HOME » 外装関連工事・リフォーム » 屋上防水工事 » 【屋上防水に遮熱塗料は必須?】効果・費用・選び方を徹底解説!夏の暑さ対策と防水層保護のW効果

「マンションの屋上、夏はものすごく暑いけど、何か対策できないかな?」
「屋上防水工事のついでに、暑さ対策もできたらいいんだけど…」
「遮熱塗料って屋根だけじゃないの?屋上にも効果があるの?」

建物の屋上は、太陽光を最も直接的に受ける場所。特に夏場は、屋上の表面温度が70℃以上に達することもあり、その熱が建物内部に伝わることで室温が上昇し、冷房効率の低下や不快感の原因となります。さらに、この過酷な熱環境は、屋上の防水層の劣化を早める大きな要因の一つでもあります。

そこで注目されているのが、屋上防水工事における「遮熱塗料」の活用です。
「防水工事は雨漏りを防ぐためでしょ?遮熱塗料って本当に必要なの?」と思われるかもしれません。

この記事では、
「なぜ屋上防水に遮熱塗料が使われるの?」
「遮熱塗料を屋上に塗ると、どんな効果があるの?」
「遮熱塗料のメリット・デメリット、費用は?」
「どんな遮熱塗料を選べばいいの?施工時の注意点は?」
といった疑問を解消するため、屋上防水における遮熱塗料の重要性、具体的な効果、選び方のポイント、そして施工時の注意点まで、初心者の方にも分かりやすく徹底的に解説します!

なぜ屋上には「防水」だけでなく「遮熱」も重要なのか?

屋上防水

マンションやビルの屋上は、その多くが「陸屋根(りくやね・ろくやね)」と呼ばれる平らな形状をしています。この陸屋根は、雨漏りを防ぐために「防水工事」が不可欠です。しかし、それだけでは十分とは言えません。

1. 過酷な熱環境が防水層を劣化させる

  • 屋上は、太陽光(特に赤外線)を遮るものがなく、直接かつ長時間浴び続けます。
  • これにより、防水層の表面温度は非常に高くなり、熱による膨張・収縮を繰り返したり、素材そのものが劣化したりします。
  • ある研究によれば、防水層の表面温度が高いほど、その劣化速度は速まることが示されています。
  • つまり、屋上の「熱」は、雨漏りを防ぐための大切な防水層の寿命を縮める大きな原因なのです。

2. 断熱材だけでは不十分な場合も

  • 「うちのマンションの屋上には断熱材が入っているから大丈夫」と思われるかもしれません。
  • 確かに、断熱材は建物内部へ熱が伝わるのを遅らせる効果がありますが、太陽光を反射する「遮熱」の機能はありません。
  • そのため、断熱材があっても防水層自体の表面温度は高温になり、劣化は進行します。
  • より効果的な暑さ対策と防水層保護のためには、断熱材(熱を伝えにくくする)と遮熱(太陽光を反射する)の両方のアプローチが重要になります。

3. 省エネと快適性への貢献

  • 屋上からの熱の侵入を抑えることで、最上階の室温上昇を緩和し、エアコンの使用量を減らすことができます。
  • これは、居住者の快適性向上だけでなく、光熱費の削減、さらには地球温暖化抑制への貢献にも繋がります。

これらの理由から、屋上防水においては、雨水の浸入を防ぐ「防水性」だけでなく、太陽光の熱の影響を軽減する「遮熱性」も非常に重要な要素となるのです。

「遮熱塗料」とは?屋上を涼しくするメカニズム

「遮熱塗料」とは、その名の通り、太陽光に含まれる熱エネルギー(主に近赤外線)を効率よく反射することで、塗装面の温度上昇を抑える機能を持つ塗料のことです。

【遮熱塗料の基本的な仕組み】

  • 太陽光には、目に見える可視光線、日焼けの原因となる紫外線、そして熱を感じる赤外線などが含まれています。
  • 遮熱塗料には、この赤外線を効率的に反射する特殊な顔料やセラミック粒子などが配合されています。
  • 塗装面に太陽光が当たると、遮熱成分が赤外線を反射し、熱エネルギーが塗装面に吸収されるのを防ぎます。
  • 結果として、塗装面の温度上昇が抑制され、その熱が建物内部に伝わりにくくなります。

「遮熱」と「断熱」の違いを理解しよう

よく混同されがちですが、「遮熱」と「断熱」は異なる概念です。

項目遮熱断熱
目的太陽光(主に赤外線)を反射し、熱の吸収を抑える熱の伝導を遅らせる・抑えることで、熱の移動を防ぐ
メカニズム表面で太陽光を跳ね返す素材自体の熱伝導率の低さや空気層によって熱の移動を妨げる
遮熱塗料、遮熱シート、明るい色の素材発泡スチロール、グラスウール、ウレタンフォームなどの断熱材
塗料の場合日射反射率の高い顔料やセラミック粒子を含む(例:アステックペイント スーパーシャネツサーモF)中空ビーズなど熱伝導を抑える物質を含む(例:日進産業 ガイナ ※ガイナは遮熱と断熱のW効果を謳う)

屋上防水においては、まず遮熱塗料で太陽光の熱を反射させ、それでも透過してくる熱を断熱材でブロックするという組み合わせが、最も効果的な暑さ対策と言えるでしょう。

屋上防水に遮熱塗料を使用するメリット・デメリット

ベランダ 塗装

屋上の防水層の保護(トップコート)として遮熱塗料を使用することには、多くのメリットがありますが、デメリットも理解しておく必要があります。

【メリット】

  1. 防水層の保護・長寿命化
    • 太陽光の熱や紫外線による防水層の劣化を大幅に抑制し、防水層の寿命を延ばす効果が期待できます。これが最大のメリットの一つです。
  2. 室温上昇の抑制・省エネ効果
    • 屋上からの熱侵入を減らすことで、最上階の室温上昇を緩和し、冷房効率を高め、光熱費の削減に繋がります。体感温度で2℃程度の低下が見られることもあります。
  3. 建物全体の耐久性向上
    • 熱による建材の膨張・収縮を抑えることで、建物全体のストレスを軽減し、耐久性向上に貢献する可能性があります。
  4. 地球温暖化抑制への貢献
    • 太陽光を宇宙へ反射することで、ヒートアイランド現象の緩和など、地球温暖化抑制に貢献できます。
  5. 美観の維持
    • 一般的なトップコートと同様に、防水層を保護し美観を維持する効果もあります。

【デメリット・注意点】

  1. 初期費用が高い
    • 一般的な防水用トップコート塗料に比べて、遮熱塗料の材料費は高くなる傾向があります。1㎡あたり2,000円程度の差が出ることもあります。
  2. 効果の持続性
    • 遮熱効果は、塗膜の汚れによって低下することがあります。特に顔料系の遮熱塗料は、表面にカーボンなどが付着すると熱を吸収しやすくなるため、汚れにくい塗料を選ぶか、定期的な清掃が必要です。
  3. 冬場の効果
    • 遮熱塗料は夏場の太陽熱を反射しますが、冬場も同様に太陽光を反射するため、日射による暖房効果をやや低下させる可能性があります。(ただし、冬場の太陽光は角度が低く、影響は限定的という見方もあります)
  4. 色の選択肢
  5. 防水材ではないことを理解する
    • 遮熱塗料は、あくまで「防水層を保護し、遮熱効果を付加する塗料」であり、それ自体が防水機能を持つわけではありません。必ず、しっかりとした防水工事(ウレタン防水、シート防水など)を行った上で、その保護仕上げ材(トップコート)として使用することが大前提です。
  6. 施工技術が必要な場合がある
    • 塗料によっては、適切な膜厚を確保するための高度な塗装技術が必要となる場合があります。(例:日進産業 ガイナ

屋上防水の主な種類と遮熱トップコートの役割

陸屋根 防水

前述の通り、遮熱塗料は防水層の「トップコート」として使用されます。まずは、屋上防水の代表的な工法と、それぞれのトップコートの重要性について見ていきましょう。

防水工事の種類主な特徴トップコートの役割と遮熱塗料の適用
ウレタン防水液状のウレタン樹脂を塗り重ねて防水層を形成。シームレスな仕上がり。密着工法と通気緩衝工法がある。ウレタン防水層は紫外線に弱いため、トップコートによる保護が必須。アクリルウレタン系やフッ素系のトップコートが使用され、これらを遮熱タイプにすることで効果を発揮。塗り替え周期はアクリルウレタン系で3~5年、フッ素系で10年程度が目安。
FRP防水ガラス繊維で補強されたポリエステル樹脂で防水層を形成。軽量かつ高強度。FRP防水層も紫外線に弱いため、ポリエステル系やアクリルウレタン系のトップコートで保護が必要。遮熱タイプのトップコートを選定可能。
シート防水塩化ビニルシートや加硫ゴムシートなどを貼り付けて防水層を形成。均一な仕上がり。接着工法と機械的固定工法がある。塩ビシートは比較的紫外線に強いものもあるが、保護と美観のためにトップコートを塗布することが多い。水性タイプのトップコートが主に使用され、遮熱タイプも選択可能。
アスファルト防水アスファルトを含浸させたルーフィング類を積層して防水層を形成。高い防水信頼性。熱工法、トーチ工法、常温工法など。露出仕上げと保護コンクリート仕上げがある。露出アスファルト防水の場合、表面保護と美観向上のためにトップコートを塗布。遮熱タイプのトップコートも適用可能。保護コンクリート仕上げの場合は、コンクリート表面に遮熱塗装を施すことも考えられる。

トップコートの劣化症状を見逃さない!

トップコートが劣化すると、その下の防水層が直接ダメージを受けることになります。以下のような症状が見られたら、トップコートの塗り替え時期のサインです。

  • チョーキング現象: 手で触ると白い粉が付く。塗膜の劣化初期症状。
  • 剥がれ・浮き・膨れ: 塗膜の密着性が低下している状態。
  • カビ・苔・藻の発生: 塗膜の防水性が低下し、湿気を含みやすくなっている。
  • 摩耗: 人の歩行や物の設置などにより、塗膜がすり減っている。

これらの症状を放置せず、早めにトップコートの塗り替え(遮熱塗料を含む)を行うことが、防水層を長持ちさせる秘訣です。

どんな遮熱塗料を選べばいい?選び方のポイント

ペンキ 塗装

数ある遮熱塗料の中から、屋上に適したものを選ぶためのポイントをご紹介します。

  1. 日射反射率の高い色を選ぶ
    • 一般的に、白や明るいグレー、ライトグリーン、ライトブラウンなど、淡い色ほど日射反射率が高く、遮熱効果も高くなります。 多くの遮熱塗料メーカーは、色ごとの日射反射率を公開していますので参考にしましょう。
  2. 汚れにくい塗料を選ぶ
    • 前述の通り、塗膜の汚れは遮熱効果を低下させる大きな原因です。低汚染性(汚れにくい)機能を持つ塗料や、セラミック系の遮熱塗料(汚れが付着しても効果が持続しやすいとされる)などを選ぶと良いでしょう。
  3. 耐久性(耐候性)の高い塗料を選ぶ
    • トップコートの塗り替え頻度を減らすためには、耐候性の高い塗料(例:フッ素系など)を選ぶことが重要です。初期費用は高くても、長期的に見ればメンテナンスコストを抑えられます。
  4. 既存の防水層との相性を確認する
    • 使用されている防水材の種類(ウレタン、FRP、塩ビシートなど)によって、適合するトップコートの種類が異なります。必ず専門業者に確認し、適合するものを選びましょう。
  5. 実績のあるメーカー・製品を選ぶ
    • 遮熱塗料は多くのメーカーから販売されています。施工実績が豊富で、信頼できるメーカーの製品を選ぶと安心です。

遮熱塗料を屋上に施工する際の注意点

屋上防水メンテナンス

遮熱塗料の効果を最大限に引き出し、長持ちさせるためには、施工時の注意点も重要です。

  • 適切な下地処理
    高圧洗浄で汚れや旧塗膜をしっかり落とし、必要に応じて補修を行うなど、下地処理を丁寧に行うことが塗料の密着性を高め、仕上がりと耐久性に大きく影響します。
  • 適切な乾燥時間
    塗料メーカーが指定する乾燥時間を守ることが重要です。乾燥が不十分なまま重ね塗りをすると、塗膜の不具合の原因になります。
  • 気候条件の確認
    雨の日や湿度が高い日、気温が低い日(一般的に5℃以下)の塗装は避けるべきです。また、夏場の高温時や強風時の塗装も、塗膜の品質に影響を与える可能性があります。
  • 専門業者による施工
    遮熱塗料の性能を十分に発揮させるためには、正しい知識と技術を持った専門業者による施工が不可欠です。特に、塗料の種類によっては特殊な技術が必要となる場合もあります。DIYでの施工は避け、信頼できる業者に依頼しましょう。

まとめ:屋上防水+遮熱塗料で、快適・長持ち・省エネな建物を実現!

屋上防水工事の際に遮熱塗料をトップコートとして使用することは、単に防水層を保護するだけでなく、夏の暑さ対策、省エネ、そして建物全体の耐久性向上にも繋がる非常に有効な手段です。

屋上防水における遮熱塗料活用の重要ポイント:

  • 屋上の過酷な熱環境から防水層を守り、寿命を延ばす。
  • 太陽光の熱を反射し、最上階の室温上昇を抑制、冷房効率を上げる。
  • 防水工事とセットで考え、トップコートとして使用する。
  • 塗料の色や種類(汚れにくさ、耐久性)を考慮して選ぶ。
  • 信頼できる専門業者に、適切な下地処理と施工を依頼する。

初期費用は一般的なトップコートよりも高くなる場合がありますが、長期的な視点で見れば、防水層の保護効果によるメンテナンスコストの削減や、光熱費の削減効果によって、十分に元が取れる可能性も期待できます。

大切なマンションやビルの快適性と資産価値を維持するために、次回の屋上防水メンテナンスの際には、ぜひ遮熱塗料の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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