「屋根の『板金』って、具体的にどこの部分のこと?」
「うちの屋根にも板金ってあるのかな?」
屋根の修理やリフォームを検討し始めると、必ず出てくる「板金(ばんきん)」という言葉。なんとなく金属の板であることは分かっても、屋根のどこに、どんな種類のものが、何のために使われているのか、詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか。
実は、屋根の板金は単なる飾りではありません。屋根の弱点となりやすい場所に取り付けられ、雨水の侵入を防ぐ「防水の要」とも言える、非常に重要なパーツなのです。
この記事では、屋根に使われる主要な板金の種類を、初心者の方にも分かりやすいイラスト付きで徹底解説!それぞれの役割や使われる素材、劣化のサインまで、これを読めば「屋根の板金」のすべてが分かります。
まずは基本!屋根の板金は大きく2つの役割に分けられる
屋根の板金は、その役割によって大きく2つのグループに分けることができます。
- 屋根材そのものとしての板金
屋根全体を覆う、いわゆる「金属屋根」のことです。トタン屋根やガルバリウム鋼板屋根がこれにあたります。 - 屋根の隙間を塞ぐ「役物(やくもの)」としての板金
屋根の面と面がぶつかる頂点や、壁との接合部など、雨水が侵入しやすい「弱点」をピンポイントで守るパーツです。この記事では、こちらの「役物板金」を中心に詳しく解説していきます。スレート屋根や瓦屋根にも、この役物板金は必ず使われています。
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【場所別】あなたの家の屋根にも必ずある!主要な板金5種類
それでは、屋根のどの場所にどんな板金が使われているのか、具体的に見ていきましょう。
1. 棟板金(むねばんきん):屋根のてっぺんを守る大黒柱
- 場所:屋根の一番高い頂点(大棟)や、角の部分(隅棟・下り棟)。
- 役割:屋根の面と面が合わさる接合部からの雨水の侵入を防ぐ、最も重要な板金です。
- 特徴:屋根の頂上にあるため風の影響を最も受けやすく、台風などの強風で浮きや飛散が最も起こりやすい箇所でもあります。雨漏りの原因No.1と言っても過言ではありません。
2. 谷板金(たにばんきん):雨水の通り道を作る樋(とい)
- 場所:屋根の面が「V字」に入り組んでいる谷の部分。
- 役割:2つの屋根面から流れてくる雨水を集め、軒先の雨樋までスムーズに排水する役割を持ちます。
- 特徴:雨水が集中して流れるため、ゴミや落ち葉が溜まりやすいのが弱点。詰まりが原因で水が溢れ、雨漏りを引き起こすことがあります。また、経年劣化で穴が開きやすい箇所でもあります。
3. 雨押え板金(あまおさえばんきん):壁との隙間を塞ぐ防水壁
- 場所:1階の屋根(下屋)が、2階の外壁に接する部分。
- 役割:壁を伝って流れてくる雨水が、屋根との隙間から内部に侵入するのを防ぎます。
- 特徴:壁と屋根という異なる部材が接する複雑な部分のため、施工不良が起こりやすい箇所の一つ。板金の立ち上がり部分の高さが不足していたり、防水処理が不十分だったりすると、雨漏りの原因になります。
4. 軒先水切り(のきさきみずきり):雨水を雨樋へ導くガイド役
- 場所:屋根の先端、雨樋が付いている部分。
- 役割:屋根材の下を流れてきた雨水を、適切に雨樋の中へと導く役割があります。これが無いと、雨水が屋根の裏側(破風板や軒天)に回り込み、部材を腐食させる原因になります。
- 特徴:屋根材の下に隠れていることが多く、普段はあまり目に付きません。しかし、屋根の耐久性を支える縁の下の力持ち的な存在です。
5. けらば捨て水切り:屋根の側面からの吹込みを防ぐ
- 場所:屋根の側面(妻側)、破風板の上部。
- 役割:横殴りの雨などが、屋根の側面から内部に吹き込むのを防ぎます。
- 特徴:軒先水切りと同様、屋根材の下に設置されるため外からは見えにくいですが、防水性能を確保するために重要な役割を担っています。
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【素材別】板金にもグレードがある!主な金属の種類と特徴
屋根の板金に使われる金属にも、様々な種類があります。素材によって耐久性や価格が大きく変わるため、修理やリフォームの際には知っておきたいポイントです。
| 素材の種類 | 特徴 | 耐用年数の目安 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|---|
| SGL(エスジーエル)鋼板 | ガルバリウム鋼板にマグネシウムを加え、サビへの強さを3倍以上に高めた次世代の鋼板。現在最も推奨される素材。 | 30年以上 | とにかく長持ちさせたい メンテナンスの手間を減らしたい |
| ガルバリウム鋼板 | アルミと亜鉛でメッキされた鋼板。軽量でサビに強く、コストパフォーマンスに優れる。現在の主流。 | 20年~30年 | バランスの取れた性能を求める 多くの住宅で採用されている安心感が欲しい |
| ステンレス | 非常にサビに強く、耐久性は抜群。ただし、加工が難しく、材料費も高価なため、一般住宅での使用は少ない。 | 30年以上 | 海沿いなど塩害が特に心配な地域に住んでいる |
| トタン(亜鉛めっき鋼板) | 安価だが、表面に傷がつくと非常にサビやすい。ガルバリウム鋼板が登場する前の主流素材。 | 10年~20年 | とにかく初期費用を抑えたい(ただし、メンテナンス頻度は増える) |
【ポイント】
これから新しく板金を設置・交換する場合は、耐久性とコストのバランスから「ガルバリウム鋼板」、もしくはさらに高性能な「SGL鋼板」を選ぶのが最も賢明な選択と言えるでしょう。
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我が家の板金は大丈夫?メンテナンスが必要な劣化サイン
お使いの屋根板金に、以下のような症状が見られたらメンテナンスのサインです。放置すると雨漏りのリスクが高まります。
- 釘の浮き・抜け:棟板金で最も多い劣化症状。熱による伸縮や下地木材の劣化が原因。
- サビの発生:表面の塗膜やメッキ層が劣化し、鋼板が錆びている状態。放置すると穴が開く。
- 変形・へこみ:強風や飛来物によって板金が変形している。隙間から雨水が侵入する。
- コーキングのひび割れ:板金の継ぎ目を埋めているコーキング材が劣化し、防水機能が低下している。
これらの症状を見つけたら、早めに専門業者に点検を依頼しましょう。
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まとめ:屋根の弱点を守る「板金」の役割を理解しよう
今回は、屋根を雨漏りから守る重要なパーツ「板金」の種類と役割について詳しく解説しました。
- 屋根の板金は、雨水が侵入しやすい「弱点」をピンポイントで守る重要な部材。
- 「棟」「谷」「壁際」など、場所によって異なる種類の板金が使われている。
- 素材は、現在では高耐久な「ガルバリウム鋼板」や「SGL鋼板」が主流。
- 「釘浮き」や「サビ」は劣化のサイン。放置すると雨漏りに直結するため、早めのメンテナンスが不可欠。
普段あまり意識することのない屋根の板金ですが、その役割を知ることで、ご自宅の屋根の状態をより深く理解し、適切なメンテナンス時期を判断する手助けになります。
もし、ご自宅の屋根の点検や修理を検討する際には、この記事を参考に「どこの、どの種類の板金が、どんな状態なのか」を業者に確認してみてください。それだけで、より的確で納得のいくリフォームにつながるはずです。
クイック屋根工事
私たちクイック屋根工事は、日本全国で建物の屋根を中心に、あらゆるリフォーム工事を手がけています。
【累計6,000件以上の施工実績】
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【お客様の声】
「兵庫県姫路市で屋根修理をお願いしましたが、親切な対応と確かな技術で大満足です!」(50代・女性)
「雨漏りが気になっていましたが、しっかりと原因を特定し、丁寧に施工していただきました」(40代・女性)
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