「うちの屋根、スレートらしいけど、どんな種類なんだろう?」
「スレート屋根のメンテナンスをしたいけど、塗装でいいのかな?」
日本の戸建て住宅で最も広く普及している「スレート屋根」。しかし、実は「スレート」と一括りにできないほど、形状や製造された年代によって多くの種類が存在し、それぞれ特徴やメンテナンス方法が全く異なります。
特に注意が必要なのが、製造年代によっては塗装ができない、あるいは塗装しても意味がないどころか、かえって屋根を傷めてしまう製品があることです。
この記事では、ご自宅の屋根がどの種類のスレートなのかを判断できるよう、「形状」と「年代」という2つの軸から、スレート屋根の種類とその見分け方を徹底解説。種類ごとに最適なメンテナンス方法まで、初心者の方にも分かりやすくご紹介します。
そもそもスレート屋根とは?2つの大分類
まず、「スレート」には大きく分けて2つの種類があることを知っておきましょう。
- 天然スレート
粘板岩(ねんばんがん)という天然の石を薄く加工した屋根材です。非常に高価で重厚感があり、ヨーロッパの城や東京駅の屋根などに使われていますが、一般の住宅で使われることはほとんどありません。 - 化粧スレート
セメントに繊維材料を混ぜて薄い板状に固めた人工の屋根材です。現在、日本で「スレート屋根」といえば、ほぼ100%この化粧スレートを指します。この記事でも、以降「スレート」=「化粧スレート」として解説します。
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【形状で見る】化粧スレートの3つの種類
化粧スレートは、その見た目の形で3種類に分けられます。ご自宅の屋根がどのタイプか、まずは形状を確認してみましょう。
① 平板(へいばん)スレート
日本の戸建て住宅で最もよく見かける、薄くて平らな形状のスレートです。ケイミュー株式会社の「カラーベスト」というシリーズの中の「コロニアル」という商品が圧倒的なシェアを誇るため、「カラーベスト」や「コロニアル」という商品名が、平板スレートの代名詞として使われることもあります。
② 厚型スレート(セメント瓦)
瓦のように厚みと立体感を持たせたスレートです。セメントが主成分であることから「セメント瓦」とも呼ばれます。1990年代に人気を博した「セキスイかわらU」などが代表的ですが、陶器瓦に比べて耐久性が劣ることなどから、現在ではほとんど製造されていません。
③ 波形スレート
大きな波型の形状をしたスレートです。耐久性が高く安価なため、主に工場や倉庫、体育館などの大規模な建物で使われ、一般の戸建て住宅で採用されることは稀です。
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【年代で見る】最も重要!アスベストの有無と材質の変遷
ここからが最も重要なポイントです。スレート屋根の性能とメンテナンス方法を決定づけるのが、「製造された年代」とそれに伴う「アスベスト(石綿)の有無」です。
| 世代 | 第一世代:石綿(アスベスト)含有スレート | 第二世代:初期ノンアスベストスレート | 第三世代:現行ノンアスベストスレート |
|---|---|---|---|
| 製造年代の目安 | ~2004年頃 | 1996年頃~2008年頃 | 2008年頃~現在 |
| 特徴 | アスベストの補強効果で非常に頑丈で長持ちする。 | 技術が未熟で耐久性が著しく低い製品が多い。【要注意】 | 改良され、耐久性が向上している。 |
| 代表製品 | ニューコロニアルなど | パミール、コロニアルNEOなど | コロニアルクァッド、グラッサシリーズなど |
| 主な症状 | 経年による色褪せ、コケ | ひび割れ、欠け、層間剥離が早期に発生。 | 経年による色褪せ、コケ |
| 最適なメンテナンス | 塗装、カバー工法 | カバー工法 or 葺き替え (塗装は不可!) | 塗装、カバー工法 |
【要注意】第二世代「初期ノンアスベストスレート」の問題点
アスベストの使用が規制され始めた1990年代後半から2000年代半ばにかけて製造されたスレート(パミール、コロニアルNEOなど)は、アスベストの代替技術が未熟だったため、非常に脆く、耐久性に深刻な問題を抱えています。
これらの製品は、築10~15年という早い段階で、表面がミルフィーユのように剥がれる「層間剥離」や、無数のひび割れ、欠けといった症状が現れます。屋根材自体がボロボロの状態なので、上から塗装をしても全く意味がなく、高圧洗浄の水圧でさらに屋根を破壊してしまう可能性さえあります。
もしご自宅の屋根がこの世代のスレートだった場合、メンテナンス方法は「カバー工法」か「葺き替え」の二択となります。
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自宅の屋根はどれ?スレートの種類を見分ける方法
ご自宅の屋根の種類を特定するための、簡単なチェック方法をご紹介します。
Step 1:形状を確認する
まずは屋根の形が「平板」「厚型」「波形」のどれに当てはまるか、見た目で判断しましょう。ほとんどの戸建て住宅は「平板スレート」のはずです。
Step 2:築年数を確認する
建築時の図面や契約書で、家が建てられた年を確認します。
- 2004年以前に建てられた家 → 第一世代(アスベスト含有)の可能性が非常に高いです。
- 1996年~2008年頃に建てられた家 → 【要注意】第二世代(初期ノンアスベスト)の可能性があります。専門家による診断をおすすめします。
- 2008年以降に建てられた家 → 第三世代(現行品)の可能性が高いです。
Step 3:製品名が分かる場合は確認する(設計図書など)
もし設計図書などが残っていれば、屋根材の商品名が記載されていることがあります。「パミール」や「コロニアルNEO」といった記載があれば、第二世代の問題製品で確定です。
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【種類別】最適なメンテナンス方法と費用相場
ご自宅のスレートの種類が特定できたら、それに合ったメンテナンス方法を選びましょう。
| スレートの種類 | 推奨されるメンテナンス方法 | 費用相場(30坪住宅) |
|---|---|---|
| 第一世代(アスベスト含有) | 塗装 or カバー工法 (葺き替えはアスベスト処分費が高額になるため慎重に検討) | 塗装:40万~60万円 カバー工法:100万~160万円 |
| 第二世代(初期ノンアス) | カバー工法 or 葺き替え (塗装は絶対にNG!) | カバー工法:100万~160万円 葺き替え:180万~220万円 |
| 第三世代(現行品) | 塗装 (劣化が進んでいればカバー工法や葺き替え) | 塗装:40万~60万円 |
| 厚型スレート(セメント瓦) | 塗装 (劣化が激しい場合は葺き替え) | 塗装:40万~60万円 |
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まとめ
スレート屋根と一言で言っても、その種類は様々です。そして、その種類によって最適なメンテナンス方法は大きく異なります。
- まずは形状と築年数で自宅の屋根の種類を把握しよう。
- 特に1996年~2008年頃に建てられた家は要注意! 塗装ができない「パミール」「コロニアルNEO」などの可能性があります。
- 間違ったメンテナンスは費用が無駄になるだけでなく、屋根を傷める原因にも。
「うちの屋根はどの種類だろう?」と少しでも不安に思ったら、自己判断で塗装などを決めてしまう前に、まずは信頼できる屋根の専門業者に無料点検を依頼し、正確な診断をしてもらうことが、失敗しない屋根リフォームの最も確実な第一歩です。
クイック屋根工事
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