陸屋根の場合は、屋上のメンテナンスとして、定期的に防水工事を実施する必要があります。
その理由は、平らな部分の多い陸屋根は、防水効果が切れたときに雨漏りが発生しやすくなるからです。ここでは、防水工事の必要性や防水効果を長持ちさせるポイントを紹介します。
屋上が陸屋根の場合
陸屋根は、「りくやね」「ろくやね」と呼ばれる屋根のことです。
傾斜がなく、平らな屋根です。
瓦屋根のように傾斜がなく、屋上スペースを有効活用したいと考えている方には、陸屋根をおすすめします。
技術の向上により、一般住宅にも陸屋根を採用するケースが増えています。
ビルやマンションの屋上は、陸屋根になっていることが多く、このスペースを活用して屋上庭園や家庭菜園を作ったり、洗濯ものを干したりすることができます。
陸屋根のメンテナンス
陸屋根は、メンテナンスも容易です。
点検や作業も足場を組む必要がありませんので、雨漏りやメンテナンスの必要な時期もすぐにわかります。
屋上スペースがあっても何も使用していない場合は問題ありませんが、屋上を有効活用しようと屋上緑化をしていたり、頻繁に使用しているなら、雨漏りの危険性が高くなります。
雨が降ったときに、水はけが悪くなることが多く、ゴミが溜まりやすいこともあり、陸屋根の防水性能が切れた時点で雨漏りが発生します。
屋上・陸屋根の防水性能には寿命があり、陸屋根では定期的なメンテナンスや防水工事が必須となります。
防水工事の種類
屋上の防水工事では、ウレタン防水と呼ばれるウレタンを塗って防水を行う方法と塩ビシートを貼って防水を行う方法があります。
いずれの方法でも、メリットやデメリットがあり、その特徴をよく理解したうえで防水工事を行う必要があります。
ウレタン防水のメリット・デメリット
ウレタン防水は、コテ、刷毛、ローラーを使い丁寧に塗っていく工法です。
通気工法と密着工法があります。
ウレタン防水は、塗る防水のため、継ぎ目がない防水層を作ることができます。
ただ、ウレタンの臭いは大変強く、施工時にはご近所の方にもその強い臭いがクレームになることがあります。
シート防水のメリット・デメリット
シート防水は、厚さが数ミリの塩化ビニル樹脂のシートを貼っていく防水方法です。
屋上に障害物が多いと施工しにくくなります。
塩ビシートは、厚さが均一で品質も一定です。
ただし、継ぎ目がありますので、シートとシートの重なり部分にわずかな段差ができてしまいます。
防水工事では、直接施工する密着工法と絶縁シートや緩衝マットを敷く通気工法があり、低コストで歩行や往来を考えているなら密着工法、長期的な防水効果を期待するなら少し費用がかかりますが通気工法がいいでしょう。
防水効果を長持ちさせるには?
屋上・陸屋根の防水効果を長持ちさせるには、その場所に合った防水方法を選ぶだけではなく、防水工法選びにも慎重になったほうがいいでしょう。
ウレタン防水、シート防水では、寿命に違いがあり、ウレタン防水は、10年~13年程度の寿命ですが、6年ごとにメンテナンスが必要です。
シート防水は、シート素材の種類により、10年~20年の寿命の違いがありますが、寿命までメンテナンスは不要というものが多くなっています。
長期的な防水効果を期待するなら、低価格の密着工法よりも、通気工法を選択したほうがいいでしょう。
密着工法の「膨れ」
密着工法では、防水面の膨れが発生する可能性が高くなります。
夏場の気温上昇で湿気が熱せられ防水層の下面で蒸発しようとして膨れが出来てしまう現象です。
改修工事の場合に、建物内に溜まっていた雨水があれば、この現象が起きやすくなります。
密着工法では、膨れの現象は避けられません。
通気工法であれば、通気層を設けるため、膨れの現象は起こりません。防水層を長持ちさせるには、防水工法にも慎重になりましょう。
屋上陸屋根にこんな症状が出たらお早めに修理・防水工事を
屋上陸屋根のメンテナンスにおいて、目安となる時期はありますが、こんな症状が見られたら、修理あるいは防水工事をやり直したほうがいいでしょう。
屋上の表面を見て、ヒビや亀裂が入っている、雨漏りの症状が出ているなどです。
軒先天井にもシミが見られたら、屋上陸屋根のどこかに不具合があり、雨漏りが発生している可能性があります。
また、雨漏りがするだけではなく、夏場の室内の暑さにも困っているなら、屋上陸屋根の防水効果もなくなっている可能性が高いといえます。
さらに、家を建てて、10年以上が経っているなら、屋上のメンテナンスの時期を迎えています。
一度もメンテナンスや点検も実施したことがない場合は、まずは専門家に相談し、チェックや点検を依頼してください。
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