HOME » 外装関連工事・リフォーム » 外壁リフォーム » 【モルタル外壁の種類】モルタルとは?5つのデザインパターンと、サイディングとの違いを解説

「モルタル外壁って、よく聞くけどどんな壁なの?」
「リシンとかスタッコとか、模様の種類がたくさんあって違いが分からない…」
「デザインは好きだけど、ひび割れしやすいって本当?」

1990年代まで日本の住宅の主流だった「モルタル外壁」
職人が手作業で仕上げる、温かみのある独特の風合いは、サイディングが主流となった現代でも根強い人気を誇ります。

しかし、一口にモルタル外壁と言っても、その仕上げ(模様付け)の方法によって、見た目のデザインや特徴、メンテナンス方法まで大きく異なることはご存知でしたか?

この記事では、これから家を建てる方や、ご自宅がモルタル壁の方に向けて、

  • そもそもモルタル壁とは?サイディングとの根本的な違い
  • 【写真で解説】リシン、スタッコなど代表的な5つの仕上げ種類
  • モルタル外壁ならではのメリットと、避けては通れない弱点
  • 長く美しく保つためのメンテナンスのポイント

などを、家づくりの初心者の方にも分かりやすく、とことん丁寧に解説します。この記事を読めば、モルタル外壁の種類の違いが完全に理解でき、デザイン選びやメンテナンス計画に役立ちます。

1. そもそも「モルタル外壁」とはどんな種類?

モルタル

モルタル外壁とは、セメント・砂・水を混ぜ合わせた「モルタル」という材料を、職人が現場で金網(ラス網)の上に手塗りして作る「塗り壁」の一種です。

工場で生産されたパネル(板)を張り合わせる「サイディング」と違い、壁に継ぎ目(目地)がない、一体感のあるシームレスな仕上がりが最大の特徴です。

モルタル壁サイディング壁
工法現場で職人が手塗り(湿式工法)工場で生産されたパネルを張る(乾式工法)
継ぎ目なしあり(コーキングで埋める)
デザイン職人の手作業による自由な模様付けパネルにプリントされたデザイン
工期・費用長い・高い短い・安い

より詳しく知りたい方は
下記よりお問い合わせください。

フリーダイヤル 0120-905-454 (平日・土曜 9:00~18:00)

2.【仕上げの種類】あなたの家のモルタルはどのタイプ?

モルタル外壁の魅力は、最終的な仕上げ(模様付け)の方法によって、多彩な表情を生み出せる点にあります。代表的な5つの種類を見ていきましょう。

種類①:リシン吹付【最もオーソドックス】

  • 特徴:
    細かく砕いた石や砂を塗料に混ぜ、スプレーガンで吹き付けて仕上げます。表面はザラザラとした艶消し(マット)な質感になります。
  • メリット: 落ち着いた風合いで、コストが比較的安い。
  • デメリット: 表面の凹凸に汚れやコケが付きやすい。塗膜が硬いため、ひび割れしやすい。

種類②:スタッコ仕上げ【重厚感・高級感】

  • 特徴:
    リシンよりも大きな骨材(砂利など)を混ぜ、厚く塗り付けた仕上げ。リシンよりも凹凸が深く、立体的で重厚感があります。「吹き付け」と「コテ仕上げ」があります。
  • メリット: 高級感があり、厚みがある分、耐久性が高い。
  • デメリット: 凹凸が深いため、汚れが非常に溜まりやすい。塗り替え時の塗料使用量が多くなり、費用が割高になる。

種類③:吹付タイル(ボンタイル)【弾力性があり、ひび割れに強い】

  • 特徴:
    骨材を含まない、粘りのある塗料(タイル材)をスプレーガンで吹き付け、陶磁器のような硬質でなだらかな凹凸を作ります。表面は比較的ツルツルしています。
  • メリット: 弾力性があるため、ひび割れに強い(追従する)。汚れも付きにくい。
  • デメリット: 施工時の塗料の飛散や、コンプレッサーの騒音に注意が必要。

種類④:リシン掻き落とし/櫛引(くしびき)仕上げ【シャープな印象】

  • 特徴:
    塗り壁材を厚く塗り、完全に乾く前に剣山のような道具で表面を引っ掻いたり(掻き落とし)、櫛(くし)で模様を引いたり(櫛引)して仕上げます。シャープなラインが特徴的です。
  • メリット: 独特の風合いと高級感がある。
  • デメリット: 非常に手間がかかるため、費用が高額になる。

種類⑤:左官(さかん)仕上げ【デザインの自由度No.1】

モルタル 左官仕上げ
  • 特徴:
    職人がコテを使い、手作業で扇模様やウェーブ模様など、様々なパターンを描き出す仕上げ方です。アイカ工業の「ジョリパット」などが代表的な仕上げ材として有名です。
  • メリット: 世界に一つだけのオリジナルデザインが可能。手仕事ならではの温かみと味わいがある。
  • デメリット: 仕上がりが職人の技術力に大きく左右される。

3. モルタル外壁のメリットと、避けて通れない弱点

デザイン性の高さが魅力のモルタルですが、メリットだけでなく、知っておくべき弱点もあります。

モルタル外壁のメリットモルタル外壁のデメリット(弱点)
◎ デザインの自由度が非常に高い× ひび割れ(クラック)が発生しやすい
◎ 継ぎ目がなく、美しい仕上がり× 汚れやコケが付着しやすい
◎ 耐火性が高い× 工期が長く、費用が高い
× 職人の腕で品質が左右される

最大の弱点:「ひび割れ(クラック)」

モルタル ひび

モルタルは、乾燥する過程で水分が蒸発し、収縮します。この収縮によって、どうしても表面に細かなひび割れが発生しやすいのです。また、地震の揺れを壁全体で受け止めるため、サイディングのように目地で力を逃がすことができず、ひび割れに繋がります。
このひび割れから雨水が浸入すると、雨漏りや内部の構造材を腐らせる原因になるため、定期的な点検と塗装による防水メンテナンスが非常に重要です。

4. モルタル外壁のメンテナンス方法

ポイント

モルタル外壁を長く美しく保つためには、10年前後を目安に塗装メンテナンスが必要です。

  • 塗装
    ひび割れを補修した上で、新しい塗料を塗って防水性を回復させます。モルタル外壁のひび割れ対策には、塗膜が伸び縮みしてひび割れに追従する「弾性塗料」を選ぶのがおすすめです。
  • 部分補修
    軽微なひび割れや剥がれは、コーキング材などで部分的に補修することも可能です。ただし、補修跡が目立つため、外壁全体の塗装と同時に行うのが一般的です。

5. まとめ

職人の手仕事が生み出す、温もりとデザイン性が魅力のモルタル外壁。その種類と特徴を正しく理解することが、後悔しない家づくりの第一歩です。

  • モルタル外壁は、継ぎ目のない美しい「塗り壁」の一種。
  • 仕上げ方の種類は主に5つ。デザインや特徴、価格がそれぞれ異なる。
  • 最大のメリットは「デザインの自由度の高さ」。
  • 最大の弱点は「ひび割れ(クラック)の発生しやすさ」。
  • ひび割れ対策には、10年前後の定期的な塗装と、「弾性塗料」の選択が有効。

サイディングにはない、唯一無二の表情を持つモルタル外壁。その特性を理解し、愛情を持ってメンテナンスをしてあげることで、長く付き合っていける素晴らしい外壁材です。これから家を建てる方も、すでにお住まいの方も、この記事を参考に、ぜひご自宅の外壁に目を向けてみてください。

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