HOME » 屋根修理を依頼する前に » 屋根の形状 » 【棟の積み直し】その棟修理、「積み直し」が必要かも?工事内容と費用、工法の違いをプロが伝授
鬼瓦のずれ

「屋根のてっぺんの瓦が波打っている…」
「業者に漆喰の剥がれを指摘されたけど、どんな修理が必要なの?」

屋根の頂上で家全体を守る「棟(むね)」。この部分の劣化サインに気づいたとき、修理方法として提案されるのが「棟の積み直し」と「漆喰の補修」です。

しかし、この2つの工事、名前は似ていますが内容は全くの別物。違いを知らずに安易な修理を選ぶと、数年後に再びトラブルが発生し、余計な費用がかかってしまうことも少なくありません。

この記事では、「棟の積み直し」とは一体どんな工事なのか、その全貌を徹底的に解剖します。

  • 「漆喰補修」との決定的な違い
  • 写真で見る詳しい工事のステップ
  • 工法ごとのリアルな費用相場と内訳
  • 耐久性を左右する現代の「乾式工法」とは?

これらの情報を、初心者の方にも分かりやすく解説。この記事を読めば、ご自宅の屋根に本当に必要な修理が何かを正しく理解し、安心して工事を依頼できるようになります。

「棟の積み直し」と「漆喰補修」は全くの別物!

まず、棟の修理を検討する上で最も重要な、2つの工事の違いから見ていきましょう。

棟の構造を知ろう!

棟は、一番上の「冠瓦(かんむりかわら)」、その下に積まれた「のし瓦」、そして瓦を固定し隙間を埋める「漆喰(しっくい)」と、その内部にある土台「葺き土(ふきつち)」で構成されています。

漆喰の補修とは?【表面的な化粧直し】

「漆喰の補修」は、古くなってひび割れたり剥がれたりした表面の漆喰だけを剥がし、新しく塗り直す工事です。

  • 目的:見た目の改善と、内部の葺き土を雨水から保護する応急処置。
  • 費用目安:5万~15万円
  • 注意点:あくまで表面的な修理です。すでに内部の葺き土が流出していたり、棟全体が歪んでいたりする場合には、根本的な解決にはなりません。

棟の積み直しとは?【内部からの根本修理】

一方、「棟の積み直し」は、一度棟を完全に解体し、劣化した葺き土などをすべて撤去。新しい土台(南蛮漆喰など)を作り直し、その上から瓦を一から積み直していく工事です。

  • 目的:棟の歪みやズレを根本から解消し、新築時のような強固な状態に再生すること。
  • 費用目安:20万~50万円
  • この工事が必要なサイン
    • 棟が全体的に波打っている、歪んでいる
    • 瓦が大きくズレたり、浮いたりしている
    • 漆喰が広範囲に剥がれ落ち、内部の土が見えている

【工事内容の比較】

漆喰の補修棟の積み直し
イメージ表面の化粧直し内部からのオーバーホール
工事範囲表面の漆喰のみ棟を一度すべて解体・再構築
効果応急処置・美観回復根本的な強度回復・長寿命化
おすすめなケース漆喰の軽微なひび割れ棟の歪み・ズレ・大規模な漆喰の崩れ

より詳しく知りたい方は
下記よりお問い合わせください。

フリーダイヤル 0120-905-454 (平日・土曜 9:00~18:00)

【写真で見る】棟の積み直し工事の全工程をステップ解説

ドローン

「解体して積み直すって、具体的に何をするの?」という疑問に、実際の工事の流れを写真付きで分かりやすくお答えします。

【Step 1】既存棟の解体・撤去
まず、棟瓦(冠瓦、のし瓦)を一枚ずつ慎重に取り外します。その後、内部にある劣化した漆喰や古い葺き土をすべてきれいに取り除きます。

【Step 2】下地の清掃と防水処理
葺き土がなくなった屋根面を清掃し、下地の状態を確認します。そして、棟の中心線に沿って新しい防水シートを施工し、雨水の侵入経路を確実に断ちます。

【Step 3】新しい土台の作成
昔ながらの葺き土の代わりに、現代では防水性・耐久性に優れた「南蛮漆喰(なんばんしっくい)」を使って、強固な土台を形成していきます。

【Step 4】棟瓦の積み直し
土台の上に、取り外しておいた「のし瓦」を一段ずつ丁寧に積んでいきます。この際、瓦がズレないように銅線で緊結します。

【Step 5】仕上げ
一番上に「冠瓦」を被せ、瓦の隙間を漆喰で美しく仕上げて工事完了です。歪みのない、まっすぐで強固な棟が再生されます。

棟の積み直しの費用はいくら?相場と詳細な内訳

棟の積み直し費用は、一般的に1メートルあたりの単価で11,000円~18,000円が相場です。一般的な住宅の棟の長さ(15m~25m)で計算すると、工事全体の総額は20万円~50万円前後が多くなります。

【総額50万円の場合の費用内訳イメージ】

費用項目費用の目安割合備考
足場設置費用18万円36%2階建て以上では必須。費用の大部分を占める。
施工費(人件費)15万円30%職人の技術料。安すぎる場合は注意が必要。
材料費8万円16%南蛮漆喰や新しい瓦代など。瓦の再利用で変動。
廃材処分費4万円8%撤去した古い葺き土や漆喰の処分費用。
諸経費5万円10%現場管理費、交通費など。

費用と耐久性を左右する!「湿式工法」と「乾式工法」

寄棟 屋根

棟の積み直しには、伝統的な「湿式工法」と、現代の防災基準に対応した「乾式工法」があります。どちらを選ぶかで、費用と将来の安心感が大きく変わります。

湿式工法(伝統工法)

  • 特徴:南蛮漆喰などの湿った材料で瓦を固定する昔ながらの方法。
  • メリット:初期費用が乾式工法に比べてやや安い。
  • デメリット:地震の揺れで土台が崩れやすい。約10年ごとの漆喰メンテナンスが必要。

乾式工法(最新の防災工法)

  • 特徴:漆喰や土を一切使わず、専用の金具や防水テープ、強力なビスで棟を固定する方法。
  • メリット
    • ビスで下地に強力固定するため、耐震性・耐風性が格段に高い
    • 漆喰を使わないため、定期的なメンテナンスが不要になる。
    • 土を使わない分、屋根が軽くなり耐震性が向上する。
  • デメリット:専用部材を使うため、初期費用が湿式工法よりやや高い。

【結論】
初期費用は少し高くなりますが、地震や台風への安心感、そして将来のメンテナンスコストを考えると、圧倒的に「乾式工法」またはそれに準じた「ガイドライン工法」がおすすめです。

まとめ:棟の歪みは根本治療を!

屋根の棟にズレや歪み、大規模な漆喰の剥がれといった症状が見られる場合、表面的な「漆喰補修」では解決できません。一度すべてを解体し、中から作り直す「棟の積み直し」こそが、雨漏りのリスクを断ち切り、屋根の寿命を延ばすための唯一の根本治療です。

  • 工事の判断基準:棟の歪みやズレがあれば「積み直し」が必要。
  • 費用相場20万円~50万円が目安。足場代が大きな割合を占める。
  • 工法の選択:長期的な安心とメンテナンスフリーを求めるなら「乾式工法」が最適。

棟の異常は、家全体へのダメージに繋がる重大なサインです。放置すればするほど、修理費用は高額になっていきます。少しでも気になる点があれば、手遅れになる前に、信頼できる屋根の専門業者に相談しましょう。

クイック屋根工事

私たちクイック屋根工事は、日本全国で建物の屋根を中心に、あらゆるリフォーム工事を手がけています。

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「兵庫県姫路市で屋根修理をお願いしましたが、親切な対応と確かな技術で大満足です!」(50代・女性)
「雨漏りが気になっていましたが、しっかりと原因を特定し、丁寧に施工していただきました」(40代・女性)

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