「瓦屋根は丈夫で長持ちするはずなのに、なぜか雨漏りが…」
「天井にシミが!瓦が割れているのが原因?それとも他の場所?」
「瓦屋根の雨漏り修理って、いくらかかるの?部分修理で直せるの?」
日本の伝統的な風景を彩り、その圧倒的な耐久性で知られる「瓦屋根」。50年、100年と家を守り続けるその性能から、「瓦屋根はメンテナンスフリーで雨漏りしない」と信じている方も少なくないかもしれません。
しかし、その考えは大きな誤解です。
実は、瓦屋根も経年劣化や自然災害によって雨漏りを起こします。そして、その原因は瓦そのものではなく、その周辺部材や、見えない下地にあることがほとんどなのです。
この記事では、そんな「瓦屋根の雨漏り」に徹底的にフォーカスし、
- なぜ瓦屋根は雨漏りするのか?見逃しがちな5つの原因
- 【新設】瓦屋根の構造と、雨漏りを防ぐ「二次防水」の重要性
- 症状別の具体的な修理方法と、詳細な費用相場
- 自分でできる応急処置と、絶対にやってはいけないこと
まで、瓦屋根の雨漏りでお悩みのすべての方が知っておくべき情報を、専門家の視点から分かりやすく、そして詳しく解説していきます。
なぜ最強のはずの瓦屋根が雨漏りするのか?
瓦自体は、粘土を高温で焼き固めたセラミック素材のため、半永久的とも言える耐久性を誇ります。塗装も不要で、素材そのものが水を吸うこともほとんどありません。では、なぜそんな瓦屋根から雨漏りがするのでしょうか。
その答えは、瓦屋根が「瓦だけ」でできているわけではないからです。
瓦屋根の構造と、雨漏りを防ぐ「二次防水」の重要性
瓦屋根は、以下のような多層構造になっています。
- 瓦(一次防水)
目に見える一番外側。雨風を直接受け止め、大部分の雨水を下に流します。 - 防水シート(ルーフィング/二次防水)
瓦の下に隠れている、雨漏りを防ぐ最後の砦。瓦の隙間から浸入したわずかな雨水が、建物内部に到達するのを防ぎます。 - 野地板(のじいた)
防水シートを支える、屋根の下地となる木製の板。
実は、瓦と瓦の重なり部分には、湿気を逃がすためのわずかな隙間があり、強風時などにはそこから雨水が浸入します。つまり、瓦(一次防水)だけでは、雨漏りを100%は防げないのです。
最終的に雨漏りを防いでいるのは、その下にある「防水シート(二次防水)」。この防水シートが破れたり、寿命を迎えたりした時に、初めて雨漏りとして室内に症状が現れるのです。
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【原因TOP5】あなたの家の雨漏りはどれ?プロが教える瓦屋根の弱点
瓦屋根の雨漏りは、瓦そのものよりも、以下の周辺部材や下地の劣化が原因であることが大半です。
原因1:漆喰(しっくい)の崩れ・剥がれ
屋根のてっぺん(棟)の瓦の隙間を埋めている、白いセメント状のものが「漆喰」です。漆喰は、棟瓦の土台となっている葺き土(ふきつち)を雨風から守るカバーの役割をしています。
この漆喰が10年~20年で劣化して崩れると、中の葺き土が雨水で流れ出し、棟瓦の固定力が低下。瓦がズレてできた隙間から、大量の雨水が浸入します。
原因2:瓦の「ズレ」「ひび割れ」「浮き」
瓦は一枚一枚が重く安定していますが、地震の強い揺れや、大型台風の強風によって、ズレたり、浮き上がったりすることがあります。また、飛来物が当たってひび割れや欠けが生じることも。
この破損箇所から雨水が浸入し、下の防水シートを直接劣化させることで、雨漏りにつながります。
原因3:谷板金(たにばんきん)の穴あき・劣化
屋根の面と面がぶつかる「谷」の部分には、雨水を効率よく排水するための金属製の板「谷板金」が設置されています。ここは雨水が集中して流れるため、経年劣化でサビが発生し、やがて小さな穴が開いてしまうことがあります。谷は大量の水が流れる場所なので、小さな穴一つでも深刻な雨漏りに直結します。
原因4:防水シート(ルーフィング)の寿命
前述の通り、雨漏りを防ぐ最後の砦である防水シート。一般的なアスファルトルーフィングの寿命は約20年~30年です。瓦はまだ何十年も使える状態でも、この防水シートが寿命を迎え、硬化して破れてしまうと、そこから雨漏りが始まります。築25年以上経過した瓦屋根の雨漏りは、この防水シートの劣化が原因である可能性が非常に高いです。
原因5:壁との取り合い部分(雨仕舞)の不具合
1階の屋根(下屋)が、2階の外壁に接している部分などを「取り合い」と呼びます。この部分は構造が複雑で、雨水が浸入しないように「雨仕舞(あまじまい)」と呼ばれる防水処理が施されています。この雨仕舞板金の劣化や、施工不良が原因で雨漏りすることも少なくありません。
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【症状別】瓦屋根の雨漏り修理方法と、気になる費用相場
瓦屋根の雨漏り修理は、原因箇所の劣化状況によって、工事内容と費用が大きく異なります。
| 原因箇所 | 修理方法 | 費用相場の目安 |
|---|---|---|
| 漆喰の劣化 | 漆喰詰め直し工事 古い漆喰を剥がし、新しい漆喰を詰め直す。 | 3万~20万円 |
| 瓦のズレ・割れ | 瓦の差し替え・補修 割れた瓦を新しいものに交換したり、ズレを直したりする。 | 1万~10万円 (数枚程度の場合) |
| 棟の歪み | 棟取り直し工事 棟を一度解体し、土台から新しく作り直して瓦を積み直す。 | 5万~30万円 (1mあたり1万円~) |
| 谷板金の劣化 | 谷板金の交換工事 古い谷板金を撤去し、新しいもの(主にステンレス製)に交換する。 | 8万~25万円 |
| 防水シートの劣化 | 葺き直し工事 既存の瓦を再利用し、防水シートと下地だけを新しくする。 | 80万~180万円 |
| 屋根全体の劣化 | 葺き替え工事 既存の屋根をすべて撤去し、下地から屋根材まで一新する。 | 100万~250万円以上 |
※高所作業の場合、上記の費用に別途、足場代(15万~25万円程度)が必要になります。
自分でできる応急処置と、絶対にやってはいけないこと
業者が来るまでの間、被害の拡大を防ぐためにできる応急処置があります。
まずは室内から!被害の拡大を防ぐ
- バケツで水を受け止める: 天井から水滴が落ちてくる場合は、床にブルーシートなどを敷き、雑巾を入れたバケツで水を受け止めましょう。
- 家財の避難: 濡れると困る家具や家電は、安全な場所に移動させます。
- 屋根裏での対処: もし屋根裏に安全に入れる場合は、雨漏りしている箇所の真下にバケツを置くと、天井への被害を最小限に食止められます。
【絶対にNG!】屋根に登っての作業
雨漏りしているからといって、ご自身で屋根に登るのは絶対にやめてください。濡れた瓦は非常に滑りやすく、毎年、転落による重篤な事故が後を絶ちません。また、知識なく瓦の上を歩くと、問題のない瓦まで割ってしまい、被害を拡大させる恐れもあります。
ブルーシートでの養生なども含め、屋根の上での作業は必ずプロに任せましょう。
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まとめ:瓦屋根の雨漏りは「瓦以外」を疑え!早めの専門家診断が鍵
今回は、耐久性が高いはずの「瓦屋根」で雨漏りが発生する原因と、その修理方法について詳しく解説しました。
- 瓦屋根の雨漏りは、瓦そのものではなく、「漆喰」「谷板金」「防水シート」といった周辺部材の劣化が主な原因。
- 雨漏りを最終的に防いでいるのは、瓦の下にある「防水シート(二次防水)」。この寿命が屋根全体の寿命を左右する。
- 修理は、瓦1枚の交換といった部分修理から、屋根全体をリフレッシュする「葺き直し」「葺き替え」まで様々。
- 原因が分からないまま、安易にコーキングなどで隙間を埋めるのは、被害を悪化させるため絶対にNG。
- 雨漏りのサインを見つけたら、被害が小さいうちに、瓦屋根の構造を熟知した専門業者に点検・修理を依頼することが最も重要。
「瓦屋根はメンテナンスフリー」という言葉を過信せず、築15年~20年を過ぎたら、一度プロによる健康診断を受けることを強くおすすめします。早期発見・早期修理こそが、あなたの大切な住まいと資産を、雨漏りの脅威から守るための最も賢明で確実な方法なのです。
クイック屋根工事
私たちクイック屋根工事は、日本全国で建物の屋根を中心に、あらゆるリフォーム工事を手がけています。
【累計6,000件以上の施工実績】
屋根葺き替えや屋根カバー工事、屋根塗装、防水工事から、雨樋の修理、内装工事まで幅広い工事に対応。独自の全国派遣ネットワークにより、迅速な対応が可能です。各地で培った経験をもとに、地域の気候や建築様式に適した最適な修理方法をご提案いたします。
【専門資格を持つ職人が対応】
弊社では、厳しい加盟条件を満たした専門修理業者をご紹介します。すべての業者が「一級建築士」「屋根工事技士」などの資格を持つ専門家による監修のもと、豊富な経験を活かした施工を行います。
【お客様の声】
「兵庫県姫路市で屋根修理をお願いしましたが、親切な対応と確かな技術で大満足です!」(50代・女性)
「雨漏りが気になっていましたが、しっかりと原因を特定し、丁寧に施工していただきました」(40代・女性)
屋根やお家のリフォームのことなら、お気軽にご相談ください。