「うちの瓦屋根、そろそろ葺き替えの時期かな…単価や費用はどれくらい?」
「瓦の種類によって、葺き替えの値段ってそんなに変わるもの?」
「高額な工事だからこそ、費用の内訳や適正価格をしっかり知りたい!」
日本の伝統的な美しさと高い耐久性を誇る「瓦屋根」。しかし、どんなに丈夫な瓦屋根も、経年劣化や自然災害の影響により、いずれは「葺き替え(ふきかえ)工事」という大規模なリフォームが必要になることがあります。
「瓦屋根の葺き替えって、具体的にどんな作業が含まれて、それぞれの単価は?」
「他の屋根材に葺き替える場合と、また瓦に葺き替える場合で費用は違うの?」
「できるだけ費用を抑えたいけど、品質は落としたくない…」
この記事では、そんな瓦屋根の葺き替えに関するあらゆる費用や単価の疑問を解消するため、
「瓦屋根の葺き替えが必要になるサインとは?」
「葺き替え工事の具体的な内容と、単価・費用を左右する要因」
「【種類別】瓦屋根の葺き替え費用相場と、詳細な単価の内訳」
「他の屋根材への葺き替えとの費用比較」
「瓦屋根の葺き替え費用を賢く抑えるためのポイント」
について、初心者の方にも分かりやすく徹底的に解説します!
瓦屋根の「葺き替え」とは?~どんな時に必要になるの?~
まず、「瓦屋根の葺き替え」がどのような工事で、どんな時に必要になるのかを理解しておきましょう。
瓦屋根の葺き替え工事とは、既存の古い瓦を全て撤去し、その下にある防水紙(ルーフィング)や野地板(下地合板)、瓦桟(かわらざん:瓦を引っ掛ける木材)などの下地材の状態を確認・補修または交換した上で、新しい瓦(または他の屋根材)を施工する、最も根本的な屋根リフォーム方法です。
【瓦屋根の葺き替えが必要になる主なケース】
- 瓦自体の著しい劣化・損傷
- 広範囲にわたる瓦の割れ、欠け、凍害(瓦が水分を吸って凍結・融解を繰り返し劣化する現象)など。
- セメント瓦や一部の乾式洋瓦など、塗装が必要な瓦で、塗装メンテナンスを長期間怠り、瓦自体の強度が著しく低下している場合。
- 防水紙(ルーフィング)の寿命
- 瓦自体は50年以上の耐久性がありますが、その下に敷かれている防水紙の寿命は一般的に20年~30年程度です。防水紙が劣化すると雨漏りの原因となるため、防水紙の寿命に合わせて葺き替え(または葺き直し)を検討する必要があります。
- 野地板(下地合板)の腐食・劣化
- 雨漏りや結露などにより、野地板が広範囲にわたって腐食したり、強度が低下したりしている場合。葺き替え時には下地の状態を直接確認・補修できるため、根本的な解決が可能です。
- 棟(むね)の大きな歪みや崩れ
- 屋根の頂上部である棟が、地震や強風、葺き土の流出などにより大きく歪んだり、崩れたりしている場合。部分的な棟の積み直しで対応できないほど深刻な場合は、葺き替えを伴う大規模な修繕が必要になることがあります。
- 耐震性向上(屋根の軽量化)
- 特に古い土葺き工法(大量の土を使う伝統的な工法)で施工された重い瓦屋根の場合、地震時の建物への負荷を軽減するために、軽量な瓦(軽量防災瓦など)や、ガルバリウム鋼板などの金属屋根材に葺き替えるケースが増えています。
- デザインの一新
- 家の外観イメージを大きく変えたい場合。
「まだ雨漏りしていないから大丈夫」と思っていても、防水紙や下地の劣化は静かに進行している可能性があります。定期的な専門業者による点検を受け、適切な時期に葺き替えを判断することが重要です。
瓦屋根の葺き替え費用の詳細な内訳と単価の目安
瓦屋根の葺き替え工事は、多くの工程と材料で構成されます。一般的な30坪(屋根面積約80㎡~100㎡)の戸建て住宅を例に、主な費用の内訳とそれぞれの単価の目安を見ていきましょう。
| 費用項目(工程) | 1㎡または1mあたりの単価目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 1. 仮設工事 | ||
| 足場設置・解体(養生含む) | 800円~1,500円/㎡ | 2階建て以上の場合、ほぼ必須。総額で15万円~25万円程度。 |
| 2. 既存瓦・下地撤去 | ||
| 既存瓦の撤去(瓦降ろし) | 2,000円~4,000円/㎡ | 瓦の種類(土葺きか桟葺きかなど)や屋根の形状による。 |
| 葺き土・瓦桟などの撤去(必要な場合) | 500円~1,500円/㎡ | 土葺きの場合や、瓦桟が劣化している場合。 |
| 3. 廃材処分費 | ||
| 瓦・葺き土・その他廃材の処分 | 2,000円~5,000円/㎡ | 撤去するものの量や種類、地域によって大きく変動。特に葺き土の処分費は高くなる傾向あり。 |
| 4. 野地板(下地合板)工事 | ||
| 野地板清掃・部分補修 | 500円~2,000円/㎡ | 軽微な場合の費用。 |
| 野地板増し張り・全面張替え | 2,000円~6,000円/㎡ | 既存野地板の劣化が著しい場合。構造用合板などを使用。 |
| 5. 防水紙(ルーフィング)敷設 | ||
| 改質アスファルトルーフィングなど | 500円~1,500円/㎡ | 近年では耐久性・防水性の高い改質アスファルトルーフィングが主流。 |
| 6. 瓦桟(かわらざん)取り付け | ||
| 防腐処理された木材など | 800円~1,500円/㎡ | 新しい瓦を引っ掛け、固定するための下地材。 |
| 7. 新しい瓦本体費+施工費(葺き手間) | 瓦の種類により大きく変動 | 下記参照 |
| 8. 棟(むね)工事費 | ||
| 棟瓦積み、漆喰・南蛮仕上げなど | 8,000円~22,000円/m | 棟の形状(陸棟、隅棟など)、段数、施工方法(湿式、乾式など)による。 |
| 9. 役物(やくもの)工事費 | ||
| 軒先瓦、ケラバ瓦、壁際水切りなど | 形状・数量により変動 | 特殊な形状の瓦や、雨仕舞のための板金部材など。 |
| 10. 諸経費 | 工事総額の5%~10%程度 | 運搬費、現場管理費、事務手数料など。 |
【新しく葺く瓦の種類別 本体費+施工費の単価目安(1㎡あたり)】
| 新しい瓦の種類 | 1㎡あたりの単価目安(材料+施工費) | 特徴 |
|---|---|---|
| 日本瓦(J形瓦:陶器瓦) | 8,000円~15,000円 | 伝統的な形状。釉薬瓦、いぶし瓦など。耐久性・美観に優れる。 |
| 洋瓦(S形瓦、F形瓦など:陶器瓦) | 8,000円~16,000円 | S字型やフラットな形状などデザイン豊富。南欧風など洋風建築に。 |
| セメント瓦・コンクリート瓦 | 6,000円~10,000円 | 陶器瓦より安価な場合があるが、定期的な塗装が必要。近年は採用減。 |
| 軽量瓦(防災瓦含む) | 7,000円~12,000円 | ケイミュー社の「ROOGA(ルーガ)」など、樹脂混入セメント系や、従来の陶器瓦を軽量化したもの。耐震性向上に貢献。 |
(単価は各資料の情報を総合的に比較し、一般的な範囲で記載)
【種類別】瓦屋根の葺き替え費用相場~我が家の場合はいくらくらい?~
上記の単価を元に、一般的な30坪(屋根面積約80㎡~100㎡)の戸建て住宅で、既存の瓦屋根から新しい屋根材へ葺き替える場合の総費用相場を見てみましょう。
| 既存の屋根材 | 新しく葺く屋根材 | 総費用の目安(足場代、撤去処分費など全て込み) |
|---|---|---|
| 瓦屋根(日本瓦など) | 新しい瓦(防災瓦など) | 約110万円~250万円以上 |
| スレート(カラーベスト) | 約70万円~180万円 | |
| ガルバリウム鋼板 | 約80万円~200万円 | |
| アスファルトシングル | 約70万円~190万円 |
(注)上記の費用はあくまで一般的な目安です。特に以下の要因で費用は大きく変動します。
- 既存瓦の撤去方法: 特に古い「土葺き工法」の場合、大量の葺き土の撤去・処分費用が加算され、高額になる傾向があります。
- 下地の状態: 野地板の腐食が広範囲な場合は、その補修・交換費用が大きく影響します。
- 選択する新しい瓦の種類とグレード: 高機能な防災瓦やデザイン性の高い瓦は価格が上がります。
- 屋根の形状の複雑さ: 切妻屋根か寄棟屋根か、棟の数や形状など。
- 役物の種類と数: 特殊な役瓦(鬼瓦、袖瓦など)を使用する場合。
瓦から瓦への葺き替えは、他の軽量屋根材への葺き替えに比べて、材料費や施工の手間から費用が高くなる傾向があります。 しかし、瓦ならではの耐久性や美観、断熱性・遮音性といったメリットを重視する方にとっては、価値のある選択と言えるでしょう。
瓦屋根の葺き替え費用を賢く抑えるためのポイント
高額になりがちな瓦屋根の葺き替え工事。費用を少しでも抑えるためのポイントをご紹介します。
- 複数の専門業者から相見積もりを取る
- 瓦屋根の葺き替えは専門性が高いため、必ず複数の瓦工事専門業者または屋根工事専門業者に見積もりを依頼し、工事内容、使用材料、単価、総額を徹底的に比較しましょう。
- 既存瓦の再利用(葺き直し)
- もし既存の瓦自体の状態が良い場合(割れや大きな欠けがないなど)、瓦を再利用し、下地(防水紙や瓦桟)のみを新しくする「葺き直し工事」という選択肢もあります。これにより、新しい瓦の材料費を大幅に削減できます。ただし、葺き直しができるかどうかは専門家の判断が必要です。
- シンプルな形状・種類の瓦を選ぶ
- 新しい瓦を選ぶ際、複雑な形状の役瓦を多用したり、特殊な高級瓦を選んだりすると費用が上がります。シンプルな形状の瓦や、標準的なグレードの製品を選ぶことでコストを抑えられます。
- 補助金・助成金制度の活用
- お住まいの自治体によっては、耐震化(屋根の軽量化など)や省エネリフォーム(断熱性の向上など)を目的とした屋根リフォームに対して補助金制度を設けている場合があります。瓦屋根から軽量な屋根材への葺き替えなどが対象になる可能性があります。
- 火災保険の適用(自然災害による被害の場合)
- 台風や地震、雹(ひょう)などの自然災害によって瓦屋根が大きな被害を受け、葺き替えが必要になった場合は、加入している火災保険が適用できる可能性があります。
- 地元の信頼できる業者に直接依頼する
- 大手リフォーム会社経由の場合、中間マージンが発生することがあります。地元で実績のある瓦工事店や屋根工事店に直接相談することで、適正価格での施工が期待できます。
まとめ:瓦屋根の葺き替え、単価と費用をしっかり理解し、最適なリフォームを!
瓦屋根の葺き替え工事は、その耐久性と美観を長期間維持するための重要なメンテナンスです。費用は高額になる傾向がありますが、その内訳や単価、そして費用を左右する要因を理解することで、納得のいくリフォーム計画を立てることができます。
瓦屋根の葺き替え費用と単価で後悔しないための重要ポイント
- 葺き替えが必要な屋根の状態(瓦の劣化、防水紙の寿命、下地の状態など)を専門業者に正確に診断してもらう。
- 新しい瓦の種類(日本瓦、洋瓦、軽量瓦など)や、他の屋根材(金属、スレートなど)への変更によって、費用相場が大きく異なることを理解する。
- 費用の内訳(足場、既存瓦撤去・処分、下地補修、新しい瓦本体・施工、棟工事、諸経費など)を詳細に確認する。
- 特に古い土葺き瓦の葺き替えは、葺き土の処分費用などで高額になる傾向があることを認識する。
- 複数の信頼できる瓦工事専門業者または屋根工事専門業者から見積もりを取り、内容と費用を慎重に比較検討する。
- 既存瓦の状態が良ければ「葺き直し」も検討し、費用を抑える選択肢を探る。
- 補助金制度や火災保険の活用も視野に入れる。
瓦屋根の葺き替えは、専門的な知識と高度な技術が必要な工事です。必ず信頼できるプロの業者に相談し、丁寧な説明を受け、ご自身の希望と予算に合った最適なプランを選びましょう。この記事が、あなたの瓦屋根リフォーム計画の一助となれば幸いです。
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