【トタン屋根の雨漏りをコーキングでDIY修理】正しい手順と注意点、プロが教える限界と本当の解決策

「古い物置のトタン屋根に穴が開いて、雨漏りしている…」
「業者に頼むほどではないけど、とりあえず自分で何とかしたい」
「トタン屋根の雨漏りって、ホームセンターのコーキング剤で修理できるの？」

かつて多くの建物で活躍したトタン屋根。しかし、経年劣化による「サビ」と、それに伴う「雨漏り」は避けては通れない宿命です。
高額な修理費用を考えると、「まずは自分でコーキング（シーリング）を打って、応急処置できないだろうか」と考える方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、条件付きで、DIYによるコーキング修理は可能です。
しかし、正しい手順と知識なしに行うと、雨漏りを悪化させ、かえって修理費用を高額にしてしまう危険性もはらんでいます。

この記事では、そんな「トタン屋根の雨漏りとコーキング修理」に徹底的にフォーカスし、

• そもそも、なぜトタン屋根は雨漏りしやすいのか？
• 【DIY編】コーキング修理の正しい全手順と、必要な道具
• 【重要】プロが警告する、DIYコーキングの注意点と限界
• 根本解決のための、プロによる修理方法とその費用相場

まで、トタン屋根の雨漏りでお悩みのすべての方が知っておくべき情報を、専門家の視点から分かりやすく、そして詳しく解説していきます。

なぜトタン屋根は雨漏りしやすいのか？その根本的な原因を知る

まず、なぜトタン屋根は雨漏りのリスクが高いのでしょうか。その素材が持つ弱点を理解することが、正しい修理方法を知るための第一歩です。

トタンとは、薄い鉄板（鋼板）を亜鉛のメッキでコーティングしただけの、非常にシンプルな金属板です。このシンプルさが、雨漏りの原因と直結しています。

トタン屋根の雨漏り 3大原因	詳細と解説
① サビによる「穴あき」	これが最も多い原因です。表面の亜鉛メッキ層に傷がついたり、経年で薄くなったりすると、内部の鉄板が剥き出しになり、雨水と酸素に触れて一気にサビが発生します。一度発生したサビは瞬く間に広がり、やがて鉄板を腐食させて小さな穴を開けてしまいます。
② 釘穴の劣化と緩み	トタン屋根は、たくさんの釘を使って下地の木材に固定されています。この釘穴の周りの防水処理が経年で劣化したり、熱による伸縮で釘が緩んだりすると、その釘穴から雨水が浸入します。
③ 強風による「めくれ」と「変形」	トタンは非常に軽量で柔らかい素材のため、台風などの強風で継ぎ目（ジョイント）がめくれ上がったり、変形したりしやすいという弱点があります。一度めくれた部分に風が入り込むと、そこから一気に被害が拡大してしまいます。

より詳しく知りたい方は
下記よりお問い合わせください。

フリーダイヤル　0120-905-454　（平日・土曜　9:00～18:00）

【DIY編】トタン屋根の雨漏りをコーキングで修理する全手順

「原因は分かった。では、どうやってコーキングで修理するの？」
ここでは、DIYで応急処置を行う際の、プロも実践する正しい手順を詳しく解説します。

【DIY修理ができる絶対条件】

• 作業場所が1階の屋根など、転落の危険が少ない低い場所であること。
• 雨漏りの原因が、小さなサビ穴や釘穴の隙間など、目視で明確に特定できること。
• 雨が止んでおり、屋根が完全に乾いていること。

※2階以上の屋根での作業は、プロでも危険を伴います。絶対にやめましょう。

STEP1：必要な道具を揃える

まずはホームセンターで以下の道具を揃えましょう。

道具	役割
① コーキング剤	隙間を埋める主役。トタン（金属）に使える「変成シリコン系」がおすすめ。
② コーキングガン	コーキング剤をカートリッジから押し出すための道具。
③ プライマー	コーキング剤の密着性を高める下塗り材（接着剤）。省略厳禁！
④ 刷毛（ハケ）	プライマーを塗るための筆。
⑤ マスキングテープ	コーキングがはみ出さないように養生するためのテープ。
⑥ ヘラ	充填したコーキングを平らにならすための道具。
⑦ ワイヤーブラシ・紙やすり	サビや古い塗膜を削り落とすための道具。
⑧ カッター	古いコーキングを撤去する場合に使用。
⑨ 雑巾	清掃用。

STEP2：下地処理【仕上がりを左右する最重要工程！】

1. ケレン作業： ワイヤーブラシや紙やすりを使い、コーキングを打つ箇所のサビや古い塗膜を、銀色の鉄板が見えるまで徹底的に削り落とします。
2. 清掃： 削りカスやホコリ、油分などを、水拭きと乾拭きで完全に除去します。
   この下地処理が不十分だと、どんなに良いコーキング剤を使っても、数ヶ月で剥がれてしまいます。

STEP3：養生とプライマー塗布

1. マスキング： コーキングを打つ箇所の両脇を、マスキングテープでまっすぐに養生します。
2. プライマー塗布： 補修箇所に、プライマーを刷毛で薄く均一に塗布します。プライマーは、コーキング剤とトタン屋根を強力に接着させるための「両面テープ」のような役割を果たします。

STEP4：コーキング充填と仕上げ

1. プライマーが乾いたら、コーキングガンを使い、隙間の奥まで空気が入らないように、ゆっくりと一定のスピードでコーキング剤を充填します。
2. ヘラを使い、表面をなでるようにして平らにならします。
3. コーキングが乾ききる前に、マスキングテープをゆっくりと剥がして完成です。

【重要】プロが警告する、DIYコーキングの3つの注意点と限界

正しい手順で行えば、一時的に雨漏りを止めることは可能です。しかし、プロの視点から見ると、DIYでのコーキング修理には大きなリスクと限界があります。

1. あくまで「応急処置」である
   DIYで施工したコーキングの寿命は、もって1年～3年程度です。紫外線や熱によって必ず劣化し、再び同じ場所から雨漏りする可能性が非常に高いです。
   
2. 原因の特定ミスによる被害拡大のリスク
   「ここが原因だろう」と塞いだ場所が、実は水の出口に過ぎず、本当の浸入口は別の場所にある、というケースは非常に多いです。出口を塞がれた水は、行き場を失って別の場所に流れ、新たな雨漏りを引き起こしたり、下地の腐食を加速させたりする危険性があります。
   
3. 修理費用が高くなる可能性
   不適切なコーキングが広範囲にベッタリと付着していると、プロが本格的な修理を行う際に、まずそのコーキングを剥がすという余計な手間と費用が発生してしまいます。

【根本解決】プロによる修理方法と、その費用相場

DIYでの応急処置後は、なるべく早く専門業者に相談し、根本的な修理を検討しましょう。

修理方法	こんな症状のときに	工事内容	費用相場の目安
屋根塗装	・全体的に色あせや軽微なサビが見られる ・雨漏りはしていないが、予防したい	高圧洗浄でサビや汚れを落とし、サビ止め塗料と仕上げ塗料を塗ることで、トタン屋根の防水性と寿命を延ばす。	15万～40万円
屋根カバー工法	・下地の腐食は軽微だが、トタン自体の劣化が激しい ・費用を抑えて根本的に解決したい	既存のトタン屋根の上に、新しい防水シートと、軽量なガルバリウム鋼板などを被せる。	60万～120万円
屋根葺き替え	・雨漏りがひどく、下地まで腐食している ・この機会に屋根を完全にリフレッシュしたい	既存のトタン屋根をすべて撤去し、下地から新しく作り直し、新しい屋根材を施工する。	70万～150万円

まとめ：トタン屋根のコーキング修理は「応急処置」。根本解決はプロに相談を

今回は、トタン屋根の雨漏りをコーキングで修理する方法について、その手順から注意点までを詳しく解説しました。

• トタン屋根の雨漏りの最大の原因は「サビによる穴あき」。
• DIYでのコーキング修理は、正しい手順と下地処理を行えば、一時的な応急処置として有効。
• しかし、原因特定ミスによる被害拡大のリスクがあり、あくまで「応急処置」と心得るべき。
• 雨漏りの再発を防ぎ、根本的に解決するには、塗装やカバー工法、葺き替えといったプロによるリフォームが必要。

トタン屋根の雨漏りは、放置しても良いことは一つもありません。むしろ、日に日に建物を蝕み、最終的な修理費用を増大させていくだけです。
雨漏りのサインに気づいたら、まずはこの記事を参考に、安全な範囲で応急処置を行い、できるだけ早く専門家に相談しましょう。早期の対応こそが、あなたの大切な住まいと資産を守るための、最も賢明で確実な方法なのです。

クイック屋根工事

私たちクイック屋根工事は、日本全国で建物の屋根を中心に、あらゆるリフォーム工事を手がけています。

【累計6,000件以上の施工実績】

屋根葺き替えや屋根カバー工事、屋根塗装、防水工事から、雨樋の修理、内装工事まで幅広い工事に対応。独自の全国派遣ネットワークにより、迅速な対応が可能です。各地で培った経験をもとに、地域の気候や建築様式に適した最適な修理方法をご提案いたします。

【専門資格を持つ職人が対応】

弊社では、厳しい加盟条件を満たした専門修理業者をご紹介します。すべての業者が「一級建築士」「屋根工事技士」などの資格を持つ専門家による監修のもと、豊富な経験を活かした施工を行います。

【お客様の声】

「兵庫県姫路市で屋根修理をお願いしましたが、親切な対応と確かな技術で大満足です！」（50代・女性）
「雨漏りが気になっていましたが、しっかりと原因を特定し、丁寧に施工していただきました」（40代・女性）

屋根やお家のリフォームのことなら、お気軽にご相談ください。