屋根の工事やリフォームをご検討の方の為に、屋根に使用する材料について、詳しくご紹介します。各屋根材の価格や特徴、いつどのようなメンテナンスが必要なのかなどをまとめました。材料選びの参考にしてください。
屋根材の種類はおおきく4つに分類される
屋根に使われている材料は大きく分けると、粘土瓦(釉薬、無釉)、セメント瓦(プレスセメント瓦、コンクリート瓦)、スレート瓦(化粧スレート、天然スレート)、金属系の4種類に分けられます。
どの屋根材が自分に希望に合うのか? それぞれの屋根材の特徴や価格帯、将来のメンテナンスの費用や頻度も確認しておくことが大切です。
※比較表はあくまで主観ですので、参考程度にしてください。
より詳しい見積もりをご希望の方は
下記よりお問い合わせください。
瓦(和瓦・洋瓦)
粘土を使った焼きものの屋根材です。
耐久性が高く、塗り替えの必要がありません。
ほかの屋根材よりも重く、厚みもあるため、遮音性、断熱性、耐熱性に強みがあります。
ネックとなるのは、重さです。耐震性を考慮した工事仕様が求められます。
近年では、遮熱性に優れた軽い対応のものを商品化されています。
耐久性 | 50年~100年 |
---|---|
価格 | 8,000円~12,000円 / ㎡(材工費) |
メリット |
|
デメリット |
|
メンテナンス | 下葺材(屋根の下地)・棟部のしっくいの定期点検などある程度のメンテナンスが必要になります。屋根を交換したい場合は、凹凸があるため、カバー工法は不向きです。既存屋根材を撤去する葺き替えが必要になります。 |
スレート(コロニアル・カラーベスト)
セメント成分に繊維質の材料を織り交ぜてできた薄い屋根板です。
スレート以外にも、カラーベスト、コロニアルなどの商品名で呼ばれたりもします。
一般的に広く使用されており、そのため屋根材メーカーが作るデザインやカラーのバリエーションも豊富です。
価格が安価なことも普及している要因です。耐久性はそれほど高くはありませんが、耐久性に優れた塗料や遮熱塗料が塗装された屋根材もあります。
耐久性 | 20年~25年 |
---|---|
価格 | 4,500円~8,000円 / ㎡(材工費) |
メリット |
|
デメリット |
|
メンテナンス |
|
セメント瓦(プレスセメント瓦・コンクリート瓦)
セメントと砂を原料としたもので、プレスセメント瓦(厚形スレート)とコンクリート瓦に2分されます。
製造の方法によって分類することができます。
施工性がよく、衝撃にも強いため、一般によく使用されています。商品によってばらつきも少なく寸法の制度も高いこともメリット言えます。
期待する耐久年数は30年程度、塗装することでさらに延命することが可能です。
耐久性 | 30年~40年 |
---|---|
価格 | 6,000円~8,000円 / ㎡(材工費) |
メリット |
|
デメリット |
|
メンテナンス |
|
金属屋根・トタン
トタンというのは亜鉛メッキ鋼板のことをいいます。
トタン屋根の最大のメリットは、雨漏りしにくいという点。
しかも軽量で安価であるため、以前はトタン屋根を選ぶ方が多かったようです。
反面、サビが発生しやすく、断熱性能がないので室内の温度も上がりやすく、夏場は空調費用がかさむという難点もあります。最近では、トタンを使用した住宅は減少しています。
耐久性 | 10年~20年 |
---|---|
価格 | 5,000円~6,000円 / ㎡(材工費) |
メリット |
|
デメリット |
|
メンテナンス |
|
ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板は、アルミニウムが55%含まれます。
アルミニウムの特徴である耐食性、耐熱性、熱反射性が付与されています。
また、43.4%含有の亜鉛の犠牲防食機能により、従来のトタンなどよりも耐久性が格段に向上しています。
加工性もよくあらゆる用途に使用されています。
耐久性 | 塩害地域で15年、それ以外の地域で30年 |
---|---|
価格 | 6,000円~9,000円 / ㎡(材工費) |
メリット |
|
デメリット |
|
メンテナンス |
|
自然石粒付ガルバリウム(ジンカリウム鋼板)
ガルバリウム鋼板の表面に細かな石粒を吹き付けたものがジンカリウム鋼板です。
素材は、ガルバリウム鋼板もジンカリウム鋼板も同じです。
ジンカリウム鋼板の特徴は、紫外線で劣化しない鉱物などの細かな粒を吹き付けることで、耐久性をあげています。
他にも表面の砂状の粒により雨音がガルバリウム鋼板よりも静かになります。
定期的な塗装は不要ですが、厚みがガルバリウム鋼板と大差がないので、断熱性を考慮して施工しなければなりません。
耐久性 | 40年~50年 |
---|---|
価格 | 7,000円~12,000円 / ㎡(材工費) |
メリット |
|
デメリット |
|
メンテナンス |
|
ステンレス
ステンレス屋根材はさびに強いため、海岸近くにお住いの方はよく検討される屋根材です。
表面の塗装は、ガルバリウム鋼板と同様に工場で塗装されていますので、当然、経年による紫外線で色あせてきます。
ただし、色あせを気にしない方は塗装メンテナンスは不要です。
ガルバリウム鋼板などと比較して価格がかなり高いので、一般住宅には普及していません。
沿岸地域でなければあまり作用されない屋根材です。
耐久性 | 50年 |
---|---|
価格 | 10,000円~14,000円 / ㎡(材工費) |
メリット |
|
デメリット |
|
メンテナンス | 塗装メンテナンスは不要です。15年経過してから、色あせが気になる方は、美観目的で塗装してもいいです。下葺き材の点検や、棟板金などの釘の浮きなど定期点検は必要です。 |
銅
銅板屋根、その厚みによって耐久性が変わってきます。
下地をしっかりと施工し0.4mm程度の厚みであれば100年もつと言われていた時期もあります。
現在は、酸性雨などにより、屋根に穴があく事例が多く発生しています。
新築時は、新品の10円玉のような色ですが、
緑青(ろくしょう)が出ることにより、緑色に変化していきます。
それ以降は大きな変化はなく長持ちします。
耐久性 | 60年以上 |
---|---|
価格 | 18,000円~20,000円 / ㎡(材工費) |
メリット |
|
デメリット |
|
メンテナンス | メンテナンスは不要ですが、下葺き材や浮き釘の点検が必要です。銅板に穴があいた場合は、屋根替えか、カバー工法によるリフォームが必要です。 |
アスファルトシングル(グラスファイバーシングル)
不燃布やガラス繊維であるグラスファイバーにアスファルトを塗装し、さらに表面には、細かな石粒(砂)などを施し、アクリル樹脂で固めて仕上げた屋根材です。
昔はフェルト紙にアスファルトを浸透させていたので、それと比較して数段、耐久性が向上しました。
表面の石粒もキズが付きにくいといったメリットがあります。
耐久性 | 20年~30年 |
---|---|
価格 | 6,000円~8,000円 / ㎡(材工費) |
メリット |
|
デメリット |
|
メンテナンス | 表面に塗装された石粒が、紫外線に劣化されない鉱物を使用しているものなど、30年以上メンテナンスフリーといったものもあります。 一般的なアスファルトシングルは、10年サイクルで塗装が必要です。 |
陸屋根(ウレタン防水・シート防水・FRP・アスファルト防水)
陸屋根は屋上部分が平らな屋根のことです。雨水の排水が必要なので、わずかに勾配があります。最近は、ハウズメーカーの戸建て住宅でも平らな陸屋根が増えてきました。
陸屋根は、太陽光パネル、庭園などに活用されています。
陸屋根のメリットは、なんといってもスペースの有効活用ができる点です。また、端から端まで歩いていけるので、勾配のある屋根よりもメンテナンスが容易です。
雨漏りを防ぐ防水工事には色々な工法があります。
概ね10年程度で点検やメンテナンスをおこなうことによって被害や改修費用を抑えることができます。
防水工事の種類 | 耐久年数 | 価格 | 最適箇所 |
---|---|---|---|
ウレタン防水 | 10年 | 4,500円~7,000円 | すべて |
シート防水(ゴム) | 10年 | 4,000円~7,500円 | 陸屋根 |
シート防水(塩ビ) | 15年 | 4,000円~7,500円 | 陸屋根 |
FRP | 10年 | 5,000円~7,000円 | ベランダ |
アスファルト防水 | 15年 | 5,500円~8,000円 | 陸屋根 |
最近は、屋根の種類が豊富になりました。
スレート屋根でも工場で塗装される塗料のグレードによって耐久性が大きく変わってきます。
ガルバリウム鋼板も、フッソ加工されたもの、遮熱加工、石粒を吹き付けたジンカリウム鋼板など、様々です。
建設会社やリフォーム会社など、施工側が提案してくる得意な屋根材だけでなく、施主側も一度、各屋根材の特徴を確認して、選ぶことが大切です。メンテナンス費用など将来の出費にかかわってきます。この記事があなたの屋根材選びの参考になれば幸いです。