根全体の仕上がりの美しさにもつながります。
なぜ「屋根カバー工法」で特にセットバックスターターが重要なの?
もうお分かりかもしれませんが、屋根カバー工法では、屋根が高くなることによる「雨樋トラブル」を防ぐために、セットバックスターターの使用が非常に重要になります。
もしセットバックスターターを使わずにカバー工法を行うと、せっかく屋根が新しくキレイになっても、雨が降るたびに雨水が雨樋からあふれてしまう…なんて残念なことになりかねません。
「ゼロスターター」とは違うの?どっちを選ぶべき?
実は、軒先に取り付けるスターターには「ゼロスターター」という別の種類もあります。「どっちでも良いんじゃない?」と思うかもしれませんが、用途が異なります。
特徴 | セットバックスターター | ゼロスターター |
主な用途 | 屋根カバー工法 | 主に葺き替え工事(古い屋根を撤去して新しくする工事)や新築 |
形状・機能 | 屋根材を少し後ろに下げる(セットバック)機能がある | 屋根材を軒先ピッタリ(ゼロ位置)に設置する |
雨樋への影響 | カバー工法でも雨水がスムーズに雨樋へ流れるよう考慮済 | カバー工法で使うと雨水が雨樋を超える可能性が高い |
価格 | ゼロスターターより高価 | セットバックスターターより安価 |
選び方の基本 | 屋根カバー工法ならこちらを推奨! | カバー工法での使用は基本的に避けるべき |
見ての通り、屋根カバー工法には「セットバックスターター」を使うのが基本です。
なぜなら、ゼロスターターは元々、屋根の高さが変わらない「葺き替え工事」などで使われることを想定しているからです。カバー工法でゼロスターターを使ってしまうと、雨樋トラブルのリスクが高まります。
ちょっと注意!なぜゼロスターターが使われることがあるの?
資料によると、セットバックスターターはゼロスターターよりも価格が高い(定価で2倍以上の差があることも)ため、コストを抑える目的でゼロスターターが使われてしまうケースがあるようです。
また、業者さんの知識不足で、「昔からあるゼロスターターで問題ない」と考えている場合もあるかもしれません。
しかし、長い目で見たときの屋根の機能性や快適性を考えると、屋根カバー工法ではセットバックスターターを選ぶべきと言えるでしょう。
注意!こんな屋根材には使えないことも
とても重要なセットバックスターターですが、どんな屋根にも使えるわけではありません。
「パミール」や「アスファルトシングル」といった一部の屋根材は、その形状からセットバックスターターがうまく取り付けられない場合があります。
もしご自宅の屋根がこれらの素材の場合は、カバー工法が適切かどうかも含めて、業者さんとよく相談し、場合によっては「葺き替え工事」を検討するのが良いかもしれません。
屋根カバー工法を頼む前に!見積もりをしっかりチェックしよう!
これから屋根カバー工法の見積もりを取る、あるいは既に見積もりをもらっている方は、ぜひ以下の点を確認してください。
- 「軒先のスターターは何を使いますか?」と業者さんに質問してみる。
- 見積書に「セットバックスターター」と明確に記載されているか確認する。
もし、「ゼロスターター」や単に「スターター」としか書かれていない場合は、なぜその部材なのか理由を確認し、セットバックスターターでの施工が可能か相談してみることを強くおすすめします。
丁寧な業者さんであれば、セットバックスターターの重要性を理解し、きちんと説明してくれるはずです。
まとめ:見えない部分へのこだわりが良い屋根を作る!
今回は、屋根カバー工法における「セットバックスターター」の役割について解説しました。
- セットバックスターターは、屋根カバー工法で屋根が高くなることによる雨樋トラブルを防ぐ、重要な部材!
- 雨水をスムーズに雨樋へ流し、軒先からの水の侵入も防ぐ役割がある!
- カバー工法では、価格が安くても「ゼロスターター」ではなく、「セットバックスターター」を選ぶのが基本!
- 見積もりをしっかり確認し、適切な部材で工事してくれる信頼できる業者を選ぼう!
屋根リフォームは大きな買い物です。普段は見えない部分ですが、セットバックスターターのような細かな部材への配慮が、屋根全体の品質や長持ちにつながります。ぜひ今回の情報を参考に、満足のいく屋根リフォームを実現してくださいね!
クイック屋根工事
私たちクイック屋根工事は、日本全国で建物の屋根を中心に、あらゆるリフォーム工事を手がけています。
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屋根葺き替えや屋根カバー工事、屋根塗装、防水工事から、雨樋の修理、内装工事まで幅広い工事に対応。独自の全国派遣ネットワークにより、迅速な対応が可能です。各地で培った経験をもとに、地域の気候や建築様式に適した最適な修理方法をご提案いたします。
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【お客様の声】
「兵庫県姫路市で屋根修理をお願いしましたが、親切な対応と確かな技術で大満足です!」(50代・女性)
「雨漏りが気になっていましたが、しっかりと原因を特定し、丁寧に施工していただきました」(40代・女性)
屋根やお家のリフォームのことなら、お気軽にご相談ください。