HOME » 屋根修理を依頼する前に » 屋根の形状 » 陸屋根とは?メリット・デメリットから防水工事の種類、後悔しないための全知識まで徹底解説
陸屋根メンテナンス

「最近よく見る、あの平らな屋根ってなんて言うの?」
「『陸屋根(ろくやね)』っていうらしいけど、どんな特徴があるんだろう?」
「屋上が使えるのは魅力的だけど、雨漏りが心配…」

ビルやマンションで一般的な、傾斜のない平らな屋根「陸屋根(ろくやね/りくやね)」
そのモダンでスタイリッシュな外観と、屋上空間を有効活用できるという魅力から、近年、一般の戸建て住宅でも採用するケースが増えています。

しかし、その開放的なイメージの裏には、日本の気候とは相性の悪い、深刻なデメリットも隠されています。

この記事では、「陸屋根とは何か?」という基本から、

  • 他の屋根(三角屋根)との決定的な違い
  • 屋上ライフが楽しめる!陸屋根ならではのメリット
  • 【最重要】雨漏りしやすい!デメリットと必須の防水工事
  • 後悔しないために!陸屋根を選ぶ際の4つの注意点

などを、家づくりが初めての方にも分かりやすく、とことん丁寧に解説します。この記事を読めば、陸屋根の全てが分かり、あなたの理想の住まいに本当に適しているのかを自信を持って判断できるようになります。

1. 陸屋根とは?「屋上」を持つフラットな屋根

屋上陸屋根 防水

陸屋根とは、その名の通り「陸地」のように、勾配(傾斜)がほとんどない平らな屋根のことです。「平屋根」や「フラットルーフ」とも呼ばれます。

一般的な三角屋根が「屋根材」で雨を防ぐのに対し、陸屋根は屋根の表面に「防水層」という特殊な膜を施工することで、建物内部への水の浸入を防いでいます。
また、見た目は真っ平ですが、実際には雨水を排水口へ導くためのごくわずかな傾斜(水勾配)がつけられています。

なぜ木造住宅には少ない?

伝統的に、雨の多い日本の木造住宅では、雨水を素早く流すために傾斜のついた屋根が主流でした。陸屋根は、主に鉄筋コンクリート(RC)造のビルやマンションで採用されてきましたが、近年の防水技術の向上により、木造住宅でも施工が可能になっています。

より詳しく知りたい方は
下記よりお問い合わせください。

フリーダイヤル 0120-905-454 (平日・土曜 9:00~18:00)

2. 陸屋根がもたらす4つの大きなメリット

ポイント

陸屋根が選ばれる理由は、そのユニークな形状がもたらす多くのメリットにあります。

メリット①:屋上空間を有効活用できる

これが最大のメリットです。屋根の上をプライベートな屋外空間として活用できます。

  • 屋上庭園・家庭菜園
  • ウッドデッキを敷いて、セカンドリビングやバーベキュースペースに
  • 洗濯物干し場や、子どもの遊び場として
  • 太陽光パネルを最適な角度・方角で設置できる

敷地が限られる都市部の住宅でも、もう一つの庭を手に入れることができるのは大きな魅力です。

メリット②:メンテナンスが簡単で、費用も抑えやすい

屋根面が平らで歩きやすいため、点検や清掃が非常に簡単です。専門業者によるメンテナンスの際も、三角屋根のように大掛かりな足場が不要なケースが多く、1回あたりのメンテナンス費用を15万円~25万円ほど節約できます。

メリット③:モダンでスタイリッシュな外観

凹凸のないシンプルなキューブ型の外観は、モダンで都会的な印象を与えます。デザイン性を重視する方には非常に人気の高い形状です。

メリット④:落雪のリスクが少ない

傾斜がないため、屋根に積もった雪が一度に滑り落ち、隣家や通行人に被害を与えるといった落雪事故のリスクがほとんどありません。雪下ろし作業も、三角屋根に比べて安全に行えます。

3.【最重要】後悔しないために!陸屋根の3つのデメリットと必須の対策

ポイント

魅力的な陸屋根ですが、平らな形状だからこその深刻なデメリットも存在します。これらを理解し、対策を講じることが絶対に不可欠です。

デメリット①:雨漏りのリスクが非常に高い

  • 原因:
    傾斜がないため水はけが非常に悪く、雨水が長時間滞留しやすいのが最大の弱点です。排水口(ドレン)の詰まりや、表面の防水層のわずかな亀裂から、雨水が簡単に浸入してしまいます。
  • 【必須の対策】定期的な防水メンテナンス
    陸屋根を維持するためには、10年~15年周期での防水工事が絶対に必要です。これを怠ると、確実に雨漏りを引き起こします。また、落ち葉などで排水口が詰まらないよう、こまめな清掃も欠かせません。

デメリット②:最上階が夏は暑く、冬は寒い

  • 原因:
    一般的な三角屋根にある「屋根裏空間」が陸屋根にはありません。そのため、夏は屋根が受けた太陽の熱が、冬は外の冷気が、ダイレクトに最上階の天井から室内に伝わってしまいます。
  • 【必須の対策】しっかりとした断熱工事
    陸屋根を採用する場合は、屋根の構造部分に高性能な断熱材を施工することが必須です。断熱対策が不十分だと、光熱費が非常にかかる、住み心地の悪い家になってしまいます。

デメリット③:屋根裏収納(ロフト)が作れない

  • 原因:
    前述の通り、屋根裏空間がないため、収納や趣味のスペースとして人気のロフトや小屋裏収納を作ることができません。
  • 対策:
    収納計画を立てる際は、屋根裏以外のスペースで十分に確保できるか、事前に検討する必要があります。

4. 陸屋根の命綱!「防水工事」の種類と費用相場

陸屋根の寿命は、防水工事の種類と品質で決まります。代表的な4つの防水工法を知っておきましょう。

防水工法の種類特徴耐用年数費用相場(㎡単価)
ウレタン防水液状のウレタン樹脂を塗る、最もポピュラーな工法。複雑な形状にも対応可能。10年~13年7,500円~11,000円
シート防水塩ビやゴム製の防水シートを貼り付ける工法。工期が短く、費用も比較的安い。10年~15年6,500円~8,500円
FRP防水ガラス繊維で強化したプラスチックでコーティングする工法。非常に硬く、耐久性が高い。8年~12年5,000円~8,000円
アスファルト防水アスファルトを含んだシートを何層にも重ねる、最も信頼性の高い工法。重いため木造には不向き。15年~25年7,000円~10,000円

プロの視点

一般の木造住宅の陸屋根では、施工のしやすさとコストパフォーマンスから「ウレタン防水」または「FRP防水」が選ばれることが多いです。

5. まとめ:陸屋根とは、計画的なメンテナンスが必須の上級者向けの屋根

今回は、モダンな外観と屋上活用が魅力の「陸屋根とは何か」を解説しました。

  • 陸屋根とは、勾配のない平らな屋根のこと。
  • メリットは「屋上活用」「メンテナンスのしやすさ」「モダンな外観」。
  • 最大のデメリットは「雨漏りリスクの高さ」。10~15年ごとの防水工事が絶対に不可欠。
  • 「夏の暑さ・冬の寒さ」対策のため、高性能な断熱材の施工も必須。
  • 成功のカギは、防水・断熱工事の実績が豊富な、信頼できる業者に依頼すること。

陸屋根は、そのデメリットを正しく理解し、計画的なメンテナンスを継続する覚悟があって初めて、その魅力を最大限に享受できる、いわば「上級者向けの屋根」と言えるかもしれません。
しかし、その手間をかけるだけの価値がある、唯一無二のライフスタイルを提供してくれるのも事実です。この記事を参考に、あなたの家づくりに陸屋根が本当に合っているのか、じっくりと検討してみてください。

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「雨漏りが気になっていましたが、しっかりと原因を特定し、丁寧に施工していただきました」(40代・女性)

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