「台風に備えて、屋根をガルバリウム鋼板にリフォームしたから安心!」
軽量でサビに強く、モダンな見た目から大人気の「ガルバリウム鋼板屋根」。その優れた性能から「台風に強い屋根材」として広く認知されています。
しかし、その安心感、本当に万全だと言い切れますか?
実は、台風の後には「強いはずのガルバリウム屋根がめくれてしまった」「棟板金が飛んで雨漏りした」といった相談が、私たちプロのもとに数多く寄せられるのが現実です。
なぜ、台風に強いはずのガルバリウム鋼板屋根が、いとも簡単に被害を受けてしまうのでしょうか。
この記事では、
- ガルバリウム鋼板屋根が台風で被害を受ける、意外な3つの弱点
- あなたの家は大丈夫?プロが教える危険度セルフチェック
- 被害を未然に防ぐための、本当に効果的なメンテナンス方法
- 葺き替え・カバー工法で失敗しないためのポイント
など、「ガルバリウム鋼板屋根の台風対策」について、そのメリットだけでなく、見落とされがちな弱点と本当の対策にまで踏み込んで、徹底的に解説します。
なぜ「台風に強い」と言われるのか?ガルバリウム鋼板の基本性能
まず、ガルバリウム鋼板が台風対策として推奨される理由をおさらいしましょう。
- 圧倒的な「軽さ」
ガルバリウム鋼板は、日本瓦の約1/10、スレート屋根の約1/4という驚異的な軽さを誇ります。屋根が軽ければ、建物の重心が低くなり、地震の揺れに強くなります。また、強風による下からの吹き上げ(揚力)の影響も受けにくくなります。 - 優れた「防水性」
金属の板であるため、素材自体が水を吸い込むことはありません。そのため、スレート屋根のように塗装が剥がれて防水性が低下したり、ひび割れたりする心配がありません。 - 高い「耐久性」
アルミと亜鉛の特殊なメッキ層が、鉄板をサビから強力に守ります。適切なメンテナンスを行えば、25年~30年という長い耐用年数が期待できます。
これらの優れた性能を持つにもかかわらず、なぜ台風被害は後を絶たないのでしょうか。
【ここが弱点!】強いはずのガルバリウム屋根が台風で壊れる3つの原因
被害のほとんどは、ガルバリウム鋼板という「素材」の問題ではなく、その「施工」と「メンテナンス」に起因します。
原因1:棟板金(むねばんきん)の施工不良・劣化
ガルバリウム屋根の台風被害で、ダントツで多いのが「棟板金の飛散」です。屋根の頂上を覆うこのパーツは、風の影響を最も受けやすい屋根の急所。
この棟板金を固定している下地の木材(貫板)が腐っていたり、留め付けている釘が熱膨張で緩んでいたりすると、台風の強風で簡単にめくれ上がり、飛ばされてしまうのです。
原因2:軒先(のきさき)・けらば部分からの「めくれ」
屋根の先端である「軒先」や、側面である「けらば」は、下からの吹き上げる風の入り口になりやすい部分です。この部分の板金の固定が甘かったり、下地が雨水の浸入で腐食していたりすると、そこを起点に屋根全体がベリッと絨毯のように剥がれてしまうことがあります。一枚一枚が独立している瓦と違い、一枚の面積が大きい金属屋根ならではの、最も深刻な被害パターンです。
原因3:サビによる穴あきと強度低下
「ガルバリウムはサビに強い」と言われますが、決して錆びないわけではありません。
飛来物による表面の傷や、潮風(塩害)、工場の排煙(酸性雨)などの影響でメッキ層が破壊されると、そこからサビが発生します。サビを放置すれば、やがて穴が開き、雨漏りの原因になるだけでなく、屋根材自体の強度が低下し、強風で破断しやすくなります。
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あなたのガルバリウム屋根は大丈夫?台風前のセルフチェックリスト
専門家でなくても、台風が来る前に確認できる危険なサインがあります。安全な場所から、双眼鏡などを使ってチェックしてみましょう。
- 【チェック1】棟板金の釘が浮いていないか?
頂上の棟板金を横から見て、釘の頭が飛び出している箇所はありませんか?これは内部で下地が劣化しているサインかもしれません。 - 【チェック2】屋根の端がバタついていないか?
少し風が強い日に、屋根の軒先や側面がバタバタと音を立てていませんか?固定が緩んでいる可能性があります。 - 【チェック3】目立つサビや塗膜の剥がれはないか?
特に屋根の端や、傷がつきやすい谷部分に赤茶色のサビが出ていないか確認しましょう。 - 【チェック4】屋根が不自然に凹んでいないか?
ガルバリウム鋼板は衝撃に弱く、凹みやすい性質があります。凹んだ部分に水が溜まり、劣化を早める原因になります。
一つでも当てはまる項目があれば、台風シーズンが来る前に一度、専門業者に詳しい点検を依頼することをお勧めします。
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被害を防ぐ!ガルバリウム屋根の正しい台風対策
では、どうすれば被害を防げるのでしょうか。有効な対策は、築年数や状態によって異なります。
| 対策の種類 | 築年数の目安 | 工事の内容 | 費用の目安 |
|---|---|---|---|
| 棟板金の補強・交換 | 10年~15年 | 浮いた釘を抜けにくいビスに交換する。下地の貫板が腐食している場合は、貫板ごと交換する。 | 10万円~30万円 |
| 部分的な補修 | 随時 | 飛来物による凹みや傷、軽微なサビを部分的に補修・塗装する。 | 5万円~ |
| 屋根全体の塗装 | 10年~20年 | 表面の塗膜が劣化してきたら、遮熱・防錆効果のある塗料で再塗装する。美観と耐久性を回復させる。 | 40万円~80万円 |
| 屋根カバー工法・葺き替え | 25年~30年 | 全体的に劣化が進行した場合、屋根全体をリフォームする。下地から見直せる葺き替えが最も確実な台風対策。 | 80万円~200万円 |
【プロの視点】
台風対策として最も重要なのは、「棟板金」と「屋根の下地」です。築15年を超えたら、一度は棟板金の下地の状態を確認してもらいましょう。また、屋根全体のリフォームを考えるなら、古い防水シートや下地も一新できる「葺き替え工事」が、屋根カバー工法よりも根本的な防災対策として優れています。
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まとめ:ガルバリウム鋼板は「素材」+「正しい施工」で最強になる
今回は、「台風に強い」と言われるガルバリウム鋼板屋根が、なぜ被害に遭うのか、その弱点と本当の対策について深掘りしました。
- ガルバリウム鋼板屋根の台風被害は、素材ではなく「棟板金」や「軒先」の施工・劣化が主な原因。
- 「釘の浮き」「バタつき」「サビ」は、放置すると危険な劣化のサイン。
- 最強の台風対策は、信頼できる業者による「正しい施工」と、10年~15年ごとの「定期的なメンテナンス」。
- 屋根全体をリフォームするなら、下地から一新できる「葺き替え工事」が最も安心。
ガルバリウム鋼板は、正しく施工され、適切にメンテナンスされていれば、間違いなく台風に強い、非常に優れた屋根材です。「ガルバリウムだから大丈夫」と過信せず、その性能を最大限に引き出すための知識を持つことが、あなたの家を未来の台風から守る、最も確実な方法なのです。
クイック屋根工事
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「兵庫県姫路市で屋根修理をお願いしましたが、親切な対応と確かな技術で大満足です!」(50代・女性)
「雨漏りが気になっていましたが、しっかりと原因を特定し、丁寧に施工していただきました」(40代・女性)
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