「防災瓦って、地震や台風に強くてメリットだらけなんでしょ?」
「でも、デメリットや注意点もあるんじゃないの?ちゃんと知っておきたい!」
「価格が高いって聞くけど、それ以外に気をつけることは?」
地震や台風などの自然災害への備えとして、近年ますます注目度が高まっている「防災瓦」。従来の瓦の弱点を克服し、高い耐久性と安全性を実現したこの屋根材は、確かに多くのメリットを持っています。
しかし、どんな建材にもメリットとデメリットが存在するように、防災瓦も決して例外ではありません。「防災」という言葉の安心感だけで選んでしまうと、後で「こんなはずじゃなかった…」と後悔することになるかもしれません。
この記事では、防災瓦の導入を検討している方が、より賢明な判断を下せるよう、
「防災瓦の主なデメリット・注意点とは?」
「価格は本当に高い?他の屋根材と比較すると?」
「重さは?耐震性に影響はないの?」
「施工業者選びで失敗しないためのポイントは?」
「デメリットを理解した上で、それでも防災瓦を選ぶ価値はある?」
といった、防災瓦の「デメリット」や「注意点」に焦点を当て、その対策やメリットとの比較を交えながら、初心者の方にも分かりやすく徹底的に解説します!
防災瓦の基本をおさらい:なぜ「防災」なのか?
デメリットを理解する前に、まず防災瓦がなぜ「防災」性能に優れているのか、その基本的な特徴を再確認しておきましょう。
- 強固な固定方法
従来の瓦が単に桟木に引っ掛けてあるだけだったのに対し、防災瓦は瓦同士を連結するアームやロック機構を備え、さらに一枚一枚を釘やビスで下地にしっかり固定します。これにより、地震の揺れや強風によるズレ、飛散、落下を大幅に防ぎます。 - 軽量化の追求
伝統的な土葺き工法(大量の土を使う)ではなく、釘やビスで固定する「乾式工法」が主流となり、屋根全体の重量を軽減。また、瓦自体の軽量化も進んでいます。 - 優れた耐久性・防水性
瓦本来の高い耐久性や防水性に加え、形状の工夫などでさらに性能を高めた製品が多いです。
これらの特徴により、防災瓦は従来の瓦に比べて格段に災害に強くなっているのです。
知っておくべき防災瓦の3つの主なデメリット・注意点
多くのメリットを持つ防災瓦ですが、導入を検討する際には以下のデメリットや注意点も十分に理解しておく必要があります。
デメリット1:初期費用が比較的高価になる傾向
- 内容
防災瓦自体の製品価格が、スレート屋根や一部の金属屋根といった他の屋根材と比較すると高価になる傾向があります。また、特殊な固定方法や丁寧な施工が求められるため、施工費用(人件費)も高くなる場合があります。 - 比較
- スレート屋根や安価な金属屋根: 初期費用は抑えられますが、定期的な塗装メンテナンス(10年~15年ごと)が必要です。
- 従来の日本瓦: 製品価格は防災瓦と大差ないか、場合によっては防災瓦の方が高機能な分、やや高価になることもあります。
- 考えるべきポイント
- 長期的なコストパフォーマンス: 防災瓦は、瓦本体の耐久性が非常に高く、塗り替えの必要がないため、約30年以上の長期間で見ると、塗装メンテナンスが必要な屋根材よりもトータルコスト(ライフサイクルコスト)は安くなる可能性があります。
- 災害時の修繕費用リスクの軽減: 地震や台風で屋根が大きな被害を受けた場合の修繕費用は非常に高額になります。防災瓦は、そのリスクを軽減することで、結果的に将来的な出費を抑える効果も期待できます。
- 対策・考え方
- 初期費用だけでなく、長期的なメンテナンスコストや災害リスクも考慮して、総合的なコストパフォーマンスを比較検討しましょう。
- 複数の業者から見積もりを取り、適正価格を見極めることが重要です。
デメリット2:他の軽量屋根材と比較するとまだ「重い」
- 内容
防災瓦は、従来の土葺き瓦に比べれば大幅に軽量化されています。例えば、ケイミュー社の「ROOGA(ルーガ)」シリーズのような樹脂混入繊維補強軽量セメント瓦は、陶器瓦の約半分程度の重さを実現しています。
しかし、スレート屋根(1㎡あたり約20kg)や、特にガルバリウム鋼板などの金属屋根(1㎡あたり約5kg)と比較すると、防災瓦(軽量タイプでも1㎡あたり約35kg~、一般的な陶器製防災瓦では約45kg~)は依然として「重い」屋根材に分類されます。 - 耐震性への影響
- 屋根が重いほど、地震時の建物の揺れは大きくなる傾向があります。そのため、「屋根は軽ければ軽いほど耐震性に有利」という観点からは、金属屋根などに軍配が上がります。
- 考えるべきポイント
- 建物全体の耐震性
屋根の重さだけで建物の耐震性が決まるわけではありません。現在の建築基準法(新耐震基準)に則って建てられた住宅であれば、瓦の重量を考慮した上で構造計算がされているため、防災瓦の重さが直接的な耐震性の問題に繋がることは少ないとされています。 - 古い建物のリフォームの場合
耐震基準が古い建物に防災瓦を葺き替える場合は、屋根の重量増が建物に与える影響を慎重に検討する必要があります。専門家による耐震診断を受け、必要であれば補強工事を行うことも考慮しましょう。より軽量な防災瓦(ハイブリッド瓦など)を選ぶのも一つの方法です。
- 建物全体の耐震性
- 対策・考え方
- 建物の築年数や構造、耐震性を考慮し、専門家と相談しながら最適な屋根材を選びましょう。
- 防災瓦の持つ他のメリット(耐久性、断熱性、美観など)と、重量のデメリットを総合的に比較検討することが大切です。
デメリット3:強い衝撃による「割れ」の可能性は残る
- 内容
防災瓦は、瓦同士の固定が強化され、ズレや落下には非常に強くなっています。しかし、瓦の素材自体(特に陶器瓦やセメント瓦)は、硬いものであるため、大きな飛来物が衝突したり、非常に大きな雹(ひょう)が当たったりした場合など、強い局所的な衝撃によっては割れてしまう可能性は依然として残ります。 - 比較
- 金属屋根は割れることはありませんが、へこむ可能性があります。
- スレート屋根も衝撃で割れやすい性質があります。
- 考えるべきポイント
- 部分的な補修の可否
瓦屋根のメリットの一つは、破損した瓦を一枚単位で交換できることです。防災瓦も同様に、割れた部分だけを差し替えることが可能です(ただし、固定方法が複雑なため、専門的な技術が必要です)。 - 軽量瓦(ハイブリッド瓦)の耐衝撃性
ケイミュー社の「ROOGA(ルーガ)」のように、素材自体に粘り強さを持たせ、衝撃による割れに非常に強い防災瓦も開発されています。
- 部分的な補修の可否
- 対策・考え方
- 立地条件(飛来物のリスクが高い場所など)を考慮し、必要であればより耐衝撃性の高い種類の防災瓦を選ぶことも検討しましょう。
- 万が一割れてしまった場合に備え、火災保険の「風災・雹災」補償などを確認しておくことも大切です。
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【表】防災瓦の主なデメリットと対策のポイント
| デメリット・注意点 | 具体的な内容・影響 | 対策・考えるべきポイント |
|---|---|---|
| 1. 初期費用が比較的高価 | 製品価格や専門的な施工費用により、スレート屋根や一部金属屋根より高くなる傾向。 | 長期的なメンテナンスコスト(塗装不要など)や災害リスク軽減効果を含めたトータルコストで比較検討する。複数の業者から見積もりを取る。 |
| 2. 他の軽量屋根材と比較するとまだ「重い」 | スレート屋根(約20kg/㎡)、金属屋根(約5kg/㎡)に対し、防災瓦は約35kg/㎡~。地震時の揺れへの影響は金属屋根より大きい。 | 新耐震基準の建物であれば基本的に問題なし。古い建物の場合は耐震診断を検討。より軽量なハイブリッド瓦なども選択肢に入れる。建物全体のバランスで考える。 |
| 3. 強い衝撃による「割れ」の可能性は残る | 素材が陶器やセメントの場合、大きな飛来物や巨大な雹などで割れることはある。ズレや落下はしにくい。 | 部分的な瓦の交換が可能。より耐衝撃性の高い軽量瓦(ハイブリッド瓦など)も存在する。火災保険の確認。 |
| 4. 施工できる業者が限られる場合がある | 特殊な固定方法や製品知識が必要なため、防災瓦の施工経験が豊富な専門業者を選ぶ必要がある。 | 瓦屋根専門の工事業者や、各メーカーの認定施工店などに相談する。施工実績を確認する。 |
| 5. デザインの選択肢(従来の日本瓦との比較) | 伝統的な日本瓦の持つ「いぶし銀」のような風合いや、非常に多様な形状・役瓦の種類と比べると、防災瓦のデザインのバリエーションは限定的と感じる場合があるかもしれない。(ただし、近年はデザインも非常に豊富になっている) | 各メーカーのカタログやウェブサイトで、和型・平板型・洋瓦型など、建物のスタイルに合うデザインを探す。サンプルを取り寄せて確認する。 |
デメリットを理解した上で、それでも防災瓦を選ぶ価値とは?
ここまで防災瓦のデメリットや注意点を見てきましたが、これらを理解した上で、それでも防災瓦を選ぶことには大きな価値があります。
- 災害への圧倒的な安心感: 地震や台風の際に「屋根が大丈夫だろうか」という不安を大幅に軽減できます。これは何物にも代えがたいメリットです。
- 長期的な視点での経済性: 初期費用は高くても、塗装メンテナンスが不要であることや、災害による修繕リスクが低いことを考えると、長い目で見れば経済的である可能性が高いです。
- 美観の維持: 陶器瓦などは色褪せしにくく、長期間美しい外観を保つことができます。
- 住環境の快適性: 断熱性や遮音性に優れた製品が多く、快適な室内環境づくりに貢献します。
大切なのは、デメリットを正しく認識し、それを上回るメリットがあるかどうか、ご自身の価値観や住まいの状況、予算と照らし合わせて総合的に判断することです。
まとめ:防災瓦のデメリットも知って、賢く選んで安心な屋根を実現しよう!
防災瓦は、日本の厳しい自然環境に対応するために進化した、非常に優れた屋根材です。しかし、完璧な建材というものは存在せず、必ずメリットとデメリットがあります。
防災瓦のデメリットを理解し、後悔しない選択をするための重要ポイント
- 初期費用は他の屋根材より高くなる可能性があることを認識する。しかし、長期的なコストで比較する視点を持つ。
- 金属屋根などに比べると重量があるため、特に古い建物の場合は耐震性への影響を専門家と相談する。
- 強い衝撃で割れる可能性はゼロではないことを理解し、必要に応じて耐衝撃性の高い種類を選ぶ。
- 施工には専門的な技術が必要なため、信頼できる経験豊富な業者を選ぶことが最も重要。
- デザインの選択肢も確認し、建物の外観との調和を考える。
防災瓦の導入を検討する際には、メリットだけでなく、これらのデメリットや注意点もしっかりと業者に確認し、納得のいく説明を受けることが大切です。
この記事が、あなたの防災瓦選びの一助となり、より安全で安心な住まいづくりに貢献できれば幸いです。
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